敵国の我儘令嬢が追放されたらしいので迎えに行くことにする


 敵国であるシエル王国(通称【天の王国】)にある日、【天詠みの聖女】と呼ばれる女性が現れた。
 しかもそれが辺境の貧しい伯爵領の一人娘だったというのだから、聖女の噂は瞬く間に全世界に広がった。女神のように美しい容姿を持つ聖女は国内最高の魔法学園に入学し、あらゆる王族貴族の子息を虜にしているのだとか。

 しかし、同時に1つの情報がにわかに各国を駆け巡った。
 天の王国屈指の公爵家の令嬢である、エレノア・アルテミスが聖女に悪辣な行為の数々を働いたとして国外追放の罪に問われたというのだ。これには各国の重鎮皆首を傾げることになる。
 何故なら、彼女は婚約者である無能な第1王子に代わって外交や貿易などに適切な助言をし、天の王国と他国との関係を良好に保つのに大きく貢献する有能な令嬢なのだ。周辺国からの評価は非常に高かった。

 そんな彼女がどうして自分の身をみすみす危険にさらすような真似をするだろうか。いや、きっと彼女は嵌められたに違いない、と確信した我が王は、すぐさま俺に一つの命令を下した。

「エレノア嬢を保護し、わがナジェム王国(通称【星の王国】)に正式な客人として招待せよ」

 面倒事の予感にオズワルド・アクアリウスは深いため息をついた。



※基本的には男主人公目線ですが、ダブル主人公の様なイメージで読んでいただければと思います。

※この物語は完全なるフィクションです。現実の事物、人名、団体とは一切関係ありません。
※リクエスト、誤字報告、感想どしどしお待ちしております。


たくさんのお気に入り登録ありがとうございます(*´ω`*)これからも頑張ります!
登場人物がこれからものすごく増えてきますが、登場人物紹介などはあった方がいいでしょうか?Twitterや感想などでアドバイス頂けたら嬉しいです。
よろしくお願いいたします(◡‿◡ฺ✿)


↓以下主人公簡易紹介【ネタバレ注意】














オズワルド・アクアリウス
[18歳:♂][ナジェム王国][大公][風]
 艶やかな黒髪に空色の瞳の青年。ナジェム王国の大公に史上最年少で任命された天才。序列11位。
 とにかく自由人で、平気で国際問題レベルのことをやらかすが何故か許されている。かと言って常識がない訳ではなく、守るべき最低限のものは守る。
 陛下に忠誠を誓っており、陛下をして【最高の忠臣】と言わしめる。



エレノア(・アルテミス)
[17歳:♀][元シエル王国][元公爵令嬢][水]
 腰まである金色の癖のない髪に、澄んだ紫色の目の少女。シエル王国では第一王子の婚約者として完璧な振る舞いをしてきた。
 とにかく完璧主義かつ神経質で、かねてから自由人のオズワルドとは会う度取っ組み合いになる程の犬猿の仲。しかし自由に振る舞うのに人に愛される彼を何処かで羨ましく思っている。
 

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