73 / 92
レイドの終わり
しおりを挟む
「葵、スキルはまだ使える?」
「はい、もちろん大丈夫です」
「悪いんだけど俺はあと一回ずつしか無理だから、フォローぐらいしか出来ない」
「わかりました。出来るだけ私が削ってみますね」
「頼んだ」
葵と相谷先輩が野崎さん達の横に立ち攻撃に加わり、俺と東山さんは後方に控える事となった。
野崎さん達の攻撃を見るが、三人の連携は非常にスムーズに見える。
攻撃を切らさない様に三人がタイミングを合わせながらスキルを順番に発動している。
野崎さんのスキルは『エアバースト』という空気の塊を炸裂させるスキルだが、どう考えてもロックタートルとは相性が悪い。
硬い装甲に風系では分が悪いが、同様に相谷さんの『アーススピア』も厳しいだろう。残りの2人は火系のスキルを使っているので、葵と連携すればなんとかなるか?
俺は状況を見ながら頭の中で戦いを組み立てていくが、思った以上にロックタートルが硬く、メンバーとの相性が悪い。
ロックタートルの甲羅を破る事は今のメンバーでは、ほぼ不可能に思えるので、狙うは頭と首だが頭部の前面も硬そうな外皮に覆われている。
『エクスプロージョン』
葵がタイミングを見計らい爆炎を放つ。
「ギュ~ギュ~ギュ~」
何やら変な音が聞こえて来るが、もしかしてこれがロックタートルの鳴き声か? 巨体に見合わず妙に可愛らしい声だが、葵の攻撃に反応したのは間違い無い。
「葵、効いてるぞ!」
「はい、このまま押し切ります」
葵が『エクスプロージョン』を連発するとロックタートルは苦しんでいる様に見える。
どうやら熱さを嫌がっている様だが、外皮も心なしか黒ずんできている様にも見えるので、外皮が炭化してきているのかもしれない。
「野崎さんの『エアバースト』と葵の『エクスプロージョン』をタイミングを合わせて同時に放つ事って出来ないですか? 性質的に威力が上がる気がするんですけど」
「分かった、どうなるかわからないがやってみよう。若葉さん、一、二、三で放ってくれ」
「わかりました」
葵の『エクスプロージョン』に大量の空気と爆発力を加えてやれば普通に考えて火力が上がる気がする。
「いくぞ! 一、二、三今だ! 『エアバースト』」
野崎さんの掛け声にきっちり合わせる形で葵も『エクスプロージョン』放った。
着弾した瞬間、今までに無い規模で爆炎が発生して、ロックタートルの頭も砕け散って消滅してしまった。
「すごいな………」
自分から言い出した事とは言えこれほど上手くいくと思わなかった。
完全に威力が倍増していた。
爆炎というよりも爆発という言葉がピッタリな威力だった。
「これで終わりましたね」
「ああ、まさかまた新手が来るという事は無いだろう」
「野崎さんそれって……大丈夫なやつですか? そういう事はあまり……」
「凛くん、さすがにそれは無いと思いますよ」
「そうだな。俺も疑い深くなってるのかも。うん、これで終わりだな」
ちょっとフラグかと思い心配してしまったが、どうやら杞憂に終わったらしい。
あとがき
あと1話で1部完結です。
「はい、もちろん大丈夫です」
「悪いんだけど俺はあと一回ずつしか無理だから、フォローぐらいしか出来ない」
「わかりました。出来るだけ私が削ってみますね」
「頼んだ」
葵と相谷先輩が野崎さん達の横に立ち攻撃に加わり、俺と東山さんは後方に控える事となった。
野崎さん達の攻撃を見るが、三人の連携は非常にスムーズに見える。
攻撃を切らさない様に三人がタイミングを合わせながらスキルを順番に発動している。
野崎さんのスキルは『エアバースト』という空気の塊を炸裂させるスキルだが、どう考えてもロックタートルとは相性が悪い。
硬い装甲に風系では分が悪いが、同様に相谷さんの『アーススピア』も厳しいだろう。残りの2人は火系のスキルを使っているので、葵と連携すればなんとかなるか?
俺は状況を見ながら頭の中で戦いを組み立てていくが、思った以上にロックタートルが硬く、メンバーとの相性が悪い。
ロックタートルの甲羅を破る事は今のメンバーでは、ほぼ不可能に思えるので、狙うは頭と首だが頭部の前面も硬そうな外皮に覆われている。
『エクスプロージョン』
葵がタイミングを見計らい爆炎を放つ。
「ギュ~ギュ~ギュ~」
何やら変な音が聞こえて来るが、もしかしてこれがロックタートルの鳴き声か? 巨体に見合わず妙に可愛らしい声だが、葵の攻撃に反応したのは間違い無い。
「葵、効いてるぞ!」
「はい、このまま押し切ります」
葵が『エクスプロージョン』を連発するとロックタートルは苦しんでいる様に見える。
どうやら熱さを嫌がっている様だが、外皮も心なしか黒ずんできている様にも見えるので、外皮が炭化してきているのかもしれない。
「野崎さんの『エアバースト』と葵の『エクスプロージョン』をタイミングを合わせて同時に放つ事って出来ないですか? 性質的に威力が上がる気がするんですけど」
「分かった、どうなるかわからないがやってみよう。若葉さん、一、二、三で放ってくれ」
「わかりました」
葵の『エクスプロージョン』に大量の空気と爆発力を加えてやれば普通に考えて火力が上がる気がする。
「いくぞ! 一、二、三今だ! 『エアバースト』」
野崎さんの掛け声にきっちり合わせる形で葵も『エクスプロージョン』放った。
着弾した瞬間、今までに無い規模で爆炎が発生して、ロックタートルの頭も砕け散って消滅してしまった。
「すごいな………」
自分から言い出した事とは言えこれほど上手くいくと思わなかった。
完全に威力が倍増していた。
爆炎というよりも爆発という言葉がピッタリな威力だった。
「これで終わりましたね」
「ああ、まさかまた新手が来るという事は無いだろう」
「野崎さんそれって……大丈夫なやつですか? そういう事はあまり……」
「凛くん、さすがにそれは無いと思いますよ」
「そうだな。俺も疑い深くなってるのかも。うん、これで終わりだな」
ちょっとフラグかと思い心配してしまったが、どうやら杞憂に終わったらしい。
あとがき
あと1話で1部完結です。
0
お気に入りに追加
46
あなたにおすすめの小説
校長室のソファの染みを知っていますか?
フルーツパフェ
大衆娯楽
校長室ならば必ず置かれている黒いソファ。
しかしそれが何のために置かれているのか、考えたことはあるだろうか。
座面にこびりついた幾つもの染みが、その真実を物語る
追放された聖女の悠々自適な側室ライフ
白雪の雫
ファンタジー
「聖女ともあろう者が、嫉妬に狂って我が愛しのジュリエッタを虐めるとは!貴様の所業は畜生以外の何者でもない!お前との婚約を破棄した上で国外追放とする!!」
平民でありながらゴーストやレイスだけではなくリッチを一瞬で倒したり、どんな重傷も完治してしまうマルガレーテは、幼い頃に両親と引き離され聖女として教会に引き取られていた。
そんな彼女の魔力に目を付けた女教皇と国王夫妻はマルガレーテを国に縛り付ける為、王太子であるレオナルドの婚約者に据えて、「お妃教育をこなせ」「愚民どもより我等の病を治療しろ」「瘴気を祓え」「不死王を倒せ」という風にマルガレーテをこき使っていた。
そんなある日、レオナルドは居並ぶ貴族達の前で公爵令嬢のジュリエッタ(バスト100cm以上の爆乳・KかLカップ)を妃に迎え、マルガレーテに国外追放という死刑に等しい宣言をしてしまう。
「王太子殿下の仰せに従います」
(やっと・・・アホ共から解放される。私がやっていた事が若作りのヒステリー婆・・・ではなく女教皇と何の力もない修道女共に出来る訳ないのにね~。まぁ、この国がどうなってしまっても私には関係ないからどうでもいいや)
表面は淑女の仮面を被ってレオナルドの宣言を受け入れたマルガレーテは、さっさと国を出て行く。
今までの鬱憤を晴らすかのように、着の身着のままの旅をしているマルガレーテは、故郷である幻惑の樹海へと戻っている途中で【宮女狩り】というものに遭遇してしまい、大国の後宮へと入れられてしまった。
マルガレーテが悠々自適な側室ライフを楽しんでいる頃
聖女がいなくなった王国と教会は滅亡への道を辿っていた。
転生貴族のハーレムチート生活 【400万ポイント突破】
ゼクト
ファンタジー
ファンタジー大賞に応募中です。 ぜひ投票お願いします
ある日、神崎優斗は川でおぼれているおばあちゃんを助けようとして川の中にある岩にあたりおばあちゃんは助けられたが死んでしまったそれをたまたま地球を見ていた創造神が転生をさせてくれることになりいろいろな神の加護をもらい今貴族の子として転生するのであった
【不定期になると思います まだはじめたばかりなのでアドバイスなどどんどんコメントしてください。ノベルバ、小説家になろう、カクヨムにも同じ作品を投稿しているので、気が向いたら、そちらもお願いします。
累計400万ポイント突破しました。
応援ありがとうございます。】
ツイッター始めました→ゼクト @VEUu26CiB0OpjtL
私はいけにえ
七辻ゆゆ
ファンタジー
「ねえ姉さん、どうせ生贄になって死ぬのに、どうしてご飯なんて食べるの? そんな良いものを食べたってどうせ無駄じゃない。ねえ、どうして食べてるの?」
ねっとりと息苦しくなるような声で妹が言う。
私はそうして、一緒に泣いてくれた妹がもう存在しないことを知ったのだ。
****リハビリに書いたのですがダークすぎる感じになってしまって、暗いのが好きな方いらっしゃったらどうぞ。
伯爵家の次男に転生しましたが、10歳で当主になってしまいました
竹桜
ファンタジー
自動運転の試験車両に轢かれて、死んでしまった主人公は異世界のランガン伯爵家の次男に転生した。
転生後の生活は順調そのものだった。
だが、プライドだけ高い兄が愚かな行為をしてしまった。
その結果、主人公の両親は当主の座を追われ、主人公が10歳で当主になってしまった。
これは10歳で当主になってしまった者の物語だ。
《勘違い》で婚約破棄された令嬢は失意のうちに自殺しました。
友坂 悠
ファンタジー
「婚約を考え直そう」
貴族院の卒業パーティーの会場で、婚約者フリードよりそう告げられたエルザ。
「それは、婚約を破棄されるとそういうことなのでしょうか?」
耳を疑いそう聞き返すも、
「君も、その方が良いのだろう?」
苦虫を噛み潰すように、そう吐き出すフリードに。
全てに絶望し、失意のうちに自死を選ぶエルザ。
絶景と評判の観光地でありながら、自殺の名所としても知られる断崖絶壁から飛び降りた彼女。
だったのですが。
転生したら赤ん坊だった 奴隷だったお母さんと何とか幸せになっていきます
カムイイムカ(神威異夢華)
ファンタジー
転生したら奴隷の赤ん坊だった
お母さんと離れ離れになりそうだったけど、何とか強くなって帰ってくることができました。
全力でお母さんと幸せを手に入れます
ーーー
カムイイムカです
今製作中の話ではないのですが前に作った話を投稿いたします
少しいいことがありましたので投稿したくなってしまいました^^
最後まで行かないシリーズですのでご了承ください
23話でおしまいになります
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる