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五章 本当の問題

第72話(逃げる!)

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 私と菫と暗の三人は朝早くから学園に来てる。
兄さん達はまだ来て居ない様なので少し安心した。

「けど葵ちゃん本当に大丈夫?体調はもう良いの?それとあの時庇ってくれて本当にありがとう」
「ん?ああ、もう体調は昨日から良いから問題無い。怪我じゃなけりゃオレも治りは早いからな」
「怪我じゃなければ?、、、ああ、そうだった葵のはそれだったな。俺は眠くて仕方なくなるからな」
「ボクは体が弱いのがそれみたい」
「おいおい、三人て何してんだ?まぁいいけど俺達お前ら三人にちょっと用事があるから着いて来いよ」

兄さん達を待ちながら三人で話して居ると見た目は強そうなゴリゴリマッチョの男が話しかけてきた。
(うわぁ、絶対に罠じゃん。着いて行くわけ無いけど他にも何人か、、、う~ん、葵の感覚だとかなりの人数が私達を狙ってるみたい。迎え撃つにも私は手の怪我がまだ治って無いし菫はこんな事に慣れてないだろうし暗は多分少しなら倒せるだろうけどこの人数はヤバいだろうからここは、、、)

「暗、菫、逃げるぞ!」
「「分かった!」」
「おい!こら!待て!」

私達三人はスタコラサッサという音がしそうなほど見事にその場から逃げ出した。

私達三人は学園の中で行った事が無い場所に入って逃げて居るのでここが何処かも何に使われている場所なのかも分からずに気配が無くなるまで走っていた。
ちなみに、向かう方向はこの中で一番足が早い暗の勘に任せて適当に走って逃げている。
気配が無くなったのを確認してから誰も居ない教室に入った。

「ハァハァ、、、こんなに、ふぅ、走ったの、はぁ、初めてかも」
「ハァハァ、んっ、ふぅ、、、俺も体力はあまり無いから疲れた」
「ふぅ、オレはまだ大丈夫だが二人にはキツかったよな?だが、何故こんな朝早くからあいつらが居るんだ?」
「はぁ、、、やっと落ち着いた。あいつらって多分あの妄想日記の人達の仲間だよね?」
「だろうな。しかし何故この時間に居るのか分からないな。俺達を捕まえようとしていたみたいだしな」
「もしかすると兄さん達が朝早くからこの学園に来て決着をつけようとしていたのは、あいつらが今日朝早くから学園に居ると調べて知っていたからじゃねぇか?」
「「あ!」」
「あいつらは元々いつかまたは今日中にオレ達を捕まえ様としていたが、たまたま偶然に朝早くに居るオレ達を見つけたから捕まえ様としてたんじゃ?」
「その可能性は高いよね?あの人達もボク達に何かしようとしてたみたいだし」
「それなら捕まったら紅達に迷惑をかける上に人質にされたら厄介だぞ」
「、、、ここは逃げ切るしかねぇな。だが、ここも時期に見つかるだろうな。どう逃げるか」
「見つからない様に逃げるのが一番良いんだけどね」
「俺と菫は体力が無い上に戦うのは苦手、葵は強いが今は手に怪我をしてまだ治って無いだからな逃げるしか選択肢は無いだろう。逃げるにも俺達を探して居る奴らがどれくらい居るかだけど」
「あ~、、、たくさん居るよね?何か下でも上でもバタバタとたくさんの足音が聞こえるし。あいつらは何処だって言う大声も聞こえるもんね」

逃げ場が無い様な状況でどう逃げるか三人で考えて居る時だった。
こっちに向かって来る様な足音が聞こえた。

「菫、暗、誰かがこっちに向かって来るぞ。人数は三人くらいだが、、、この教室の何処かに隠れろ」

多分、外からも見張られて居るので窓の外に隠れる事も窓から外に行く事も出来なかったので教室の何処かに隠れる事にした。
隠れられる所はあまり無いけどこの教室は荷物置き場なのだろう。
私はダンボールが積み重なっているボードの裏に隠れる事にした。
菫と暗はその積み重なったダンボールの中の物を出してから二人をダンボールの中に入れて隠した。
私が隠れた瞬間、この教室のドアが開いた。
三人分の足音が聞こえたので居るのは三人だけみたいだ。
(雑魚なら怪我してる私一人でも倒せるだろうけど、、、三人でしか来ないって事は強い人の可能性が高い。私達に気づかないで早く教室から出て行ってくれないかな?)

“コツコツ、、、コツコツコツ”
“ガラッ”

出ていったみたいだけど慎重に気配を探ってから教室の中を見た。
(良かった、居ないみたい。戻って来ないか足音を聞いてみてから二人を出そう、、、足音が聞こえない?さっき出て行ったのに?あ、まさか!ヤバい、隠れないと、)

“ガラッ”
「あ、ッ!、、、、んっ、ぐっ、やめっ、ぐっ!“ゴク、ゴク、ゴクリ、、ポンッ”ごほッ、、、うっ、、、」
「、、、、。」

ドアに近づく私を待って居た人がドアを開けて私に何かを飲ませた。
私に何かを飲ませた人は頭がぼーっとして急激な眠気に襲われ倒れそうになった私を支えて抱き上げ何処かに連れて行く。
私は眠気に勝てずに意識がだんだん無くなっていった。
最後に見たのは私を大事そうに抱き上げながら泣きそうな顔をしていた縁完さんだった。


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