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第1章
第53話 後片付け、その3
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「この騒ぎは何であるか!?道を開けるである!」
特徴的な語尾と無駄にでかい声で、近づいてきた人物のことはすぐにわかった…
領主の所にいたバスって男だ。
「ちょうどいいところに、バス様。シャクルさんが倒れてしまったみたいです、多分長旅と魔物の襲撃で疲労が溜まっていたんだと思いますが…
万が一、我々だと失礼があるかもしれませんので、バス様にお任せ出来ないでしょうか?」
「なに!?それはいかんのである!おい、我はシャクル殿をすぐに屋敷に運ぶである!お前らは外をなんとかしておくである!?」
ノノーキルのナイスアシストで、倒れたシャクルをバスさんは連れて行ってくれた。
残された人達は、どうするんだと思っていると、それについても考えていたようで、ノノーキルが1人の男を呼んだ。
「サロン、ちょっといいか?」
ノノーキルが、彼を近くに呼ぶと、何やら耳打ちをし始めたのだが…
なんか俺の方を見ている気がするが気のせいだろうか?
「…おん…は?…なんだと!?」
男は俺の方を見て、驚いたような声を上げる。
ノノーキル…何を話した…?
「ボンって言ったな?少しだけ聞いてもいいか?」
サロンと呼ばれた男は、俺に近寄ってきて小声で話してくる。
「外の魔物は、あんたが片付けたと聞いたが…本当なのか?」
「…全てではないですが…ほとんどは…」
なんで小声になったのかは分からないが、内容は普通だったので、普通に返す…
実際、何体かはガジャノが倒しているので、俺が全てを倒したわけではないのは事実だし、まるで倒してないと嘘をつくのも後でバレたとき、面倒になるからね…
「そうか…それなら、後どれくらい残っているか分かるか?」
「…冒険者の人に後を任せましたので、もう残ってないと思いますよ?」
俺が戻る時点で、残り2体だったからな。
本職の冒険者、しかも、あの弓の腕ならカマキリくらい余裕で倒しているだろう。
「…分かった。情報を感謝する。
それで…お前の倒した魔物の素材はどうしたんだ?回収したようには見えないんだが…」
「いや、いらないから片付けをお願いしておきましたけど…ダメでしたか?」
「は?いや、ダメじゃないが…」
ほとんどバラバラの肉片だったからな…
普通にゴミだと思っていたんだけど…まずかったんだろうか?
サロンは、少しだけ考えるような仕草をした後、言葉を続けた。
「なぁ…それは、俺たちが回収してもいいのか?」
「え?はい…結構バラバラにしちゃったので、片付けてもらえるなら別に…」
「わ、分かった!チャック!ロイン!ネッカ!ホワニ!お前ら全員、外に回収に行くぞ!
出来損ない共に遅れんなよ!いくぞ!!」
サロンが指示すると、他の男達が一斉に動き始める。
流石は領主に雇われてる職業軍人…でいいのかは分からないが、本職の人だ。
「なぁ…ボンさん?今の話、ちょっと聞こえちまったんだが…私等も取りに行っていいのかい?」
今まで特に話したことのない、名前も知らない村人から話しかけられた。
そんなに、あのバラバラのモノが欲しいのだろうか?
使えるところなんてないと思うんだが…
「別にいいですけど…あぶな…」
「本当かい!みんな!貰っていいってよ!」
「おぉー!」
「おい!押すなって!」
「わー!」
「カゴー!」
うん。危ないって言おうとしたん…いや、もういいや…
俺が言う前に、ほとんどの村人がさっきのサロン達を追いかけて行ってしまった。
「…キャナタさん、帰りましょう。」
「は?え?…えっと…」
分かりやすく慌てるキャナタさんだったが、あんたも行きたかったのか…が、もう俺は疲れたから休みたい。
キャナタさんが行ってしまったら、店に入れないから残ってもらわないとなんだよね。
「外に行っても、本当にバラバラの肉片ばっかりですから…何を期待しているのか分かりませんが、今から行っても、ドロドロのグチャグチャに汚れるだけで、割りに合わないですよ。
ほら、ロールさんを安心させないといけないでしょう?」
正直疲れたし、もう魔物は倒したんだ、後のことは知らん。
それに、優子に治療して貰わないと、腕に刺さった矢が地味に痛いんだよ…
「な、俺は行ってもいいか?」
「…好きにしたらいいよ。」
ノノーキルは、まるで空気を読むことがない…勝手に行って怪我すればいいんだ。
せっかく上がった俺の中の好感度が、前より下がった気がするけど、知らん。
どうしようもないノノーキルが走って行って、残された俺とキャナタさんは店に戻った。
当然だが、まだ優子達は戻ってきていない。
俺を店に残し、キャナタさんは、みんなを迎えに行った。
1人で店に残ることになったのだが…
「結構広いよな…」
「そうだねー」
「ぬぁ!え?」
独り言のつもりが、返事が来て驚かされる。
椅子から立ち上がり振り向くと、金髪巻き毛の美少年が立っていた。
「ナフタ?なんでここに…」
「ぼん君が、この星に少しは慣れたかなって、見にきたんだよ。」
「いや、あんた神だろ?こんな度々出てきちゃダメなんじゃないか?この世界への影響とか…いろいろあるだろ?」
神様の降臨なんて、それこそ一大事のはずなのに、軽く言われると調子が狂う…
「僕が僕の作った世界で何をしても、なんの問題もないでしょ?それに、僕がそんなヤワな世界を作るわけがないじゃないか。」
「…影響がないならいいか…それで?何しにきたんだ?俺の様子を見になんて口実なんだろ?」
「はっはっは。それが、そうでもないんだよね。」
ナフタは、笑いながらその場に浮き上がると、話を続けた。
「君の使った魔法にね、少し問題があったんだよ。君にもわかるように言うとバグってやつだね。
それを使い続けると、ちょーっと厄介なことになりそうだったから、こうして会いにきたんだよ。」
バグ?
「簡単に言うと、特殊魔法の使用を禁止します。今回使ったやつはまだ大丈夫だけど、世界の理に触れるようなものも出来そうだからね。練習も、ナビに聞くのも禁止するよ。」
「な、え?世界?」
いきなり何を言いだすんだ?
「そう。ちょーっとだけイレギュラーなんだよね。君って。だから、NB- 7653228出ておいで。」
ナフタがそう言うと、全身に虚脱感が…
そのまま俺は意識を失ってしまった。
ーーーー
作者です。
ナフタ再臨、何されたかは次回
感想その他、お時間あれば是非。
特徴的な語尾と無駄にでかい声で、近づいてきた人物のことはすぐにわかった…
領主の所にいたバスって男だ。
「ちょうどいいところに、バス様。シャクルさんが倒れてしまったみたいです、多分長旅と魔物の襲撃で疲労が溜まっていたんだと思いますが…
万が一、我々だと失礼があるかもしれませんので、バス様にお任せ出来ないでしょうか?」
「なに!?それはいかんのである!おい、我はシャクル殿をすぐに屋敷に運ぶである!お前らは外をなんとかしておくである!?」
ノノーキルのナイスアシストで、倒れたシャクルをバスさんは連れて行ってくれた。
残された人達は、どうするんだと思っていると、それについても考えていたようで、ノノーキルが1人の男を呼んだ。
「サロン、ちょっといいか?」
ノノーキルが、彼を近くに呼ぶと、何やら耳打ちをし始めたのだが…
なんか俺の方を見ている気がするが気のせいだろうか?
「…おん…は?…なんだと!?」
男は俺の方を見て、驚いたような声を上げる。
ノノーキル…何を話した…?
「ボンって言ったな?少しだけ聞いてもいいか?」
サロンと呼ばれた男は、俺に近寄ってきて小声で話してくる。
「外の魔物は、あんたが片付けたと聞いたが…本当なのか?」
「…全てではないですが…ほとんどは…」
なんで小声になったのかは分からないが、内容は普通だったので、普通に返す…
実際、何体かはガジャノが倒しているので、俺が全てを倒したわけではないのは事実だし、まるで倒してないと嘘をつくのも後でバレたとき、面倒になるからね…
「そうか…それなら、後どれくらい残っているか分かるか?」
「…冒険者の人に後を任せましたので、もう残ってないと思いますよ?」
俺が戻る時点で、残り2体だったからな。
本職の冒険者、しかも、あの弓の腕ならカマキリくらい余裕で倒しているだろう。
「…分かった。情報を感謝する。
それで…お前の倒した魔物の素材はどうしたんだ?回収したようには見えないんだが…」
「いや、いらないから片付けをお願いしておきましたけど…ダメでしたか?」
「は?いや、ダメじゃないが…」
ほとんどバラバラの肉片だったからな…
普通にゴミだと思っていたんだけど…まずかったんだろうか?
サロンは、少しだけ考えるような仕草をした後、言葉を続けた。
「なぁ…それは、俺たちが回収してもいいのか?」
「え?はい…結構バラバラにしちゃったので、片付けてもらえるなら別に…」
「わ、分かった!チャック!ロイン!ネッカ!ホワニ!お前ら全員、外に回収に行くぞ!
出来損ない共に遅れんなよ!いくぞ!!」
サロンが指示すると、他の男達が一斉に動き始める。
流石は領主に雇われてる職業軍人…でいいのかは分からないが、本職の人だ。
「なぁ…ボンさん?今の話、ちょっと聞こえちまったんだが…私等も取りに行っていいのかい?」
今まで特に話したことのない、名前も知らない村人から話しかけられた。
そんなに、あのバラバラのモノが欲しいのだろうか?
使えるところなんてないと思うんだが…
「別にいいですけど…あぶな…」
「本当かい!みんな!貰っていいってよ!」
「おぉー!」
「おい!押すなって!」
「わー!」
「カゴー!」
うん。危ないって言おうとしたん…いや、もういいや…
俺が言う前に、ほとんどの村人がさっきのサロン達を追いかけて行ってしまった。
「…キャナタさん、帰りましょう。」
「は?え?…えっと…」
分かりやすく慌てるキャナタさんだったが、あんたも行きたかったのか…が、もう俺は疲れたから休みたい。
キャナタさんが行ってしまったら、店に入れないから残ってもらわないとなんだよね。
「外に行っても、本当にバラバラの肉片ばっかりですから…何を期待しているのか分かりませんが、今から行っても、ドロドロのグチャグチャに汚れるだけで、割りに合わないですよ。
ほら、ロールさんを安心させないといけないでしょう?」
正直疲れたし、もう魔物は倒したんだ、後のことは知らん。
それに、優子に治療して貰わないと、腕に刺さった矢が地味に痛いんだよ…
「な、俺は行ってもいいか?」
「…好きにしたらいいよ。」
ノノーキルは、まるで空気を読むことがない…勝手に行って怪我すればいいんだ。
せっかく上がった俺の中の好感度が、前より下がった気がするけど、知らん。
どうしようもないノノーキルが走って行って、残された俺とキャナタさんは店に戻った。
当然だが、まだ優子達は戻ってきていない。
俺を店に残し、キャナタさんは、みんなを迎えに行った。
1人で店に残ることになったのだが…
「結構広いよな…」
「そうだねー」
「ぬぁ!え?」
独り言のつもりが、返事が来て驚かされる。
椅子から立ち上がり振り向くと、金髪巻き毛の美少年が立っていた。
「ナフタ?なんでここに…」
「ぼん君が、この星に少しは慣れたかなって、見にきたんだよ。」
「いや、あんた神だろ?こんな度々出てきちゃダメなんじゃないか?この世界への影響とか…いろいろあるだろ?」
神様の降臨なんて、それこそ一大事のはずなのに、軽く言われると調子が狂う…
「僕が僕の作った世界で何をしても、なんの問題もないでしょ?それに、僕がそんなヤワな世界を作るわけがないじゃないか。」
「…影響がないならいいか…それで?何しにきたんだ?俺の様子を見になんて口実なんだろ?」
「はっはっは。それが、そうでもないんだよね。」
ナフタは、笑いながらその場に浮き上がると、話を続けた。
「君の使った魔法にね、少し問題があったんだよ。君にもわかるように言うとバグってやつだね。
それを使い続けると、ちょーっと厄介なことになりそうだったから、こうして会いにきたんだよ。」
バグ?
「簡単に言うと、特殊魔法の使用を禁止します。今回使ったやつはまだ大丈夫だけど、世界の理に触れるようなものも出来そうだからね。練習も、ナビに聞くのも禁止するよ。」
「な、え?世界?」
いきなり何を言いだすんだ?
「そう。ちょーっとだけイレギュラーなんだよね。君って。だから、NB- 7653228出ておいで。」
ナフタがそう言うと、全身に虚脱感が…
そのまま俺は意識を失ってしまった。
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作者です。
ナフタ再臨、何されたかは次回
感想その他、お時間あれば是非。
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