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第3章『双子の少女を救出する事にした』

帯電と巨大なクレーター

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「そういや忘れてた…正直このまま家に帰ってほのぼのしようと思ったのに…」
ユートはカイトに突きつけられた現実に頭を抱えて絶望する

「しょうがないよ、クローノちゃんはリョフさん達に任せてさ」
カイトは絶望してるユートの肩を叩き黒龍ブラックドラゴンがいる火山に行くよう馬車を指さす

「……カイト…こっから火山までの大まかな距離と方角は解るか?」
ユートは立ち上がりカイトに尋ねる

「え?えーっと…ここから東に約100kmくらいかな」
カイトがそう言うとユートは飛翔フライを使い飛び上がる

「まさか飛翔フライで飛んでいく気なのか!?確かに馬車よりかは早いがそれでもかなり無茶して二三日は掛かるだろう、ここは体力の温存の為にも馬車で行くべきだ」
カイトがそう言うがユートはそのまま自身にとある魔法をかける

『ー帯電チャージー』
雷属性の魔法
大気中に漂っている電気を体内に集める魔法
これはタメ技で某ゲーム風に言うと次の攻撃の雷属性の魔法や攻撃の威力が上がるというものだ
だが今回ユートがこれを行った理由は本来の使い方とは異なる

本来これは一回しか使わない
「ユート、それ以上帯電チャージを使ったら体内の水分が沸騰して死ぬよ」

カイトの言う様に使いすぎると体内に電気が溜まりすぎていわゆる感電するのだ

「まだ…だ…」
ユートの体から電気が溢れてきて辺りが明るくなる

「おい相棒…その辺にしといた方が…」
リョフが声をかけようとした瞬間
ユートから溢れていた光がより一層光り輝く

光が収まった頃ユートの体からはまだ僅かながら光が出ているがそのユートの姿が変化していた
髪は逆立ち、目や髪の色が黄色くなっている

「よし、成功みたいだな」
ユートはそう言いながら試しに村の端から端まで移動しようとした時
ユート自身も完全に目で自分の動きを追いかける事が出来ず村を覆うようにある木々に顔面が激突する
そしてユートが通った後は激しい突風が巻き起こりモモとアップルはそこらの家にしがみつき飛ばされない様にする

「そうだな…この技を名付けて『雷光化フルミネ』としよう」
そう言うとユートはカイトの位置まで移動する
クローノの時計をカイトに渡し地面に姿勢を低くして両手を下ろし腰を突き上げクラウチングスタートの構えをとる

「東に約100kmか…大体4秒くらいかな」
体内に溜まっている電気を一気に放出する

「それじゃあ皆は先にユースティアに戻っててくれ、俺は黒龍ブラックドラゴンをぶち殺してくるから」
ユートはそう言い終わると同時にユートの姿がカイト達の目の前から消えてなくなる

「しょうがないな…それじゃあ先に帰ろうかリョフさん達」
カイト達4人と1匹は村の外に停めてある馬車に乗り先にユースティアへと戻って行った





「1……2……3…今だ!」
ユートは雷光化フルミネを解除して隕石のようにその場に落下する
落下した箇所は巨大なクレーターが作られ辺りの岩場も崩れ熱気が噴き上がる

「イテテ…着地成功…か…?」
ユートは岩に激しくぶつけた頭部を抑え立ち上がる

「どうやら火山に着いたみたいだな」
体にふりかかってた石ころを手で払いながら気配察知サーチを使い辺りの警戒を怠らないで進み始める

「ここは5合目って所か?もっと高い所に落下すれば良かった」
ユートはそう言いながら上を見上げる
火山の頂上は雲で覆い隠されハッキリとは見えなくなっている

「まぁさっきの場所からに比べたらまだ楽な方だな、それに俺も少しだけレベル上げしたいしな」
現在のユートのレベルは409
ユートは後100レベルは上げたいと思っていた

「さてと…そんな事を言ってたらぞろぞろと出てきたぞ」
辺りに散っている岩の陰や先程作ったクレーターの中から湧いて出てくるモンスター達

「リザードマンに溶岩コアスライムに…おぉグレイバードもいるじゃねぇか、グレイバードはレベル上げにちょうど良いな」
グレイバードは普通のモンスターよりも経験値が多めに入手出来るのだ

「それじゃあ黒龍ブラックドラゴンがいる頂上までモンスターを狩りながら進みますか」
ユートは無限収納アイテムボックスから鏡花水月を取り出し居合の構えをとる

『抜刀術ー延齢客ー』
電気をまとった刃を抜き雷の如き速さで敵を両断する
先程の帯電チャージの効果がまだ残っていて技の威力や範囲が上がり目の前のモンスター全てを切断した

「ふぅ~…やっぱり抜刀術は神経使うな」
モンスターの死骸は無限収納アイテムボックスに入れユートは足を進めた
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