見知らぬ隣人さん

岩石の扉

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ヒガイシャ

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自転車事故の翌日、警察が家に来た。
事故の時に住所や名前を書いたので、それを見てきたのだろう。
まだ何か聞きたいことがあるのだろうかと思ったが、警察とはあまり話したくない。


「お怪我の具合はどうですか?」

「痛みがひどくて家事が全然はかどりません。パートも少しの間休まないとあかんし」

「大変お気の毒だとは思いますが、今日は違う用件で来さしてもろたんです」

冷や汗が流れる。

「確か昨日パートに行く途中って言うてましたよね?あの道を毎日通られるんですか?」

「あの日コケはった時にぶつかった車なんですけどね、盗難届が出てた車なんですよ」

「その件でお話聞かせてもらいたいんですけどご同行願えますか?」
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