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最終回 どうしようもない貴族令嬢は
しおりを挟むロイからのプロポーズの4ヶ月後公式に二人は婚姻契約を結んだ。
一応王族であるロイは王位継承権を放棄する旨を主張していたが、国王より保留とされた。
本来貴族間でも婚姻にまで至るには1年以上時間がかかる事を一週間でやってのけた。
それは見事なロイの執念と言える。
他の貴族に今のリリアの存在を知られるとライバルが増えすぎるためリリアの気が変わらないうちに夫婦になりたかったのだ。
二人とも王位や爵位に全く興味がなかったのだが、国王からすると自分の手の内に入れておかなければならない二人である。
今後二人の力や人脈は計り知れない。それはバスク地区全体にも言える。
国王の尽力があって、見事リリアとロイは夫婦になれた。
夫婦となり更に1年後、リリアとロイは一つ屋根の下で暮らしている。
がしかし、そこはリリア。プライベートと仕事はしっかり分けるので会議などでロイの意見が挙がっても納得いく理由がなければリリアはどこまでも論破してくる。
ラジオやマーガレット、執事、ダン、マーガレット達は笑いを堪えながら、仕事中は中立の立場で会議を進めていく。
仕事中のリリアはどこまでも仕事人間だが、家に帰ればロイと過ごす時間に切り替わる。
新婚生活の初めは、自宅でも仕事の話ばかりになり過ぎていたが、ロイが仕事以外のリリアの楽しいことを一緒にしたい。と提案しお互い二人でいる時間の過ごし方を考えた。
今では一緒に買い物に行きメニューを決めて一緒にご飯を作るといった些細な楽しみを二人で楽しんでいる。
時に甘えたり、甘えられたり穏やかに愛を育んでいるのだ。
ある日、休日雨の日に自宅でロイとお茶をしている時ふとリリアが思い出した。
「私がこの世界に来るとき、誰かに呼ばれた気がしたの。あの声、皐月の頃のお母さんの声じゃなかったんだけど、何だったんだろう?」
「へー。どうなんだろうな。もしかすると、リリアの母さんだったのかもな。この世界に来た時にアルバ家って大変な時だったんだろ?その状況を何とかしたいと思うのは母親の立場のような気がするな。まあ、わからないけど。」
「確かに…。聞いた事ないけど、何だか懐かしいような気がしたのよね。ロイのいう通りかもしれない。」
「でも、突然どうした?そんな話が浮かぶなんて。」
「あの、ね。実は…最近来るものが来ていなかったの。心配になってお医者さんに見てもらったら…。」
「え?何だよ。リリア、病気だったのか?だったらすぐ治療しよう!医者も治療師も治してくれる奴が見つかるまでどこまでも探しに行くぞ!」
「ち、違うの。そうじゃなくて…。お腹に。」
「お腹?お腹に何かあるのか?よくないものが…。」ロイは青白くなる。
「フフフフ。違うわ、ロイ。お腹の中にはあなたと私の大切な命が来てくれたの。」リリアはお腹を優しくさする。
「へ?俺たちの命?え?え?え?もしかして…。」
「やっと分かってくれた。そう、私たちの赤ちゃんが来てくれたの。」
「…っ!!!やったーーーー!!!」
ロイはガバッとリリアを抱きしめた。
「嬉しい!こんな嬉しいことってあるんだな!俺たちに家族が出来るんだ!ああ、涙って嬉しい時に出るって本当だったんだ。リリア、ありがとう!」
「ロイはきっと良いお父さんになれるわ。フフフフ。」
「ああ、つい力を込めて抱きしめてしまった。お腹大丈夫か?」
「まだ全然お腹でてないの。これからリタさんやセリさんに色々赤ちゃんの事教えてもらおうと思って。」
「ああ、それが良い。絶対無理するなよ!リリアもお腹の子供も俺の何より大切な存在だ。よーし、俺もジルのおっさんに色々教わるか。あんまり参考にならないかもしれなけど。」
「もう、ロイったら。」リリアがクスリと笑う。
妊娠の報告を受けたその夜
ロイは興奮しながらベッドにいた。隣のリリアはもう寝息を立てて寝ている。
(俺が父親か…。国王の父親はあんまり参考にならないな。俺はリリアを絶対守る。母さんのようには絶対させない。王族の絡みでややこしくなったり命を狙われるのなら、やっぱりこの身分は全て返上しよう。平民でも何でも良い。リリアと子供と一緒にいられるのなら。
母さん、今日初めて嬉し涙っていうものを知ったよ。
ありがとう母さん。俺すごく幸せだ。
子供が生まれたら母さんの墓に一緒に行くよ。
すごく優しくて綺麗な人だったって教えるんだ。
ああ、こうやって命って継がれていくんだな。)
「リリア、本当にありがとう。リリアに会えた俺は世界一幸せ者だ。これからもよろしく。」
ロイは隣で寝ているリリアの頬にそっとキスをした。
どうしようもない貴族令嬢と言われたリリア・アルバはこれからも愛する男性と一緒に大切な時間を紡ぐ。
そして、皐月の信念を持ち、子供達の明るい未来のためにどんな困難も乗り越える。
そこには信頼する仲間達がいてくれるから。
ー終ー
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あまりにも父親ズ(国王とリリアのクソ父親)が呑気で平和ボケというか自分勝手すぎて鈍すぎて腹が立ってしまいました💢
小説の中なのにここまでイライラするのはのめり込むくらい面白かったからなんですけど、どうしても許せなくてコメントします!!!笑
本当に作り込まれた面白い作品をありがとうございます!
私はもう少し特にリリアのクソ父親にキレておきます笑笑
りこ様
感想ありがとうございます。
そうなんですよね。そもそもあなたたちがしっかりしておけば、こんな状況になっていないよね?となりますよね。
転生後リリアの精神年齢がかなり上で教育者目線だから何とか成り立ったところがあります。
のめり込むほど読み込んでいただいてすごく嬉しいです。
ありがとうございました。
新作が面白く、他の作品も読んでみたくて飛んで来ましたヽ(*´▽)ノ♪
やっぱ面白くて一気読みしましたーーー( ´͈ ᗨ `͈ )◞♡⃛
多少 誤字系が気になりましたが面白かったです(>_<) !!
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sakikaname様
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