一人じゃないぼく達

あおい夜

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二章 ぼくと家族

弟達と妹(娘)は今日も可愛い!

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陸視点


今日1日は特に仕事も無い日だったので朝から料理以外の空の家事を手伝っていた。
ただ、空と陽以外の家族は朝に弱くて(青天は良くわからない)中々直ぐに目を覚ます事が出来ない。
僕も例外ではなく朝は中々起きられ無いけど、空の手伝いをする為に頑張って起きる。
朝は軽い掃除をしてから空の所に行って出来上がった朝ごはんをみんなで食べるテーブルまで運ぶんだけど今日は下の三人が料理を運んでた。
(陽はいつも早く起きてるけど、陰は良く起きれたな)

「これは青には重いからこのサラダ運んでね」
「天、陰、今日は頑張ろうね!」
「「うん」」

下三人はいつの間にか仲良くなっていた。
(下三人がくっついてるのは可愛いな。確か、仲良くなったきっかけは一緒に何か作ったからって言ってたな)

「おはよう、陽、陰、青天」
「「「おはよう」」」
「今日の青天の服も可愛いね?」
「そうでしょ!ボクと陰で一緒に考えたんだ!可愛いよね!」
「後、今日の空兄さんの手伝いはオレ達がするから陸兄さんは少し休んでて」
「ん、ありがと」

僕は三人の頭を撫でてからテーブルの方に向かった。
今日の青天の服は本当に可愛くて、猫耳と尻尾が付いた少し大きめな黒いパーカーに赤い半ズボンを履いていた。
(猫って事は陰とお揃いって事かな?可愛いな~)

その後は海兄さんを起こしてからみんなで空の作った美味しい朝ごはんを食べた。



空視点


今日は珍しく朝から下三人が手伝ってくれた。
可愛らしい黒猫さんの服を着て現れた青天を見た時、可愛過ぎて思わず抱き締めてしまった。
お昼になると青天がお昼ご飯の手伝いと、とある事をお願いしにきた。

「それで、お願いってのは何だ?」
「その、ぼくと陽と陰におやつの時間に台所を使わせて欲しいんだけど良い?」
「台所を?別に良いが何に使うんだ?」
「ん~、、、それは内緒だけど、後で分かるよ」
「分かった。内緒なんだな?なら、分かるまで待ってる」
「うん」

オレは青天を抱き上げてから頭を撫でた。
(可愛い!青天の今日の服が陰と同じ猫ってだけでも可愛いのに、そんな風に首を傾げるのは反則的に可愛いな!流石、オレの可愛い娘だ!)

「今日の服は可愛いな」
「ん。陽と陰が選んでくれた。陰と同じ猫さんだにゃ~」
「っ~、、、そうだな、陰と同じ可愛い猫さんだな」

可愛過ぎてオレの何かがヤバかった。
(なんだろう、この気持ち?心臓がドキドキしているのにギュッと締め付けられる様な何かが沸き上がって来そうなこの感じはなんて言うんだ?後で海兄さんに聞いてみるか)

その後、陽と陰が来てまた三人で手伝ってくれた。
三人で仲良くしている姿は可愛らしく微笑ましかった。
(何を内緒にしているんだろうな?可愛らしい事なのだろうが、、、楽しみだ)



海視点


ちび達三人(二人は見た目は成人しているが俺にとってはちびっ子)が楽しそうに台所に向かった。
朝から楽しそうに、いつの間にか仲良くなっていたちびっ子三人はわくわくしていた(青天は無表情だったので良く分からなかった)ので素直な陽にどうしたのか聞くと『えっと、その、な、内緒!内緒なんだ!』と言って慌ててたのは可愛かった。
(何を企んでるんだろうねぇ?まぁ、可愛らしい事なんだろうけど)

そうして昼飯を食べた後に空が『あの三人を見ていると良く分からない感情が沸き上がってくるんだ』と言って相談してきたが良く聞くとただあの三人に萌えていただけだったので萌えの事を説明してやってると陸に『テメェ、綺麗な(心を持つ)空に変な事を教えんな!』と本気で怒られた。
(あいつ怒ると口調が悪くなるんだよなぁ~。穏やかだけど気性の荒い鬼族だから仕方ないんだけど青天が真似したらどうすんだろうな?死なねぇよな陸の奴、、、まぁ、空が育ててたんだから大丈夫だよな、うん!)

「しっかし、青天の今日の服、、、可愛過ぎだろ!抱っこしてぇ~!」
「海兄さん?どうかした?」
「ん?陰?お前ら台所で何かしてんじゃないのか?」
「海兄さんの声が聞こえたからどうしたんだろうって思って」
「わざわざ来てくれたのか!良い子だなぁ」

陰の頭を撫でると陰は気持ち良さそうに喉を鳴らした。
(あ~、珍しく素直に甘えて可愛いわ~)

「陰~!青天が待ってるから早く戻って来て~!」
「はっ!、、、うん、今そっちに戻る。じゃあね、海兄さん」
「おう、何してるか知らねぇけど頑張れよ~」

陰は走って台所に戻って行った。
少しすると台所から甘くて美味しそうな匂いがしているきた。



陽視点


今日はボクと陰と天の三人でみんなのおやつを作る約束をしたんだ。
兄さん達には内緒で作ろうって言ったから海兄さんに聞かれた時は少し慌てたけど内緒だから言えないって言ったら何故か頭を撫でてくれた。
(何で撫でてくれたんだろう?嬉しかったけど)

「陽、どうかした?おやつ作るけど、大丈夫?」
「うん!大丈夫!なんでも無いよ!早く作ろう!」
「うん」

天はボク達が用意した陰とお揃いの猫の可愛い服の上から空兄さんとお揃いの青いエプロンを着けている。
陰は黒いエプロンだけど紐が赤い色をしているエプロンを着けている。
ボクは白いエプロンで紐は黄色のエプロンを着けている。
このエプロンの色はボク達の毛と目の色と同じ様な色をしているんだ。
ちなみに、目の色の方が紐の色だけどボクの目の色は金色だけど金色の紐のエプロンなんて無かったから黄色にしたんだ。

「まずは材料を用意しよう」
「何が必要なの?」
「卵、薄力粉、ベーキングパウダー、グラニュー糖、牛乳、それとマヨネーズ」
「マヨネーズ?」
「それを使うとふっくら厚みが増すんだ」
「そうなんだ?」
「よ~し!陰、天、三人で美味しいホットケーキを作ろう!」
「「うん」」

ボク達が作るのはホットケーキで天がふっくらした厚みのあるホットケーキの作り方を調べてくれたんだ。
(へへ、可愛い二人と一緒におやつ作れるなんて嬉しいな!)



陰視点


海兄さんの大きな声が聞こえたので海兄さんの所に行ってみたけど、特に何もなかったので直ぐに戻って来た。
(気分良かったから久しぶりに海兄さんに甘えちゃったな。海兄さんはやっぱり撫でるの上手かったな)

「海兄さん、何もなかった?」
「うん、特に何もなかったよ」
「なら、早く作ろう!」
「うん」
「じゃあ、まずは卵の卵黄と卵白を分ける」

青はそれぞれのボウルに卵黄と卵白を別々に分けていった。
(これは青にやって貰った方が良いよね?オレ達だと失敗しそう)

「分けたら卵白の方は冷蔵庫に入れる」
「冷蔵庫に入れる!」
「次はそれぞれの材料を計る。お菓子作りはピッタリ量をらないとちゃんと出来ないからね?」
「分かった」

オレ達はそれぞれ材料の適量を計った。

「卵白と砂糖以外の材料を混ぜるけど、その前に小麦粉をふるいにかける」
「ふるいにかける!」
「うん、これに入れてふるいにかけたら玉(だま)に成りにくいから」

そう言って青はふるいにかける道具に小麦粉を入れた。

「ふるふる~♪ふるふる~♪」
「ボクも!ふるふる~♪ふるふる~♪」
「っ、、、。」

二人はふるいにかけてる小麦粉が無くなるまで歌いながらやっていた。
(可愛い!青も陽兄さんもとても可愛い!ここは楽園かな?)

「小麦粉をふるいにかけたら、次はベーキングパウダーと卵黄と牛乳とマヨネーズは隠し味くらいな感覚で入れて混ぜる」
「混ぜる!」
「オレが混ぜるよ」
「じゃあ、陰にお願いする」

ボクがボウルに入った材料を混ぜるとまた歌い始めた。

「「混ぜ混ぜ~♪混ぜ混ぜ~♪」」
「、、、、。」

今度は声を揃えて歌っていた。
(可愛い!可愛い!可愛い!オレの兄と妹が可愛い!)

この伝えられない思いの丈を混ぜる力に代えて混ぜたら綺麗に混ぜられたみたい。



青天視点


今ぼく達はホットケーキを作ってる。
作ったホットケーキはみんなで食べるけど主に上三人の嬉しそうな顔を見るのがぼく達の目的だ。

「次は冷蔵庫にある卵白を取り出してメレンゲにするんだ」
「メレンゲって結構作るの大変なんじゃないの?」
「うん、だからこの電動の泡立て器を使う。これなら直ぐに出来るからね」

そう言った後、ぼくは冷蔵庫から卵白を取り出した。

「メレンゲを作る前にフライパンを温める」
「弱火で良いの?」
「うん、メレンゲ作ってるうちに温めたいからね」
「メレンゲはどうするの!」
「まず卵白を軽く混ぜてから砂糖を入れるんだけど、砂糖は三回くらいに分けて入れながら混ぜてメレンゲを作る」
「今度はボクが混ぜる!」
「ん、分かった。陽にお願いするよ」

陽に電動の泡立て器と卵白の入ったボウルを渡した。

「うわぁ~!これ凄い!直ぐにメレンゲ出来る!」
「混ぜ過ぎも良くないから加減して混ぜてね?」
「うん、分かった!」

陽達が砂糖を三回に分けてメレンゲを作ってる横で、ぼくはタオルを濡らして温めたフライパンをその上に置く。

「ん?何で濡れタオルの上に温めたフライパンを置くの?」
「これやってからまた温めると綺麗に作れるって調べてたら書いたあった」
「そうなんだ。あ、メレンゲ出来たよ」

ぼくはフライパンをまた弱火で温めてから陽達の所に戻った。

「メレンゲが出来たら最初に作ったこれと混ぜるんだけど、メレンゲをなくさない程度に軽くけどちゃんと混ぜる」
「うわぁ~!ふわふわしてる!」
「陰、フライパンに軽く油を引いて?」
「ん、、、出来たよ」
「ありがとう、、、ん、ちゃんと温かい。フライパンに入れるよ」
「うん!」
「どんな感じで入れるの?」
「んっと、メレンゲが残る様に混ぜたから上にふわっと乗せる様に生地を入れる」
「蓋は?」
「ふたはひっくり返してから閉めるよ」

生地を弱火でじっくり焼いてひっくり返すと綺麗なキツネ(海では無い)色になっていた。
ひっくり返した後はふたをしてじっくり焼く。

「うわぁ~!良い匂い!美味しそう!」
「ならもう火を止めてあら熱で焼けば良いよ」

そして少したったのでふたを開ける。

「わぁ!ふっくらふわふわ!」
「本当だ、、、これなら兄さん達も喜んでくれるかな?」
「うん!絶対に喜んでくれるよ!」
「次は陽と陰が焼いてみて」
「「うん」」

この調子ならおやつの時間に間に合うな、と思いながらホットケーキを作っていった。



海視点

陽に呼ばれて俺、空、陸、の三人はいつも飯を食うテーブルの前に座ってる。
周りには甘い匂いが漂っている。

「んで、何の用?」
「あ、その、あの、、、、これ」

陰が何かを言いたそうにしながらも最終的には言わずに俺達に何かを差し出す。
陰が差し出すのと同時に笑顔の陽と無表情の青天も何かを俺達に差し出した。
(良い匂いだけど何を、、、)

「おー、スッゲー!、、、ホットケーキ、、か?何かふっくらでふわふわしてっけど」
「うん、、、あげる」
「俺達に?」
「、、、うん」
「あのね、あのね!それね!ボク達が作った!みんなで食べる為に!笑ってくれる為に!頑張った!それで、可愛くってね!美味しそうに出来た!」
「陽、ちゃんと聞くから落ち着いてゆっくり話して大丈夫だぞ?」

何でホットケーキを渡して来たのかの理由を喋らない陰の為に陽が一生懸命に理由を伝えようとしたが、急ぎ過ぎて何を言いたいのか伝わらないので空が落ち着く様に言った。
(このホットケーキを三人で頑張って作って美味しそうに出来たのは分かったけどな)

「んっと、えっと、そのね!ボク達が作ったホットケーキ食べて貰いたいんだ!」
「何で?いや、嬉しいけど理由は?さっき何か理由みたいな事を言ってたじゃん?」
「ん~、、、美味しそうに出来たのを兄さん達に食べて貰いたい!ボク達が頑張って作ったので、兄さんに笑って貰いたい!」
「ん~?空、陸、意味分かったか?」
「いや、頑張って作ったホットケーキをオレ達に食べてもらって笑って欲しいって事は分かった」
「僕もそれくらいしか分からないよ」

陽には悪いが全く理由が分からなかった。
陰も陽の横で何か言いたそうにして居たが黙ったままだ。
(陰は素直に言える奴じゃないし、陽は興奮すると伝えたい事をちゃんと言葉に出来ないからな~)

「んっとね、えっと、」
「、、ぁ、、、。」
「、、、今日はぼくと陽と陰の三人でおやつを作る約束をしてたんだ。おやつを作って海達三人に感謝を伝える為に」

二人じゃ伝えられないと思ったのか青天(一番年下)が説明してくれた。

「二人共」
「兄さん達、いつも優しくしてくれて」
「お、オレ達を見守ってくれて」
「一緒に居てくれて」
「「「ありがとう」」」

俺達は感動のあまり目の前に居る奴を抱き締めた。
俺は陰、空は青天、陸は陽をそれぞれ抱き締めて頭を撫でた俺達の心は一緒だった。

「「「弟(娘)達が可愛い!」」」
「っ、、は、早く食べないと冷えて美味しく無くなるよ!」
「へへへ、嬉しいけど、テレるね!」
「ん、ありがとう。けど、美味しいうちに早く食べて欲しい」

陰は恥ずかし過ぎて顔を真っ赤にしながら怒鳴り、陽は嬉しそうに満開の笑顔で素直に自分の気持ちを言って、青天は素直にお礼を言った後も冷静に言った。

俺達が落ち着いくと下三人も席に着いて自分のホットケーキ(自分の分もちゃんと用意してた)を置いてた。

「美味しく出来たと思うから食べよう」
「おう、そうだな。それじゃあ」
『いただきます』

弟達三人で作ったホットケーキはふっくらふわふわしていてバターとハチミツをかけて食べたらとても美味しかった。

ホットケーキを食べ終わりみんなでお茶を飲んで一息ついてると青天が突然、猫耳の着いたフードを被って立ち上がった。

「青天?どうかしたか?」
「、、、今日、陽と陰と一緒にホットケーキ作ったの楽しかった」
「ボクも楽しかった!」
「オレも!」
「空と海と陸の嬉しそうな顔を見れたのも良かった」
「青天?」
「そりゃ俺、嬉しかったし」
「僕達の為に作ってくれたって言われたら嬉しいよ」

突然そう言われたが嬉しかったのは事実なのでそう言うと青天は顔のあたりに手を持っていくとその手を猫みたいに丸めてから爆弾を落とした。

「今日1日、ぼくに幸せをくれて、、、ありがとうにゃ~」

そう言ってから青天は部屋を出て行ったが誰一人その場から動けなかった。
青天が部屋を出て少したってから俺達は体を震わせながら言った。

『可愛過ぎるだろう!死ぬ!』

悶えて居た俺達は明日の朝にまた爆弾が落とされる事を知らなかった。

次の日、青天が犬耳と尻尾が着いた白いパーカーに黄色の半ズボンという今度は陽とお揃いの服で朝の挨拶をした。

「みんな、おはよう、、、だわん」

それを聞いた俺達は当然、床と親しいお友達になった。





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