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セレンティア編
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セレンティアが二度目の懐妊した頃、王城に大きな地震が起きた。
コーネリウスがセレンティアとコーデリカを救い出した時、セレンティアは幼い我が子を庇って、机の下敷きになっていた。命は助かったがお腹の子供は流産となり、その所為で、セレンティアは二度と子供が産めない身体となってしまった。
悲しむセレンティアを他所にダグラス侯爵一派が、コーネリウスに新しい妃が必要だと騒ぎ出した。その相手にサンドラの名が挙がった。一度、コーネリウスの手が付いたサンドラは修道院に入るか、側妃となって王城に入るしか選択はない。コーネリウスにその責任を取るよう迫ったのだ。
その話を聞いた時からセレンティアとコーネリウスはざわざわとした胸騒ぎがしていた。何か忘れている様な思い出したくもない過去の異物がセレンティア達の頭に過った。
それはコーネリウスに媚薬を飲ませて、関係を持ったあの日の忌まわしい出来事を…。
当時、関係した侍女や調理人、騎士達は、ダグラス侯爵の手の者にその場で始末されていた為、侯爵家との繋がりは絶たれ、事件は迷宮入りとなっている。
勿論、王妃アルモネラやサンドラにも疑惑が浮上したが、決定的な証拠がない。しかも、当時コーネリウスと二人きりだった為、中で何があったのかはサンドラの告白しか証明できる物はなかった。残念な事にもう一人の当事者コーネリウスは、媚薬に侵され正常な判断は不可能な状態であった。国王は渋々王太子の非を認め、多額の慰謝料を支払って和解した。
しかし、いくら箝口令を強いた所で、知っている者は知っている。若き王太子とサンドラの間に何があったのかを。
多くの貴族の前で、サンドラとの過ちを知られたコーネリウスは、責任を取るより道が無かった。国王も苦々しく思いながらそれを認めた。
「すまない…セレンティア。ダグラス侯爵令嬢を側妃に迎える事になった」
「え…そんな…。うそでしょう。あれは本当のことなの?貴方と彼女が一線を越えたというのは…。夢だと思っていたわ。いえ悪夢を見ているのだと信じたかった」
泣き崩れるセレンティアを宥めようとコーネリウスは手を伸ばした。
──バシッ!!
その手をセレンティアが弾き返し、
「汚らわしい…。他の女性に触れた手でわたくしに触らないで!!」
セレンティアは激しく抵抗して拒絶した。その翠の瞳には涙を浮かべながらコーネリウスを睨みつけている。
コーネリウスは戸惑っていた。
長く共に過ごしたセレンティアから初めて憎しみの目を向けたことに…。
自分を否定され拒絶されたことに…。
議会でサンドラを側妃に迎えるという案は可決され、半年後にサンドラは王城にやってきた。筆頭侯爵家の権力を誇示するかのような夥しい嫁入り道具と一緒に。
それを静かに自室の窓から眺めながら、
──明日が来なければいいのに…。
セレンティアは心の中で呟いていた。
その夜、セレンティアは一睡もできなかった。愛する夫は別の女性と褥を共にする。そんな耐え難い屈辱と深い悲しみ、苦しみがセレンティアの心を支配した。
次の日も、次の日もセレンティアは眠れない。
普段、王太子妃としての執務に忙殺されながら、愛する我が子を見ても心は癒されなかった。セレンティアの心の中にあるのは、コーネリウスへの恋慕だけだったのだ。
──いつか、わたくしは捨てられるかもしれない…。
そんな一抹の不安が徐々にセレンティアの心を蝕んでいった。自分でも気付かない程大きく膨れ上がっていた。
コーネリウスは、表向きは側妃となったサンドラの元に通っていたが、密かにサンドラにある二種類の薬を盛っていた。
一つは避妊薬。
もう一つは眠り薬である。
深い眠りについたサンドラはコーネリウスが部屋から出て行った事を知らない。気付かない。コーネリウスは、あの忌まわしい記憶の所為で、男としての機能を失っていた。女性に反応しなくなったのだ。
男として欠陥品となったコーネリウスは、そのことをセレンティアにも言えなかった。嫉妬で苦しんでいるセレンティアにもし、本当の事を言えば軽蔑されて、二度と触れることも赦さなくなるのではと恐れていた。
サンドラを張子で満足させ、眠らせると部屋をこっそり出て行く。しかし、自室に帰りたくもないコーネリウスは、セレンティアの隣で朝まで眠りについた。
そんな奇妙な生活に侍女や騎士達も気付いていたが、皆王太子夫妻の味方をして、サンドラの耳に入らないよう注意していたのだが、遂にサンドラの知れるところとなった。
サンドラは、たまたまその日、腹痛があり、何時もとは違う料理を別で作らせた。そして、知ったのだ。コーネリウスの裏切りを…。
サンドラの憎しみの対象はセレンティアと幼い王女コーデリカに向かった。
セレンティアをことあるごとに貶め、「この石女のくせに!!」と罵った。コーデリカに対しても態と料理に虫や腐った物を入れ、嫌がらせの限りを尽くした。
だが、コーデリカには彼女を守る騎士が常に付いていた。
ユリウス・ジュラール公爵令息だ。
いくら側妃といっても本当の王族には敵わない。ジュラール公爵家は第二の王家。彼は成人すればコーデリカと結婚して女王の王配となる。
流石にジュラール公爵家を敵には回したくないダグラス侯爵は、標的をセレンティアに絞り、セレンティアを王太子妃から引き摺り下ろし、サンドラをその後釜に付けようと考えた。
ありとあらゆる偽の噂を流し、セレンティアの心を追い込んでいった。段々とセレンティアは鬱になっていき、とうとう娘の存在もコーネリウスのことも見えなくなってしまった。
セレンティアの父マルグレン侯爵と国王が話し合った結果、セレンティアを療養と称して王城から出すことにした。
当然、コーネリウスは猛反対したが「セレンティアをこのまま死なすつもりか」と問われれば受け入れるしかない。
「セレン、何時か必ず迎えに行くから…」
「きっとよ。コール。早く良くなるように祈ってね」
「お母さま。もうあえないのですか?」
「いいえ、王女様。面会に行くことはできますよ」
「ほんとうに?コーデリカはおかあさまとはなれてさびしいけれど、またあいにいきますね」
「まっているわ」
そう言って、セレンティアは愛しい娘の額に口付けを落とした。
毎月一日になると、コーネリウスはコーデリカを連れて修道院を訪れた。徐々に精神を回復しつつあるセレンティアの様子にコーネリウスは安堵した。
セレンティアは、コーデリカと一緒に過ごし、コーネリウスは外のガゼボでその様子を見つめていた。
男子禁制の修道院には王太子と言えど入ることは赦されなかった。中庭で母子が花冠を作ってお互いに被せている光景を見ている時が今のコーネリウスにとって唯一癒される時間となった。
小さなコーデリカが二人で作った花冠をコーネリウスに渡そうと駆けてくる。だが、途中で転んで泣いてしまった。
泣いているコーデリカを抱き上げたいが、コーネリウスは結界が敷かれている修道院には入れない。愛しい者達に直接触れられないもどかしさに焦りと苛立ちを隠せないでいた。
──もう少しだ。もう少しすればきっと全てがいい方向に向かう。全てが元に戻るのだ。
そんな未来を思い浮かべてコーネリウスは必死で何かに耐えていた。
だが、そんな日は二度と来なかった。
10年前のあの日、コーネリウスは死んだ。
恒例のセレンティアに会う為に修道院を訪れるその日、嫉妬で狂ったサンドラはコーデリカに襲い掛かった。咄嗟に庇ったコーネリウスが代わりにサンドラの持っていた小刀の餌食となって刺されたのだ。
この時、コーデリカは8才になったばかり…。
真夏の暑い日差しの中の出来事だった。
セレンティアがもうすぐ訪れる夫と娘の為にお手製のクッキーを焼いていた時、大切にしていた髪飾りが壊れて床に落ちて散らばった。
セレンティアの胸に言いようのない不安が広がっていった。
バタバタと大勢の足跡が聞こえてきて、乱暴に侍女の一人が扉を開け放つ。
「お…王太子殿下が…」
その突然の訃報にセレンティアの心は完全に壊れてしまった。
そして、全てを忘れる為にセレンティアは二度目の禁忌の秘薬を飲みほした。
彼女の想いは叶った。
苦しいことも悲しいことも全て忘れ去り、愛しい夫が死んだ事も忘れてしまった。
毎月1日には、コーデリカが代わりに来たが、セレンティアは彼女が自分の娘だとは分からない。愛する夫を探して彷徨う姿に、少女は決意した。
母親の為に男装して父コーネリウスとして会う事を……。
こうして、コーデリカはセレンティアの前では亡き父親のように振る舞う様になっていった。
コーネリウスがセレンティアとコーデリカを救い出した時、セレンティアは幼い我が子を庇って、机の下敷きになっていた。命は助かったがお腹の子供は流産となり、その所為で、セレンティアは二度と子供が産めない身体となってしまった。
悲しむセレンティアを他所にダグラス侯爵一派が、コーネリウスに新しい妃が必要だと騒ぎ出した。その相手にサンドラの名が挙がった。一度、コーネリウスの手が付いたサンドラは修道院に入るか、側妃となって王城に入るしか選択はない。コーネリウスにその責任を取るよう迫ったのだ。
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しかし、いくら箝口令を強いた所で、知っている者は知っている。若き王太子とサンドラの間に何があったのかを。
多くの貴族の前で、サンドラとの過ちを知られたコーネリウスは、責任を取るより道が無かった。国王も苦々しく思いながらそれを認めた。
「すまない…セレンティア。ダグラス侯爵令嬢を側妃に迎える事になった」
「え…そんな…。うそでしょう。あれは本当のことなの?貴方と彼女が一線を越えたというのは…。夢だと思っていたわ。いえ悪夢を見ているのだと信じたかった」
泣き崩れるセレンティアを宥めようとコーネリウスは手を伸ばした。
──バシッ!!
その手をセレンティアが弾き返し、
「汚らわしい…。他の女性に触れた手でわたくしに触らないで!!」
セレンティアは激しく抵抗して拒絶した。その翠の瞳には涙を浮かべながらコーネリウスを睨みつけている。
コーネリウスは戸惑っていた。
長く共に過ごしたセレンティアから初めて憎しみの目を向けたことに…。
自分を否定され拒絶されたことに…。
議会でサンドラを側妃に迎えるという案は可決され、半年後にサンドラは王城にやってきた。筆頭侯爵家の権力を誇示するかのような夥しい嫁入り道具と一緒に。
それを静かに自室の窓から眺めながら、
──明日が来なければいいのに…。
セレンティアは心の中で呟いていた。
その夜、セレンティアは一睡もできなかった。愛する夫は別の女性と褥を共にする。そんな耐え難い屈辱と深い悲しみ、苦しみがセレンティアの心を支配した。
次の日も、次の日もセレンティアは眠れない。
普段、王太子妃としての執務に忙殺されながら、愛する我が子を見ても心は癒されなかった。セレンティアの心の中にあるのは、コーネリウスへの恋慕だけだったのだ。
──いつか、わたくしは捨てられるかもしれない…。
そんな一抹の不安が徐々にセレンティアの心を蝕んでいった。自分でも気付かない程大きく膨れ上がっていた。
コーネリウスは、表向きは側妃となったサンドラの元に通っていたが、密かにサンドラにある二種類の薬を盛っていた。
一つは避妊薬。
もう一つは眠り薬である。
深い眠りについたサンドラはコーネリウスが部屋から出て行った事を知らない。気付かない。コーネリウスは、あの忌まわしい記憶の所為で、男としての機能を失っていた。女性に反応しなくなったのだ。
男として欠陥品となったコーネリウスは、そのことをセレンティアにも言えなかった。嫉妬で苦しんでいるセレンティアにもし、本当の事を言えば軽蔑されて、二度と触れることも赦さなくなるのではと恐れていた。
サンドラを張子で満足させ、眠らせると部屋をこっそり出て行く。しかし、自室に帰りたくもないコーネリウスは、セレンティアの隣で朝まで眠りについた。
そんな奇妙な生活に侍女や騎士達も気付いていたが、皆王太子夫妻の味方をして、サンドラの耳に入らないよう注意していたのだが、遂にサンドラの知れるところとなった。
サンドラは、たまたまその日、腹痛があり、何時もとは違う料理を別で作らせた。そして、知ったのだ。コーネリウスの裏切りを…。
サンドラの憎しみの対象はセレンティアと幼い王女コーデリカに向かった。
セレンティアをことあるごとに貶め、「この石女のくせに!!」と罵った。コーデリカに対しても態と料理に虫や腐った物を入れ、嫌がらせの限りを尽くした。
だが、コーデリカには彼女を守る騎士が常に付いていた。
ユリウス・ジュラール公爵令息だ。
いくら側妃といっても本当の王族には敵わない。ジュラール公爵家は第二の王家。彼は成人すればコーデリカと結婚して女王の王配となる。
流石にジュラール公爵家を敵には回したくないダグラス侯爵は、標的をセレンティアに絞り、セレンティアを王太子妃から引き摺り下ろし、サンドラをその後釜に付けようと考えた。
ありとあらゆる偽の噂を流し、セレンティアの心を追い込んでいった。段々とセレンティアは鬱になっていき、とうとう娘の存在もコーネリウスのことも見えなくなってしまった。
セレンティアの父マルグレン侯爵と国王が話し合った結果、セレンティアを療養と称して王城から出すことにした。
当然、コーネリウスは猛反対したが「セレンティアをこのまま死なすつもりか」と問われれば受け入れるしかない。
「セレン、何時か必ず迎えに行くから…」
「きっとよ。コール。早く良くなるように祈ってね」
「お母さま。もうあえないのですか?」
「いいえ、王女様。面会に行くことはできますよ」
「ほんとうに?コーデリカはおかあさまとはなれてさびしいけれど、またあいにいきますね」
「まっているわ」
そう言って、セレンティアは愛しい娘の額に口付けを落とした。
毎月一日になると、コーネリウスはコーデリカを連れて修道院を訪れた。徐々に精神を回復しつつあるセレンティアの様子にコーネリウスは安堵した。
セレンティアは、コーデリカと一緒に過ごし、コーネリウスは外のガゼボでその様子を見つめていた。
男子禁制の修道院には王太子と言えど入ることは赦されなかった。中庭で母子が花冠を作ってお互いに被せている光景を見ている時が今のコーネリウスにとって唯一癒される時間となった。
小さなコーデリカが二人で作った花冠をコーネリウスに渡そうと駆けてくる。だが、途中で転んで泣いてしまった。
泣いているコーデリカを抱き上げたいが、コーネリウスは結界が敷かれている修道院には入れない。愛しい者達に直接触れられないもどかしさに焦りと苛立ちを隠せないでいた。
──もう少しだ。もう少しすればきっと全てがいい方向に向かう。全てが元に戻るのだ。
そんな未来を思い浮かべてコーネリウスは必死で何かに耐えていた。
だが、そんな日は二度と来なかった。
10年前のあの日、コーネリウスは死んだ。
恒例のセレンティアに会う為に修道院を訪れるその日、嫉妬で狂ったサンドラはコーデリカに襲い掛かった。咄嗟に庇ったコーネリウスが代わりにサンドラの持っていた小刀の餌食となって刺されたのだ。
この時、コーデリカは8才になったばかり…。
真夏の暑い日差しの中の出来事だった。
セレンティアがもうすぐ訪れる夫と娘の為にお手製のクッキーを焼いていた時、大切にしていた髪飾りが壊れて床に落ちて散らばった。
セレンティアの胸に言いようのない不安が広がっていった。
バタバタと大勢の足跡が聞こえてきて、乱暴に侍女の一人が扉を開け放つ。
「お…王太子殿下が…」
その突然の訃報にセレンティアの心は完全に壊れてしまった。
そして、全てを忘れる為にセレンティアは二度目の禁忌の秘薬を飲みほした。
彼女の想いは叶った。
苦しいことも悲しいことも全て忘れ去り、愛しい夫が死んだ事も忘れてしまった。
毎月1日には、コーデリカが代わりに来たが、セレンティアは彼女が自分の娘だとは分からない。愛する夫を探して彷徨う姿に、少女は決意した。
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