5 / 5
人類の剣
しおりを挟む
「お兄ちゃん、すごいよ。今テレビでもやってるけど世界中にお兄ちゃんみたいにスキルを使えるようになちゃ人たちが現れたんだって。ほら、この人は魔法使いだよ」
向日葵に見せられた映像では、日本人と思しき男性が『ファイアボール』と唱えると手の先にドッジボールぐらいの炎の玉が現れ飛んでいったのが映し出されていた。
これは完全に魔法だ。
ゲームの世界そのものの魔法。
すごいな。
「たしかに魔法だな」
「お兄ちゃんも使えるようになったりするのかな」
「いや、どうだろう」
咄嗟に誤魔化してしまったが俺の『ガチャ』でこれができるようになるとは到底思えない。
「ちょっとやってみるな」
そういって俺は3度目の『ガチャ』をタップする。
「魔石? なんだろう」
俺は聞き覚えのない表示された魔石という文字をタップする。
「わぁ、綺麗。もしかして宝石?」
「う~んどうかな。魔石らしいけど」
現れたのは透明な青い宝石のようなもの。大きさは10センチくらいはありそうなので普通の宝石に比べるとかなり大きい。
「魔石って、なんか良さそうじゃない。もしかして高く売れたりするのかな」
「どうかな~」
向日葵の気持ちもわからなくはないけど、正直全くわからない。そもそも魔石なんて今まで聞いたこともない。ただのガラス玉ならほとんど価値は無さそうだけど、宝石にしては大きすぎる気もする。
それから両親にも青い魔石を見せてみたが、当然魔石の価値は全くわからなかった。
そして、その後、価値ある物が当たることなくいつもと変わらない平和な1週間が経過したその日世界は一変してしまった。
その後の世界で変革の日『ファーストブレイク』とのちに呼ばれる7月14日にそれは起こった。
突然世界中にダンジョンと呼ばれる地下迷宮が現れ、そのうちのいくつかからモンスターと呼ばれる怪物が溢れ出してきたのだ。
映像でみるその姿はまるで映画の特撮映像を見ているかのような錯覚を覚えるほど異質なものだった。
そのうちのいくつかは俺でも名前を想起することができる姿をしていた。
「ゴブリン……」
その姿は、ゲームや漫画の世界で描かれる小鬼の姿に酷似していた。
そしてゴブリンを思わせるモンスターを始めとする怪物たちは地上へと現れると世界を壊し始めた。
手に持つ原始的な武器を使い、建物を壊して周り、そして人間を襲った。
ファーストブレイクで最も被害を出したのは俺の住む日本だった。
理由は単純で対抗できる武器を持った人がほとんどいなかったからだ。
かろうじて対抗できたのは銃火器を持つ警官だったが、モンスターが溢れた地域ではその数に飲まれてしまった。
そして超法規的に自衛隊が出動し、大きな被害を出しながらもどうにか掃討することができたが、傷跡は深かった。
その日を境にこの世界はダンジョンとモンスターが蔓延ることとなってしまった。
そして、この時世界では銃火器だけでなくスキルを使いモンスターを倒す人たちが現れ、この日を境にその人たちは人類の剣『セイバー』と呼ばれることとなる。
向日葵に見せられた映像では、日本人と思しき男性が『ファイアボール』と唱えると手の先にドッジボールぐらいの炎の玉が現れ飛んでいったのが映し出されていた。
これは完全に魔法だ。
ゲームの世界そのものの魔法。
すごいな。
「たしかに魔法だな」
「お兄ちゃんも使えるようになったりするのかな」
「いや、どうだろう」
咄嗟に誤魔化してしまったが俺の『ガチャ』でこれができるようになるとは到底思えない。
「ちょっとやってみるな」
そういって俺は3度目の『ガチャ』をタップする。
「魔石? なんだろう」
俺は聞き覚えのない表示された魔石という文字をタップする。
「わぁ、綺麗。もしかして宝石?」
「う~んどうかな。魔石らしいけど」
現れたのは透明な青い宝石のようなもの。大きさは10センチくらいはありそうなので普通の宝石に比べるとかなり大きい。
「魔石って、なんか良さそうじゃない。もしかして高く売れたりするのかな」
「どうかな~」
向日葵の気持ちもわからなくはないけど、正直全くわからない。そもそも魔石なんて今まで聞いたこともない。ただのガラス玉ならほとんど価値は無さそうだけど、宝石にしては大きすぎる気もする。
それから両親にも青い魔石を見せてみたが、当然魔石の価値は全くわからなかった。
そして、その後、価値ある物が当たることなくいつもと変わらない平和な1週間が経過したその日世界は一変してしまった。
その後の世界で変革の日『ファーストブレイク』とのちに呼ばれる7月14日にそれは起こった。
突然世界中にダンジョンと呼ばれる地下迷宮が現れ、そのうちのいくつかからモンスターと呼ばれる怪物が溢れ出してきたのだ。
映像でみるその姿はまるで映画の特撮映像を見ているかのような錯覚を覚えるほど異質なものだった。
そのうちのいくつかは俺でも名前を想起することができる姿をしていた。
「ゴブリン……」
その姿は、ゲームや漫画の世界で描かれる小鬼の姿に酷似していた。
そしてゴブリンを思わせるモンスターを始めとする怪物たちは地上へと現れると世界を壊し始めた。
手に持つ原始的な武器を使い、建物を壊して周り、そして人間を襲った。
ファーストブレイクで最も被害を出したのは俺の住む日本だった。
理由は単純で対抗できる武器を持った人がほとんどいなかったからだ。
かろうじて対抗できたのは銃火器を持つ警官だったが、モンスターが溢れた地域ではその数に飲まれてしまった。
そして超法規的に自衛隊が出動し、大きな被害を出しながらもどうにか掃討することができたが、傷跡は深かった。
その日を境にこの世界はダンジョンとモンスターが蔓延ることとなってしまった。
そして、この時世界では銃火器だけでなくスキルを使いモンスターを倒す人たちが現れ、この日を境にその人たちは人類の剣『セイバー』と呼ばれることとなる。
0
お気に入りに追加
8
この作品の感想を投稿する
みんなの感想(1件)
あなたにおすすめの小説
ふざけんな!と最後まで読まずに投げ捨てた小説の世界に転生してしまった〜旦那様、あなたは私の夫ではありません
詩海猫
ファンタジー
こちらはリハビリ兼ねた思いつき短編の予定&完結まで書いてから投稿予定でしたがコ⚪︎ナで書ききれませんでした。
苦手なのですが出来るだけ端折って(?)早々に決着というか完結の予定です。
ヒロ回だけだと煮詰まってしまう事もあるので、気軽に突っ込みつつ楽しんでいただけたら嬉しいですm(_ _)m
*・゜゚・*:.。..。.:*・*:.。. .。.:*・゜゚・*
顔をあげると、目の前にラピスラズリの髪の色と瞳をした白人男性がいた。
周囲を見まわせばここは教会のようで、大勢の人間がこちらに注目している。
見たくなかったけど自分の手にはブーケがあるし、着ているものはウエディングドレスっぽい。
脳内??が多過ぎて固まって動かない私に美形が語りかける。
「マリーローズ?」
そう呼ばれた途端、一気に脳内に情報が拡散した。
目の前の男は王女の護衛騎士、基本既婚者でまとめられている護衛騎士に、なぜ彼が入っていたかと言うと以前王女が誘拐された時、救出したのが彼だったから。
だが、外国の王族との縁談の話が上がった時に独身のしかも若い騎士がついているのはまずいと言う話になり、王命で婚約者となったのが伯爵家のマリーローズである___思い出した。
日本で私は社畜だった。
暗黒な日々の中、私の唯一の楽しみだったのは、ロマンス小説。
あらかた読み尽くしたところで、友達から勧められたのがこの『ロゼの幸福』。
「ふざけんな___!!!」
と最後まで読むことなく投げ出した、私が前世の人生最後に読んだ小説の中に、私は転生してしまった。
婚約解消して次期辺境伯に嫁いでみた
cyaru
恋愛
一目惚れで婚約を申し込まれたキュレット伯爵家のソシャリー。
お相手はボラツク侯爵家の次期当主ケイン。眉目秀麗でこれまで数多くの縁談が女性側から持ち込まれてきたがケインは女性には興味がないようで18歳になっても婚約者は今までいなかった。
婚約をした時は良かったのだが、問題は1か月に起きた。
過去にボラツク侯爵家から放逐された侯爵の妹が亡くなった。放っておけばいいのに侯爵は簡素な葬儀も行ったのだが、亡くなった妹の娘が牧師と共にやってきた。若い頃の妹にそっくりな娘はロザリア。
ボラツク侯爵家はロザリアを引き取り面倒を見ることを決定した。
婚約の時にはなかったがロザリアが独り立ちできる状態までが期間。
明らかにソシャリーが嫁げば、ロザリアがもれなくついてくる。
「マジか…」ソシャリーは心から遠慮したいと願う。
そして婚約者同士の距離を縮め、お互いの考えを語り合う場が月に数回設けられるようになったが、全てにもれなくロザリアがついてくる。
茶会に観劇、誕生日の贈り物もロザリアに買ったものを譲ってあげると謎の善意を押し売り。夜会もケインがエスコートしダンスを踊るのはロザリア。
幾度となく抗議を受け、ケインは考えを改めると誓ってくれたが本当に考えを改めたのか。改めていれば婚約は継続、そうでなければ解消だがソシャリーも年齢的に次を決めておかないと家のお荷物になってしまう。
「こちらは嫁いでくれるならそれに越したことはない」と父が用意をしてくれたのは「自分の責任なので面倒を見ている子の数は35」という次期辺境伯だった?!
★↑例の如く恐ろしく省略してます。
★9月14日投稿開始、完結は9月16日です。
★コメントの返信は遅いです。
★タグが勝手すぎる!と思う方。ごめんなさい。検索してもヒットしないよう工夫してます。
♡注意事項~この話を読む前に~♡
※異世界を舞台にした創作話です。時代設定なし、史実に基づいた話ではありません。【妄想史であり世界史ではない】事をご理解ください。登場人物、場所全て架空です。
※外道な作者の妄想で作られたガチなフィクションの上、ご都合主義なのでリアルな世界の常識と混同されないようお願いします。
※心拍数や血圧の上昇、高血糖、アドレナリンの過剰分泌に責任はおえません。
※価値観や言葉使いなど現実世界とは異なります(似てるモノ、同じものもあります)
※誤字脱字結構多い作者です(ごめんなさい)コメント欄より教えて頂けると非常に助かります。
※話の基幹、伏線に関わる文言についてのご指摘は申し訳ないですが受けられません
側妃にすると言われたので従者と一緒に逃げることにしました。
水月 潮
恋愛
「彼女を正妃として、お前は側妃にする」
結婚式の一週間前にオデット・アルバネル公爵令嬢は呼び出され、婚約者である王太子アルノーからそう告げられる。
その場には国王も彼女の父もおり、納得済みだと言う。
アルノーとオデットの婚約は政略的なもので当人同士の気持ちで結ばれたものではない。
アルノーは学園に在学中にキャロリン・ルーキエ男爵令嬢を見初めて恋人になるが、キャロリンは男爵令嬢故にアルノーの正式な婚約者であるオデットを退けた上で王太子の配偶者に迎えるには色々問題があった。
そこでアルノーはオデットに側妃になってもらい、表向きの政務はオデットにやってもらうことにしたのだ。
彼女はこのふざけた提案が告げられた時、決意する。
逃げよう、と。
そして彼女は従者と共に国を出ることにした。
※設定は緩いです。物語としてお楽しみ下さい。
*HOTランキング1位到達(2021.10.15)
ありがとうございます(*≧∀≦*)
異世界転生令嬢、出奔する
猫野美羽
ファンタジー
※書籍化しました(2巻発売中です)
アリア・エランダル辺境伯令嬢(十才)は家族に疎まれ、使用人以下の暮らしに追いやられていた。
高熱を出して粗末な部屋で寝込んでいた時、唐突に思い出す。
自分が異世界に転生した、元日本人OLであったことを。
魂の管理人から授かったスキルを使い、思い入れも全くない、むしろ憎しみしか覚えない実家を出奔することを固く心に誓った。
この最強の『無限収納EX』スキルを使って、元々は私のものだった財産を根こそぎ奪ってやる!
外見だけは可憐な少女は逞しく異世界をサバイバルする。
最遅で最強のレベルアップ~経験値1000分の1の大器晩成型探索者は勤続10年目10度目のレベルアップで覚醒しました!~
ある中管理職
ファンタジー
勤続10年目10度目のレベルアップ。
人よりも貰える経験値が極端に少なく、年に1回程度しかレベルアップしない32歳の主人公宮下要は10年掛かりようやくレベル10に到達した。
すると、ハズレスキル【大器晩成】が覚醒。
なんと1回のレベルアップのステータス上昇が通常の1000倍に。
チートスキル【ステータス上昇1000】を得た宮下はこれをきっかけに、今まで出会う事すら想像してこなかったモンスターを討伐。
探索者としての知名度や地位を一気に上げ、勤めていた店は討伐したレアモンスターの肉と素材の販売で大繁盛。
万年Fランクの【永遠の新米おじさん】と言われた宮下の成り上がり劇が今幕を開ける。
王太子様には優秀な妹の方がお似合いですから、いつまでも私にこだわる必要なんてありませんよ?
木山楽斗
恋愛
公爵令嬢であるラルリアは、優秀な妹に比べて平凡な人間であった。
これといって秀でた点がない彼女は、いつも妹と比較されて、時には罵倒されていたのである。
しかしそんなラルリアはある時、王太子の婚約者に選ばれた。
それに誰よりも驚いたのは、彼女自身である。仮に公爵家と王家の婚約がなされるとしても、その対象となるのは妹だと思っていたからだ。
事実として、社交界ではその婚約は非難されていた。
妹の方を王家に嫁がせる方が有益であると、有力者達は考えていたのだ。
故にラルリアも、婚約者である王太子アドルヴに婚約を変更するように進言した。しかし彼は、頑なにラルリアとの婚約を望んでいた。どうやらこの婚約自体、彼が提案したものであるようなのだ。
婚約破棄になりかけましたが、彼は私がいいそうです。
百谷シカ
恋愛
私はサント伯爵令嬢エレオノーラ・マストロヤンニ。
目が悪いせいで父から人形扱いをされている。
ある日、父に急かされて転び、ランプで顔に火傷を負ってしまった。
「馬鹿者が! もうお前には価値がない。代りにオクタヴィアを結婚させる!!」
「そんな……!」
「お待ちになって、お父様」
オクタヴィアは、厳しいけれど優しいしっかり者。
そんな妹の口添えも虚しく、私の婚約は父によって破棄……されかけた。
「否。私はエレオノーラと結婚しますよ、サント卿」
リーヴァ伯爵フェルモ・アリエンツォ様は、私を見棄てなかった。
彼は私を愛してくれた。世界を見せてくれた。
そして父は、周囲から孤立し、自滅していった──……
====================
(他「エブリスタ」様に投稿)
余りモノ異世界人の自由生活~勇者じゃないので勝手にやらせてもらいます~
藤森フクロウ
ファンタジー
相良真一(サガラシンイチ)は社畜ブラックの企業戦士だった。
悪夢のような連勤を乗り越え、漸く帰れるとバスに乗り込んだらまさかの異世界転移。
そこには土下座する幼女女神がいた。
『ごめんなさあああい!!!』
最初っからギャン泣きクライマックス。
社畜が呼び出した国からサクッと逃げ出し、自由を求めて旅立ちます。
真一からシンに名前を改め、別の国に移り住みスローライフ……と思ったら馬鹿王子の世話をする羽目になったり、狩りや採取に精を出したり、馬鹿王子に暴言を吐いたり、冒険者ランクを上げたり、女神の愚痴を聞いたり、馬鹿王子を躾けたり、社会貢献したり……
そんなまったり異世界生活がはじまる――かも?
ブックマーク30000件突破ありがとうございます!!
第13回ファンタジー小説大賞にて、特別賞を頂き書籍化しております。
♦お知らせ♦
余りモノ異世界人の自由生活、コミックス3巻が発売しました!
漫画は村松麻由先生が担当してくださっています。
よかったらお手に取っていただければ幸いです。
書籍のイラストは万冬しま先生が担当してくださっています。
7巻は6月17日に発送です。地域によって異なりますが、早ければ当日夕方、遅くても2~3日後に書店にお届けになるかと思います。
今回は夏休み帰郷編、ちょっとバトル入りです。
コミカライズの連載は毎月第二水曜に更新となります。
漫画は村松麻由先生が担当してくださいます。
※基本予約投稿が多いです。
たまに失敗してトチ狂ったことになっています。
原稿作業中は、不規則になったり更新が遅れる可能性があります。
現在原稿作業と、私生活のいろいろで感想にはお返事しておりません。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる
本作については削除予定があるため、新規のレンタルはできません。
このユーザをミュートしますか?
※ミュートすると該当ユーザの「小説・投稿漫画・感想・コメント」が非表示になります。ミュートしたことは相手にはわかりません。またいつでもミュート解除できます。
※一部ミュート対象外の箇所がございます。ミュートの対象範囲についての詳細はヘルプにてご確認ください。
※ミュートしてもお気に入りやしおりは解除されません。既にお気に入りやしおりを使用している場合はすべて解除してからミュートを行うようにしてください。
面白い。テンポが良くてあっという間に読んでしまいました(*´艸`*)