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49. 追憶(エイデン視点)

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 授業の終わりの鐘がなると、俺は両隣にいる幼馴染達に早々に挨拶をしてマリーの席に向かった。

「俺、今日はマリーと帰るから。じゃあねー」

 今日は風の精霊殿にマリーが訪れる日だ。三年生になって二回目の訪問になる。
 俺は月に一度巡ってくるこの日がいつも楽しみだった。

「マリー、一緒に帰ろう」

 そう声を掛けると、彼女は浮かない顔をしたまま頷く。ここ最近元気がないことには気付いていた。それがライラに関わることだと予想がついていたから、学園内ではあえて触れずに過ごしている。

「エイデンいつもありがとう。じゃあ、ライラまたね」
「ええ、また明日」

 教室を出る時、いつものようにルークがジュリアの元に向かったのが見えた。それは毎日のことだけれど、いつまでたっても違和感が拭えない光景だ。

 馬車に乗って自宅に向かう途中、マリーから珍しくお願いをされた。

「ねぇ、後で少し時間を頂いてもいい?」

 いつも俺が引き留めてしまう側だったから、ためらいなく二つ返事で了解する。なんとなく話す内容は予想がつくけれど。


 儀式が滞りなく終わりると、祭壇の間から殿官たちが引き上げていった。いつも俺とマリーで居残りをしているせいか、勝手知ったように彼らは見送りをすることなく持ち場に帰っていく。
 通りすがりに、近くにいた殿官に客室にお茶を用意するよう伝え、そこへ場所を移した。


「マリーから誘われるって珍しいよね」

 冗談めかしてそう話題をふると、マリーが困ったように小さく笑った。

「そうね、いつもエイデンが帰してくれないから、誘う機会がないものね」

 そう軽口を返すと、肩の力が抜けたのかマリーはゆっくりと語りだした。思った通り最近のライラについての話だ。

「特に何かが変わったというわけではないの。いつも一緒にいて、おしゃべりも変わらずしているし」

 マリーの言いたいことはなんとなくわかる。ここ最近、彼女の雰囲気が変わったような気がしていた。三年に上がったばかりの頃は今までと変わらない様子だったと思う。それが半月ほど前から彼女の醸し出す空気が変わった。
 特にマリーは、一番近くにいるからその変化をより感じたのかもしれない。

「何といえばいいのかしら、私たちから一歩引いたところにいるような、間に壁を置かれている気がするというか……」

 どうにかその違和感を伝えようと、マリーが言葉を探しながら訴える。

「うん、マリーの言いたい事は伝わってる。俺もそれは感じてた」
「ライラの事が心配なの。ジュリアの事件が起きてから、実は一番大きな被害を受けているのはライラだから……。勘違いで犯人扱いされて、悪い噂をばら撒かれて。聖女選定にだってきっと影響が出ているはず。その上ルーク様まで……」

 そう言って口を閉じると、彼女の目が少し赤くなっていることに気が付いて動揺した。

「マリー…」
「どうしてライラがこんな目に合わなければいけないの、ってずっと不満だった。でも私では何の力にもなれなくて、ただ側で見ていることしか出来ないの。ライラの中で何かがあったとしても、それもわからない」

 そう言ってマリーが俯く。俺はそんな様子を見ていられなくて、向かいに座っていた席を立ちマリーの隣に座った。

「そんなことないよ。マリーが側にいるだけで彼女は救われている」

 ライラの巡拝の日に、彼女に黙ってマリーとジュリアが祭司や学園長の元に掛け合いに行っていたのを知っている。実際にライラの悪評が噂止まりで済んでいるのは、彼女たちのそうした働きのおかげでもあると俺は信じている。

「ライラが話したくないならそれでもいいの。でも何の力にもなってあげられない自分が情けなくて」

 膝に置いていたマリーの手に、励ますように自分の手を重ねた。そんな彼女を見ながら、今となっては遠い、出会った頃のことを思い出した。



・・・・・・・・・・



 まだ入学したばかりで、クラスが馴染んでいなかった頃。
 人間関係が出来上がる前の、ぎこちなさが漂う教室でライラが陰口を言われていたことがあった。

 教室の隅の方で女子達が、親の操り人形だとか必死で滑稽だとか、そんなことを言っていたと思う。確かにライラの母親の教育熱心さは有名だったから、当時の俺もまあ似たような認識だった。

 その頃は悪びれもせず、気軽に誰彼かまわず盗聴をして暇を潰していたから、そんな女子達の会話も呆れつつ楽しんでいた。
 やっぱり女って悪口を言う時は生き生きするんだな、と少し嘲りながら。


 あれはいくつの時だったろう。母親が亡くなり、後妻が来て少し経ってからの事だったから、五、六歳の頃かもしれない。
 自分に全く関わろうとしない後妻のことは、親ではなくただの同居人と思って過ごしていた。
 そんな母のいない生活でもどうにか寂しさを感じずにいられたのは、いつも身近でにこにこと面倒を見てくれる一人の侍女がいたからだ。俺は彼女のことが大切で、とても大好きだった。

 甘えたくて、彼女と離れている時間が悲しくて、今どこにいるのかと辿って探っているうちに、気が付けば遠く離れた場所の会話が聞こえるようになっていた。
 それが精霊力の魔法で“盗聴”という技術だと知ったのは随分と後の事だ。
 そんな能力は早くに開花させるもんじゃないな、と今では思っている。

 この歳にもなれば、仕事とはいえ甘ったれの子供にずっと引っ付かれて嫌気が差す気持ちもわかる。泣き虫で面倒くさい子供だった自覚もある。でも当時の俺は、彼女の本音を受け止めることができなかった。



 ・・・・・・・・・・


「あのさ……」

 俺はマリーに手を重ねたまま、ためらう心を押さえつけて言葉を繋げる。

「ジュリアの事件の事で、マリーに話していない事があるんだ。聞いてくれる?」


 ・・・・・・・・・・



 ライラの悪口をいうクラスメイトが、大人しいマリーを輪に引き入れようとしたことがあった。

「ライラさんは、自分なりの努力をしているだけだと思います。それを笑う理由がありません」

 声は弱々しいけれど、きっぱりとそう言った彼女が意外すぎて、盗聴していることも忘れて思わずそちらを見てしまった。
 大人しい外見と気弱な性格の彼女は、強いものに巻かれ風が吹けば風見鶏のように向きを変えるタイプだと思っていたから。

 俺は昔からそんな風に他人を分析して、性格や傾向を分類する癖があった。その上、盗聴で相手の本音を知れるわけだから、自分は安全な場所にいながら誰とでも簡単に上辺を合わすことができる。
 幼い頃から他人の声を聴き続けてきて、そうした処世術が身に付いていた。もうあんな風に傷つくことが怖かったから。
 唯一心を許していたのは、幼い頃に出会った四人の幼馴染たちだけだった。


「そういえば、私たちまだマリーさんの事を良く知らないし、ちょっと裏庭でお散歩がてらにお話でもしない?」

 マリーから思いもよらない反論をくらったせいか、一瞬言葉を失った女子生徒がそう言って彼女を連れ出していった。嫌な空気が漂っていたから、初めは面白半分で聞いていた会話をそのまま魔法で追い続けた。

 悪意の矛先がライラからマリーに移り、これは流石に助けに行った方がいいかと腰を上げようとしたところでライラの声が聴こえた。
 彼女の機転によってその場が落ち着いたけれど、その時に初めてこの二人に好感を抱いた。彼女たちのやりとりが、なんとなく幼馴染との関係に似ていて単純に“いいな”と思ったのだ。

 そこから仲良くなるのは早かったと思う。勉強熱心で聖女を目指しているライラは以外にも気さくで、俺に対して結構あけすけにものを言ってくる。そのくせルークが相手だと、すぐに顔を赤くしたりしどろもどろになったりするから面白かった。

 この頃もまだ適当に他人の会話を盗聴して楽しんでいた俺は、廊下を歩きながら会話をしているライラとマリーの声を拾ったことがあった。それが俺の話題だったものだから、そのまま耳をそばだてて聞いた。

 その内容はというと、どうやら俺とディノの髪の話をしていたようで、守護する精霊属性と同じ髪色の理由を二人で考察しあっていた。どうでもいいことを真剣に話し合っている彼女たちに笑いそうになったとき。

「エイデンの髪って柔らかな草原みたいで、彼の雰囲気に合っていて好きなの。本人には言えないけれどちょっと触ってみたい」

 そう話すマリーの声が耳にこだました。

 恋に落ちるとはこういうことなのかと、その時に初めて知った。
 おっとりと冗談めいた口調のマリーの声に、自分の顔が徐々に熱くなっていくのがわかった。脳裏には今まで目にしてきた彼女の姿と声が一気に蘇り、鼓動が早くなる。
 その可憐な声も、ふわふわな栗色の髪も、人形のように小さく整った顔立ちも、全てが宝石のように輝いていた。どうして彼女の素晴らしさに今まで気付かなかったのだろうかと、自分で自分を問いたかったほどだ。

 そして、それと同時に猛烈な羞恥と罪悪感が自分を襲った。今こうして会話を盗み聞きしていることに、初めて後ろめたさを覚えたのだ。

 それまでは、好きな時に好きなように他人の声を聴いてきた。それがどれだけ恥ずかしく卑劣な事なのか、マリーを意識したことで初めて自覚した。


 ・・・・・・・・・・


「――― というわけで、今のライラは学園内では慎重に動いているんだ。俺たちも迂闊な事を言わないようにしているし、ディノもそれを意識して行動している」

 俺は学園内で盗聴が行われていること、これまで二人に知らせてきた内容とこれまでの考察をマリーに伝えた。

「まさか、そんなことが起きていたなんて……」
 青ざめた顔をしてマリーがつぶやく。

 俺は恐る恐るマリーの様子を窺った。散々他人の秘密を盗み聞きしてきたくせに、自分の秘密は知られたくないなんて虫のいい話だと自分でも思う。

 あの日以来、俺は盗聴をやめた。皆と同じ視点で物を見て同じ感覚を味わって、対等な友達になりたいと思ったから。
 それに、マリーを前にして恥ずかしい人間でいたくなかった。


「ごめんなさい、話が予想外すぎて頭が追い付いていないの」

 俺の視線が返事を求めていると思ったのか、そう謝られた。

「あ、いや、そりゃ混乱するよね。驚かせてこっちこそごめん」

 そうだ、俺の些細な感傷なんてどうでもいい。いきなりこんなことを語られて戸惑うマリーのことを第一に考えなくちゃだめだ。

「だからライラの事は心配しないで。俺たちがルークと一緒にいるせいで、今はライラと少し距離が開いているように見えるかもしれない。でも裏で俺たちは繋がっているし、何かあればライラの為に動くつもりでいるから」

 そこまで話して、マリーが最初に話した相談の内容を思いだした。

「一つ言い忘れた。ここ最近ライラの様子がおかしいって話、それは俺も理由がわからない。またライラがここに来た時に色々話をしてみるよ。だからマリーも今までと同じように過ごして」

 そう伝えるとマリーは頷いて、ほっとしたように肩の力を抜いた。


 それからしばらく話を続け、夕刻に差し掛かった頃マリーを送り出すことにした。
 部屋を出ようとした時、マリーにはどうしても一言だけ伝えたいことがあって、ドアに手に掛ける前に振り返って口を開いた。

「俺、盗聴が出来るって言ったけどさ、マリーにもクラスメイトにも、いたずらにそんなことをしようなんて思っていないから……それだけは安心して」

 昔の過ちまでは告白できなかったけれど、それだけは言っておきたかった。
 マリーはきょとんとした顔をして、じっと俺の顔を見る。それを直視できなくて、つい目を逸らしてしまった。

「たしかに、言われてみればそんな事もできるのね」

 思いもしなかったというように目を丸くしたマリーがふっと笑った。

「エイデンに聞かれて困ることなんてないから、そんなこと全く気にもしなかったわ」

 いつものようにのんびりとした口調でそう言われ、嬉しさと同時に過去の行いを思い返して、顔を赤くするしかなかった。


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