見知らぬ隣人さん

岩石の扉

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小笠原雛乃

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三歳の誕生日の日に、お父さんとお母さんに連れられてこの施設に来た。

会社員の父親と専業主婦の母親と自分の三人家族で週末は色んな所に連れていってもらった。

お友達がいっぱいおる所に連れてったる

と父親にいわれワクワクしていた事だけ覚えている。

大人の話があるから遊んでおくようにいわれ外に出て一人で遊んでいた。

いつまで遊んでも両親は自分を呼びに来ないのでかくれんぼだと思って色々探してみた。
でも暗くなるまで見つけることはできなかった。

怖いけど大人の人におとうさんとおかあさんが迷子になったことをいいに行くとお出かけしたから、一緒にお留守番しようねと若い女の人に言われた。

まだ三歳の雛乃には、大人のいうことを疑う余地などまるでない。

毎晩、周りの大人に怯えながら両親がまだ帰ってこないか訪ねては、暫く戻らないと言われ泣いた。
一年がたった誕生日の日に、同い年の珠子からあんたのお父さんとあ母さんはもう帰ってけーへんと言われ一時間ほど泣いて眠ったらしい。
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