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プロローグ

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貴方のやわらかい空色が大好きでした。


水平線の向こうで混じり合い、とけるようにあたたかく私を映す瞳。


それは時折り熱が篭り甘く色を変えて。
指先に触れて傅く唇は何より優しくて。

私の名を呼ぶ貴方の声はどんな音楽よりも心地良く耳に届いた。

未来の賢王に相応しい聡明さ。
強く清廉で、無知を恐れず学ぶ事を怠らない。


貴方の導く治世はきっと素晴らしい未来になる。



…だからそんな顔をしないで。
私が耐えられなかっただけなの。
私が貴方の重荷になるなんて耐えられない。

こんな弱い私ではとても、貴方の隣には立てない。



だからお願いそんな顔はやめて、笑顔を見せて。


貴方は正しい事をした。
間違っているのは私。



ごめんなさい。
愛しています。
ごめんなさい。





「……忘却レテ





……最後まで笑顔でいられたら、いいのだけれど。
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