剣と魔法と愛と

御夢

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皇宮にて

俺の皇子様

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   リアンが連れていかれた。追いかけようと扉に向かったが、すぐに閉められてしまった。

   「なぁ、お前も随分と綺麗な顔してるが、どこかの貴族か?まあ、だからといって返す訳には行かないけどな。ただ、貴族なら身代金とか要求できそうだと思ってな。」

   「み、身代金?」

   俺なんかにそんな価値はないと思うけど。
   この部屋には5人ほどが残った。

   「あ、あの、リアンを返してください。あと、俺たちを返してください。」

   「…………それは無理だ。さっきも言ったが、俺たちはお前たちをさらってくるように頼まれている。しかも、死なない程度に痛めつけろってな。報酬はまだだから、依頼を達成しなくちゃいけないんだ。」

   だからって、こんなこと。

   「あなた達はなんなんですか?頼まれれば、人攫いだろうが、なんだろうがやるんですか?」

   「まあ、金さえ貰えればな?」

   少しでも情報を引き出さないと。この男たちに依頼してきたやつがわかるかも。守られてばかりは嫌だ。

   本当は隙を見て逃げ出したいけど、俺の力じゃ、屈強な男たちをどうにかできないし、リアンを抱えて逃げるなんて、俺にはできない。

   きっとレオ様が助けに来てくれるはずだから、それまで頑張らないと。

   「じゃ、依頼してきた人より金を払うって言ったら、俺もリアンも助けてくれるの?」

   「……考えたな。だが、無理だ。俺たちは、1度引き受けたのは最後までやり遂げる。だから、お前の依頼は聞けねぇな。」

   すぐに助けは来ない。でも、早くしないとリアンが。俺に何が出来る?考えなくちゃ。

   「何をしたって無駄だぞ。俺たちは依頼人の情報は吐かねぇ。」

   「依頼人のじゃなかったらいいの?」

   「…………………何が聞きたい。」

   「あんた達のこと教えてよ。」

   「俺たちの事聞いてもなんも出ねぇよ。俺たちは好きでこういうことしてるんだ。まぁ、善人ではないしな。あー、でも、生まれは貴族のやつだっているぞ。ただの馬鹿だけどな。」

   貴族も?この人たちには何かあると思う。どこまで引き出せるかな?ガード硬いし、気づかれてるとは思うけど。

   「さて、お喋りはここまでだ。お前たち、やれ。」

   「!?!?!?」

   腕を掴まれて、床に投げられる。痛い。

   「俺は言ったよな?お前たちを傷つける依頼を受けていると。」

   「っ。」

   「しかも、本来は”お前だけ”を連れてくる予定だったと。」

   そうだ。本来、ここに連れてこられるはずだったのは、俺一人で、リアンは違かった。

   俺が、傷つけられる予定だった。俺が、汚される予定だった。どうしよう。俺のせいで、リアンが。

   「俺たちは依頼を必ず遂行する。だから諦めな。」

    「!いやっ!」

   男たちが俺の服に手をかける。必死に抵抗した。でも、俺の力じゃ振り解けない。

   いやだ。レオさま。こわい。

   「お前ら、ヤれ。」

   「いや!やめて!」

   「は、残念だったな。俺たちは正義の味方じゃないんだ。大人しく、その可愛い顔を歪ませるんだな。俺たちを楽しませることが出来たら、あのガキも解放してやるよ。出来たらだけどな。」

   「っや、いや!!」

   レオ様、レオ様、レオ様!!!


 
   たすけて。



   ドゴン!!!


   「!?!?!?」

   扉が乱暴に開いた。誰かがいる。


   そこに居たのは、俺の待ち望んだ人。

   「お前らは、誰に触れているのかわかっているのか?」

   「あ、れ、レオさまっ。」

   来てくれた。

   「”俺のもの”を傷つけた覚悟はできているんだな?………………お前たちに、地獄を見せてやる。」

   俺の大切な人。

   俺の皇子様。

   俺は、頑張れたのかな?ねぇ、俺の愛しい人。

   レオ様。
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