64 / 113
2章 傭兵騒動編
2-1 ……十分、アウトローでは?
しおりを挟む
(……なんだって俺が、まだこんなことに付き合わされなきゃいけないんだ……?)
戦闘から離脱し<ナイト>を返却後。レティシアに呼び出されたムジカは、警護隊詰め所の隊長室で深々とため息をついた。
何のためにそんなところに呼び出されたのかと言えば、レティシアの護衛のためだそうで。デスクに座るレティシアは上機嫌だが、ムジカはボディガードよろしくその後ろに控えながら、呻くように言う。
「なあ。俺もう帰ってよくないか?」
「ダメですよ? 護衛が護衛対象ほっぽりだして帰るのは許されません。そんなひどいことすると怒りますよ? むーです。むー」
「……むーって、ガキ叱るみたいに言われてもな」
呆れて言うが、レティシアは聞いた様子もない。なのでムジカはまたため息をついた。
既に傭兵団と空賊たちの戦闘は終わり、静けさを取り戻したエアフロント。警護隊詰め所は未だにてんやわんやな状態だが、隊長室はその騒ぎとは今のところ無縁だ。報告も来客もまだない。
だから、というわけでもないのだが。応接机につくレティシアはニコニコとご機嫌だ。どうも、帰ろうとしたこちらを捕まえられたのが嬉しかったらしい。護衛ならラウルのほうがいいだろうとも言ったのだが、彼女は聞く耳持たなかった。
(何がしたいんだかなあ……どうせこの後、あの傭兵団と打ち合わせかなんかだろ? 別に俺、いらないんじゃねえかな……?)
胸中でのみ呻くが、それを言うと何か藪蛇な予感がしたので、言わない。釈然としないものを感じながらも、ムジカは首を傾げるにとどめておいた。
が、その気配でも読んだのか、レティシアが不意に振り向いてくる。
「ムジカさんは、私がこの後どうなってもいいと思ってるのですか……?」
「あん?」
一瞬何を言われたのかもわからなかったので、つい呻く。
と、レティシアは“ふふん”と得意げな顔をすると、人差し指をピッと立て、
「よく考えてみてください。これからお話する相手は、男やもめで女日照りの飢えた野獣のごとき傭兵団。対するは浮島の管理者としては、未熟で若輩なか弱い乙女のこの私。女に飢え獣欲をたぎらせた荒くれたちは、私を見てきっとこう思うことでしょう――」
「“あーもうヤっちまうか”って?」
「……もうちょっとこう、遠回しに言ってくださいません?」
「そっちが始めた話だろうに」
想像したのか何なのか。白い目を向けた視線の先、レティシアは軽く頬を染め、恨めしそうに睨み返してくる。
だがムジカとしては呆れるしかない話でもある。ため息混じりに言い返した。
「一応言っとくが、傭兵をイコールで荒くれだの悪漢だのと結びつけるのは安直だろ。食い扶持なくて荒んでる奴らばっかかもしれんが、連中の出自はほとんどノーブルだぞ?」
粗暴なイメージばかりが先行しているせいか、その事実がどうしても忘れられがちだ。だがノブリスを扱える者が傭兵になるのだから、その彼らが元はノーブルだというのは何もおかしい話ではない――ただし、非嫡子が多いという注釈もつくが。
現代において貴族――ノーブルとはすなわち、この空に浮かぶ浮島を守る者たちの呼称だ。彼らは祖先から代々受け継いできたノブリスを纏って人類の天敵、メタルと戦うことを使命とする。
魔道式強化外骨格、対メタル用空戦機動兵器。ノブリス・フレームは“浮島”と並ぶ、古代魔術師の遺産だ。現代の技術者では再現できない、人類を守るための貴重な遺産。
ただしその遺産は長子相続となることが多く、大抵の場合非嫡子は嫡子に“もしも”があったときのためのスペアでしかない。一応は非嫡子……というよりノーブルの家族は貴族扱いが通例だが、それでも彼らの立場は決して強いものではなかった。
ただし、今はそれも昔の話だ。
事情が変わったきっかけは、人類がノブリスの最下級モデル――俗に<ナイト>級と呼称されるノブリスの“再開発”に成功したことだ。最も困難とされた魔道機関の再現に成功し、量産が可能となった。
量産された<ナイト>はスペアに過ぎなかった貴族の非嫡子たちを正しく“ノーブル”へと変えた。そして同時に、使命から浮島から離れることのできなかったノーブルたちの足を軽くした。<ナイト>さえ――戦力さえあれば、人は容易に他の浮島へと行ける。浮島間のフライトが、命がけではなくなった。
俗に“傭兵”と呼ばれる彼らは、その中で生まれた。活躍の場すらなかった貴族の非嫡子たち。彼らはスペアとしての生を捨て、自らの活躍の場を外へと求めた。そして<ナイト>と共に故郷たる浮島を出ていった。それが始まりだ。
「そらまあ素行の悪い奴らだってそこそこいるけどな。だからって、会う奴片っ端からアウトロー扱いすんのはやめとけよ? ヘタなこと言ったらすぐケンカになるぞ?」
「……すぐにケンカになる時点で、十分アウトローでは?」
「舐められたら終わりな稼業だからな。そこは仕方ねえよ」
「……十分、アウトローでは?」
同じ疑問を二度繰り返して、レティシアは眉根を寄せる。
だがまあ、それでレティシアが何故ムジカに付き添いをお願い(というか強制)したのかよくわかった。これから件の傭兵団――ドヴェルグとか言ったか――と会談するにあたって、相手の激発を危惧しているようだが。
本来なら、ドヴェルグ傭兵団との会談など必要なかった。当初の予定では、ダンデスの入ったジェイルコンテナを押し付けて、それでお終いだったらしい。
だがドヴェルグ傭兵団が空賊に襲われたせいで、計画が崩れた。彼らのフライトシップは大破し航行不能。船の修理のためにも逗留を認めざるを得ない状態だ。
当然だが、セイリオス側としては彼らの逗留は歓迎していない。ムジカはああ言ったが、傭兵がアウトロー寄りの存在なのは事実だ。商人などと違って、利や益を運ぶ存在でもない。
また、ノーブル側の心情の問題もある。本来ノーブルは“浮島と、そこに住む人々を守る”という使命を持った存在だ。傭兵と呼ばれる彼らはそれから背いた裏切り者とされることも多い。
特に若い者――つまりは潔癖な者――の多いセイリオスでは、受け入れがたい存在だと言えた。
そんな傭兵団との会談が、このあとすぐというわけだ。
と。
「……ん?」
不意に感じた人の気配に、ムジカは顔を上げた。
部屋の外。足音は複数――おそらくは、三人分。どうやら来たらしい。
荒めのノックの音にレティシアが“どうぞ”と返すと、そこそこの勢いでドアが開いた。
最初に現れたのは壮年の大男、ラウルだ。どうやら、彼が客人の案内役を任されたようだが。
「やあ、レティシア嬢。連れてきたよ」
そして、その背後から現れたのは――
「ひゅーっ。あんな目に遭って心が滅入ってたんだが。美人の出迎えとは生き返るねぇ」
「……はしたないですぞ、若」
口笛を吹いたにやけ面の青年と、壮年と呼ぶにはやや歳のいった、整えたヒゲの男だった。
――軽薄なようでいて、その実観察するように落ち着いた瞳が、うなじの辺りをざわつかせた。
戦闘から離脱し<ナイト>を返却後。レティシアに呼び出されたムジカは、警護隊詰め所の隊長室で深々とため息をついた。
何のためにそんなところに呼び出されたのかと言えば、レティシアの護衛のためだそうで。デスクに座るレティシアは上機嫌だが、ムジカはボディガードよろしくその後ろに控えながら、呻くように言う。
「なあ。俺もう帰ってよくないか?」
「ダメですよ? 護衛が護衛対象ほっぽりだして帰るのは許されません。そんなひどいことすると怒りますよ? むーです。むー」
「……むーって、ガキ叱るみたいに言われてもな」
呆れて言うが、レティシアは聞いた様子もない。なのでムジカはまたため息をついた。
既に傭兵団と空賊たちの戦闘は終わり、静けさを取り戻したエアフロント。警護隊詰め所は未だにてんやわんやな状態だが、隊長室はその騒ぎとは今のところ無縁だ。報告も来客もまだない。
だから、というわけでもないのだが。応接机につくレティシアはニコニコとご機嫌だ。どうも、帰ろうとしたこちらを捕まえられたのが嬉しかったらしい。護衛ならラウルのほうがいいだろうとも言ったのだが、彼女は聞く耳持たなかった。
(何がしたいんだかなあ……どうせこの後、あの傭兵団と打ち合わせかなんかだろ? 別に俺、いらないんじゃねえかな……?)
胸中でのみ呻くが、それを言うと何か藪蛇な予感がしたので、言わない。釈然としないものを感じながらも、ムジカは首を傾げるにとどめておいた。
が、その気配でも読んだのか、レティシアが不意に振り向いてくる。
「ムジカさんは、私がこの後どうなってもいいと思ってるのですか……?」
「あん?」
一瞬何を言われたのかもわからなかったので、つい呻く。
と、レティシアは“ふふん”と得意げな顔をすると、人差し指をピッと立て、
「よく考えてみてください。これからお話する相手は、男やもめで女日照りの飢えた野獣のごとき傭兵団。対するは浮島の管理者としては、未熟で若輩なか弱い乙女のこの私。女に飢え獣欲をたぎらせた荒くれたちは、私を見てきっとこう思うことでしょう――」
「“あーもうヤっちまうか”って?」
「……もうちょっとこう、遠回しに言ってくださいません?」
「そっちが始めた話だろうに」
想像したのか何なのか。白い目を向けた視線の先、レティシアは軽く頬を染め、恨めしそうに睨み返してくる。
だがムジカとしては呆れるしかない話でもある。ため息混じりに言い返した。
「一応言っとくが、傭兵をイコールで荒くれだの悪漢だのと結びつけるのは安直だろ。食い扶持なくて荒んでる奴らばっかかもしれんが、連中の出自はほとんどノーブルだぞ?」
粗暴なイメージばかりが先行しているせいか、その事実がどうしても忘れられがちだ。だがノブリスを扱える者が傭兵になるのだから、その彼らが元はノーブルだというのは何もおかしい話ではない――ただし、非嫡子が多いという注釈もつくが。
現代において貴族――ノーブルとはすなわち、この空に浮かぶ浮島を守る者たちの呼称だ。彼らは祖先から代々受け継いできたノブリスを纏って人類の天敵、メタルと戦うことを使命とする。
魔道式強化外骨格、対メタル用空戦機動兵器。ノブリス・フレームは“浮島”と並ぶ、古代魔術師の遺産だ。現代の技術者では再現できない、人類を守るための貴重な遺産。
ただしその遺産は長子相続となることが多く、大抵の場合非嫡子は嫡子に“もしも”があったときのためのスペアでしかない。一応は非嫡子……というよりノーブルの家族は貴族扱いが通例だが、それでも彼らの立場は決して強いものではなかった。
ただし、今はそれも昔の話だ。
事情が変わったきっかけは、人類がノブリスの最下級モデル――俗に<ナイト>級と呼称されるノブリスの“再開発”に成功したことだ。最も困難とされた魔道機関の再現に成功し、量産が可能となった。
量産された<ナイト>はスペアに過ぎなかった貴族の非嫡子たちを正しく“ノーブル”へと変えた。そして同時に、使命から浮島から離れることのできなかったノーブルたちの足を軽くした。<ナイト>さえ――戦力さえあれば、人は容易に他の浮島へと行ける。浮島間のフライトが、命がけではなくなった。
俗に“傭兵”と呼ばれる彼らは、その中で生まれた。活躍の場すらなかった貴族の非嫡子たち。彼らはスペアとしての生を捨て、自らの活躍の場を外へと求めた。そして<ナイト>と共に故郷たる浮島を出ていった。それが始まりだ。
「そらまあ素行の悪い奴らだってそこそこいるけどな。だからって、会う奴片っ端からアウトロー扱いすんのはやめとけよ? ヘタなこと言ったらすぐケンカになるぞ?」
「……すぐにケンカになる時点で、十分アウトローでは?」
「舐められたら終わりな稼業だからな。そこは仕方ねえよ」
「……十分、アウトローでは?」
同じ疑問を二度繰り返して、レティシアは眉根を寄せる。
だがまあ、それでレティシアが何故ムジカに付き添いをお願い(というか強制)したのかよくわかった。これから件の傭兵団――ドヴェルグとか言ったか――と会談するにあたって、相手の激発を危惧しているようだが。
本来なら、ドヴェルグ傭兵団との会談など必要なかった。当初の予定では、ダンデスの入ったジェイルコンテナを押し付けて、それでお終いだったらしい。
だがドヴェルグ傭兵団が空賊に襲われたせいで、計画が崩れた。彼らのフライトシップは大破し航行不能。船の修理のためにも逗留を認めざるを得ない状態だ。
当然だが、セイリオス側としては彼らの逗留は歓迎していない。ムジカはああ言ったが、傭兵がアウトロー寄りの存在なのは事実だ。商人などと違って、利や益を運ぶ存在でもない。
また、ノーブル側の心情の問題もある。本来ノーブルは“浮島と、そこに住む人々を守る”という使命を持った存在だ。傭兵と呼ばれる彼らはそれから背いた裏切り者とされることも多い。
特に若い者――つまりは潔癖な者――の多いセイリオスでは、受け入れがたい存在だと言えた。
そんな傭兵団との会談が、このあとすぐというわけだ。
と。
「……ん?」
不意に感じた人の気配に、ムジカは顔を上げた。
部屋の外。足音は複数――おそらくは、三人分。どうやら来たらしい。
荒めのノックの音にレティシアが“どうぞ”と返すと、そこそこの勢いでドアが開いた。
最初に現れたのは壮年の大男、ラウルだ。どうやら、彼が客人の案内役を任されたようだが。
「やあ、レティシア嬢。連れてきたよ」
そして、その背後から現れたのは――
「ひゅーっ。あんな目に遭って心が滅入ってたんだが。美人の出迎えとは生き返るねぇ」
「……はしたないですぞ、若」
口笛を吹いたにやけ面の青年と、壮年と呼ぶにはやや歳のいった、整えたヒゲの男だった。
――軽薄なようでいて、その実観察するように落ち着いた瞳が、うなじの辺りをざわつかせた。
0
お気に入りに追加
42
あなたにおすすめの小説
校長室のソファの染みを知っていますか?
フルーツパフェ
大衆娯楽
校長室ならば必ず置かれている黒いソファ。
しかしそれが何のために置かれているのか、考えたことはあるだろうか。
座面にこびりついた幾つもの染みが、その真実を物語る
蘇生魔法を授かった僕は戦闘不能の前衛(♀)を何度も復活させる
フルーツパフェ
大衆娯楽
転移した異世界で唯一、蘇生魔法を授かった僕。
一緒にパーティーを組めば絶対に死ぬ(死んだままになる)ことがない。
そんな口コミがいつの間にか広まって、同じく異世界転移した同業者(多くは女子)から引っ張りだこに!
寛容な僕は彼女達の申し出に快諾するが条件が一つだけ。
――実は僕、他の戦闘スキルは皆無なんです
そういうわけでパーティーメンバーが前衛に立って死ぬ気で僕を守ることになる。
大丈夫、一度死んでも蘇生魔法で復活させてあげるから。
相互利益はあるはずなのに、どこか鬼畜な匂いがするファンタジー、ここに開幕。
スライム10,000体討伐から始まるハーレム生活
昼寝部
ファンタジー
この世界は12歳になったら神からスキルを授かることができ、俺も12歳になった時にスキルを授かった。
しかし、俺のスキルは【@&¥#%】と正しく表記されず、役に立たないスキルということが判明した。
そんな中、両親を亡くした俺は妹に不自由のない生活を送ってもらうため、冒険者として活動を始める。
しかし、【@&¥#%】というスキルでは強いモンスターを討伐することができず、3年間冒険者をしてもスライムしか倒せなかった。
そんなある日、俺がスライムを10,000体討伐した瞬間、スキル【@&¥#%】がチートスキルへと変化して……。
これは、ある日突然、最強の冒険者となった主人公が、今まで『スライムしか倒せないゴミ』とバカにしてきた奴らに“ざまぁ”し、美少女たちと幸せな日々を過ごす物語。
幼なじみ三人が勇者に魅了されちゃって寝盗られるんだけど数年後勇者が死んで正気に戻った幼なじみ達がめちゃくちゃ後悔する話
妄想屋さん
ファンタジー
『元彼?冗談でしょ?僕はもうあんなのもうどうでもいいよ!』
『ええ、アタシはあなたに愛して欲しい。あんなゴミもう知らないわ!』
『ええ!そうですとも!だから早く私にも――』
大切な三人の仲間を勇者に〈魅了〉で奪い取られて絶望した主人公と、〈魅了〉から解放されて今までの自分たちの行いに絶望するヒロイン達の話。
冤罪をかけられ、彼女まで寝取られた俺。潔白が証明され、皆は後悔しても戻れない事を知ったらしい
一本橋
恋愛
痴漢という犯罪者のレッテルを張られた鈴木正俊は、周りの信用を失った。
しかし、その実態は私人逮捕による冤罪だった。
家族をはじめ、友人やクラスメイトまでもが見限り、ひとり孤独へとなってしまう。
そんな正俊を慰めようと現れた彼女だったが、そこへ私人逮捕の首謀者である“山本”の姿が。
そこで、唯一の頼みだった彼女にさえも裏切られていたことを知ることになる。
……絶望し、身を投げようとする正俊だったが、そこに学校一の美少女と呼ばれている幼馴染みが現れて──
【全話挿絵】発情✕転生 〜何あれ……誘ってるのかしら?〜
墨笑
ファンタジー
『エロ×ギャグ×バトル+雑学』をテーマにした異世界ファンタジー小説です。
主人公はごく普通(?)の『むっつりすけべ』な女の子。
異世界転生に伴って召喚士としての才能を強化されたまでは良かったのですが、なぜか発情体質まで付与されていて……?
召喚士として様々な依頼をこなしながら、無駄にドキドキムラムラハァハァしてしまう日々を描きます。
明るく、楽しく読んでいただけることを目指して書きました。
ヒューマンテイム ~人間を奴隷化するスキルを使って、俺は王妃の体を手に入れる~
三浦裕
ファンタジー
【ヒューマンテイム】
人間を洗脳し、意のままに操るスキル。
非常に希少なスキルで、使い手は史上3人程度しか存在しない。
「ヒューマンテイムの力を使えば、俺はどんな人間だって意のままに操れる。あの美しい王妃に、ベッドで腰を振らせる事だって」
禁断のスキル【ヒューマンテイム】の力に目覚めた少年リュートは、その力を立身出世のために悪用する。
商人を操って富を得たり、
領主を操って権力を手にしたり、
貴族の女を操って、次々子を産ませたり。
リュートの最終目標は『王妃の胎に子種を仕込み、自らの子孫を王にする事』
王家に近づくためには、出世を重ねて国の英雄にまで上り詰める必要がある。
邪悪なスキルで王家乗っ取りを目指すリュートの、ダーク成り上がり譚!
漫画の寝取り竿役に転生して真面目に生きようとしたのに、なぜかエッチな巨乳ヒロインがぐいぐい攻めてくるんだけど?
みずがめ
恋愛
目が覚めたら読んだことのあるエロ漫画の最低寝取り野郎になっていた。
なんでよりによってこんな悪役に転生してしまったんだ。最初はそう落ち込んだが、よく考えれば若いチートボディを手に入れて学生時代をやり直せる。
身体の持ち主が悪人なら意識を乗っ取ったことに心を痛める必要はない。俺がヒロインを寝取りさえしなければ、主人公は精神崩壊することなくハッピーエンドを迎えるだろう。
一時の快楽に身を委ねて他人の人生を狂わせるだなんて、そんな責任を負いたくはない。ここが現実である以上、NTRする気にはなれなかった。メインヒロインとは適切な距離を保っていこう。俺自身がお天道様の下で青春を送るために、そう固く決意した。
……なのになぜ、俺はヒロインに誘惑されているんだ?
※他サイトでも掲載しています。
※表紙や作中イラストは、AIイラストレーターのおしつじさん(https://twitter.com/your_shitsuji)に外注契約を通して作成していただきました。おしつじさんのAIイラストはすべて商用利用が認められたものを使用しており、また「小説活動に関する利用許諾」を許可していただいています。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる