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サバイバーはイベント好き

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葵からチョコレートをもらい、午後の授業は更に集中力が上がりいい勉強が出来た。
放課後になり、葵が来るのを持っていたがなかなかやって来ない。
やっぱりあれか?
葵が来ないので、自分の席で待っているが、この時間になるといつもなら教室からは、ほとんど人がいなくなるのに今日はまだ結構残っている生徒がいる。
特に男子生徒は結構な数残っている。
何もする事も無いので、残っているクラスメイトを観察していると、男子生徒は明らかに動きがおかしい。
用もないのに教室の中を行ったり来たりしている。
更に観察を続けているとある規則性が見えてきた。男子生徒は、ただ行ったり来たりしているわけでは無く、さり気なく女子生徒の前を横切る様にウロウロしているようだ。
これも、あれだな。バレンタインデー特有の行動なんだろうな。

「凛くん、また、お待たせしてしまって申しわけありません」
「あ~今日は大変だったね」
「はい、諦めてくれない人が多くて……」

それにしてもイベントの度にとなると葵も大変だ。世の中の男子高生がこんなにもアグレッシブだったとは。
クラスの男子も相変わらずふらふらし続けている。

「それじゃあ帰ろうか」
「はい」

教室には本田も残っているのが見えたが、気にせず教室を出て、そのまま校門を抜ける。幸い今日は誰も待ち構えている男子はいなかった。
なんとなくホッとしている自分がいたが、帰り道サバイバーの端末に反応があった。

『ピピッ』

ランクがあがって設定を緩めているからかも知れないが、時々放課後のこの時間にも依頼が入る様になった。

「葵、このまま行く? それともロードサイクルを取りに帰る?」
「取りに帰った方が遅くなりそうなので、このまま行きましょう」
「それじゃあ、急ごうか」

俺達は少し早歩き気味に現場へと向かう。

「最近、学校帰りに依頼が入る回数が増えてる気がするんだけど」
「多分、依頼の要件を緩めているのと、今日はバレンタインデーなので、依頼を受ける人が少なかったのかもしれません」
「あぁ……」

そういえば、クリスマスも正月も依頼が来たな。
サバイバーはイベント好きが揃っているのか? 少なくとも今日に限っては学園の生徒の稼働率が落ちているのは間違いないな。
今まで俺には縁のない事だったのでそういった事は気にした事も無かった。
ただ棚ぼた的にでも依頼があるのはありがたい事なのでしっかりとこなしたいと思う。
早歩きで歩いてはいるものの、徒歩ではそこまで速度は出ていないので目的地迄なかなか到着しない。
俺は被害が拡大していない事を願いながら急ぐ。

「凛くんそろそろ着きます」
「葵、モンスターはどこだろう」
「まだ見えませんね」

慎重に進んで行くとモンスターを確認する事が出来たが、そのうちの一体は見た事のないモンスターで奇妙な風貌を持っていた。
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