67 / 120
57
しおりを挟む
サジッタリオ領の星を得てからしばらく、わたくしの周りはなぜだかとても静かな日々でございます。
というのも、休み時間毎にいらっしゃっていたフェリックス様、シルヴィオ様、ラガロ様が姿を見せなくなり、王子殿下もわたくしへの接触が仲のいいクラスメイトの範囲の当たり障りないものだけになり、あとは学内にある王子殿下用サロンに皆さまでお集まりになって、次の星探しのご相談をされるようになったからです。
もちろんそこにはセーラ様もお兄さまも参加しているのですけれど、わたくしは呼ばれておらず、もしかして仲間はずれにされてしまったのでしょうか。
(いよいよシナリオの強制力というものの足音が聞こえてきたということでしょうか……)
顔を合わせれば、皆さま親しくごあいさつしてくださいますけれど、今までのような積極性はなくなりました。
節度を保った、どこか空々しいまでの態度なのです。
ようやく皆さまに向き合おうとした矢先のコレなので、わたくし少々気落ちしております。
そしてそんな気持ちのときに寄り添ってくれるはずのファウストとも距離を置かなくてはならなくなり、わたくし、本当にどうしたらいいのでしょう。
ファウストは星探しのメンバーとも距離を置いているようで、お兄さまの要請でお手伝いをすることはあっても、やはり最初の星の力を得てしまったせいか、ほとんど正規メンバーの扱いだったはずが、それも外されてしまったようです。
ファウストが移ったガラッシア家の別邸というのは、貴族街の一等地にある本邸とは別に王城の程近くにある小さめのお屋敷です。
小さめと言っても、本邸に比べてというだけで、前のガラッシア公爵──お祖父様が公務でご多忙の際に寝泊まりに使用していたものですので、公爵家の威容は保ったそこそこの規模のものです。
お父さまは基本的にどんなことがあろうとお母さまのいらっしゃる本邸に帰る、という信念がおありのようなのでほとんどお使いになってはいませんでしたが、もともと常駐していた召使いに加え、ファウストに付いていた少数精鋭の侍女や従者を伴っていきましたから、身の回りのことに困ることはないとは思うのですけれど。
(元気に過ごしていますかしら……)
学園でも、学年が違えば会う努力をしなければ偶然に顔を合わせるということもあまりありませんから、入学から少しの間だけ、一緒に登下校していたことがもう懐かしくなってしまいました。
遠目にでは、あの人形のような無表情の下でムリをしていないか確認もできませんわ。
何かの研究や物作りに没頭してしまうと、わたくしが様子を見て一緒に休憩を取らせないと寝食も忘れてしまうのですもの、セルジオに言って、別邸でもきちんと管理してもらわないといけないかしら。
(……そんなことしたら、弟離れができていないと思われるのかしら?)
姉離れ、弟離れができたというのは、お父さまはどのように判断されるのか、今ひとつ基準がわかりません。
家族として健康を気遣うことは許容範囲だとは思うのですけれど、余計なことをしてファウストの立場がさらに悪くなるようなことは避けたい事態です。
唯一、ジョバンニ様だけが変わらないスタンスで安心するのですけれど、ジョバンニ様は、ファウストと星から得た「転移」の魔法を研究することに夢中のようで、こちらもあまり顔を合わせる機会が減りましたわね。
いつもわたくしを取り巻いている方々がいらっしゃらなくなり、わたくしの周りは自然と裏寂しい雰囲気になっております。
クラスメイトの皆さまも何か感じることがあるのか、ソワソワと遠巻きにわたくしとエンディミオン殿下を見るばかり。
その側には必ずセーラ様がいらっしゃいますから、スカーレット様のご機嫌は日々悪くなる一方です。
今のところわたくしに八つ当たりするだけですので、それはまったく一向にかまわないのですけれど、いつセーラ様にその矛先が向かってしまうか、そちらを考えると胃が痛くなりますから、わたくしは極力サンドバッグになってスカーレット様のおそばにいるほうを選びます。
巫女対公爵令嬢のおかしな構図ができるのは困りますから、セーラ様とは出来得る範囲で積極的に仲良く振る舞っておりますけれど、周りが勝手に噂をすることまでは止められません。
(やっぱりシナリオの強制力……?)
あれだけ対策を立ててきたのに、そんな理不尽なものに運命を捻じ曲げられたくはありません。
気鬱げなわたくしに、みんなの態度が変わっても心配ないよとセーラ様はニコニコと仰います。
お兄さまに相談しても、何か知っていらっしゃる様子ではあるのですが、セーラ様と同じく気にしなくてもいいと詳しくは教えてくれず、簡単な慰めの言葉だけで、
「父上にも、殿下たちをよく見てあげるように言われたんだろう?
近すぎて見えないものも、遠くからならよく見えるかもしれないよ」
などと、煙に巻くような助言をくださるのです。
お父さまに言われたことや、ファウストが別邸に移ることになった経緯も、包み隠さずお兄さまにお話ししているのですけれど、わたくしが戸惑っていても、お兄さまが進んで解決はしてくれないのです。
わたくしが、自ら決めないといけないことだから、ということですが……。
お父さまに言われたとおり、エンディミオン殿下、フェリックス様、シルヴィオ様、ラガロ様を見直してみようと思うものの、シナリオの強制力が気になって、結局乙女ゲームの攻略対象としてしか見ることが出来ずにおります。
さらに、今さら恋の対象として考えようとしても、やはりスカーレット様やクラリーチェ様、マリレーナ様にヴィオラ様のことを考えると二の足を踏むことばかり。
────そうして、まったく進展しないわたくしの心情に忍び寄るようにして現れたのは、新たなる登場人物。
物寂しい様子のわたくしを気遣ったマリレーナ様からご招待を受けた、ペイシ家主催の夜会にて。
いつもエスコートをしてくれるファウストはおらず、お忙しいお父さまとお母さまに代わり、アクアーリオ侯爵夫妻とベアトリーチェお姉さまに付き添っていただいていたわたくしの周りには、普段は公爵家の鉄壁のガードで近寄れもしないという殿方がたくさん集まっていらっしゃいました。
ひとりひとり丁寧に言葉を交わさせていただき、ダンスのお誘いは丁重にお断りしながら、あまりの千客万来ぶりにどうにか一息をつこうと逃れたバルコニーには、黒髪に星明かりが煌めくような、少しだけレオナルド様に似た、漆黒の装いの殿方が先客でいらっしゃいました。
というのも、休み時間毎にいらっしゃっていたフェリックス様、シルヴィオ様、ラガロ様が姿を見せなくなり、王子殿下もわたくしへの接触が仲のいいクラスメイトの範囲の当たり障りないものだけになり、あとは学内にある王子殿下用サロンに皆さまでお集まりになって、次の星探しのご相談をされるようになったからです。
もちろんそこにはセーラ様もお兄さまも参加しているのですけれど、わたくしは呼ばれておらず、もしかして仲間はずれにされてしまったのでしょうか。
(いよいよシナリオの強制力というものの足音が聞こえてきたということでしょうか……)
顔を合わせれば、皆さま親しくごあいさつしてくださいますけれど、今までのような積極性はなくなりました。
節度を保った、どこか空々しいまでの態度なのです。
ようやく皆さまに向き合おうとした矢先のコレなので、わたくし少々気落ちしております。
そしてそんな気持ちのときに寄り添ってくれるはずのファウストとも距離を置かなくてはならなくなり、わたくし、本当にどうしたらいいのでしょう。
ファウストは星探しのメンバーとも距離を置いているようで、お兄さまの要請でお手伝いをすることはあっても、やはり最初の星の力を得てしまったせいか、ほとんど正規メンバーの扱いだったはずが、それも外されてしまったようです。
ファウストが移ったガラッシア家の別邸というのは、貴族街の一等地にある本邸とは別に王城の程近くにある小さめのお屋敷です。
小さめと言っても、本邸に比べてというだけで、前のガラッシア公爵──お祖父様が公務でご多忙の際に寝泊まりに使用していたものですので、公爵家の威容は保ったそこそこの規模のものです。
お父さまは基本的にどんなことがあろうとお母さまのいらっしゃる本邸に帰る、という信念がおありのようなのでほとんどお使いになってはいませんでしたが、もともと常駐していた召使いに加え、ファウストに付いていた少数精鋭の侍女や従者を伴っていきましたから、身の回りのことに困ることはないとは思うのですけれど。
(元気に過ごしていますかしら……)
学園でも、学年が違えば会う努力をしなければ偶然に顔を合わせるということもあまりありませんから、入学から少しの間だけ、一緒に登下校していたことがもう懐かしくなってしまいました。
遠目にでは、あの人形のような無表情の下でムリをしていないか確認もできませんわ。
何かの研究や物作りに没頭してしまうと、わたくしが様子を見て一緒に休憩を取らせないと寝食も忘れてしまうのですもの、セルジオに言って、別邸でもきちんと管理してもらわないといけないかしら。
(……そんなことしたら、弟離れができていないと思われるのかしら?)
姉離れ、弟離れができたというのは、お父さまはどのように判断されるのか、今ひとつ基準がわかりません。
家族として健康を気遣うことは許容範囲だとは思うのですけれど、余計なことをしてファウストの立場がさらに悪くなるようなことは避けたい事態です。
唯一、ジョバンニ様だけが変わらないスタンスで安心するのですけれど、ジョバンニ様は、ファウストと星から得た「転移」の魔法を研究することに夢中のようで、こちらもあまり顔を合わせる機会が減りましたわね。
いつもわたくしを取り巻いている方々がいらっしゃらなくなり、わたくしの周りは自然と裏寂しい雰囲気になっております。
クラスメイトの皆さまも何か感じることがあるのか、ソワソワと遠巻きにわたくしとエンディミオン殿下を見るばかり。
その側には必ずセーラ様がいらっしゃいますから、スカーレット様のご機嫌は日々悪くなる一方です。
今のところわたくしに八つ当たりするだけですので、それはまったく一向にかまわないのですけれど、いつセーラ様にその矛先が向かってしまうか、そちらを考えると胃が痛くなりますから、わたくしは極力サンドバッグになってスカーレット様のおそばにいるほうを選びます。
巫女対公爵令嬢のおかしな構図ができるのは困りますから、セーラ様とは出来得る範囲で積極的に仲良く振る舞っておりますけれど、周りが勝手に噂をすることまでは止められません。
(やっぱりシナリオの強制力……?)
あれだけ対策を立ててきたのに、そんな理不尽なものに運命を捻じ曲げられたくはありません。
気鬱げなわたくしに、みんなの態度が変わっても心配ないよとセーラ様はニコニコと仰います。
お兄さまに相談しても、何か知っていらっしゃる様子ではあるのですが、セーラ様と同じく気にしなくてもいいと詳しくは教えてくれず、簡単な慰めの言葉だけで、
「父上にも、殿下たちをよく見てあげるように言われたんだろう?
近すぎて見えないものも、遠くからならよく見えるかもしれないよ」
などと、煙に巻くような助言をくださるのです。
お父さまに言われたことや、ファウストが別邸に移ることになった経緯も、包み隠さずお兄さまにお話ししているのですけれど、わたくしが戸惑っていても、お兄さまが進んで解決はしてくれないのです。
わたくしが、自ら決めないといけないことだから、ということですが……。
お父さまに言われたとおり、エンディミオン殿下、フェリックス様、シルヴィオ様、ラガロ様を見直してみようと思うものの、シナリオの強制力が気になって、結局乙女ゲームの攻略対象としてしか見ることが出来ずにおります。
さらに、今さら恋の対象として考えようとしても、やはりスカーレット様やクラリーチェ様、マリレーナ様にヴィオラ様のことを考えると二の足を踏むことばかり。
────そうして、まったく進展しないわたくしの心情に忍び寄るようにして現れたのは、新たなる登場人物。
物寂しい様子のわたくしを気遣ったマリレーナ様からご招待を受けた、ペイシ家主催の夜会にて。
いつもエスコートをしてくれるファウストはおらず、お忙しいお父さまとお母さまに代わり、アクアーリオ侯爵夫妻とベアトリーチェお姉さまに付き添っていただいていたわたくしの周りには、普段は公爵家の鉄壁のガードで近寄れもしないという殿方がたくさん集まっていらっしゃいました。
ひとりひとり丁寧に言葉を交わさせていただき、ダンスのお誘いは丁重にお断りしながら、あまりの千客万来ぶりにどうにか一息をつこうと逃れたバルコニーには、黒髪に星明かりが煌めくような、少しだけレオナルド様に似た、漆黒の装いの殿方が先客でいらっしゃいました。
10
お気に入りに追加
1,860
あなたにおすすめの小説
悪役令嬢だと気づいたので、破滅エンドの回避に入りたいと思います!
飛鳥井 真理
恋愛
入園式初日に、この世界が乙女ゲームであることに気づいてしまったカーティス公爵家のヴィヴィアン。ヒロインが成り上がる為の踏み台にされる悪役令嬢ポジなんて冗談ではありません。早速、回避させていただきます!
※ストックが無くなりましたので、不定期更新になります。
※連載中も随時、加筆・修正をしていきますが、よろしくお願い致します。
※ カクヨム様にも、ほぼ同時掲載しております。
悪役令嬢に転生したら溺愛された。(なぜだろうか)
どくりんご
恋愛
公爵令嬢ソフィア・スイートには前世の記憶がある。
ある日この世界が乙女ゲームの世界ということに気づく。しかも自分が悪役令嬢!?
悪役令嬢みたいな結末は嫌だ……って、え!?
王子様は何故か溺愛!?なんかのバグ!?恥ずかしい台詞をペラペラと言うのはやめてください!推しにそんなことを言われると照れちゃいます!
でも、シナリオは変えられるみたいだから王子様と幸せになります!
強い悪役令嬢がさらに強い王子様や家族に溺愛されるお話。
HOT1/10 1位ありがとうございます!(*´∇`*)
恋愛24h1/10 4位ありがとうございます!(*´∇`*)
めんどくさいが口ぐせになった令嬢らしからぬわたくしを、いいかげん婚約破棄してくださいませ。
hoo
恋愛
ほぅ……(溜息)
前世で夢中になってプレイしておりました乙ゲーの中で、わたくしは男爵の娘に婚約者である皇太子さまを奪われそうになって、あらゆる手を使って彼女を虐め抜く悪役令嬢でございました。
ですのに、どういうことでございましょう。
現実の世…と申していいのかわかりませぬが、この世におきましては、皇太子さまにそのような恋人は未だに全く存在していないのでございます。
皇太子さまも乙ゲーの彼と違って、わたくしに大変にお優しいですし、第一わたくし、皇太子さまに恋人ができましても、その方を虐め抜いたりするような下品な品性など持ち合わせてはおりませんの。潔く身を引かせていただくだけでございますわ。
ですけど、もし本当にあの乙ゲーのようなエンディングがあるのでしたら、わたくしそれを切に望んでしまうのです。婚約破棄されてしまえば、わたくしは晴れて自由の身なのですもの。もうこれまで辿ってきた帝王教育三昧の辛いイバラの道ともおさらばになるのですわ。ああなんて素晴らしき第二の人生となりますことでしょう。
ですから、わたくし決めました。あの乙ゲーをこの世界で実現すると。
そうです。いまヒロインが不在なら、わたくしが用意してしまえばよろしいのですわ。そして皇太子さまと恋仲になっていただいて、わたくしは彼女にお茶などをちょっとひっかけて差し上げたりすればいいのですよね。
さあ始めますわよ。
婚約破棄をめざして、人生最後のイバラの道行きを。
☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆
ヒロインサイドストーリー始めました
『めんどくさいが口ぐせになった公爵令嬢とお友達になりたいんですが。』
↑ 統合しました
私はモブのはず
シュミー
恋愛
私はよくある乙女ゲーのモブに転生をした。
けど
モブなのに公爵家。そしてチート。さらには家族は美丈夫で、自慢じゃないけど、私もその内に入る。
モブじゃなかったっけ?しかも私のいる公爵家はちょっと特殊ときている。もう一度言おう。
私はモブじゃなかったっけ?
R-15は保険です。
ちょっと逆ハー気味かもしれない?の、かな?見る人によっては変わると思う。
注意:作者も注意しておりますが、誤字脱字が限りなく多い作品となっております。
モブに転生したので前世の好みで選んだモブに求婚しても良いよね?
狗沙萌稚
恋愛
乙女ゲーム大好き!漫画大好き!な普通の平凡の女子大生、水野幸子はなんと大好きだった乙女ゲームの世界に転生?!
悪役令嬢だったらどうしよう〜!!
……あっ、ただのモブですか。
いや、良いんですけどね…婚約破棄とか断罪されたりとか嫌だから……。
じゃあヒロインでも悪役令嬢でもないなら
乙女ゲームのキャラとは関係無いモブ君にアタックしても良いですよね?
深窓の悪役令嬢~死にたくないので仮病を使って逃げ切ります~
白金ひよこ
恋愛
熱で魘された私が夢で見たのは前世の記憶。そこで思い出した。私がトワール侯爵家の令嬢として生まれる前は平凡なOLだったことを。そして気づいた。この世界が乙女ゲームの世界で、私がそのゲームの悪役令嬢であることを!
しかもシンディ・トワールはどのルートであっても死ぬ運命! そんなのあんまりだ! もうこうなったらこのまま病弱になって学校も行けないような深窓の令嬢になるしかない!
物語の全てを放棄し逃げ切ることだけに全力を注いだ、悪役令嬢の全力逃走ストーリー! え? シナリオ? そんなの知ったこっちゃありませんけど?
家庭の事情で歪んだ悪役令嬢に転生しましたが、溺愛されすぎて歪むはずがありません。
木山楽斗
恋愛
公爵令嬢であるエルミナ・サディードは、両親や兄弟から虐げられて育ってきた。
その結果、彼女の性格は最悪なものとなり、主人公であるメリーナを虐め抜くような悪役令嬢となったのである。
そんなエルミナに生まれ変わった私は困惑していた。
なぜなら、ゲームの中で明かされた彼女の過去とは異なり、両親も兄弟も私のことを溺愛していたからである。
私は、確かに彼女と同じ姿をしていた。
しかも、人生の中で出会う人々もゲームの中と同じだ。
それなのに、私の扱いだけはまったく違う。
どうやら、私が転生したこの世界は、ゲームと少しだけずれているようだ。
当然のことながら、そんな環境で歪むはずはなく、私はただの公爵令嬢として育つのだった。
魔性の悪役令嬢らしいですが、男性が苦手なのでご期待にそえません!
蒼乃ロゼ
恋愛
「リュミネーヴァ様は、いろんな殿方とご経験のある、魔性の女でいらっしゃいますから!」
「「……は?」」
どうやら原作では魔性の女だったらしい、リュミネーヴァ。
しかし彼女の中身は、前世でストーカーに命を絶たれ、乙女ゲーム『光が世界を満たすまで』通称ヒカミタの世界に転生してきた人物。
前世での最期の記憶から、男性が苦手。
初めは男性を目にするだけでも体が震えるありさま。
リュミネーヴァが具体的にどんな悪行をするのか分からず、ただ自分として、在るがままを生きてきた。
当然、物語が原作どおりにいくはずもなく。
おまけに実は、本編前にあたる時期からフラグを折っていて……?
攻略キャラを全力回避していたら、魔性違いで謎のキャラから溺愛モードが始まるお話。
ファンタジー要素も多めです。
※なろう様にも掲載中
※短編【転生先は『乙女ゲーでしょ』~】の元ネタです。どちらを先に読んでもお話は分かりますので、ご安心ください。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる