26 / 300
第1章 彼女の言葉はわからない
つもりで実現できはせず 2
しおりを挟む
大誤算もいいところだ。
面倒を避けるつもりが、厄介事を引き寄せてしまった。
皇太子は、彼女の「予測」とは違う行動を取っている。
ここにきて状況が変わりつつあるのを感じていた。
しかも、良くないほうに、だ。
「今夜にでも出立しますか?」
「できる?」
予定を繰り上げることになっても、早目に「逃亡」するほうがいい。
すでに片足を泥沼に突っ込んでいる。
時間をかければ、そのまま、底なし沼に引きずり込まれかねない状況だ。
「騒ぎを起こしても良ければ、すぐに出立可能です」
「騒ぎを起こすって、なんで? 夜に、こっそり皇宮に忍び込んで……」
言いかけてやめる。
そんなことを、フィッツが考えていないはずがないからだ。
皇宮に忍び込み、地下牢から隠し通路を抜け、皇宮の敷地を脱出する。
それが、カサンドラの立てていた計画だった。
非常に、ざっくりとしたものではあったが、カサンドラに注目する者はいなかったので、その程度で十分だと考えていたのだ。
けれど、フィッツの言いかたからすると、計画通りにはいかないらしい。
穏便な「脱出」は難しくなったのだろう。
フィッツが、サッと手を振った。
カサンドラの前の空間に、地図が現れる。
見た瞬間、体中から力が抜けた。
「この小屋を基点にして、半径5百メートル圏内に、2,3千人の兵が配置されています。監視体制も強化されたようですね」
地図上を動く赤い点の数に眩暈がする。
半径5百メートルということは、単純に考えて直径1キロの円の中で千人単位の兵たちがうごめいていることになるのだ。
きっと皇太子が手配したに違いない。
「中でも、この赤く点滅しているのは、中位から高位の騎士です。彼らは監視室に直結する装備品を持っているので、防衛レベルも引き上げられているでしょう」
誰を、なにから「防衛」する気なのか。
まったく余計なお世話にもほどがある。
毒は盛られかけたものの、ほとんど毎日は平和だった。
皇太子との「顔合わせ」やディオンヌの「虐め」以外、記憶に残るようなことはなにもない。
暗殺者に狙われたりという、命の危険を感じたことはないのだ。
「これほど大規模な警護体勢を敷くとは、皇太子の姫様に対する好感度が、かなり上昇しています」
「嫌なこと言わないでよ。上げたくて上げたんじゃないのにさぁ」
フィッツは警護と言っているし、たぶん、皇太子も「警護」のつもりだろう。
とはいえ、こんなに大掛かりなことをされると「逃亡の恐れあり」と見做され、監視されているのではないかと疑いたくなる。
「フィッツがいれば、十分だっての。ほかの警護なんかいらないよなぁ」
厳重警備、監視体制も万全とされている皇宮内を自在に歩き回れるフィッツ。
カサンドラを常に見守っており「一瞬」も目を離さないフィッツ。
これ以上の「警護」が必要だとは思えない。
というより、フィッツがいれば、安全は保証されていると思える。
「碌なことしないな、あいつは」
大きく溜め息をついた。
騒ぎを起こせば逃亡は可能らしいが、そうはしたくない。
その「騒ぎ」で、フィッツは確実に人を殺すだろうから。
自分のためにフィッツに人殺しをさせるのも嫌だし、人が殺されるのも嫌だ。
命に対する責任なんてとれやしない。
「姫様」
地図からフィッツに視線を映した。
瞬間、彼女は固まる。
ほろほろほろ。
フィッツが、いつもの平然とした表情のまま、涙をこぼしていた。
頭の中が真っ白になり、ついで、混乱する。
「え、なに、どうした? なにかあった? 私? どしたの、フィッツ」
ソファから立ち上がり、フィッツに近づいた。
薄金色の瞳からは、まだ涙があふれている。
「私を置き去りにしないでください」
「へ……?」
「置き去りにしないでください」
さらに頭の中が白くなった。
そんな話はしていない。
口に出してもいない。
どこから、そういう結論に至ったのか、まったくわからなかった。
ただ、言えるのは。
「しない。しないよ。置き去りになんてするわけないじゃん」
「ですが、私は無能です」
「いやいや、フィッツは有能、優秀。全然、無能じゃないって」
「騒ぎを起こさず脱出をという、姫様のご意思に沿うこともできず」
「それは、むしろ私が無能だからだよ。フィッツのせいじゃない」
ほろほろほろ。
フィッツの涙は止まらない。
涙を拭きたかったが、生憎、手元にハンカチを持っていなかった。
「姫様おひとりなら、簡単に逃げられることは、わかっています。それでも、私を置き去りにしないでください」
ふう…と、息をつく。
やはりフィッツの価値観は理解し難い。
だが、フィッツにとっては、カサンドラが「すべて」なのだ。
単に、フィッツが思っているだけの「真実」ではなく、事実として。
彼女は手を伸ばし、少し雑に涙をぬぐった。
フィッツの目を見つめ、真面目に言う。
「いい、フィッツ。私は、あれを使う気はない。だから、フィッツがいないと脱出はできないんだよ。ひとりじゃ無理。わかった?」
こくり。
フィッツがうなずく。
涙も、ようやく止まった。
フィッツは、少々、頭のイカレた男だが、絶対の味方だ。
それだけは信じられる。
情を移したくはなかったし、1人のほうが気は楽だった。
けれど、フィッツを置き去りにするとの考えは捨てる。
彼女は、その点において腹をくくったのだ。
「少し時間はかかってもいい。騒ぎを起こさずに脱出できる方法はある?」
フィッツは考えを巡らせているのか、しばし黙り込んだ。
情報通のフィッツなら、良い方法を思いつけるに違いない。
皇太子の相手をするのは憂鬱だが、より良い結果を得る必要があった。
そのためには、多少は我慢するしかない、と思う。
「ひと月半後、帝都の競技場で、戦車試合が行われます。その日であれば、脱出の機会も見込めるでしょう」
「戦車試合ってなに? 自粛の対象にはなってない行事?」
「昨年から計画されていましたし、帝国に属する国が、それぞれ国の威信をかけて参加するので中止にはできないのですよ。そうでなくとも、帝国も含め、各地で、自粛による経済的な打撃も受けていますから」
皇后の死により帝国全土は、向こう1年間の自粛期間に入っている。
様々な行事や祭事、祝い事が中止されていた。
それにより、景気が落ち込んでいるのだろう。
1年も前から、帝国全土で準備が進められていた行事まで中止にすれば、損失は計り知れない。
「詳しいことは、いいや。人が集まってくるから、その中に紛れて、こっそり抜け出し易い日だっていうのは、わかった」
「競技場や祝宴会場に警護も集中しますからね」
それなら「穏便に」姿をくらますのも可能だ。
彼女の望む「いつの間にかいなくなっていた」状態を作り出せる。
問題は、自分の精神が保つかどうか。
(ひと月半か……その間、あいつにつきあわされるわけだ……)
万が一にも、気取られるわけにはいかない。
カサンドラを放っておく気はないらしかったし。
我ながら、つまらないことをした、と思っている。
皇太子には無関心を貫いておけば良かったのだ。
どうせ、近々、ここからはいなくなる。
その思いから油断が生じ、好き勝手を言った。
皇太子に良く思われたいとも思っていなかったからだ。
それが、仇になっている。
「フィッツ、なんか疲れ過ぎて、お腹が減った。晩御飯にしようよ」
予定はあちこちさまよい、彼女の計画にはズレが起きている。
とはいえ、絶対に逃亡を諦めるつもりはなかった。
皇帝は、間もなく死ぬ。
このままここにいれば、嫌でも皇太子妃への道を進まなければならない。
場合によっては、皇太子妃どころか、皇后への道まっしぐらだ。
冗談ではない、と思う。
その道にだけは進みたくない。
たとえ逃亡の先に、自分の死があるとしても、そのほうがいいくらいなのだ。
(だからさ、本当は1人のほうが良かったんだけどね)
夕食の支度をしているフィッツの背を見ながら、少しだけ苦笑い。
フィッツだけは「特例」だと、彼女も認めざるを得なかった。
面倒を避けるつもりが、厄介事を引き寄せてしまった。
皇太子は、彼女の「予測」とは違う行動を取っている。
ここにきて状況が変わりつつあるのを感じていた。
しかも、良くないほうに、だ。
「今夜にでも出立しますか?」
「できる?」
予定を繰り上げることになっても、早目に「逃亡」するほうがいい。
すでに片足を泥沼に突っ込んでいる。
時間をかければ、そのまま、底なし沼に引きずり込まれかねない状況だ。
「騒ぎを起こしても良ければ、すぐに出立可能です」
「騒ぎを起こすって、なんで? 夜に、こっそり皇宮に忍び込んで……」
言いかけてやめる。
そんなことを、フィッツが考えていないはずがないからだ。
皇宮に忍び込み、地下牢から隠し通路を抜け、皇宮の敷地を脱出する。
それが、カサンドラの立てていた計画だった。
非常に、ざっくりとしたものではあったが、カサンドラに注目する者はいなかったので、その程度で十分だと考えていたのだ。
けれど、フィッツの言いかたからすると、計画通りにはいかないらしい。
穏便な「脱出」は難しくなったのだろう。
フィッツが、サッと手を振った。
カサンドラの前の空間に、地図が現れる。
見た瞬間、体中から力が抜けた。
「この小屋を基点にして、半径5百メートル圏内に、2,3千人の兵が配置されています。監視体制も強化されたようですね」
地図上を動く赤い点の数に眩暈がする。
半径5百メートルということは、単純に考えて直径1キロの円の中で千人単位の兵たちがうごめいていることになるのだ。
きっと皇太子が手配したに違いない。
「中でも、この赤く点滅しているのは、中位から高位の騎士です。彼らは監視室に直結する装備品を持っているので、防衛レベルも引き上げられているでしょう」
誰を、なにから「防衛」する気なのか。
まったく余計なお世話にもほどがある。
毒は盛られかけたものの、ほとんど毎日は平和だった。
皇太子との「顔合わせ」やディオンヌの「虐め」以外、記憶に残るようなことはなにもない。
暗殺者に狙われたりという、命の危険を感じたことはないのだ。
「これほど大規模な警護体勢を敷くとは、皇太子の姫様に対する好感度が、かなり上昇しています」
「嫌なこと言わないでよ。上げたくて上げたんじゃないのにさぁ」
フィッツは警護と言っているし、たぶん、皇太子も「警護」のつもりだろう。
とはいえ、こんなに大掛かりなことをされると「逃亡の恐れあり」と見做され、監視されているのではないかと疑いたくなる。
「フィッツがいれば、十分だっての。ほかの警護なんかいらないよなぁ」
厳重警備、監視体制も万全とされている皇宮内を自在に歩き回れるフィッツ。
カサンドラを常に見守っており「一瞬」も目を離さないフィッツ。
これ以上の「警護」が必要だとは思えない。
というより、フィッツがいれば、安全は保証されていると思える。
「碌なことしないな、あいつは」
大きく溜め息をついた。
騒ぎを起こせば逃亡は可能らしいが、そうはしたくない。
その「騒ぎ」で、フィッツは確実に人を殺すだろうから。
自分のためにフィッツに人殺しをさせるのも嫌だし、人が殺されるのも嫌だ。
命に対する責任なんてとれやしない。
「姫様」
地図からフィッツに視線を映した。
瞬間、彼女は固まる。
ほろほろほろ。
フィッツが、いつもの平然とした表情のまま、涙をこぼしていた。
頭の中が真っ白になり、ついで、混乱する。
「え、なに、どうした? なにかあった? 私? どしたの、フィッツ」
ソファから立ち上がり、フィッツに近づいた。
薄金色の瞳からは、まだ涙があふれている。
「私を置き去りにしないでください」
「へ……?」
「置き去りにしないでください」
さらに頭の中が白くなった。
そんな話はしていない。
口に出してもいない。
どこから、そういう結論に至ったのか、まったくわからなかった。
ただ、言えるのは。
「しない。しないよ。置き去りになんてするわけないじゃん」
「ですが、私は無能です」
「いやいや、フィッツは有能、優秀。全然、無能じゃないって」
「騒ぎを起こさず脱出をという、姫様のご意思に沿うこともできず」
「それは、むしろ私が無能だからだよ。フィッツのせいじゃない」
ほろほろほろ。
フィッツの涙は止まらない。
涙を拭きたかったが、生憎、手元にハンカチを持っていなかった。
「姫様おひとりなら、簡単に逃げられることは、わかっています。それでも、私を置き去りにしないでください」
ふう…と、息をつく。
やはりフィッツの価値観は理解し難い。
だが、フィッツにとっては、カサンドラが「すべて」なのだ。
単に、フィッツが思っているだけの「真実」ではなく、事実として。
彼女は手を伸ばし、少し雑に涙をぬぐった。
フィッツの目を見つめ、真面目に言う。
「いい、フィッツ。私は、あれを使う気はない。だから、フィッツがいないと脱出はできないんだよ。ひとりじゃ無理。わかった?」
こくり。
フィッツがうなずく。
涙も、ようやく止まった。
フィッツは、少々、頭のイカレた男だが、絶対の味方だ。
それだけは信じられる。
情を移したくはなかったし、1人のほうが気は楽だった。
けれど、フィッツを置き去りにするとの考えは捨てる。
彼女は、その点において腹をくくったのだ。
「少し時間はかかってもいい。騒ぎを起こさずに脱出できる方法はある?」
フィッツは考えを巡らせているのか、しばし黙り込んだ。
情報通のフィッツなら、良い方法を思いつけるに違いない。
皇太子の相手をするのは憂鬱だが、より良い結果を得る必要があった。
そのためには、多少は我慢するしかない、と思う。
「ひと月半後、帝都の競技場で、戦車試合が行われます。その日であれば、脱出の機会も見込めるでしょう」
「戦車試合ってなに? 自粛の対象にはなってない行事?」
「昨年から計画されていましたし、帝国に属する国が、それぞれ国の威信をかけて参加するので中止にはできないのですよ。そうでなくとも、帝国も含め、各地で、自粛による経済的な打撃も受けていますから」
皇后の死により帝国全土は、向こう1年間の自粛期間に入っている。
様々な行事や祭事、祝い事が中止されていた。
それにより、景気が落ち込んでいるのだろう。
1年も前から、帝国全土で準備が進められていた行事まで中止にすれば、損失は計り知れない。
「詳しいことは、いいや。人が集まってくるから、その中に紛れて、こっそり抜け出し易い日だっていうのは、わかった」
「競技場や祝宴会場に警護も集中しますからね」
それなら「穏便に」姿をくらますのも可能だ。
彼女の望む「いつの間にかいなくなっていた」状態を作り出せる。
問題は、自分の精神が保つかどうか。
(ひと月半か……その間、あいつにつきあわされるわけだ……)
万が一にも、気取られるわけにはいかない。
カサンドラを放っておく気はないらしかったし。
我ながら、つまらないことをした、と思っている。
皇太子には無関心を貫いておけば良かったのだ。
どうせ、近々、ここからはいなくなる。
その思いから油断が生じ、好き勝手を言った。
皇太子に良く思われたいとも思っていなかったからだ。
それが、仇になっている。
「フィッツ、なんか疲れ過ぎて、お腹が減った。晩御飯にしようよ」
予定はあちこちさまよい、彼女の計画にはズレが起きている。
とはいえ、絶対に逃亡を諦めるつもりはなかった。
皇帝は、間もなく死ぬ。
このままここにいれば、嫌でも皇太子妃への道を進まなければならない。
場合によっては、皇太子妃どころか、皇后への道まっしぐらだ。
冗談ではない、と思う。
その道にだけは進みたくない。
たとえ逃亡の先に、自分の死があるとしても、そのほうがいいくらいなのだ。
(だからさ、本当は1人のほうが良かったんだけどね)
夕食の支度をしているフィッツの背を見ながら、少しだけ苦笑い。
フィッツだけは「特例」だと、彼女も認めざるを得なかった。
10
お気に入りに追加
318
あなたにおすすめの小説
家出した伯爵令嬢【完結済】
弓立歩
恋愛
薬学に長けた家に生まれた伯爵令嬢のカノン。病弱だった第2王子との7年の婚約の結果は何と婚約破棄だった!これまでの尽力に対して、実家も含めあまりにもつらい仕打ちにとうとうカノンは家を出る決意をする。
番外編において暴力的なシーン等もありますので一応R15が付いています
6/21完結。今後の更新は予定しておりません。また、本編は60000字と少しで柔らかい表現で出来ております
婚約者が他の女性に興味がある様なので旅に出たら彼が豹変しました
Karamimi
恋愛
9歳の時お互いの両親が仲良しという理由から、幼馴染で同じ年の侯爵令息、オスカーと婚約した伯爵令嬢のアメリア。容姿端麗、強くて優しいオスカーが大好きなアメリアは、この婚約を心から喜んだ。
順風満帆に見えた2人だったが、婚約から5年後、貴族学院に入学してから状況は少しずつ変化する。元々容姿端麗、騎士団でも一目置かれ勉学にも優れたオスカーを他の令嬢たちが放っておく訳もなく、毎日たくさんの令嬢に囲まれるオスカー。
特に最近は、侯爵令嬢のミアと一緒に居る事も多くなった。自分より身分が高く美しいミアと幸せそうに微笑むオスカーの姿を見たアメリアは、ある決意をする。
そんなアメリアに対し、オスカーは…
とても残念なヒーローと、行動派だが周りに流されやすいヒロインのお話です。
国王陛下、私のことは忘れて幸せになって下さい。
ひかり芽衣
恋愛
同じ年で幼馴染のシュイルツとアンウェイは、小さい頃から将来は国王・王妃となり国を治め、国民の幸せを守り続ける誓いを立て教育を受けて来た。
即位後、穏やかな生活を送っていた2人だったが、婚姻5年が経っても子宝に恵まれなかった。
そこで、跡継ぎを作る為に側室を迎え入れることとなるが、この側室ができた人間だったのだ。
国の未来と皆の幸せを願い、王妃は身を引くことを決意する。
⭐︎2人の恋の行く末をどうぞ一緒に見守って下さいませ⭐︎
※初執筆&投稿で拙い点があるとは思いますが頑張ります!
挙式後すぐに離婚届を手渡された私は、この結婚は予め捨てられることが確定していた事実を知らされました
結城芙由奈
恋愛
【結婚した日に、「君にこれを預けておく」と離婚届を手渡されました】
今日、私は子供の頃からずっと大好きだった人と結婚した。しかし、式の後に絶望的な事を彼に言われた。
「ごめん、本当は君とは結婚したくなかったんだ。これを預けておくから、その気になったら提出してくれ」
そう言って手渡されたのは何と離婚届けだった。
そしてどこまでも冷たい態度の夫の行動に傷つけられていく私。
けれどその裏には私の知らない、ある深い事情が隠されていた。
その真意を知った時、私は―。
※暫く鬱展開が続きます
※他サイトでも投稿中
政略結婚した夫の愛人は私の専属メイドだったので離婚しようと思います
結城芙由奈
恋愛
浮気ですか?どうぞご自由にして下さい。私はここを去りますので
結婚式の前日、政略結婚相手は言った。「お前に永遠の愛は誓わない。何故ならそこに愛など存在しないのだから。」そして迎えた驚くべき結婚式と驚愕の事実。いいでしょう、それほど不本意な結婚ならば離婚してあげましょう。その代わり・・後で後悔しても知りませんよ?
※「カクヨム」「小説家になろう」にも掲載中
婚約破棄された検品令嬢ですが、冷酷辺境伯の子を身籠りました。 でも本当はお優しい方で毎日幸せです
青空あかな
恋愛
旧題:「荷物検査など誰でもできる」と婚約破棄された検品令嬢ですが、極悪非道な辺境伯の子を身籠りました。でも本当はお優しい方で毎日心が癒されています
チェック男爵家長女のキュリティは、貴重な闇魔法の解呪師として王宮で荷物検査の仕事をしていた。
しかし、ある日突然婚約破棄されてしまう。
婚約者である伯爵家嫡男から、キュリティの義妹が好きになったと言われたのだ。
さらには、婚約者の権力によって検査係の仕事まで義妹に奪われる。
失意の中、キュリティは辺境へ向かうと、極悪非道と噂される辺境伯が魔法実験を行っていた。
目立たず通り過ぎようとしたが、魔法事故が起きて辺境伯の子を身ごもってしまう。
二人は形式上の夫婦となるが、辺境伯は存外優しい人でキュリティは温かい日々に心を癒されていく。
一方、義妹は仕事でミスばかり。
闇魔法を解呪することはおろか見破ることさえできない。
挙句の果てには、闇魔法に呪われた荷物を王宮内に入れてしまう――。
※おかげさまでHOTランキング1位になりました! ありがとうございます!
※ノベマ!様で短編版を掲載中でございます。
【完結】優しくて大好きな夫が私に隠していたこと
暁
恋愛
陽も沈み始めた森の中。
獲物を追っていた寡黙な猟師ローランドは、奥地で偶然見つけた泉で“とんでもない者”と遭遇してしまう。
それは、裸で水浴びをする綺麗な女性だった。
何とかしてその女性を“お嫁さんにしたい”と思い立った彼は、ある行動に出るのだが――。
※
・当方気を付けておりますが、誤字脱字を発見されましたらご遠慮なくご指摘願います。
・★が付く話には性的表現がございます。ご了承下さい。
お飾りの側妃ですね?わかりました。どうぞ私のことは放っといてください!
水川サキ
恋愛
クオーツ伯爵家の長女アクアは17歳のとき、王宮に側妃として迎えられる。
シルバークリス王国の新しい王シエルは戦闘能力がずば抜けており、戦の神(野蛮な王)と呼ばれている男。
緊張しながら迎えた謁見の日。
シエルから言われた。
「俺がお前を愛することはない」
ああ、そうですか。
結構です。
白い結婚大歓迎!
私もあなたを愛するつもりなど毛頭ありません。
私はただ王宮でひっそり楽しく過ごしたいだけなのです。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる