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シスターの頭痛 2

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「どなた?」

「ロイだ。」



「ああ、また頭痛の種がきたわ。そんなに私の前世の行いが悪かったのかしら。」

とぶつぶつ言いながら扉を開けてロイを招いた。


「シスター、あのリリアって女何なんだ?調子が狂ってしまう。
何者だよ?ためらいなく剣で自分の髪を削いじまったぞ。
女にとって髪は命なんじゃないのか?」


「ロイ、質問は一つずつにしてください。私もあの子の事で混乱しているの。」

「今この部屋から出て行くの見たが、何話していたんだ?」

「あなたに話すつもりはありません。お互い見ている景色が違いすぎます。
遊び相手が欲しいならたくさんいるでしょう?あの子はやめておきなさい。」

「あんな短髪デブ女遊び相手にもならないよ。
何だよシスターも珍しく感情的じゃないか。」


「あなたも人のことばかりではなく今後の身の振り方を考えた方が良いですよ。
あの子の話はありません。私は用事が詰まっています。事務室は閉めます。」と追いやられた。








「くそ!何だよシスターも変な態度しやがって!
短髪デブ女の素性が知りたいだけだっつうの。あれだけ迷惑かけれたのによ。」
ロイがぶつぶつ言っているとリリアがロイを見つけた。




リリアを無意識に探していると、ちょうど修道院をバタバタ歩き回っていた。


今朝の服に修道院用のエプロンを着ている。
髪型はバッサリ削いだので散らかっていたが、今は上手く収まっている。

スカートを履いていなければちょっと太った少年みたいだ。


「ロイさん。昨日も今朝もありがとうございました。

今朝の少年の様子を見に行ったところです。疲れていたのでしょうね。

ずっと寝息を立てています。安心しきっているようでこちらも安心しました。
彼を運んでいただいたお礼も言えずすみません。」


「お前な。昨日は変な格好して今日は別人になって登場して、
今は男みたいになっているじゃないか!何なんだよ!」

「本当ですね!改めて言葉にすると私七変化ですね。まあ面白いフフフフ。
自分でもせわしないですわ。

体が軽くて動き回りたくて仕方がないのかしら。」と笑っている。

笑うと何の化粧もしていない目元が三日月型になる。

目のパーツ自体はパッと見た感じ地味なのによく見るとまつ毛が長く目の色は綺麗な茶色で澄んでいる。
鼻筋は主張はないがスッと通っていて…。




「おっと、俺は何を見ているんだ。おい短髪デブ女!お前何がしたんだよ!」

「そうそう、ロイさん。私リリアではなく『ジーナ』になりました。
これからシスター見習い兼生徒となります。どうぞ、よろしくお願いいたします。」

「はあ?お前貴族の称号は剥奪されてないんだろ?金もあるんだろ?何だよそれ!」

「女には色々あるのです。私の素性は絶対秘密です。さあ、ロイさん小指を出して。」

リリアは強引にロイの小指を拝借し「指切った!」と進めている。


「何だよそれ!変な呪いかけるな!」

「あら、子供っぽかったかしら。呪いではないです。儀式ですよ。
これで絶対約束は守ってもらいますね。

では、私はこれで失礼します。
まずはトイレ掃除からしなくちゃ。」とリリアは足早に立ち去って行った。






小さくなったリリアの後ろ姿を見てロイは「だから!何なんだよあの短髪デブ女ーー!」と絶叫していた。

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