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閑話

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「また逢おうね、約束だよ?」
「は、はい! 今日は本当にありがとう御座いました!!」
「私こそありがとう、気持ちよかった。もっともーっと上手くなろうね」
「っ!!」

 さっきまでの私との情事を思い出したのか、一樹君はリンゴみたいに顔を真っ赤にしている。……可愛い。
 何度も何度も私の方を振り向きながら、一樹君は待ち合わせ場所となったT駅の改札へと入っていった。その背中がどんどん小さくなっていくし、構内を歩く少なくない人ですぐに見えなくなってしまった。……私も帰ろう。
 一樹君からまた連絡があると良いな。
 そんな風に思いながらバス停への道を歩き始める。そこそこ稼いでいる方だから、ここからバスに乗って15分くらいだ。1歩1歩が若干気怠くなった身体に響いて思わず呻きたくなる。特に股間がヒリヒリする。まだ入っている感触がする。
 左手の腕時計を見ると、時間は19時27分だった。13時に逢ってから大体6時間が経っている。別れるまでの間に一樹君は5回も精を放った。……やっぱり10代の男の子の体力って凄い。テニスもしているらしいし筋肉も程良く付いていて、今回の童貞君は当たりだ。

「(性格:5、学歴:5、身長:4、筋肉:4、長さ:4、硬さ:5、太さ:4、持続力:5、匂い:4、ファッションセンス:4、テクニック:1、将来性:5…………)」

 バス停に着くまで暇だから、一樹君を5段階評価で採点して口の中で呟く。
 あのまま成長してくれたら、今まで私が関係を持った男の子の中でもベスト3に入りそうだ。欲を言えば、もう一回りおちんちんが大きいと嬉しいけど。15cmは無かったと思うし。
 それでも、あの純粋で初々しい男の子を私好みに育てて満足させて欲しい。私が好きな弄り方、私が好きな腰の振り方、私の好きなキス、私の好きな愛撫の仕方や私の好きな体位……。私だけのおちんちんになって欲しい、いっぱいいっぱい私をイかせて欲しい。
 そんな欲求を考えていると、私の秘部がキュンキュン疼いた。6時間くらい交わっていたのにまだ私の秘部は男を求めている。……30代になって性欲が増してきた反面身体がついてこなくなっている。明日とか筋肉痛がジワジワとくることだろう。
 そんなことを考えながら歩いていると、遂にバス停へと到着した。時刻表を見るとあと5分ほどでバスが来る予定だ。6人くらい並んでいて椅子に座れないけどまあ仕方が無い。帰宅ラッシュの時はもっと凄いからこの程度で良かった。
 一樹君との情事を振り返りながらバスを待つ。初々しい情事のせいで私の秘部の疼きは止まらない。


「ただいまー」

 何事も無く自宅に着いて、幼い頃からの習慣を口に出す。……1人暮らしだから返事は無いけれど。
 今日はもう外に出る予定も無いし夕ご飯の前にお風呂でも入ろっと。
 そう思ってバスタオルとか下着、ルームウェアを準備する。誤って胸がタンスに当たってしまった。しかも先端。ブラジャー越しなのにしっかりと快楽は私の身体を巡っていく。

「……っ!」

 帰るまでに幾分収まっていた身体の疼きが再び始まる。……これは一旦鎮めないと駄目だ。どうせお風呂に入るんだから思う存分シちゃおう。手マンだけでしかイけなかったし。……まあ将来に期待! 私って1回イっちゃたら2回目以降はなかなかイけなくなるし。

「明日予定が無くて良かった……」

 そう呟きながら下着とかを持ってお風呂場へと向かう。
 脱衣所の籠に持ってきた下着とかを置いて、着ていた服は洗濯籠の中に放り込んでいく。一樹君に会っていたときはきちんと畳んでいたけど、1人の時はけっこうズボラだ。こんな所は見せられない。せっかく大人のお姉さん風に擬態しているのに本当はこんななんて、ねぇ?
 スッポンポンになってシャワー室に入る。殺気の情事を覚えていて身体はすっかり出来上がっている。
 情事が終わったときにもボディーソープを使ったし、あまり肌も強くない方だから汗を流すのと髪の毛を洗うだけにしよう。
 水温40℃、水量は浴槽の1/2くらい、時間は7分。余っていた入浴剤を放り込んでスイッチを押す。お湯が流れてきた。

「さ・て・と。始めちゃおう」

 ちょっと冷たいシャワーを浴びても一樹君との情事で収まりきらなかった身体の疼きを鎮めよう。お風呂用の椅子に座って背中を壁にくっつけて両足で踏ん張って転ばないようにする。これで準備は完了だ。
 一樹君の情事の思い出と1人エッチの期待が合わさってビンビンに硬くなっている乳首を焦らすように、そして一樹君の愛撫を思い出しながら両腕をクロスして自分のおっぱいを揉んでいく。
 目を瞑って妄想に浸る。さっきの情事もあって簡単に愛撫されるイメージが浮かんできた。割と格好良かった一樹君の幻像が私に襲いかかってくる。

「(真奈美さんのおっぱい柔らかいです)」
「んっ……、もっとさわってぇ……」

 ふにふに、ぐにぐに。
 自分の両手が一樹君の身体と同化して、さも一樹君に愛撫されているような感覚に陥ってしまう。私の身体なのに、一樹君の身体に見えていく。私の手でおっぱいを揉んでいるはずなのに、一樹君のゴツゴツとした手で揉まれているような錯覚が私を惑わす。
 女の子の身体を大切にねって言ったことを私の想像上の一樹君はちゃんと守ってくれている。クーパー靱帯を傷つけるようなことも無い。優しくて、でも男らしさも兼ね備えた愛撫で私のおっぱいはどんどん快楽を与える入り口になっていく。お股がキュンキュンして温かいものが流れていく気がした。でも背中の壁が冷たくて気持ちが良い。

「(真奈美さん、すっごくいやらしいです)」
「はずかしいよぉ……」
「(ここ触っちゃいますね)」
「あんっ! ……もぉ…………」
「(すっごく硬くなってますよ)」
「いやぁ…………」

 一樹君からの愛撫に逃げようとしても何処にも逃げられない。しかも私を逃がさないように一樹君の愛撫はもっともっと激しくなって私を虐めてくる。
 私の思い通りに成長した一樹君は的確に私をイかせてこようとする。私が教えてきたことを100%発揮してきて私を快楽の高まりへと導いていく。

「っふ……、はぁ…………」

 両手の親指と人差し指で硬くなってしまっている乳首が虐められる。ネジを回すみたいに手を捻って小指の第1関節よりも小さい私の乳首がもっと硬くなってしまう。硬めのグミみたいに弾力性があって頭がおかしくなってくる。

「あっ……、ふぅ……」
「(また硬くなっちゃいましたねっ!)」
「あんっ!? ……もぉ…………」
「(可愛いですよ、真奈美さん)」
「いつきくん…………」

 今までの愛撫に加えて、一樹君はデコピンのように私の乳首を弾いてくるようになった。緩急激しい愛撫で我慢が出来なくなってきた。私の秘部も弄って欲しい。

「(下も触りますね)」
「えっ? うん、おねがい…………」

 私のそんな考えが伝わったのか、一樹君の右手が私の左胸から離れて下腹部へと向かっていく。私とは違う体温とかたくましさがどんどん下がっていって、普段はそんなに敏感じゃ無いおへそとかでも思わず震えてしまう。しかも、私の足は簡単に開かれてしまった。秘部も陰毛も愛液でツヤツヤと輝いてるのが分かってしまって恥ずかしい。
 遂に一樹君の右手は私の整えられた陰毛をかき分けて秘部へと達する。かと思いきや、一樹君の右手は私の内股を滑っていく。なかなか秘部を触ってくれない。
 
「ちょっとぉ……?」
「(どうしたんですか?)」
「さわってよぉ……」
「(何処をですか?)」
「わかってるくせに……」
「(……まあ今回は時間ないんで)」
「え……?」
「(こういうことです)」
「んっ、あっ!?」

 一樹君の中指があっさり私の中へと入ってくる。
 何度も何度も私とSEX講座と実習を重ねてきて私の弱点を網羅している一樹君は私のGスポットを目指して進んでくる。異物を追い出そうとする私の抵抗は一樹君の障害になり得ない。

「(確かこのへんでしたよね?)」
「あっ、あっ……!」
「(……正解みたいですね。いっぱい気持ちよくなって良いですよ)」
「まっ、てぇ……!」
「(待ちません)」

 私の好きな力加減、私の好きなリズム、私の好きなテンポ……。ありとあらゆる対私用の愛撫がGスポットを襲ってきて、否応なく絶頂へと導かれていく。
 最初はお股から何も音がしていなかったのに、どんどん高まっていく身体のせいで愛液が溢れて来る。クチュクチュからグチュグチュへと変わっていく。そのいやらしい水音が何倍にも反響して聞こえてくる。その音すらも私の官能を高めていく。

「(気持ちよさそうですね)」
「まっ……!? イっ、ちゃ……!」
「(良いんですよ)」
「あっ、あっ、あっ! だめ、イっ……!」

 我慢できる限界を超えてしまって後は絶頂するだけだ。
 他人に自分の快楽に身を委ねているはしたない姿を見せたくない。そんな風に理性は叫んでいる。
 でも本能はこのまま快楽に身を委ねろ。そう叫んでいる。
 目の前で火花が弾けて足もガクガクと震えている。…………さぁ、今だ! 私の”女”を爆発させよう!

「終了します」
「えっ? あっ……!」

 プシャ! プシャ……! プシュップシュッ……………………。
 お湯を貼り終わった事を知らせる電子の声が聞こえてきて目を開けていく。ずっと目を瞑っていたせいか眩しい。妄想の一樹君はいなくなってしまって、お風呂に入ろうとしていたことを思い出す。
 あぁー、気持ちよかった。
 内心そう呟いて、私の秘部から流れている潮を流そうとシャワーノズルに手を伸ばす。疲れのせいでなかなか上手くいかなかった。


 お風呂から上がった後に夜ご飯を食べ終わってダラダラ過ごす。食休みがてらスマホを開いていると何件か通知が来ているのが分かった。お風呂に入っている間に来ていたのかもしれない。

「あ、一樹君からだ」
『今日は本当にありがとう御座いました! まだ夢見てるみたいです!』
「ふふっ、夢じゃ無いよ。……『こちらこそありがとう、一緒にもっと頑張ってこ~!』、送信っと」

 女の子を知らなかった一樹君のことを思い出すと胸が温かくなる。やっぱり童貞君の初めて貰うのって楽しいな。私が初めての相手でこれからもずっと胸に刻み込んで、彼女とか結婚しても私と比べてしまう。私が一樹君の初めてだ。

「私を満足させるまで頑張ってね、一樹君?」

 さっきの私の妄想の一樹君になるように成長して欲しい。清楚ぶってる私を”女”にさせて欲しい。今から楽しみだ。
 くゎ……。
 お風呂に入ってご飯も食べたことで本格的に疲れが溢れてきた。もう寝よう。
 寝室に入ってベッドに入ろうって時に着信が来た。あ、オーナーだ。

「はい、七瀬です」
「七瀬ちゃん、天城院よ。今大丈夫?」
「大丈夫ですよー」

 野太い男性の声だけどしゃべり方は女性……まあ身体は男性で心は女性って人だ。学生の時には受け入れられないタイプの人だけど、社会経験を重ねていったらそういう人もいるよねって受け入れられるようになった。
 しかも私達のことを心配してくれていて、始める前はこれってどうなの? って思ってたけど前の仕事より給料も福利厚生も比較にならない。ホワイトさって所は日本でもトップクラスだと思う。……表沙汰には出来ない仕事だけど。

「疲れてるところごめんね~、今日の分振り込んだから後で確認してちょ~だい」
「はーい、いつもありがとう御座いまーす」
「いえ、こっちこそ~。……今日の川俣君はどうだった?」
「ポテンシャルは高いので、色々仕込んで楽しんでいこうと思ってます。初めてSEXする男の子に手でイかされちゃいました、私」
「あら、彼すごいわね~!」
「そうなんですよー、なのでこれからが楽しみです」
「頑張ってちょうだいね。……うん、疲れてると思うから今日はこのへんで。しっかり身体も労ってね、ピルも飲んどきなさいよ、あと検査もね」
「子供は出来ないんですけどねー。はい、オーナーさんも身体に気を付けて」
「ええ、もちろん。じゃあまたね」
「はーい」

 オーナーさんとの電話が切れた。U銀行のアプリを開いて残高を確認すると、今日の分の200万が振り込まれている。……いや、本当に一樹君大当たりだ。ポテンシャルも良いし将来に期待できる。まあ本気にされたら面倒くさいんだけど。私のことは遊び相手って割り切って欲しい。一樹君に彼女が出来ますように、出来ても私と遊んでくれますように。
 ……ふぅ、もう体力的にも限界だから寝よう。そう思いながらベッドに横になって天井を見る。

「(あ、そうだ。
 多分一樹君腋フェチだから、今度ノースリーブのワンピースでも着てあげよーっと。……ふふっ、色々してあげるから満足させてね)」

 遊び相手には優秀な一樹君に向けてそう呟くや否や、睡魔に負けて私の瞼がどんどん落ちていく、お休みなさい…………。
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