見知らぬ隣人さん

岩石の扉

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株式会社 麒麟不動産3

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「では、まず、先程の小学校がすぐ近くの物件の資料と、見に行ってない方の資料は目通されますか?」

「一応見ていいですか?」

「もちろんです!どうぞ」

差し出された資料を見たが、先程聞いた話と変わらない。
駅が近くて学校が遠いのと商店街が近いと言うメリットが書かれている。

もう一方の資料には、小学校すぐ!子育てに最適です!公園も徒歩5分以内に2箇所あり、スーパー、薬局、コンビニなどのお買い物環境も充実!
と書かれていた。

金額もさほど違いはなく、小学校が近い方がいいと言う思いは変わらなかった。

「こっちの学校近い方でお願いします!区画は、ここかここ!公ちゃんどっちがいい?」

羽衣音は、計算が早く、何事にもあまり迷いもなない。女性によくある買い物が長いというところが全く当間らなかった。
洋服を買いに行っても、あれこれ買わずこれだと思えば色で2.3分悩んで買う時は、直ぐに買う。
公介はと言うと優柔不断であり、ひとしきり店を見て周り、気に入った服のコーナーを行ったり来たりして迷いに迷った挙句、買わない。店を出る頃にやっぱり買おうと思って手に取るものの、生地が好みではないとか袖が短いとか体型が変わった時に、着れなくなる可能性があるのにこの金額はどうなのか、ととても面倒な思考回路を持っていた。

実際最新の高い買い物は羽衣音に背中を押されて買った高級腕時計グッチの腕時計だった。
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