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ここからが問題である。次はレームを呼び出すことにしたが、学習会での態度を見る限り、どこか斜にかまえているところがあるので、ポスターを破れと言っても、聞かない可能性が高い。芋焼酎も、そう何杯も飲まないかもしれない。
(こりゃ、芋焼酎に薬でも盛るしかなさそうだな。でも、俺は理科の勉強なんか、ろくにしてこなかったから、どんな薬をどれだけ盛れば良いのか、全くわからないし……)
考えていても仕方ないので、とりあえずインターネットで調べてみると、『マジックマッシュルーム』という、幻覚を見せるキノコの栽培キットが目についた。このキノコの効能を調べてみると、心地よい幻覚が見られ、ときには悪酔いして気分が悪くなることもあるが、おおむね副作用や後遺症もなく、違法でもないらしい。彰はとりあえず、インターネット通販で買ってみる。数日後に届いたので、早速、説明書に従って栽培し、食べてみる。食べるとたちまち、気分が高揚し、気が大きくなって、何でもできるような全能感に包まれた。ためしに街をブラブラ歩いてみると、周囲のものが皆、自分の思い通りになりそうな錯覚さえ覚える。まるで夢の中をスイスイ泳ぐように、いつになく軽やかな足取りで、街を隅から隅まで散策し続けた。それでも疲れを覚えなかったぐらいだ。
(これは、想像以上に効果があるな。ポスターを破るぐらい、気にも留めなくなりそうだ。問題は、どうやってレームに食べさせるかだが……)
細かく切って粉末にしても、無色透明な芋焼酎に入れれば、粉末が入っているのは一目瞭然である。かといって、味噌カツのほうに入れても、味が変わって気づかれる可能性がある。こうなると、食事の場所を、例の定食屋以外に設定したほうが良いかもしれない。いろいろ考えた末に、黒ビールにマジックマッシュルームの粉末を入れることを思いついた。そうなると、黒ビールに合う食事メニューを選ばねばならない。彰はインターネットで、あちこちの飲食店のホームページを見て回ると、最終的に焼肉屋に決めた。
(これで、舞台は整ったな。あとは当日に上手くやらないと)
そして数日後、レームはT駅に着いた。
「いや~、焼肉なんて久しぶりですね。ニートを何年もやっていると、そんなぜいたくをする金もないもんで……。でも、本当にパルチャムさんのおごりで良いんですか?」
「良いですよ。俺としても、親睦を深めたいのもありますし。それに焼肉といっても、三千円で食べ放題、プラス八百円で飲み放題の店なので、そこまで高い店じゃないですから」
彰はレームを焼肉屋に案内する。店内に入り、黒ビールを二つ注文すると、早速乾杯した。レームが黒ビールを飲み干すのを確認すると、反応を見る。
「美味い! ここの黒ビールは最高ですね。二杯目いきましょう」
レームが上機嫌なのを見てとると、彰は内心でしてやったりと喜び、黒ビールと肉をどんどん注文しながら、マジックマッシュルームを混入させる機会を待つ。レームは黒ビールを美味いと言ったが、以前の二人のようにガブガブ飲むことはせず、ゆっくり飲みながら肉を食べ続けた。飲むよりは、むしろ食べたり、彰と話したりするほうが楽しいようだ。
「……オレも大学までは出たんですけどね。こんなふうに、いつも斜にかまえている性格ですから、どうしても周囲に合わせることができないんですよ。もちろん、大学時代も、サークル活動や、飲み会の雰囲気を心から楽しむことができず、気を許せる友達もできませんでした。おまけに就職してからも、上司や先輩と上手くつきあえず、同僚にもウザがられ、いろいろあって辞めさせられてまして……。以来、何をやっても上手くいかず、しまいには仕事するのも怖くなって、ニート生活まっしぐらですよ……」
レームは盛大にため息をついた。でも、まだ酔っているようには見えない。
「そうでしたか。レームさんも、いろんな理不尽を体験してきたんですね」
彰はあいづちを打ちながらも、気が気でなかった。焼肉の食べ飲み放題の時間は二時間なので、刻々と終了時間が近づいてくる。このままだと、マジックマッシュルームを盛る隙もなく、終了時間になりかねない。だが、そんなとき、ふいにレームがトイレに行くために、席をはずしたのだ。彰は千載一遇の機会だと思って、急いでレームの黒ビールに、マジックマッシュルームを混入させると、箸でかき混ぜる。レームは席に戻ると、混入に気づかずに黒ビールを飲んだ。もっとも、「ん? 何だか、味が変わったようだが」とつぶやいたときには、さすがの彰もドキリとしたが、「まあ、良いや。残り三十分だし、残したらもったいない」と言いながら飲み干したので、ホッとした。
飲んでからしばらくは、マジックマッシュルームの効果は現れない。消化して胃腸が吸収するまでに、時間がかかるのだ。彰は「残り時間も少ないので、悔いのないように飲み食いしておきましょう」と言い、肉と黒ビールを腹に詰め込む。無事にマジックマッシュルームを飲ませることができて安堵したのか、彰は急に食欲が湧いてきていた。
やがて、終了時間になる。この頃になって、ようやくマジックマッシュルームの効果が出てきたのか、レームの目がトロンとし始めてきたのが見てとれる。
「時間ですね。とりあえず出て、街を散策しましょう」
マジックマッシュルームの効果が切れないうちにと、彰はポスターの場所までレームを引っぱっていく。レームは手を引かれるがままに、彰について行く。
「黒ビールに酔ったせいでしょうかね? 何だか、妙に気分が高揚していますよ。街の景色が、いつもより鮮やかに見えるというか、心の奥底からワクワクしてくるんです。まるで何でもできそうな全能感に包まれているみたいで。こんな感覚、生まれて初めてですよ」
レームはカラカラと笑い続ける。
(よし。マジックマッシュルームが最高に効いている頃だな。今のうちにポスターを破らせないと)
彰はレームを急がせ、ポスターの前にたどり着く。ポスターを見ると、レームの表情が、笑顔から憎憎しげな表情に変わった。
「ん? 何だ、このポスターは? 『世界に輝け、憲法第九条』だの『憲法第九条を生かした政治を』だのと、きれいごとばかり書きやがって。オレは、こういう建前だけを書いた言葉が、一番腹立つんだ。腹の中のドロドロした本音を、巧みに隠すことばかりが上手くて、いかにも自分だけが世界一善良だ、なんて勘違いしている偽善者どもが。こんなポスターなんか、こうしてやる!」
レームはポスターを破り捨てた。ついでに、隣に貼ってある、護憲を掲げる左翼政党のポスターも破り捨てる。彰はこれもスマホで録画する。
ただ、その後は大変だった。マジックマッシュルームが効いているために、レームは街を歩きながら高笑いし続け、周囲の通行人からは、「何、あの人? 頭、大丈夫?」などとジロジロと好奇の目で見られるし、警察には怪しまれて、「まさか、脱法ハーブとかやっているんじゃないだろうね?」と真顔で質問されるしで、T駅に着く頃には、彰は精神的にどっと疲れていた。この時間になって、ようやくマジックマッシュルームの効果が薄れてきたので、レームは無事に列車で帰ることができたようだが。
そんなこんなで、帰宅すると、彰は何も考えたくなくなり、ベッドに潜り込んだ。とりあえず、街中で恥をかいたのを、一刻も早く忘れたかったのだ。
(こりゃ、芋焼酎に薬でも盛るしかなさそうだな。でも、俺は理科の勉強なんか、ろくにしてこなかったから、どんな薬をどれだけ盛れば良いのか、全くわからないし……)
考えていても仕方ないので、とりあえずインターネットで調べてみると、『マジックマッシュルーム』という、幻覚を見せるキノコの栽培キットが目についた。このキノコの効能を調べてみると、心地よい幻覚が見られ、ときには悪酔いして気分が悪くなることもあるが、おおむね副作用や後遺症もなく、違法でもないらしい。彰はとりあえず、インターネット通販で買ってみる。数日後に届いたので、早速、説明書に従って栽培し、食べてみる。食べるとたちまち、気分が高揚し、気が大きくなって、何でもできるような全能感に包まれた。ためしに街をブラブラ歩いてみると、周囲のものが皆、自分の思い通りになりそうな錯覚さえ覚える。まるで夢の中をスイスイ泳ぐように、いつになく軽やかな足取りで、街を隅から隅まで散策し続けた。それでも疲れを覚えなかったぐらいだ。
(これは、想像以上に効果があるな。ポスターを破るぐらい、気にも留めなくなりそうだ。問題は、どうやってレームに食べさせるかだが……)
細かく切って粉末にしても、無色透明な芋焼酎に入れれば、粉末が入っているのは一目瞭然である。かといって、味噌カツのほうに入れても、味が変わって気づかれる可能性がある。こうなると、食事の場所を、例の定食屋以外に設定したほうが良いかもしれない。いろいろ考えた末に、黒ビールにマジックマッシュルームの粉末を入れることを思いついた。そうなると、黒ビールに合う食事メニューを選ばねばならない。彰はインターネットで、あちこちの飲食店のホームページを見て回ると、最終的に焼肉屋に決めた。
(これで、舞台は整ったな。あとは当日に上手くやらないと)
そして数日後、レームはT駅に着いた。
「いや~、焼肉なんて久しぶりですね。ニートを何年もやっていると、そんなぜいたくをする金もないもんで……。でも、本当にパルチャムさんのおごりで良いんですか?」
「良いですよ。俺としても、親睦を深めたいのもありますし。それに焼肉といっても、三千円で食べ放題、プラス八百円で飲み放題の店なので、そこまで高い店じゃないですから」
彰はレームを焼肉屋に案内する。店内に入り、黒ビールを二つ注文すると、早速乾杯した。レームが黒ビールを飲み干すのを確認すると、反応を見る。
「美味い! ここの黒ビールは最高ですね。二杯目いきましょう」
レームが上機嫌なのを見てとると、彰は内心でしてやったりと喜び、黒ビールと肉をどんどん注文しながら、マジックマッシュルームを混入させる機会を待つ。レームは黒ビールを美味いと言ったが、以前の二人のようにガブガブ飲むことはせず、ゆっくり飲みながら肉を食べ続けた。飲むよりは、むしろ食べたり、彰と話したりするほうが楽しいようだ。
「……オレも大学までは出たんですけどね。こんなふうに、いつも斜にかまえている性格ですから、どうしても周囲に合わせることができないんですよ。もちろん、大学時代も、サークル活動や、飲み会の雰囲気を心から楽しむことができず、気を許せる友達もできませんでした。おまけに就職してからも、上司や先輩と上手くつきあえず、同僚にもウザがられ、いろいろあって辞めさせられてまして……。以来、何をやっても上手くいかず、しまいには仕事するのも怖くなって、ニート生活まっしぐらですよ……」
レームは盛大にため息をついた。でも、まだ酔っているようには見えない。
「そうでしたか。レームさんも、いろんな理不尽を体験してきたんですね」
彰はあいづちを打ちながらも、気が気でなかった。焼肉の食べ飲み放題の時間は二時間なので、刻々と終了時間が近づいてくる。このままだと、マジックマッシュルームを盛る隙もなく、終了時間になりかねない。だが、そんなとき、ふいにレームがトイレに行くために、席をはずしたのだ。彰は千載一遇の機会だと思って、急いでレームの黒ビールに、マジックマッシュルームを混入させると、箸でかき混ぜる。レームは席に戻ると、混入に気づかずに黒ビールを飲んだ。もっとも、「ん? 何だか、味が変わったようだが」とつぶやいたときには、さすがの彰もドキリとしたが、「まあ、良いや。残り三十分だし、残したらもったいない」と言いながら飲み干したので、ホッとした。
飲んでからしばらくは、マジックマッシュルームの効果は現れない。消化して胃腸が吸収するまでに、時間がかかるのだ。彰は「残り時間も少ないので、悔いのないように飲み食いしておきましょう」と言い、肉と黒ビールを腹に詰め込む。無事にマジックマッシュルームを飲ませることができて安堵したのか、彰は急に食欲が湧いてきていた。
やがて、終了時間になる。この頃になって、ようやくマジックマッシュルームの効果が出てきたのか、レームの目がトロンとし始めてきたのが見てとれる。
「時間ですね。とりあえず出て、街を散策しましょう」
マジックマッシュルームの効果が切れないうちにと、彰はポスターの場所までレームを引っぱっていく。レームは手を引かれるがままに、彰について行く。
「黒ビールに酔ったせいでしょうかね? 何だか、妙に気分が高揚していますよ。街の景色が、いつもより鮮やかに見えるというか、心の奥底からワクワクしてくるんです。まるで何でもできそうな全能感に包まれているみたいで。こんな感覚、生まれて初めてですよ」
レームはカラカラと笑い続ける。
(よし。マジックマッシュルームが最高に効いている頃だな。今のうちにポスターを破らせないと)
彰はレームを急がせ、ポスターの前にたどり着く。ポスターを見ると、レームの表情が、笑顔から憎憎しげな表情に変わった。
「ん? 何だ、このポスターは? 『世界に輝け、憲法第九条』だの『憲法第九条を生かした政治を』だのと、きれいごとばかり書きやがって。オレは、こういう建前だけを書いた言葉が、一番腹立つんだ。腹の中のドロドロした本音を、巧みに隠すことばかりが上手くて、いかにも自分だけが世界一善良だ、なんて勘違いしている偽善者どもが。こんなポスターなんか、こうしてやる!」
レームはポスターを破り捨てた。ついでに、隣に貼ってある、護憲を掲げる左翼政党のポスターも破り捨てる。彰はこれもスマホで録画する。
ただ、その後は大変だった。マジックマッシュルームが効いているために、レームは街を歩きながら高笑いし続け、周囲の通行人からは、「何、あの人? 頭、大丈夫?」などとジロジロと好奇の目で見られるし、警察には怪しまれて、「まさか、脱法ハーブとかやっているんじゃないだろうね?」と真顔で質問されるしで、T駅に着く頃には、彰は精神的にどっと疲れていた。この時間になって、ようやくマジックマッシュルームの効果が薄れてきたので、レームは無事に列車で帰ることができたようだが。
そんなこんなで、帰宅すると、彰は何も考えたくなくなり、ベッドに潜り込んだ。とりあえず、街中で恥をかいたのを、一刻も早く忘れたかったのだ。
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