88 / 107
第二章 死ぬまでにしたい【3】のこと
88話 集結
しおりを挟む
「元にもどせない……そういうことでしたか」
_わたくしの心臓が思い出したかのように、痛み出した。
ここで倒れるわけにはいかない。歯を食いしばって耐えた。
「言えなかった……。フェイトに申し訳なさすぎて。だから、残りの時間は一緒にすごし、かならず解毒させるようにする。だから、一緒にきてくれ! 絶対に助けてみせる」
白いフードからちらりと見えるブラッド殿下のお顔は真剣だった。
「いいや。まだ試していない方法がある。それは、絶対に試していない」
アラン殿下の声が震えた。
「なんだ! もったいつけずに言え!」
ブラッド殿下が怒鳴った。
「おまえが死ねば、解毒される。違うか?」
アラン殿下は目を細め、ブラッド殿下を射ぬいた。
「やめてください! おふたりは争う理由などないのです。誤解だと認め、共に解毒する道を模索しましょう!」
怖い顔をしているアラン殿下の手首をにぎった。
「相手は茨の魔女だ。ほかにどんな奸計や魔法を使ってくるかわからない。ここでフェイトを引き渡すわけにはいかない。それに、ブラッドは俺たちを許す気はないらしい」
大気が震える。ブラッド殿下の憎悪を、まるで場の空気が意思を持ち、避けているようにすら感じる。
「よく言えたものだね。僕に、死ねと? 魔女のことをなにも知らないんだね。魔女が死ぬ前にはなった封印魔法はいまも解かれていない。魔女の魔法はついえない。毒がまわり、からだが著しく変化した状態で僕が死んで治るのなら、どれだけよかったか。それでフェイトが助かるなら、なんべんだって死ぬ!!! そんな簡単にはいかないんだ!!!!!」
後ろの扉がひらいた。
全員が、そちらをむいた。
「フェイト! 大丈夫かの?」
「アシュフォード嬢!!」
「アシュフォード様!! ご無事ですか!!!」
「姉さん! よかった……」
召使いに抱えられたマデリンに、ジェイコブだ。よかった無事で。バルクシュタインとシリルもいた。
そして、その後ろには――武装した男達が見えた。
「兵士を雇うのに時間がかかってしまいました! おまえたち、奥にいる白いローブの男が茨の魔女だ。やつを討ち取ったら、金貨1万追加報酬でつける! これがその誓約書だ! かかれ!」
バルクシュタインは誓約書をかかげて、男達をなかにいれた。
「バルクシュタイン! 待ってください! いま、プラッド殿下と話しあっているところなのです」
「ごめん! ちょっと待ったあ!! アシュフォード様の言うことを聞いて。いったん、待機で」
バルクシュタインが押しとどめると男達はおとなしくなった。
その男達のなかで、細くて、俊敏な男がブラッド殿下に向かって飛びこんでいった。
「俺は、金がいるんだ。どうしても、娘の目を治したい」
「待ちなさい!」
ブラッド殿下が男にむかって、手のひらをむける。
男の前で、なにかが弾ける。男は目をぱちくりさせていた。
「その近くで息をすうな 死ぬぞ! 下がれ。娘を助けたい気持ちは尊いが、その時にお主が亡くなっておっては、見る光も陰ろうて」
マデリンが意外にも声をはって言った。
細い男は逃げるようにさがって、素直にマデリンにお礼を言った。
みんながマデリンとブラッド殿下を交互に見た。
「マデリン嬢が僕の魔法を……相殺したのか? 君は、なにものなんだ」
ブラッド殿下が首をかしげた。
「ははは。若いのう。自分が世界の中心だとでも思っておるのだろう。むろん妾にも、たしかにそういう時があった。まぶしく映る。みなまで言うでない。おまえ自身の正体が、妾の正体も浮かびあがらせる」
ブラッド殿下の怒りに満ちた目を直視できない。白いフードのすきまから、顔に緑色の湿疹がでているのが見えた。
「……。マデリン嬢。話が違うじゃないか。なぜ、マルクール側につく? アルトメイアと話はついたはずだ。フェイトと僕を受け入れてくれると」
「妾にそれを聞くのか? たしかにここにおるのは、アルトメイアの政の一環だが、いまは極めて個人的な目的で動いておる。いまふうに言うと。そうじゃな。フリーランスという奴かの。実によき響きじゃ。かっこよかろう」
マデリンは軽快に笑って、歯を見せた。
そうだったのですね。マデリン。近くにいると目がくもり、わからないものです。目も見えず、歩けない、寝てばかりで。もし妹がいたら、こんな感じなのかなと、いつも心配しておりましたが。ただ、いまはマデリンの目的を探っているばあいではない。味方のようなのでそれでよし。
――いまは、ブラッド殿下との話し合いが優先です!
「姉さん、危険だ! ここから出よう!」
シリルが言った。
「シリル様と一緒にここから出てください! あとはあたしたちに任せて!」
バルクシュタインがわたくしに駆け寄ってくる。
「ブラッド殿下との話し合いはまだついておりません。わたくしが引けば、もう二度とチャンスはおとずれないかもしれません」
「もうっ!! いつもいつも、アシュフォード様はほんっんっっっっとに。強情でひとの言うことを聞かない!!」
しょうがないな、というふうに、ため息をついて、バルクシュタインはアラン殿下とともに、わたくしの前に立った。
「シリル様、申し訳ありませんが、後ろにいてくださいませんか。もし、アシュフォード様になにかあったときには抱えて逃げてください」
バルクシュタインの提案に、シリルがうなずく。
バルクシュタインが隣のアラン殿下を見た。
「殿下、むかしのよしみでもういちどだけ手を組みましょう。ふたりでアシュフォード様を守るんです」
「俺ひとりでいい。危ないからさがっていろ。バルクシュタイン嬢」
「あらっ。もう、リリーとは呼んでくださらないのですね。演技だったとはいえ、つれないですね……。哀愁を感じるかな……うーん。まったく、ないな。ないです。全然悲しくはなかった。平気すぎてなんだか申し訳ないです」
「減らず口! 緊張感! しっかりしてくれ!」
「どいつもこいつも僕を……邪魔して。フェイトをもとにもどしたいだけなのに……。邪魔邪魔邪魔邪魔、みんな、消えろ」
ブラッド殿下は静かに言った。その様子は凄みがあった。
顔じゅうに緑の湿疹ができて、フードが魔力のようなもので浮かび上がる。
「ブラッド殿下。ふたりで話しましょう。アシュフォード家の隠された古文書に、解毒の方法について記載があります。これから一緒に見にいきましょう」
休みの日に遊びに誘うような気安さで言った。もちろん、はったりだ。とにかくみんなと引き離して、時間が稼げるのならそれでいい。
「フェイトは優しいよね。子どもの時からそうだった。ありがとう。待っていてね。すぐに殺して、迎えにいくからね」
ブラッド殿下は剣をかまえた。
「やめてください! 頼みます。わたくしの話を聞いてください!」
しかし、むなしく声が響くだけだった。
「魔女に剣聖とは類を見ない、やっかいな力だ 褒めてつかわすぞ! 聞け! 妾が奴の魔法はすべて受け持つ。すまぬが、剣の相手まではできぬ。騎士殿、みなのもの、奴を封じろ! フェイトと共に逃げられてはかなわぬ」
その声を合図に、ジェイコブがブラッド殿下に向かっていく。
互いにすさまじい速度で剣を打ちあっているのだと思うが、見えない。
その気迫に、雇われた兵士たちも加勢できないでいた。
「ブラッド殿下、ジェイコブ、やめてください!! お願い!!」
わたくしはただ、叫ぶことしかできない。
ジェイコブがすこしずつ後ろにさがってきて、劣勢になってきた。
「ぐうっっっ。剣聖と俺との距離は……まだ……こんなにある、のか」
「おまえでは勝てない! 時間がないんだ。どけ!」
ジェイコブの剣が折れて、くるくる、と後ろに飛んできた。兵士たちがあわてて、道をあけた。
「アシュフォード嬢、逃げて――」
ジェイコブは手刀を首に打たれ、気絶した。
「次はどいつだ!」
兵士たちはさきほどの達人の域を見ては手を出せないでいる。
「どけ!」
ブラッド殿下の声に兵士たちが後退した。
ブラッド殿下がわたくしに近づいてきた。
わたくしの前から飛び出していくものがあった。
プラチナブランドの豊かな髪が揺れる。
はじめから、そう動こうと決めていたかのように自然に、動いた。
バルクシュタインだ。
「アシュフォード様に近づかないでくださいよ。ブラッド殿下!」
バルクシュタインは両手をひらいて、進路をふさいだ。
_わたくしの心臓が思い出したかのように、痛み出した。
ここで倒れるわけにはいかない。歯を食いしばって耐えた。
「言えなかった……。フェイトに申し訳なさすぎて。だから、残りの時間は一緒にすごし、かならず解毒させるようにする。だから、一緒にきてくれ! 絶対に助けてみせる」
白いフードからちらりと見えるブラッド殿下のお顔は真剣だった。
「いいや。まだ試していない方法がある。それは、絶対に試していない」
アラン殿下の声が震えた。
「なんだ! もったいつけずに言え!」
ブラッド殿下が怒鳴った。
「おまえが死ねば、解毒される。違うか?」
アラン殿下は目を細め、ブラッド殿下を射ぬいた。
「やめてください! おふたりは争う理由などないのです。誤解だと認め、共に解毒する道を模索しましょう!」
怖い顔をしているアラン殿下の手首をにぎった。
「相手は茨の魔女だ。ほかにどんな奸計や魔法を使ってくるかわからない。ここでフェイトを引き渡すわけにはいかない。それに、ブラッドは俺たちを許す気はないらしい」
大気が震える。ブラッド殿下の憎悪を、まるで場の空気が意思を持ち、避けているようにすら感じる。
「よく言えたものだね。僕に、死ねと? 魔女のことをなにも知らないんだね。魔女が死ぬ前にはなった封印魔法はいまも解かれていない。魔女の魔法はついえない。毒がまわり、からだが著しく変化した状態で僕が死んで治るのなら、どれだけよかったか。それでフェイトが助かるなら、なんべんだって死ぬ!!! そんな簡単にはいかないんだ!!!!!」
後ろの扉がひらいた。
全員が、そちらをむいた。
「フェイト! 大丈夫かの?」
「アシュフォード嬢!!」
「アシュフォード様!! ご無事ですか!!!」
「姉さん! よかった……」
召使いに抱えられたマデリンに、ジェイコブだ。よかった無事で。バルクシュタインとシリルもいた。
そして、その後ろには――武装した男達が見えた。
「兵士を雇うのに時間がかかってしまいました! おまえたち、奥にいる白いローブの男が茨の魔女だ。やつを討ち取ったら、金貨1万追加報酬でつける! これがその誓約書だ! かかれ!」
バルクシュタインは誓約書をかかげて、男達をなかにいれた。
「バルクシュタイン! 待ってください! いま、プラッド殿下と話しあっているところなのです」
「ごめん! ちょっと待ったあ!! アシュフォード様の言うことを聞いて。いったん、待機で」
バルクシュタインが押しとどめると男達はおとなしくなった。
その男達のなかで、細くて、俊敏な男がブラッド殿下に向かって飛びこんでいった。
「俺は、金がいるんだ。どうしても、娘の目を治したい」
「待ちなさい!」
ブラッド殿下が男にむかって、手のひらをむける。
男の前で、なにかが弾ける。男は目をぱちくりさせていた。
「その近くで息をすうな 死ぬぞ! 下がれ。娘を助けたい気持ちは尊いが、その時にお主が亡くなっておっては、見る光も陰ろうて」
マデリンが意外にも声をはって言った。
細い男は逃げるようにさがって、素直にマデリンにお礼を言った。
みんながマデリンとブラッド殿下を交互に見た。
「マデリン嬢が僕の魔法を……相殺したのか? 君は、なにものなんだ」
ブラッド殿下が首をかしげた。
「ははは。若いのう。自分が世界の中心だとでも思っておるのだろう。むろん妾にも、たしかにそういう時があった。まぶしく映る。みなまで言うでない。おまえ自身の正体が、妾の正体も浮かびあがらせる」
ブラッド殿下の怒りに満ちた目を直視できない。白いフードのすきまから、顔に緑色の湿疹がでているのが見えた。
「……。マデリン嬢。話が違うじゃないか。なぜ、マルクール側につく? アルトメイアと話はついたはずだ。フェイトと僕を受け入れてくれると」
「妾にそれを聞くのか? たしかにここにおるのは、アルトメイアの政の一環だが、いまは極めて個人的な目的で動いておる。いまふうに言うと。そうじゃな。フリーランスという奴かの。実によき響きじゃ。かっこよかろう」
マデリンは軽快に笑って、歯を見せた。
そうだったのですね。マデリン。近くにいると目がくもり、わからないものです。目も見えず、歩けない、寝てばかりで。もし妹がいたら、こんな感じなのかなと、いつも心配しておりましたが。ただ、いまはマデリンの目的を探っているばあいではない。味方のようなのでそれでよし。
――いまは、ブラッド殿下との話し合いが優先です!
「姉さん、危険だ! ここから出よう!」
シリルが言った。
「シリル様と一緒にここから出てください! あとはあたしたちに任せて!」
バルクシュタインがわたくしに駆け寄ってくる。
「ブラッド殿下との話し合いはまだついておりません。わたくしが引けば、もう二度とチャンスはおとずれないかもしれません」
「もうっ!! いつもいつも、アシュフォード様はほんっんっっっっとに。強情でひとの言うことを聞かない!!」
しょうがないな、というふうに、ため息をついて、バルクシュタインはアラン殿下とともに、わたくしの前に立った。
「シリル様、申し訳ありませんが、後ろにいてくださいませんか。もし、アシュフォード様になにかあったときには抱えて逃げてください」
バルクシュタインの提案に、シリルがうなずく。
バルクシュタインが隣のアラン殿下を見た。
「殿下、むかしのよしみでもういちどだけ手を組みましょう。ふたりでアシュフォード様を守るんです」
「俺ひとりでいい。危ないからさがっていろ。バルクシュタイン嬢」
「あらっ。もう、リリーとは呼んでくださらないのですね。演技だったとはいえ、つれないですね……。哀愁を感じるかな……うーん。まったく、ないな。ないです。全然悲しくはなかった。平気すぎてなんだか申し訳ないです」
「減らず口! 緊張感! しっかりしてくれ!」
「どいつもこいつも僕を……邪魔して。フェイトをもとにもどしたいだけなのに……。邪魔邪魔邪魔邪魔、みんな、消えろ」
ブラッド殿下は静かに言った。その様子は凄みがあった。
顔じゅうに緑の湿疹ができて、フードが魔力のようなもので浮かび上がる。
「ブラッド殿下。ふたりで話しましょう。アシュフォード家の隠された古文書に、解毒の方法について記載があります。これから一緒に見にいきましょう」
休みの日に遊びに誘うような気安さで言った。もちろん、はったりだ。とにかくみんなと引き離して、時間が稼げるのならそれでいい。
「フェイトは優しいよね。子どもの時からそうだった。ありがとう。待っていてね。すぐに殺して、迎えにいくからね」
ブラッド殿下は剣をかまえた。
「やめてください! 頼みます。わたくしの話を聞いてください!」
しかし、むなしく声が響くだけだった。
「魔女に剣聖とは類を見ない、やっかいな力だ 褒めてつかわすぞ! 聞け! 妾が奴の魔法はすべて受け持つ。すまぬが、剣の相手まではできぬ。騎士殿、みなのもの、奴を封じろ! フェイトと共に逃げられてはかなわぬ」
その声を合図に、ジェイコブがブラッド殿下に向かっていく。
互いにすさまじい速度で剣を打ちあっているのだと思うが、見えない。
その気迫に、雇われた兵士たちも加勢できないでいた。
「ブラッド殿下、ジェイコブ、やめてください!! お願い!!」
わたくしはただ、叫ぶことしかできない。
ジェイコブがすこしずつ後ろにさがってきて、劣勢になってきた。
「ぐうっっっ。剣聖と俺との距離は……まだ……こんなにある、のか」
「おまえでは勝てない! 時間がないんだ。どけ!」
ジェイコブの剣が折れて、くるくる、と後ろに飛んできた。兵士たちがあわてて、道をあけた。
「アシュフォード嬢、逃げて――」
ジェイコブは手刀を首に打たれ、気絶した。
「次はどいつだ!」
兵士たちはさきほどの達人の域を見ては手を出せないでいる。
「どけ!」
ブラッド殿下の声に兵士たちが後退した。
ブラッド殿下がわたくしに近づいてきた。
わたくしの前から飛び出していくものがあった。
プラチナブランドの豊かな髪が揺れる。
はじめから、そう動こうと決めていたかのように自然に、動いた。
バルクシュタインだ。
「アシュフォード様に近づかないでくださいよ。ブラッド殿下!」
バルクシュタインは両手をひらいて、進路をふさいだ。
0
お気に入りに追加
1,920
あなたにおすすめの小説
逃げて、追われて、捕まって
あみにあ
恋愛
平民に生まれた私には、なぜか生まれる前の記憶があった。
この世界で王妃として生きてきた記憶。
過去の私は貴族社会の頂点に立ち、さながら悪役令嬢のような存在だった。
人を蹴落とし、気に食わない女を断罪し、今思えばひどい令嬢だったと思うわ。
だから今度は平民としての幸せをつかみたい、そう願っていたはずなのに、一体全体どうしてこんな事になってしまたのかしら……。
2020年1月5日より 番外編:続編随時アップ
2020年1月28日より 続編となります第二章スタートです。
**********お知らせ***********
2020年 1月末 レジーナブックス 様より書籍化します。
それに伴い短編で掲載している以外の話をレンタルと致します。
ご理解ご了承の程、宜しくお願い致します。
踏み台令嬢はへこたれない
三屋城衣智子
恋愛
「婚約破棄してくれ!」
公爵令嬢のメルティアーラは婚約者からの何度目かの申し出を受けていたーー。
春、学院に入学しいつしかついたあだ名は踏み台令嬢。……幸せを運んでいますのに、その名付けはあんまりでは……。
そう思いつつも学院生活を満喫していたら、噂を聞きつけた第三王子がチラチラこっちを見ている。しかもうっかり婚約者になってしまったわ……?!?
これは無自覚に他人の踏み台になって引っ張り上げる主人公が、たまにしょげては踏ん張りながらやっぱり周りを幸せにしたりやっと自分も幸せになったりするかもしれない物語。
「わたくし、甘い砂を吐くのには慣れておりますの」
ーー踏み台令嬢は今日も誰かを幸せにする。
なろうでも投稿しています。
黒の神官と夜のお世話役
苺野 あん
恋愛
辺境の神殿で雑用係として慎ましく暮らしていたアンジェリアは、王都からやって来る上級神官の夜のお世話役に任命されてしまう。それも黒の神官という異名を持ち、様々な悪い噂に包まれた恐ろしい相手だ。ところが実際に現れたのは、アンジェリアの想像とは違っていて……。※完結しました
五歳の時から、側にいた
田尾風香
恋愛
五歳。グレースは初めて国王の長男のグリフィンと出会った。
それからというもの、お互いにいがみ合いながらもグレースはグリフィンの側にいた。十六歳に婚約し、十九歳で結婚した。
グリフィンは、初めてグレースと会ってからずっとその姿を追い続けた。十九歳で結婚し、三十二歳で亡くして初めて、グリフィンはグレースへの想いに気付く。
前編グレース視点、後編グリフィン視点です。全二話。後編は来週木曜31日に投稿します。
果たされなかった約束
家紋武範
恋愛
子爵家の次男と伯爵の妾の娘の恋。貴族の血筋と言えども不遇な二人は将来を誓い合う。
しかし、ヒロインの妹は伯爵の正妻の子であり、伯爵のご令嗣さま。その妹は優しき主人公に密かに心奪われており、結婚したいと思っていた。
このままでは結婚させられてしまうと主人公はヒロインに他領に逃げようと言うのだが、ヒロインは妹を裏切れないから妹と結婚して欲しいと身を引く。
怒った主人公は、この姉妹に復讐を誓うのであった。
※サディスティックな内容が含まれます。苦手なかたはご注意ください。
【完結】不誠実な旦那様、目が覚めたのでさよならです。
完菜
恋愛
王都の端にある森の中に、ひっそりと誰かから隠れるようにしてログハウスが建っていた。
そこには素朴な雰囲気を持つ女性リリーと、金髪で天使のように愛らしい子供、そして中年の女性の三人が暮らしている。この三人どうやら訳ありだ。
ある日リリーは、ケガをした男性を森で見つける。本当は困るのだが、見捨てることもできずに手当をするために自分の家に連れて行くことに……。
その日を境に、何も変わらない日常に少しの変化が生まれる。その森で暮らしていたリリーには、大好きな人から言われる「愛している」という言葉が全てだった。
しかし、あることがきっかけで一瞬にしてその言葉が恐ろしいものに変わってしまう。人を愛するって何なのか? 愛されるって何なのか? リリーが紆余曲折を経て辿り着く愛の形。(全50話)
【完結】記憶が戻ったら〜孤独な妻は英雄夫の変わらぬ溺愛に溶かされる〜
凛蓮月
恋愛
【完全完結しました。ご愛読頂きありがとうございます!】
公爵令嬢カトリーナ・オールディスは、王太子デーヴィドの婚約者であった。
だが、カトリーナを良く思っていなかったデーヴィドは真実の愛を見つけたと言って婚約破棄した上、カトリーナが最も嫌う醜悪伯爵──ディートリヒ・ランゲの元へ嫁げと命令した。
ディートリヒは『救国の英雄』として知られる王国騎士団副団長。だが、顔には数年前の戦で負った大きな傷があった為社交界では『醜悪伯爵』と侮蔑されていた。
嫌がったカトリーナは逃げる途中階段で足を踏み外し転げ落ちる。
──目覚めたカトリーナは、一切の記憶を失っていた。
王太子命令による望まぬ婚姻ではあったが仲良くするカトリーナとディートリヒ。
カトリーナに想いを寄せていた彼にとってこの婚姻は一生に一度の奇跡だったのだ。
(記憶を取り戻したい)
(どうかこのままで……)
だが、それも長くは続かず──。
【HOTランキング1位頂きました。ありがとうございます!】
※このお話は、以前投稿したものを大幅に加筆修正したものです。
※中編版、短編版はpixivに移動させています。
※小説家になろう、ベリーズカフェでも掲載しています。
※ 魔法等は出てきませんが、作者独自の異世界のお話です。現実世界とは異なります。(異世界語を翻訳しているような感覚です)
転生したらただの女子生徒Aでしたが、何故か攻略対象の王子様から溺愛されています
平山和人
恋愛
平凡なOLの私はある日、事故にあって死んでしまいました。目が覚めるとそこは知らない天井、どうやら私は転生したみたいです。
生前そういう小説を読みまくっていたので、悪役令嬢に転生したと思いましたが、実際はストーリーに関わらないただの女子生徒Aでした。
絶望した私は地味に生きることを決意しましたが、なぜか攻略対象の王子様や悪役令嬢、更にヒロインにまで溺愛される羽目に。
しかも、私が聖女であることも判明し、国を揺るがす一大事に。果たして、私はモブらしく地味に生きていけるのでしょうか!?
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる