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デイビット様との会話
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お見合い会場に着いた。
迎賓館みたいなところだ。
奥の豪華な室内に案内される。
敷かれている絨毯がふかふかでヒールが埋もれる。
キャバ時代にヒールで鍛え抜かれたふくらはぎで優雅に歩く。
店のスタッフが私に見とれているのが分かる。
そうそう、この視線嫌いじゃないんだよね~。
あんたには落とせない女だけど、お金払ってくれたらお喋りの時間は作ってあげる。
っていう高飛車な女が男は好きなんだよね。
私に見とれていた男性スタッフにウインクを一つお見舞いすると真っ赤になってふらついていた。
ここがキャバならこの後指名もらえるんだけど、今は違う。
さあ、頭をこの世界に切り替えよう。
「デイビット様、お待たせしました。この子が私の娘エレノアです。」
「エレノアです。どうぞ、よろしくお願いいたします。」
ここの正解のお辞儀ってどうするんだっけ?
分かんないから昔おかーはんに教えてもらった最敬礼のお辞儀を見せる。
あれ?みんな固まってる?
「おい、エレノア!お前は女なんだからカーテシーだろ?」
父親の人が私の腕を叩きながらヒソヒソ声で怒ってくる。
え?カーテシー?何それ?ああ、何か聞いたことある。あれか、どっかの国のお妃さまがテレビでやってたな。
そんなん日本人のうちが出来る訳ないやん。
でも、さっきのお辞儀はおかーはんに仕込まれた完璧な所作やで。文句言わんといて、おっさん。
「まあまあ、何と言うか…。不思議なことに、洗練されたお辞儀だったよ。あんまり娘さんを怒らないでやってくれ。」
デイビット様は低音で心地いい聞き取りやすいイケメンボイス略してイケボだった。
デイビット様の顔をじっくり観察する。
あれ?結構イケメンじゃん。
確かにおじさんだけど私の好きな犬顔で笑うと目じりにしわが出来るタイプの造りだ。
これはおじさんでもモテるだろうな。結婚相手にお見合いとかいらない気がするけど。
「君がエレノア嬢だね。ここまで来てくれてありがとう。私がデイビット=マックレーンだ。」
そう言ってわざわざ立ち上がって挨拶してくれた。
背はすらりと高く、筋肉も程よくついている。
立ち上がる時杖を使っているからやっぱり足はちょっと不自由なのかな?
けど、イケメンなのには変わりない。
柔らかい雰囲気、紳士的な振る舞い、上品な話し方…。ああ、お客さんにもこんな人いたな…。
あまりにも余裕がある大人すぎて一時本気で愛人になろうかと悩んだこともあったっけ…。
結局大学に行って関西に帰るって目標があったからならなかったけど。
なんか、そのお客さんに雰囲気が似てた。
「デイビット様、すみません。
学園をわがままでロクに通わず、しっかり教育が行き渡っていない愚かな娘ゆえデイビット様を不愉快にさせてしまいました。
どうぞ、デイビット様のお好きなだけこの娘に罰を与えてください!
それでデイビット様の気がお済でしたら、なにとぞこの結婚を進めていただきとうございます。」
おいおい、なんだよ罰を与えるって。それが娘を嫁にやる父親の言うセリフか?
ああ、前世でも現世でも父親運ゼロだな私。
「ベネット卿、君はもういい。しばらくエレノア嬢と二人きりで話がしたい。退室を願おう。」
「は、はは!
では、エレノア、デイビット様に失礼のないようにな!では、失礼致します!」
父親はさっさと出て行った。
ああ…父親も地雷だったな。
これでホルスタイン親子も来ていたら地獄絵図だっただろうな。
撒いてきて良かった…。すでにぐったりだよ。
「では、エレノア嬢。こちらに座ってくれ。端的に話を進めよう。」
デイビット様が私を席に誘導してくれる。
「はい。よろしくお願いします。」
豪華な食事が目の前に並んでいるがぎっちりコルセットを巻かれているので、全く食欲がない。
それに、今は食事会じゃなくてお見合いだ。
どっちにしろ今食べるのはマナー的にダメだろう。
「さあ、エレノア嬢、お若いのだからお腹が減るだろう?食べながら話でもしようか?」
「いえ、デイビット様のお話が聞きたいです。大切なお話なのでしょう?」
「…。ふむ。さっきから君は噂の女の子と少しイメージが違うようだが。何なんだろうなこの違和感は…。」
「噂…ですか?どのような内容を耳にしておられるのでしょうか?」
「君には失礼だが、エレノア=ベネットは卑しい血筋が流れていて、男をとっかえひっかえ買い漁り、マナーも身に着けず下品な振る舞いで見るに堪えない令嬢と聞いていた。
他にもわがままで、目の前に豪華な食事を用意すると、口いっぱい放り込んで人の話を聞く余裕もなくなる、
狂った家畜のような有り様だと…。聞いている。」
「そ、そうですか…。それはまた、典型的な悪意のある噂ですね。」
ホルスタインめ。やる事が幼稚すぎるだろう。
逆に、そんな令嬢がいれば見てみたいよ。
信じる世間も世間だけどあのホルスタイン親子と父親の事だ。
噂が訂正される機会もなかったんだろうな…。
私ならやり返すけど。
「まあ、デイビット様がどのように私を認識されるのかは私にはどうしようも出来ませんがそれは完全な噂ですよ。けど、噂とはいえわざわざそのような評判の悪い私を後妻にすると言うことは何か理由がおありなのではないですか?」
「はあ…。君に関しては、確かに噂であって事実は違うようだな。
まあ、良い。単刀直入に聞く。君は金や財力が好きか?」
ん?お金?当たり前じゃん。
「お金…ですか?そうですね。大好きです。
ただ、有り余る無意味なお金は人を狂わせます。
仕事の対価で得たお金はものすごく好きです。お金は裏切りませんから。」
実際お金で成り立つ関係で働いていたんだからお金の怖さは知っている。
キャバで破産した客、ホストで破滅した子…色んな人たちを見てきた。
お金は万能じゃない、毒にもなるものだ。
「ははは…。なるほどな。素晴らしい回答だ。確かに人は裏切るがお金は裏切らないからね。それは正解かもしれない。じゃあ、もう一つ。君は同性愛に抵抗はあるかい?」
「同性愛?ですか?」
「そうだね。例えば女性が女性を愛する、男性が男性を愛する…。
もっと具体的に表現させてもらおう。男が男に抱かれるのは犯罪だと思うかい?」
何でそんなこと聞くんだろう?
迎賓館みたいなところだ。
奥の豪華な室内に案内される。
敷かれている絨毯がふかふかでヒールが埋もれる。
キャバ時代にヒールで鍛え抜かれたふくらはぎで優雅に歩く。
店のスタッフが私に見とれているのが分かる。
そうそう、この視線嫌いじゃないんだよね~。
あんたには落とせない女だけど、お金払ってくれたらお喋りの時間は作ってあげる。
っていう高飛車な女が男は好きなんだよね。
私に見とれていた男性スタッフにウインクを一つお見舞いすると真っ赤になってふらついていた。
ここがキャバならこの後指名もらえるんだけど、今は違う。
さあ、頭をこの世界に切り替えよう。
「デイビット様、お待たせしました。この子が私の娘エレノアです。」
「エレノアです。どうぞ、よろしくお願いいたします。」
ここの正解のお辞儀ってどうするんだっけ?
分かんないから昔おかーはんに教えてもらった最敬礼のお辞儀を見せる。
あれ?みんな固まってる?
「おい、エレノア!お前は女なんだからカーテシーだろ?」
父親の人が私の腕を叩きながらヒソヒソ声で怒ってくる。
え?カーテシー?何それ?ああ、何か聞いたことある。あれか、どっかの国のお妃さまがテレビでやってたな。
そんなん日本人のうちが出来る訳ないやん。
でも、さっきのお辞儀はおかーはんに仕込まれた完璧な所作やで。文句言わんといて、おっさん。
「まあまあ、何と言うか…。不思議なことに、洗練されたお辞儀だったよ。あんまり娘さんを怒らないでやってくれ。」
デイビット様は低音で心地いい聞き取りやすいイケメンボイス略してイケボだった。
デイビット様の顔をじっくり観察する。
あれ?結構イケメンじゃん。
確かにおじさんだけど私の好きな犬顔で笑うと目じりにしわが出来るタイプの造りだ。
これはおじさんでもモテるだろうな。結婚相手にお見合いとかいらない気がするけど。
「君がエレノア嬢だね。ここまで来てくれてありがとう。私がデイビット=マックレーンだ。」
そう言ってわざわざ立ち上がって挨拶してくれた。
背はすらりと高く、筋肉も程よくついている。
立ち上がる時杖を使っているからやっぱり足はちょっと不自由なのかな?
けど、イケメンなのには変わりない。
柔らかい雰囲気、紳士的な振る舞い、上品な話し方…。ああ、お客さんにもこんな人いたな…。
あまりにも余裕がある大人すぎて一時本気で愛人になろうかと悩んだこともあったっけ…。
結局大学に行って関西に帰るって目標があったからならなかったけど。
なんか、そのお客さんに雰囲気が似てた。
「デイビット様、すみません。
学園をわがままでロクに通わず、しっかり教育が行き渡っていない愚かな娘ゆえデイビット様を不愉快にさせてしまいました。
どうぞ、デイビット様のお好きなだけこの娘に罰を与えてください!
それでデイビット様の気がお済でしたら、なにとぞこの結婚を進めていただきとうございます。」
おいおい、なんだよ罰を与えるって。それが娘を嫁にやる父親の言うセリフか?
ああ、前世でも現世でも父親運ゼロだな私。
「ベネット卿、君はもういい。しばらくエレノア嬢と二人きりで話がしたい。退室を願おう。」
「は、はは!
では、エレノア、デイビット様に失礼のないようにな!では、失礼致します!」
父親はさっさと出て行った。
ああ…父親も地雷だったな。
これでホルスタイン親子も来ていたら地獄絵図だっただろうな。
撒いてきて良かった…。すでにぐったりだよ。
「では、エレノア嬢。こちらに座ってくれ。端的に話を進めよう。」
デイビット様が私を席に誘導してくれる。
「はい。よろしくお願いします。」
豪華な食事が目の前に並んでいるがぎっちりコルセットを巻かれているので、全く食欲がない。
それに、今は食事会じゃなくてお見合いだ。
どっちにしろ今食べるのはマナー的にダメだろう。
「さあ、エレノア嬢、お若いのだからお腹が減るだろう?食べながら話でもしようか?」
「いえ、デイビット様のお話が聞きたいです。大切なお話なのでしょう?」
「…。ふむ。さっきから君は噂の女の子と少しイメージが違うようだが。何なんだろうなこの違和感は…。」
「噂…ですか?どのような内容を耳にしておられるのでしょうか?」
「君には失礼だが、エレノア=ベネットは卑しい血筋が流れていて、男をとっかえひっかえ買い漁り、マナーも身に着けず下品な振る舞いで見るに堪えない令嬢と聞いていた。
他にもわがままで、目の前に豪華な食事を用意すると、口いっぱい放り込んで人の話を聞く余裕もなくなる、
狂った家畜のような有り様だと…。聞いている。」
「そ、そうですか…。それはまた、典型的な悪意のある噂ですね。」
ホルスタインめ。やる事が幼稚すぎるだろう。
逆に、そんな令嬢がいれば見てみたいよ。
信じる世間も世間だけどあのホルスタイン親子と父親の事だ。
噂が訂正される機会もなかったんだろうな…。
私ならやり返すけど。
「まあ、デイビット様がどのように私を認識されるのかは私にはどうしようも出来ませんがそれは完全な噂ですよ。けど、噂とはいえわざわざそのような評判の悪い私を後妻にすると言うことは何か理由がおありなのではないですか?」
「はあ…。君に関しては、確かに噂であって事実は違うようだな。
まあ、良い。単刀直入に聞く。君は金や財力が好きか?」
ん?お金?当たり前じゃん。
「お金…ですか?そうですね。大好きです。
ただ、有り余る無意味なお金は人を狂わせます。
仕事の対価で得たお金はものすごく好きです。お金は裏切りませんから。」
実際お金で成り立つ関係で働いていたんだからお金の怖さは知っている。
キャバで破産した客、ホストで破滅した子…色んな人たちを見てきた。
お金は万能じゃない、毒にもなるものだ。
「ははは…。なるほどな。素晴らしい回答だ。確かに人は裏切るがお金は裏切らないからね。それは正解かもしれない。じゃあ、もう一つ。君は同性愛に抵抗はあるかい?」
「同性愛?ですか?」
「そうだね。例えば女性が女性を愛する、男性が男性を愛する…。
もっと具体的に表現させてもらおう。男が男に抱かれるのは犯罪だと思うかい?」
何でそんなこと聞くんだろう?
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