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おわりのはじまり⑤

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「ーー…ご卒業おめでとうございます」

「ありがとう」

「…お花を、」

「ありがと」


エルファリ様は今日、学園を去る。


「…クリス、?っ、」


家でいつも一緒にいるのに、もうここでは一緒にいられない。

明日からは、ここにはもういない。

監視されなくなるのをよろこぶべきなのに。




わたしはすりこみのように、さみしさを植えつけられてしまった。



「……責任とってください……」



初めて自分から抱きつくなんてしてしまってエルファリ様は柄にもなく硬直していた。



「ーーわかった。」



と、思ったら花束ごとわたしを抱えて















「…っ、ま、んっ、ぅ」


上級生専用サロンに入り下ろされる。
エルファリ様は花束をテーブルに置き、後ろ手に鍵を閉めて。

焼けつきそうな視線でわたしを見ていた。




両手を耳のしたから差しこまれ、わたしはほぼ真上を向かされている。
支えられていないからくずれそうで、くるしくて、もつれそうなままソファーへ押しつけられた。

掴まれているから反らすこともできなくて、
絡まる舌と唾液におぼれそうになりながらくぐもった声をあげていた。

角度が変われば舌の行き先も変わり、反応を確かめられる。
何度も教えこまれた身体が、すぐ答えをだしてしまう。


くちゅくちゅといやらしく絡まる音で耳の奥から熱くなって、わたしはちっそく、寸前。



「……責任なんていくらでも、とってあげる」

「っ、は、…っ、ぁ…っ」

「クリスがここに来るたびに、忘れらんないよーにしてあげるよ」

「あっ、…ゃ、あ、っ」

「…………そうしたらさみしく、ないよね」




逸れた視界に、アルストロメリアの花。



おとなしくついてきたわたしの、責任。




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