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悪女になれる?

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デイビット様が同性愛者ってことなのかな?


仕事柄色々な人と出会ってきた。


東京では友達にレズビアンの子だっていたしゲイだと教えてくれた子もいた。

私は別に誰が誰を好きになっても何だっていいと思っている。


怖いのは、自分と違うから、みんなと違うから。

だから差別していいって言う考え方だった。

自分や周りが知らないことは、おかしな事だって言い出す馬鹿の話を信じられる方がよっぽどおかしい。

多数と違う事をおかしいと言うバカの話を。


みんなと一緒じゃないのは「悪」だって信じるのは自分を守るためなんだろうけど、それがどれだけ人の事を傷つけるのか考えたことがあるのかって言いたい。



お母さんが違う人って事がおかしい、耳が聞こえないって事がおかしい、学校に行ってない事がおかしい、貧乏だからおかしい、異性を好きにならない事がおかしい…。


そんなこと言ったら世の中おかしいことだらけだって話だよね。



私の答えはこうだ。

「何もおかしくありません。犯罪なんて思いません。
みんなと一緒じゃないとおかしいのは、視野が狭くて怖がりで馬鹿な人たちが多いからそうなっちゃうんですよ。
誰が誰を好きになってもおかしくないです。」



「…。ふはははは。こんな面白い子がいたとはな。ははは。愉快だ。」



「デイビット様?」


「ははは…。この質問で君なら分かっただろうが、暴露しよう。私は同性愛者だ。男性と関係を持つことを望んでいる。」


「何故それを私に?」


「本当はね、噂通りの令嬢であれば結婚後お金を握らせて屋敷で囲おうとしていたんだ。
そうすれば代わる代わる男性が屋敷に出入りしていても後妻が呼んだと世間は思うだろう?
令嬢用の男と僕用の男。誰がどんな男女と関係を持つなんて詮索されない。
だって男が男を買うのは普通で考えるとありえないことだからね。

これでもまだ領地を守る立場だ。妙な偏見で領民達を不安にさせたくないんだ。」



「私を身代わりにして男性と関係を持つ生活を送ろうとしていたのですか?」


「そうだね。ひどい男だろう?自分の命ももうわずかとなった時、後悔を残す事って何だろうって考えたら今まで偽り続けた性だった。
余生だけは好きに生きたいんだ。
同性が好きな僕として快楽を優先してみたいって…。どうだい?気持ち悪いかい?」




「いいえ。何もおかしくありません。」

そうだ。高齢になっても男性と関係を持って楽しそうにしている尼さんだって居るくらいなんだよ。

世の中、男と女と金と快楽ってどっかのスナックのママさんが叫んでたな。

つまり、何だっていいじゃん。



「本当に?」


「実は…。私処女なんですけど、デイビット様に嫁いでハードな痛い系やグロテスクなアイテム使った系とか…。
なんか物凄い夜を強要されたらどうしようかと不安でした。
それに比べたら全然…。いや、比べるところ間違ってるんですけど…。
なのでむしろ後妻の理由を聞いてちょっと安心しました。」



「何を言ってるんだ君は…。何ともおかしな子がいたもんだ。ははは。ああ、愉快だ。」



「あの、デイビット様が大切な事を教えてくださったので私もお話させてください。
信じてもらえないかもしれませんが、私昨日別の世界で車に轢かれて死んだみたいなんです。
気がついたらこのエレノアになっていて…。

なのでこの世界の事何も知らないんです。もともとこのエレノアも勉強とかしていなかったみたいで基礎学力がさっぱり未知数なんです。

これからデイビット様の生活を快適に送る協力は何でもします。
その間私にこの世界の事教えてください!よろしくお願いします!」



私は立ち上がって深々頭を下げる。


土下座の方が気持ちが伝わるかな?でもこの世界に土下座の意味分からないよね…。

そんなことを考えていると



デイビット様は少し困惑していたが、すぐ優しい顔つきになった。


「頭を上げなさい。奇妙な話だが、君を見ていると嘘に聞こえない。
確認だが、君に性生活は強要しない。
僕がこの状態だからね。
学びも好きなだけ提供しよう。
でも、僕と生活すると世間は君を男にだらしない悪女だと認識するはずだ。
まだ純潔の乙女の君にそのような役割が耐えられるだろうか。

僕の秘密を守って悪女という世間の非難に耐えてくれたら、僕の死後、僕の有している財産や土地すべてを君に託そう。
必要であれば君に直接爵位を授けるよう国王に進言することも可能だ。

どうだろうか?」




男をとっかえひっかえしているのが悪女?なら前世の私の周りほぼほぼ悪女じゃん。

キャバ嬢なんてお金もらって相手するんだから悪女の仲間みたいなもんじゃん。


悪女って言われるだけで、この世界で生きていく知識と財力をもらえるのなら答えは絶対


「めちゃくちゃいい条件じゃないですか!ぜひやらせてください!!悪女上等です!」



私は前のめりでデイビット様に回答した。

あまりにも表情が輝いていたんだろう、デイビット様は椅子からずり落ちそうだった。


これが関西だったらいいリアクションなんだけど。

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