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私は貴族令嬢リリア・アルバ

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私は、リリア•アルバ16歳。
ノイズ王国の中堅貴族アルバ家の第二子。
7歳上(23歳)の長男はケント•アルバ。魔力・頭脳ともに優秀でゆくゆくアルバ家の領地を継ぐことが決まっている。
私たちの父親は健在だが、母親は私リリアが3歳の時不慮の事故で亡くなっている。

お父様は思慮深く人望も厚い人物だが、お母様を亡くしてから悲しみを打ち消すように
異常なほど仕事に打ち込んだ。

お母様が亡くなった頃、ケントお兄様は自身の状況を把握できる年齢だったので、母のことは記憶にある。現在、お兄様は仕事を通してなら父親と交流がある。

お父様は私を見るとお母様の面影を重ねてしまい、平常心が保てなくなるとメイドから聞かされた。
なので私はお父様と交流する機会は年に数回しかない。
お父様は仕事でこの屋敷を不在にしがちだ。

私は、物心ついた時から本宅ではなく離れにある屋敷に住んでいる。メイドの一人だけが私のお世話係だ。

ケントお兄様は何故か私リリアを毛嫌いしている。
お母様がが亡くなって13年間私の意見、容姿、人格、存在を否定するような発言ばかりだ。



「リリアお嬢様、注文していたドレスと宝飾品でございます。こちらに飾っておきます。身につける際はお呼びください。では失礼いたします。」

そう言ったのはメイドのデリスだ。

「ねえ、デリスこのドレス達は私のためにあるのよね。私は世界一美しいのよね?」

「はい、お嬢様。大輪のバラのようでございます。」

「そうよね。これは私ようの特注だもの。当たり前よね。」

「…。」

「デリス、今日のご飯はお肉たっぷりのものがいいわ。デザートはクリームがいっぱいのったケーキ。5個以上よ。この前少なかったからクッキーでしのいだのよ。やになっちゃう。」

「では、食事の準備に取り掛かります。失礼します。」

デリスが返答したが、リリアはドレスを鼻息荒く見ており、聞いていない様子だ。


厨房の前でデリスはモヤモヤしていた。

「何が大輪のバラよ。巨大なデブの間違いでしょ。馬鹿じゃないの。
デブ過ぎてドレスが入らないから特注なのよ。
脂っこいものばっかり食べるからニキビも大量。
体もなんだか臭いわ。貴族だからって甘やかされすぎなのよ。あんなヤツだいっきらい!」

「まあ、あと半年後にはおさらばね。清々するわ。」

とつぶやいて厨房に入った。



夕食後、ドレスを着たリリアが部屋ですごしていると、

「今日もお父様とお会いできなかったわ。新しいドレスをお見せしたかったのに…。」

「おい、入るぞ。」

「ケントお兄様!ど、ど、どうされたのですか…。」

「お前がまたしょうもない物を頼んだと聞いたからな。
ああ、全く似合っていないな。趣味が悪すぎる。生地の素材が台無しだ。
まあ、上品なデザインでもお前のその容姿なら何着ても醜い。
店は儲かっているだろうが、こちらは頭が痛いよ。」

「そこまで言わなくても…。」

「お前は自分が思っている以上に醜い。そして愚かだ。なにも知らない。
貴族らしく振る舞えるよう家庭教師をつけても全く身に入らない。
本来、早く嫁いで少しでもこちらの利益になるように動いてもらう予定も全く出来ない。
この家のお荷物って事だ。こんな女だれも縁談なんてこないはずだな。」

「そんな…。うっ、うっ、うっうえええええーーーん!」

「醜い顔が、更に醜くなった。しかもこの部屋体臭と香水の臭いで気分が悪くなる。
もう行くよ。半年後の心配でもしておくんだな。」

とケントは出ていった。
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