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7.帰還

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「今回、負傷者多くない!?」
 リアムがエスパーを癒しながら、苛立つ。
「いつもは、違うの?」
 始めは数人だったが、急に負傷者が増えた気がする…
「少し前に転移陣から来た人は、もうすぐ終わるだろうって言ってたのに…。」
 新たに戻ったエスパーが話しだした。
 「【赤い眼の悪魔】が出たんだ。今S級エスパーが戦ってる。今回は黒龍ブラック ドラゴンが出現したもんだから、大苦戦さ。」
「【赤い眼の悪魔】?」
 (黒龍ブラック ドラゴンにも驚きだが…)
 聞いたことのない話にリアムの方を見た。
「聞いたことある!【赤い眼の悪魔】の周りには強い魔物が現れるって。でも、しばらくすると、その【赤い眼の悪魔】は消えてしまうって。」
 
「あ!ゲートが閉じる!!」
「!?」
 ゲートが閉じたということは、戦闘は終わったってことなのか?
 ピピピピピ…!!突然、俺のデバイスが鳴る。
 
「アルフィくん!!急ぎ、ギルドに戻って!!」
 声の主はギルド長のミラさんだ。何かあったのだろうか?
「はい!えっと、」
 どうしたら…と聞く前にリアムくんに急いで!!と青い転移陣に連れて行かれた。
 すると、ピカッと転移陣が光り、目の前の景色が変わった。
「!?ここは…ギルド?」
 目の前にはミラさんがいた。
「今からガイディングは大丈夫?えっと、時間が無いから、歩きながら、説明させて。」
「はい。大丈夫です!」
 ミラさんの後ろをついていくと、エレベーターに乗り、地下へと向かった。
 地下って確か、緊急収容所があるって言ってたような…。
 聞くと、【赤い眼の悪魔】が消えた後、黒龍ブラック ドラゴンとの戦闘でレオンが危険な状態らしい。セオも傷を負っているが、レオンほどではない為、現場を指揮していると言う。
 緊急収容所へ入るとベッドにレオンは腕と足を拘束され、目隠しをされていた。体には、いくつか切り傷があり痛々しい。
「話しかけてみて。暴れるから、手当ても出来なくて。」
 ミラさんに言われ、レオンを呼んでみる。
「レオン兄さん…」
「っ、アルフィ?」
 レオンの左頬を右手で触り気を送る。
「ここは任せてもいい?私は他のエスパーを確認しないと。」
「大丈夫だと思います。行ってください!」
「落ち着いたら、目隠しと拘束は取って大丈夫よ。なるべく接触して癒してあげて。これが解除キー。能力を抑える拘束具なの。」
 そう言うと、ミラさんは扉を出て行った。
(とりあえず、目隠しだけでも外そう…)
 目隠しを外すとレオンが目を開けた。
 瞳が金色……
 暴走寸前だったようだ。
「アルフィ、暴れないから、拘束外して。もっとアルフィに触れたい。」
「……わかった。」
 拘束を、おそるおそる外した。
 すると、グイッと引っ張られ、ベッドに押し倒されてしまった。

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