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第4章『猫耳貴族を復興させる事にした』

テレビと咳払い

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生命遊戯リヘロゲーム予選が終わりユートはコロッセオの地下にある控え室にいるアルカを迎えに行った


「お疲れ様ですユート!!」
アルカはユートを見掛けると同時にダイブする

「最後に一気に全滅させた所が凄くカッコよかったです」
アルカはそう言ってユートに抱きつく、ユートはついつい頬を緩ませずにはいられなかったのだが…一つ気がかりな事があった

「アルカ、ずっとこの部屋にいたんだよな?」
「だったらなんでリングで起こってた事がわかるんだ?」
ユートがそう聞くとアルカは首を傾げて答える

「今さっきコロッセオのスタッフさんが来て、あの『てれび』という道具を持ってきてくれたんですよ」
「凄いですよね、あんなに小さい箱の様な物体が使遠くにある出来事を映し出すんですから…私も驚きました」
クロウディア達はそれを聞いてテレビに興味が向いてクロウディアとパサルはテレビに近付き持ち上げたり、逆さにしてみたりと色々と弄る

ユートもそんな光景を見て乾いた笑いが出ていたのだが…アルカのとある言葉を脳内で反復させる
アルカは確かにこう言ったのだ、『魔法を使わずに』と…

「アルカ…お前今…」
ユートがアルカの肩を掴んで話を聞こうとすると、パサルが急に持っていたテレビを落としてしまい『ゴンッ』と大きな音がする

「あちゃ~…壊しちゃった☆」
パサルはそう言って小さく舌を出して手を頭にコツんと付ける

「壊しちゃった☆…じゃねぇよ…ったく…仕方ねぇな」
ユートはテレビの落ちた衝撃によりアルカに言う気が失せてしまいテレビを『錬成士アルケミスト』のスキルで直す

直すついでに中の構造を確認してみると…やはり、ユートが元いた世界にある一世代前の『ブラウン管テレビ』とほとんど全く同じ造りになっていた

「ちょっと外の空気を吸ってくるわね~」
「…ワタシも行くヨ、ここはホコリっぽいネ」

ユートは疲れた為、控え室にあるベンチにて横になっているとアルカが頭の上にやってきてユートの方をチラチラと見たり、シキりに座り方を変えたりと落ち着かない様子を見せてくる

ユートは本戦開始予定時間が近付いている為、緊張しているのかと思って特に気にしていなかったが…アルカは今度は頻繁にき込んだり太ももの辺りをポンポンと叩く動作をし始める

流石のユートでもその動作の理由がわかったが…人が見ている前でやるのは少し恥ずかしい…という意味合いを込めてユートも咳払いを始める

「…あの二人、何でさっきから咳をしているのじゃ?」
クロウディアは傍から見れば咳の意味を理解できないためただただ咳き込んでいる二人は不気味にしか感じられなかった

「この部屋がホコリっぽいからの、スタッフに言って掃除させるかの」
クロウディアはそう言って外に出てスタッフを呼びに行った


『それでは!本戦の準備が整ったので選手のみんなはコロッセオの中心に整列してくださぁ~い!!!』
ユートとアルカの咳払い合戦は勝負付かずで終戦となった

「…次は絶対にしてくださいね」
アルカのその一言はユートの胸に強く突き刺さる事になった
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