16 / 48
婚約継続!
しおりを挟む
父が俺の意識を失ってからの状況を教えてくれた。
俺はアンジェリカが仕組んだ危ない紅茶を飲み干した後意識を失い痙攣を起こしていた。アリスがとっさの判断で俺の喉に手を突っ込み紅茶を吐き出させたらしい。
それでも痙攣が収まらず、体は浮腫み全身紫の斑点が浮き上がりどう見ても重症化していたそうだ。
アンジェリカは逃げ出し自宅のトイレに隠れるように籠っていたが捕らえられて再度俺の元に連れて行き、何の薬を盛ったのか解毒剤の有無など聞き出そうとしたが俺の惨状を見てアンジェリカは嘔吐し「気持ち悪いものを見せないで!私は悪くない!変な薬だなんて知らなかっただけよ!」と言いながら錯乱し話ができないほど取り乱したと。
その後治療師や医師を呼んだが、見たことない状況に自分たちも未知の病気に感染するのではないかと俺に近づくのをためらった。
そこにアリスだけは駆け寄って症状を念入りに確認し、介抱してくれた。
薬の症状だから感染の心配はない。しかし怪しい薬が他人に付着してはいけないと防護服を持ってこさせ俺を全身消毒してくれたのもアリスだったらしい。
薬の分野が未発達なこの国では医師や治療師の対応よりアリスの薬学の方が助かる見込みがあると両親が判断してくれて治療方針をアリスに任せてくれた。
アリスも自分から俺の介抱や治療を買って出てくれたと父は言っていた。
経過を聞いて俺の胸にアリスへの思いが込み上げてきた。
アリス、こんなに素晴らしい女性はいない。俺は絶対アリスと結婚する!
元凶のアンジェリカは今裁判にかける準備中で今は牢屋の中で捕らえられているそうだ。
今までアンジェリカの好意は気が付いていたし、ちゃんと距離を取らなかった俺にも責任があるのかもしれない。今回、被害者がアリスじゃなくて俺だったことが不幸中の幸いだ。
もう、ふらふらしない。アリスに俺の思いをちゃんと知ってもらおう。
もちろん婚約は継続だ!学園を卒業したらすぐ結婚する。決めた!
しばらく薬の後遺症で四肢にしびれが残り不自由な生活だったが、アリスに心配かけたくない一心で学園に復学した。
アンジェリカの失態は学園中に広まっていた。
俺が毒を盛られたことも知られている。アリスの健闘があったことも知れ渡っているらしい。そのためか、以前よりアリスとほかの生徒との距離が近い気がした。
男子生徒がアリスに挨拶すると、いつも通りぎこちないのだが女子生徒が相手だとアリスが嬉しそうに照れているのが分かる。眼鏡をしていてもアリスの嬉しい気持ちが相手に伝わっている。友達がいないと言っていたアリスにとっても、この状況は本当に好ましいことなのだが、俺にとっては何とも言えない気持ちになる。
ああ、自分勝手だと自分でも分かっている。
アリスが周囲に誤解されているのを一緒になって悪態をつき、自分を助けてくれていたのに絨毯を汚されたとどうでもいい内容で怒って一方的に婚約解消を言い渡すなんぞただのクズ男だ。自分で自分が恨めしいよ。
だが、俺は改心した。アリスの素晴らしさを知ったんだ。
ただの恩義で婚約を継続するんじゃない。俺はアリスに惚れた。例え、あの眼鏡の奥の顔がどんなに崩れて不格好ででも、俺はアリスが大好きだ。誰にも渡す気はない。
もちろんマリーナ嬢にも。
俺はアンジェリカが仕組んだ危ない紅茶を飲み干した後意識を失い痙攣を起こしていた。アリスがとっさの判断で俺の喉に手を突っ込み紅茶を吐き出させたらしい。
それでも痙攣が収まらず、体は浮腫み全身紫の斑点が浮き上がりどう見ても重症化していたそうだ。
アンジェリカは逃げ出し自宅のトイレに隠れるように籠っていたが捕らえられて再度俺の元に連れて行き、何の薬を盛ったのか解毒剤の有無など聞き出そうとしたが俺の惨状を見てアンジェリカは嘔吐し「気持ち悪いものを見せないで!私は悪くない!変な薬だなんて知らなかっただけよ!」と言いながら錯乱し話ができないほど取り乱したと。
その後治療師や医師を呼んだが、見たことない状況に自分たちも未知の病気に感染するのではないかと俺に近づくのをためらった。
そこにアリスだけは駆け寄って症状を念入りに確認し、介抱してくれた。
薬の症状だから感染の心配はない。しかし怪しい薬が他人に付着してはいけないと防護服を持ってこさせ俺を全身消毒してくれたのもアリスだったらしい。
薬の分野が未発達なこの国では医師や治療師の対応よりアリスの薬学の方が助かる見込みがあると両親が判断してくれて治療方針をアリスに任せてくれた。
アリスも自分から俺の介抱や治療を買って出てくれたと父は言っていた。
経過を聞いて俺の胸にアリスへの思いが込み上げてきた。
アリス、こんなに素晴らしい女性はいない。俺は絶対アリスと結婚する!
元凶のアンジェリカは今裁判にかける準備中で今は牢屋の中で捕らえられているそうだ。
今までアンジェリカの好意は気が付いていたし、ちゃんと距離を取らなかった俺にも責任があるのかもしれない。今回、被害者がアリスじゃなくて俺だったことが不幸中の幸いだ。
もう、ふらふらしない。アリスに俺の思いをちゃんと知ってもらおう。
もちろん婚約は継続だ!学園を卒業したらすぐ結婚する。決めた!
しばらく薬の後遺症で四肢にしびれが残り不自由な生活だったが、アリスに心配かけたくない一心で学園に復学した。
アンジェリカの失態は学園中に広まっていた。
俺が毒を盛られたことも知られている。アリスの健闘があったことも知れ渡っているらしい。そのためか、以前よりアリスとほかの生徒との距離が近い気がした。
男子生徒がアリスに挨拶すると、いつも通りぎこちないのだが女子生徒が相手だとアリスが嬉しそうに照れているのが分かる。眼鏡をしていてもアリスの嬉しい気持ちが相手に伝わっている。友達がいないと言っていたアリスにとっても、この状況は本当に好ましいことなのだが、俺にとっては何とも言えない気持ちになる。
ああ、自分勝手だと自分でも分かっている。
アリスが周囲に誤解されているのを一緒になって悪態をつき、自分を助けてくれていたのに絨毯を汚されたとどうでもいい内容で怒って一方的に婚約解消を言い渡すなんぞただのクズ男だ。自分で自分が恨めしいよ。
だが、俺は改心した。アリスの素晴らしさを知ったんだ。
ただの恩義で婚約を継続するんじゃない。俺はアリスに惚れた。例え、あの眼鏡の奥の顔がどんなに崩れて不格好ででも、俺はアリスが大好きだ。誰にも渡す気はない。
もちろんマリーナ嬢にも。
47
お気に入りに追加
3,633
あなたにおすすめの小説
性悪という理由で婚約破棄された嫌われ者の令嬢~心の綺麗な者しか好かれない精霊と友達になる~
黒塔真実
恋愛
公爵令嬢カリーナは幼い頃から後妻と義妹によって悪者にされ孤独に育ってきた。15歳になり入学した王立学園でも、悪知恵の働く義妹とカリーナの婚約者でありながら義妹に洗脳されている第二王子の働きにより、学園中の嫌われ者になってしまう。しかも再会した初恋の第一王子にまで軽蔑されてしまい、さらに止めの一撃のように第二王子に「性悪」を理由に婚約破棄を宣言されて……!? 恋愛&悪が報いを受ける「ざまぁ」もの!! ※※※主人公は最終的にチート能力に目覚めます※※※アルファポリスオンリー※※※皆様の応援のおかげで第14回恋愛大賞で奨励賞を頂きました。ありがとうございます※※※
すみません、すっきりざまぁ終了したのでいったん完結します→※書籍化予定部分=【本編】を引き下げます。【番外編】追加予定→ルシアン視点追加→最新のディー視点の番外編は書籍化関連のページにて、アンケートに答えると読めます!!
噂の悪女が妻になりました
はくまいキャベツ
恋愛
ミラ・イヴァンチスカ。
国王の右腕と言われている宰相を父に持つ彼女は見目麗しく気品溢れる容姿とは裏腹に、父の権力を良い事に贅沢を好み、自分と同等かそれ以上の人間としか付き合わないプライドの塊の様な女だという。
その名前は国中に知れ渡っており、田舎の貧乏貴族ローガン・ウィリアムズの耳にも届いていた。そんな彼に一通の手紙が届く。その手紙にはあの噂の悪女、ミラ・イヴァンチスカとの婚姻を勧める内容が書かれていた。
婚約破棄宣言は別の場所で改めてお願いします
結城芙由奈@12/27電子書籍配信中
恋愛
【どうやら私は婚約者に相当嫌われているらしい】
「おい!もうお前のような女はうんざりだ!今日こそ婚約破棄させて貰うぞ!」
私は今日も婚約者の王子様から婚約破棄宣言をされる。受け入れてもいいですが…どうせなら、然るべき場所で宣言して頂けますか?
※ 他サイトでも掲載しています
始まりはよくある婚約破棄のように
メカ喜楽直人
恋愛
「ミリア・ファネス公爵令嬢! 婚約者として10年も長きに渡り傍にいたが、もう我慢ならない! 父上に何度も相談した。母上からも考え直せと言われた。しかし、僕はもう決めたんだ。ミリア、キミとの婚約は今日で終わりだ!」
学園の卒業パーティで、第二王子がその婚約者の名前を呼んで叫び、周囲は固唾を呑んでその成り行きを見守った。
ポンコツ王子から一方的な溺愛を受ける真面目令嬢が涙目になりながらも立ち向い、けれども少しずつ絆されていくお話。
第一章「婚約者編」
第二章「お見合い編(過去)」
第三章「結婚編」
第四章「出産・育児編」
第五章「ミリアの知らないオレファンの過去編」連載開始
その発言、後悔しないで下さいね?
風見ゆうみ
恋愛
「君を愛する事は出来ない」「いちいちそんな宣言をしていただかなくても結構ですよ?」結婚式後、私、エレノアと旦那様であるシークス・クロフォード公爵が交わした会話は要約すると、そんな感じで、第1印象はお互いに良くありませんでした。
一緒に住んでいる義父母は優しいのですが、義妹はものすごく意地悪です。でも、そんな事を気にして、泣き寝入りする性格でもありません。
結婚式の次の日、旦那様にお話したい事があった私は、旦那様の執務室に行き、必要な話を終えた後に帰ろうとしますが、何もないところで躓いてしまいます。
一瞬、私の腕に何かが触れた気がしたのですが、そのまま私は転んでしまいました。
「大丈夫か?」と聞かれ、振り返ると、そこには長い白と黒の毛を持った大きな犬が!
でも、話しかけてきた声は旦那様らしきものでしたのに、旦那様の姿がどこにも見当たりません!
「犬が喋りました! あの、よろしければ教えていただきたいのですが、旦那様を知りませんか?」「ここにいる!」「ですから旦那様はどこに?」「俺だ!」「あなたは、わんちゃんです! 旦那様ではありません!」
※カクヨムさんで加筆修正版を投稿しています。
※史実とは関係ない異世界の世界観であり、設定も緩くご都合主義です。魔法や呪いも存在します。作者の都合の良い世界観や設定であるとご了承いただいた上でお読み下さいませ。
※クズがいますので、ご注意下さい。
※ざまぁは過度なものではありません。
【完結済】次こそは愛されるかもしれないと、期待した私が愚かでした。
こゆき
恋愛
リーゼッヒ王国、王太子アレン。
彼の婚約者として、清く正しく生きてきたヴィオラ・ライラック。
皆に祝福されたその婚約は、とてもとても幸せなものだった。
だが、学園にとあるご令嬢が転入してきたことにより、彼女の生活は一変してしまう。
何もしていないのに、『ヴィオラがそのご令嬢をいじめている』とみんなが言うのだ。
どれだけ違うと訴えても、誰も信じてはくれなかった。
絶望と悲しみにくれるヴィオラは、そのまま隣国の王太子──ハイル帝国の王太子、レオへと『同盟の証』という名の厄介払いとして嫁がされてしまう。
聡明な王子としてリーゼッヒ王国でも有名だったレオならば、己の無罪を信じてくれるかと期待したヴィオラだったが──……
※在り来りなご都合主義設定です
※『悪役令嬢は自分磨きに忙しい!』の合間の息抜き小説です
※つまりは行き当たりばったり
※不定期掲載な上に雰囲気小説です。ご了承ください
4/1 HOT女性向け2位に入りました。ありがとうございます!
お言葉を返すようですが、私それ程暇人ではありませんので
結城芙由奈@12/27電子書籍配信中
恋愛
<あなた方を相手にするだけ、時間の無駄です>
【私に濡れ衣を着せるなんて、皆さん本当に暇人ですね】
今日も私は許婚に身に覚えの無い嫌がらせを彼の幼馴染に働いたと言われて叱責される。そして彼の腕の中には怯えたふりをする彼女の姿。しかも2人を取り巻く人々までもがこぞって私を悪者よばわりしてくる有様。私がいつどこで嫌がらせを?あなた方が思う程、私暇人ではありませんけど?
婚約者を奪われた私は、他国で新しい生活を送ります
天宮有
恋愛
侯爵令嬢の私ルクルは、エドガー王子から婚約破棄を言い渡されてしまう。
聖女を好きにったようで、婚約破棄の理由を全て私のせいにしてきた。
聖女と王子が考えた嘘の言い分を家族は信じ、私に勘当を言い渡す。
平民になった私だけど、問題なく他国で新しい生活を送ることができていた。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる