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7羽 飢えた銀色狼
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媚薬作りの数日後のある早朝。
ライキがいつもより厳重な装備で空駒鳥の薬屋へやって来た。
「南の森の奥にブラックオーガホーン・・・俺らは黒牛って呼んでるんだけど、その大群が出たって教会から報告があったんだ。
ハイクラス魔獣なうえにかなりの数がいるらしくて、そんなのが人里に下りてきたら危険だから、父さんと兄貴と一緒に討伐に行ってくるよ。
全部倒すのに4~5日はかかると思うけど、
なるべく早く帰って来られるように頑張るから、待ってて。」
ライキはリーネの手を取りそう伝えた。
「わかった・・・。
フェリシア様に無事を祈りながら、待ってる・・・。」
リーネは不安と寂しさから顔を曇らせ、目を伏せた。
「リーネ・・・。」
「・・・ライキが強いってわかってるけど、やっぱり心配だよ・・・。」
「大丈夫だよ。
父さんと兄貴もいるんだしさ。」
「・・・うん。
討伐が完了したら狼煙が上がるよね?」
「うん。父さんがあげるよ。」
「じゃあ頻繁に南の森のほうを見ておくね。
・・・あの、これ、持って行って?
媚薬作りの次の日に作ったの。」
リーネはライキに傷薬を渡した。
「ありがとう。
・・・リーネ。」
ライキはリーネの顎を引き寄せ、そっとキスをした。
「それじゃ、行ってきます・・・!」
「行ってらっしゃい・・・!
気を付けてね・・・!!」
リーネは祈るように両手を組むと、薬屋から丘を下るライキの姿が見えなくなってもまだ見送るのだった。
南の森に入って──。
まだ疎らだが、黒牛は村からそう遠くない地点で現れていた。
それらを3人の狩人が討ち進んでいく。
ライキはベテランの父や、天才と呼ばれる兄ほどでは無かったが、二人に遅れをとることもなく討伐数を着実に伸ばしていた。
時にはその手数の多さと狩りにおけるセンスの良さで、経験の差を埋めるような高レベルな攻撃を垣間見せることもあった。
(ほう・・・ライキの奴かなり成長したな。
もうそろそろ大物のいるこの森に一人で狩りに出しても大丈夫だな。
ハイドがいてくれるうちに準備を進めておくか・・・。)
黒牛との戦闘中、ライキの戦いぶりを見て、父ゲイルはそう考えていた。
黒牛の群れが一旦捌けた隙に、キャンプを張り休息をとるハント家の男3人。
サアラが作った弁当を食べた後、焚き火に当たって珈琲を飲んでいた。
「ライキ、去年から随分腕を上げたな。」
ライキを穏やかに見つめながらゲイルが言った。
「やった!父さんに褒められた!
最近は西の森の未開エリアでよく狩ってるからかな・・・?」
「うげっ、あの面倒なスライムがいるとこか?
よくやるよお前・・・。」
ハイドはライキの言う場所に思い当たったようで、あからさまに嫌そうな顔をした。
「スライムは無限に分裂するからな。
定期的に数を減らさないと村に危害が及ぶ。」
ゲイルが珈琲のおかわりを注ぎながら言った。
「わかってるけどよー、スライムなんか倒しても素材にならねーし、狩人として実入りがないじゃん?
俺はあんまりやりたかねーな。」
そうハイドが愚痴る。
「そういった地味な仕事を文句を言わずにやってくれるライキは偉いな。」
そう言うとゲイルはライキの頭を子供の時にしたように、ナデナデと撫でた。
ライキは恥ずかしくなって父に抗議した。
「や、やめてくれよ父さん・・・。
もうそんな年じゃないってば・・・!」
そう言われてゲイルは目を見開いて手を引っ込め、照れ隠しで頭を掻きむしった。
「ははっ、ライキに拒まれてやんの。
まぁ15で頭ナデナデは流石にないよなー。」
「・・・18のお前にもしてやろうか?
ハイド・・・。」
ゲイルは怒りで額に血管を浮かべながら左手を伸ばしてハイドに迫りくる。
「えーーっ、きもちわりぃ・・・。
勘弁しろよ親父・・・。」
「何だと?」
「キャーーーッ襲われるぅーーー!
ライキ、助けてぇーーー!!」
「あははははっ!」
3人でそんなやり取りをして笑い合う初日のキャンプだった。
2日目も同様に群れが捌けた隙にキャンプをするハント家の3人。
2日目は前日のようにサアラが持たせてくれた弁当が無かったので、現場での調理が必要だった。
ハイドが1人で食事の支度を担当し、いくつもの鍋を掛け持ちで見ており忙しそうだったため、自分の分担を終えて手の空いたライキが兄の代わりに夕食のリゾットの味付けをしようと鍋の蓋にそっと手を伸ばした。
すると、
「・・・あ、やべっ!
味付けは俺がやるから!」
物凄い勢いでハイドがすっ飛んできて、鍋の蓋を奪い返し、阻止した。
「・・・ちぇっ、ちょっとくらい手伝ったっていいだろ?
俺、料理下手を克服したくて時々リーネに教えてもらってるけど、段々とまともな感覚が身についてきてるって思うんだよ!
だから試してみたかったのに。」
(そう言われてもよ・・・。
いつもみたいにスライムとか入れられたらリゾットが台無しになっちまうしなぁ・・・。
ライキには悪いけど、黒牛の群れとやり合わなきゃなんねーって時にあの料理は勘弁して欲しいぜ・・・。
ハント家の男は丈夫で腹を壊しにくいとはいえ、毒を食えば流石に体力を消耗するしな・・・。)
ハイドはそう思って冷や汗をかきながら料理に調味料を入れて混ぜた。
「まぁ、お前の料理の試食は別の機会に付き合ってやるから!
よし・・・。
飯出来たから親父呼んで来い。
親父は風呂の支度しに行ってるからよ。」
「うん、わかった。」
ライキは父を呼んできて、3人でハイドの作ったリゾットやスープを食べた。
(リーネも今頃飯食ってるかな?
今夜は何食ってるんだろう・・・。)
料理上手なハイドの作った夕食は美味しかったが、やはりリーネの作る食事が恋しくて、星空を見上げながらリーネに想いを馳せるライキだった。
食後はゲイルが用意した風呂に入る3人。
魔石を練り込み保温効果を高めた陶器製のタライに川の水を汲み、火の魔石を数個放り込んで適温に温めた簡易風呂だが、森の中で入る湯は開放的で心地よく、ライキは毎回楽しみにしていた。
「・・・お、去年よりでかくなったか?」
ハイドが湯に足を入れるライキを見てそう言った。
「何が?」
「ナニが。」
「・・・・・!
そんなもんいちいち見てくんなよ!」
ライキは赤面し、ハイドに軽く金的を食らわそうと足を出すが、それをひょいと躱すと冗談めかして声を上げるハイドだった。
「アハハハハ!当たるかよ!
んもーーーライキのエッチぃ♥」
「・・・お前ら静かに入れないのか・・・。」
先に湯船に浸かっていたゲイルがまた額に血筋を浮かべながら言った。
黒牛との戦いの中の休息の時間を楽しく過ごした2日目のキャンプだった。
だが3日目になると、黒牛の群れの本群にぶつかったためキャンプを挟む余裕がなく、ひたすらに黒牛の数を削る戦いになった。
ライキは終わらない戦いの最中、段々と性欲が溜まってきていた。
戦闘で身体を動かすことで多少性欲は発散されはするものの、それよりも長期間射精していない彼は、射精したくてムラムラする気持ちの蓄積のほうが上回っていたのだ。
そして段々と集中力を欠き、イライラしはじめていた。
(まだ帰れないのか・・・。
リーネに会いたい・・・。
媚薬の納品前に抜いてもらったきりだから、もう1週間も射精してない・・・。
媚薬を納品した次の日、またリーネに抜いて貰いたくてエッチなムードに持ち込もうとキスしながら胸を服の上から少し触ろうとしたら、真っ赤になって突き飛ばされたんだよな・・・。
やっぱり媚薬の効果なしだとそうなるか・・・。
けど、それ以来リーネにキス以上のことを切り出せなくて。
かといって、リーネにして貰う快楽を知ってしまった今ではもう一人でするのも物足りなくて、ずっと射精せずにいたからな・・・。
クソッ、早く帰ってリーネに抜いて貰いたい・・・。
一刻も早く終わらせてやる!!)
そして、同日後半には積み重なる疲労と焦りから、回避・防御を捨てて攻撃に重点を置く戦い方となり、小さな怪我を重ねるようになる。
「ライキ、無茶をするな!
少し下がれ!」
ゲイルがライキを庇って下がらせた。
「くっ・・・!」
物陰に隠れてリーネの薬を取り出すライキ。
その薬の空駒鳥のラベルを見て、ライキはリーネの顔を思い出し、深呼吸をする。
(今この瞬間もリーネが無事を祈りながら待ってくれている・・・。
落ち着け・・・。
大きな怪我なんかしたら、リーネに申し訳が立たないぞ・・・!)
そしてその薬を傷を負った箇所に塗ると、立ち所に治ってしまう。
(リーネの薬か?
良く効くな・・・。
前からあんなに効いたか?)
ハイドがその様子を見て不思議に思う。
(それにしてもライキのこの様・・・。
こりゃ相当溜まってきてるな・・・。
ま、俺もそーだけど。
ライキは俺よか若いから尚更だよな・・・。)
と思いながらライキの背後に迫る黒牛を斧で薙ぎ払うハイド。
「よし、あと少しだ!
気を抜くな!!」
ゲイルが大声で息子たちに活を入れた。
「だそうだ!
早く片付けてお互いに好きな女に逢いに行こうぜ!」
とハイドが弟の肩を叩いた。
「あぁ。やってやる・・・!」
ライキの鋭い目が静かに光った。
3日目の夕方にようやく全ての黒牛を討伐し終え、家へ帰って来られたのは4日目の夜になったライキ達だった。
ハイドはヒルデにウキウキで会いにいく途中、自分の家に向かうリーネと会った。
「よう、リーネ、ライキに会いに来たのか?」
「こんばんは、ハイドさん。
そうなんです!
狼煙が上がってるのが見えたからそろそろ戻ってきてるかなって。
ハイドさんはこれからヒルデさんの所ですか?」
「まーな・・・。」
ふとハイドはリーネが風呂上がりで薄着なことに気が付いた。
(これは飢えた狼の檻に羽を折られた小鳥を放りこむようなものじゃないのか?
ライキのことだから勢い任せで最後までシちまうことはないと思うが・・・。)
と少し心配になった。
「今のあいつは飢えた銀色狼だから気をつけな?
もし強引にされそうだったら金的食らわせていいから。」
ニッと笑うと手を振って去って行った。
「は、はい・・・。」
(飢えた銀色狼のライキ・・・?
想像出来ないけど・・・強引に・・・か・・・。
ライキならちょっとだけ、されてみたいかも・・・・・?
・・・媚薬を納品した次の日・・・。
ライキとキスしてたらライキの手が私の胸に這い上ってきて、恥ずかしくて思わずライキのこと突き飛ばしちゃったけど・・・あの時のライキ、射精・・・したかったんだよね・・・?
ライキは優しいから、それ以来私に遠慮してかキス以上のことはしようとしなくなってたし、正直心苦しかった・・・。
今日こそはライキの射精を手伝ってあげよう・・・。
でもまた胸を触られたらどうしよう・・・?
ホントに小さいから揉み応えがなくてガッカリされそうだし・・・。)
リーネは頬を赤く染め、ドキドキしながらライキの家の扉に手をかけた。
(さて、俺も今”飢えた春雷の銀狼”だから、青毛の小鹿ちゃんを襲いに行こう・・・♪)
ハイドはニヤニヤしながら恋人のヒルデの元へ向かうのだった。
「こんばんは!
夜分遅くにすみませーん!
リーネです!」
玄関先でリーネが挨拶すると、サアラが笑顔でリーネを出迎えた。
「まぁリーネ!
遅い時間なのに来てくれてありがとうね!
あの子ご飯を食べ終えて今お風呂に入っているから上がって待ってて?」
「おばさん、すみません。
お邪魔します!」
リーネはサアラのキッチンの片付けを一緒に手伝いながら待つことにした。
風呂からあがったライキは話し声でリーネが来ていることに気が付き、急いで着替えるとキッチンに走って顔を出した。
そこには案の定とても会いたかったリーネがいたので、思わず「リーネ!」と駆け寄り抱きしめた。
「来てくれたんだ!?
もう遅いから会いに行ったら迷惑かと思って、明日1番に会いに行こうと思ってた!
今会えて嬉しい!」
愛しの彼女の顔を間近で見ながらそう言った。
「えへへ、1秒でも早く会いたかったから来ちゃった!」
「リーネ風呂入ってきたんだ?
いい匂いがする・・・。」
同じ部屋に両親がいるのもお構い無しで、リーネの髪に顔を填めスンスンと嗅いでいると、
「ゴホン・・・そういうのは部屋でしろ・・・。」
とゲイルに言われたため二人は顔を見合わせると気恥しそうに笑って、二階へと上がって行った。
サアラはクスクスと笑って、ゲイルは赤くなったまま頭を掻きむしると、更に顔を赤く染めてから言った。
「サアラ、今夜は沢山抱きたいから早く寝室へ来い・・・。」
(飢えてるって聞いてたからもっとギラギラしてるのかと思ったけど良かった・・・。
いつもの優しいライキだ・・・。)
リーネは階段を登りながら思った。
ライキに勧められるがまま彼の部屋に入ると、すぐに後ろから抱きしめられるリーネ。
「ごめん・・・俺すげー溜まってる・・・。
優しくする余裕がないと思うけど・・・。
エッチなことしてもいい?」
「う、うん・・・。
夢精しちゃったら大変だもの。
・・・いいよ・・・?」
とリーネが言うと、ライキはそのまま顎を引き寄せてキスをした。
「んっ・・・」
もっと奥まで欲しくてたまらなくなったライキは舌を入れた。
リーネは「!」と小さく驚いたあと、少し戸惑いながらも懸命に応じてくれた。
「ふぅ・・・んっ・・・んっ・・・ふっ・・・」
所々甘い声が漏れる。
(リーネの舌・・・気持ちいい・・・これ、凄く繋がっている感じで好きだ・・・
リーネ・・・リーネ・・・!)
どんどん気持ちが昂ってむくむくとフル勃起状態になる。
もっと繋がっていたいけれど、これ以上は自制が効かなくなりそうだった為、一旦ぐっと堪え、名残惜しそうに唇を離した。
ディープキスの余韻で赤くなりぽーーっとしているリーネの首筋に顔を埋め、キスをする。
「リーネ・・・いい匂い・・・」
「あっ・・・」
今度は耳にキスする。
「んっ・・・」
そのままワンピースの肩紐に手をかけると、真っ赤になったリーネが、
「やっ・・・だっ・・・ダメっ!」
と言って涙ぐみ、ライキの胸を強く押して拒んだ。
「・・・なんで?」
ライキは眉を顰め悲しそうに俯いた。
彼の勃ち上がっていたモノが少し萎える。
リーネは彼の期待に応えたい気持ちと、自分の中のどうしようもない羞恥心とで葛藤しながら、消えそうな小さな声で答えた。
「今ブラ付けてないの・・・。
ワンピース下ろされたら胸が・・・ぜんぶ、見えちゃう・・・か・・・ら・・・」
「見せてよ・・・リーネの胸。」
「嫌っ!
・・・こんな・・小さいし自信がないもの・・・・・」
「いいよ小さくても・・・。
リーネの胸すげー見たいよ。
それがどんなでも、俺、リーネのこと全部受け入れるから・・・。
見せてくれよ・・・頼む・・・。」
ライキの真剣な訴えにリーネは少し考えてから、
「・・・・・ライキが先に見せてくれるなら・・・。」
と答えた。
「それでいいなら。
・・・どうぞ?」
ライキがあまりにすんなり脱ぐのでリーネは目のやり場に困り、
「えっ・・・あっ・・・」
と言って顔を赤らめ自分の手で視界を遮るが、指の隙間から見える晒されたライキの裸があまりに性的なので、思わず息を飲み、そっと手を下ろすと、その肢体に釘付けになってしまう。
「ライキ・・・さすが狩人だね・・・筋肉ついてて逞しい・・・。
小さな傷跡がいっぱいあるね・・・。
カッコよくてドキドキする・・・。」
「あ、ありがとう・・・。
・・・リーネの好きにしていいよ?」
「・・・いいの?じゃあ・・・」
リーネはそう言って、全体をさわさわ撫でてからそっと乳首を指で摘んで刺激してみる。
「あれ・・・?
何も感じない?」
ライキの反応が返ってこないのでリーネは怪訝そうに眉を潜めてから乳首を舐めた。
「あははっ、ちょっとくすぐったいだけ。」
「えーーっ!
何で?
つまんない!」
リーネが唇を尖らせて抗議する。
「だってそこ性感帯じゃないし。」
と笑うライキに、
「そんなのズルい・・・」
とリーネは拗ねる。
ライキはそんな彼女が愛おしくてたまらなかった。
「じゃあ今度はリーネの番な・・・?」
そう言ってワンピースの肩紐に手をかける。
「・・・えっ?
まっ、待って、あっ」
恥ずかしがって胸元を押さえるリーネにライキは小悪魔的に囁いた。
「俺はちゃんと見せたしリーネは触って舐めた癖に。
フェアじゃない。
手、離して。」
「・・・じゃあ、灯りを消して欲しい・・・。」
とリーネ。
「・・・俺は明るいところで脱いだだろ?
リーネも明るいところで見せて。」
引かないライキ。
「えっ・・・で・・・でも・・・・・お願い・・・・・ライキ、消して・・・・・?」
リーネが瞳に涙を滲ませる。
その反応にゾクゾクしたライキだが、まだかろうじて理性が働き、暗くても目が慣れれば狩人の自分には見えるからと思い直し、ため息を軽くついてから黙って消してあげた。
部屋が暗くなって少し勇気が出たのか、リーネは胸に当てた手をそっと外した。
はらり、とワンピースが床に落ち、リーネの真っ白な肌が晒された。
恥ずかしそうに俯き目を逸らすリーネ。
昔チラッと屈んだ彼女の胸が見えたことがあったが、初めてちゃんと見る彼女の裸は、ユデイが描いてくれたものとは少し違い、胸の形は綺麗な釣鐘型。
淡いピンク色の乳首はつんっと上を向いていた。
「・・・綺麗・・・。
想像以上だよ・・・。」
ライキの下半身に血が集まり、一気に限界まで勃ちあがった。
ライキはソレを部屋着越しにリーネの腹にグイグイと押し付ける。
「やっ・・・うっ・・・か、硬いの押しつけちゃヤダ・・・!」
真っ赤になったリーネがライキを引き剥がそうとまた胸に手を当ててくるが、構わず押し付け続ける。
「自信持てよ。
俺リーネの胸見てこんなになったんだから・・・。」
「ほんとに?
・・・・・ガッカリ、してない?」
「むしろ逆・・・可愛くて綺麗で最高・・・♥」
「・・・・・うれしい・・・・・
自分の胸嫌いだったけど、今のでなんだか好きになれそうだよ・・・・・。」
「リーネ・・・」
ライキはそのままリーネをベットに押し倒した。
「キャッ」
小さく悲鳴をあげるリーネ。
「美味そう・・・♥」
ライキは自らの唇をペロッと舐めてから、再び短くディープキスをして、首筋を舐めた。
「あっ♥」
リーネが可愛い声をあげたのでゾクッとするライキ。
そのままリーネの胸に手を伸ばし、揉む。
仰向けになってよりなだらかになったそこは他の場所より遥かに柔らかいのに弾力があり、やみつきになる感触だった。
「あ・・・んっ♥・・・」
ライキは両手で胸全体を包んで回すように揉んだり、硬くなったピンク色の乳首を摘まんだりしていっぱい感触を楽しんだ。
「あ・・・・・あっ♥・・・やっ・・・そんな・・・恥ずかしっ・・・あっ♥・・・ライキぃ・・・・・」
可愛く甘くなるリーネの声もたまらない。
ライキが乳首を舐めあげると、
「ひゃうっんッ♥」
と身体が跳ねて、ひときわ高く甘い声で感じるリーネ。
ライキはもう、ゾクゾクが止まらなかった。
ライキはうわ言のように「リーネ・・・かわいい」「好き」と何度も言いながら、胸を刺激し、汗ばむ肌と肌をすり合わせていく。
ボトムスが邪魔だと勢い良く脱ぎ捨てるライキ。
もう完全に火がついて止められなくなっていた。
そしてリーネのお腹のラインを指の腹で撫でると、スッとパンツに手を滑り込ませた・・・!
リーネは初めてここで危機感を覚えた。
(飢えた銀色狼・・・!!)
「ラ、ライキ・・・!
ま、待って・・・!
それ以上はわたしっ・・・!」
リーネが何とかライキを制しようと必死で声を上げるが、それすらもキスで塞ぐ。
「んっ~・・・んっ・・・♥」
そして唇から零れる声が、余計に彼に火をつけた。
お互い下を覆う下着のみの無防備な状態で足を絡め、
キスでも舌を絡めてリーネとの繋がりを求め、
右手はリーネの上気した胸を刺激し、
左手はリーネのパンツの中・・・
感じる突起を探り当てると、既にぬるぬるのそこを何度も指で擦りあげた。
「んっ♥!
ふうっん・・・♡んっんっんっ♥!」
ピクンピクンと感じて喘ぎを漏らすリーネの足に膝を割って入ると自らの下着をズラし、完全状態の熱く滾る股間を空気に晒した後、すぐに腹にグリグリと押し付ける。
ライキのそこは既に先走っており、押し付けたときの音がぬちゃっぬちゃっと響く。
「ふっ!んうっ♡♥」
熱く滾る硬い彼の感触を腹に直に感じつつ、耳から入るいやらしい音に更に羞恥心を掻き立てられたリーネは堪らず身悶えする。
どんどん呼吸が荒く激しくなるライキ。
腹から下腹部の更に下の方へとライキの熱が移動していき、ついにはリーネのパンツにそっと親指をかけ、引き下ろそうとした。
「!!」
そこでリーネの中の膨れ上がった熱がついに限界に達した。
彼女は瞳をぐるぐると回しながら、
「・・・今日のライキ・・・刺激的・・・過ぎるよぉ・・・」
と言い残し意識を失ってしまったのだった。
すぐにリーネの異常に気が付き我に返るライキ。
「えっ!?
リーネ!?
おーい・・・」
揺さぶるが、起きない。
だがライキももうどうにも収拾つかないくらい高まっていたので、そのままベットでリーネを抱きしめて「ごめん!」と言ってから、白く柔らかい太ももに性器を激しく擦り続けて射精する。
そして、裸で下着のみつけてリーネを抱っこした状態で空へと浮かんだ。
リーネが意識を失っていても目的地にリーネの部屋を選択できたため、そこへと飛んだ。
リーネの部屋にスタッと降りるとパンツのみの姿のリーネをそっとベットに寝かせ、布団をかけてやる。
彼女の軽やかな寝息にホッとした後、初めて自分も下着姿であることに気が付き頭を抱えるライキ。
(しかもまだ収まらないし・・・。)
と、自分の元気な下半身を恨めしく睨む。
リーネはもう空へは連れていけないから、仕方なくさっきのリーネを思い出して一人でシた。
(2回めだから俺の部屋まで飛べるかわからないけど・・・。)
と考えながら射精すると、リーネの部屋から自分の部屋を目的地として選べなかったため、ハッとした。
(そうか!
一人のときは同じ村の中は選べないんだった!
忘れてた・・・!!)
仕方なく狩猟小屋を選ぶが途中で降ちてしまい、しかもそこが池だったため全身ずぶ濡れになり、肩を落としながら家路についた。
(俺何やってるんだろ・・・。)
ハイドはヒルデとの逢瀬を終え、一足早く自室に戻って来ていた。
するとトンっと2階の屋根に着地する音が聴こえたので、ライキか?と窓から顔を覗かせた。
するとずぶ濡れかつ下着姿のライキがそこにいたので驚き目を見開いた。
「おいおい、そりゃ一体どうした!?」
「・・・・・え、と・・・。
リーネが行為の途中で気を失ってしまったから、抱っこして家まで送って行ったけど、帰りに池、いや、川に落ちた・・・。」
ライキはしどろもどろになって説明した。
「・・・お前っ・・・プッ・・・上半身裸で・・・ッ・・・送って行ったのか・・・?」
ハイドが笑いを堪えながら突っ込んだ。
「あー・・・気が動転してて・・・裸のまま窓からリーネを抱いて降りた・・・から・・・?」
ライキが苦しすぎる言い訳をするので、ハイドはついに爆発し、腹を抱えて大笑いした。
「兄貴、笑いすぎ・・・。」
ライキは唇を尖らせ不服そうに拗ねた。
「・・・そんで、溜まってるものはしっかり出せたのか?」
「~~~~~。」
(自分でしたからあんまり満足できなかったなんて言いたくない・・・!)
「くしゅん!
・・・俺、もう一度風呂入ってくるよ・・・。」
と言って、窓から自分の部屋へ入るライキだった。
─追記〈翌日のリーネの一日〉─
翌朝、自分の部屋で目が覚めたリーネは、パンツだけの格好でベッドにいることに困惑した。
(あれ?
ライキの部屋にいたはずなのに、何で自分の部屋に・・・しかも裸で寝てるんだっけ・・・?
・・・何か太ももがカピカピしてる!?
ええっ・・・!?)
そして段々と昨夜の出来事を思い出し、真っ赤になるのだった。
(ライキが段々と激しくなって、付いていけなくなって気を失ったことろまでは憶えているけど、あの後何があったんだろう・・・。)
少しして、狩りに向かう前のライキが、昨夜自分の部屋に置いたままになっていたリーネのワンピースと、サアラのおすそ分けの黒牛肉の合挽を持ってきた。
ライキから昨夜のことを聞いたリーネは真っ赤になり、両手で顔を覆うのだった。
「いや、俺が暴走して歯止め利かなかったのが悪いし・・・。
マジでごめん。」
「すごく溜まってたんでしょ?
仕方がないよ・・・。
それより・・・」
リーネは、昨夜ライキの家にお邪魔して彼が風呂から出てくるのを待っている間にしたサアラとのやり取りを思い浮かべた。
「今回の討伐で沢山黒牛のお肉が手に入ったから、リーネにもおすそ分けするわね!
ブロックがいい?
それとも薄く切ってあげようか?」
食器を洗いながらサアラがそう訊いてきたので、リーネは、
「ライキは今日のお夕食で黒牛のお肉を食べたんですよね?
何のメニューだったんですか?
折角の美味しいお肉だから、違う料理にしてライキと一緒に食べたいなぁと思うんです。」
と言った。
サアラは優しく微笑むと答えた。
「いつもありがとうね。
あの子喜ぶわ!
うちは定番だけどステーキにしたわよ?
後はローストビーフにして明日出そうと思ってるけど・・・どうする?」
「じゃあ挽肉にしてください!
ライキの好きなハンバーグを作ってあげたいので!」
「じゃあすぐに挽いてあげるから、帰りに持って行ってね。」
(そう言われていたのに、ライキとの最中に気を失ってしまって自分の部屋に戻ってきちゃったから・・・。
きっと黙って帰って変に思われてるよね・・・。
それでライキに挽肉を持たせてくれたんだ・・・。
恥ずかしい・・・。)
思い出して恥ずかしくなって、再び両手で顔を覆った。
(後でおばさんにお詫びも兼ねてお肉のお返しを届けにいこう。)
「ライキ、狩りが終わったら寄ってくれる?
頂いたお肉でハンバーグを作るから、晩御飯食べて行って?」
「やった!リーネの飯♪」と喜ぶ彼を見送り、「また後でね!」と手を振って別れた。
リーネはその後すぐに市場に出かけ、季節のサクランボを買ってきてパイを焼き、お昼過ぎそれをサアラの肉屋に届けに行ったのだった。
そして、昨日黙って帰ってしまったことを謝った。
するとサアラは、
「そんなの気にしなくていいのよ?
リーネの気を失わせちゃったあの子が悪いんだから・・・。
ホントにうちの男どもときたら・・・。」
妙に艶々した肌でため息をついていた。
「それよりとっても美味しそうなチェリーパイ♥
リーネは本当にお菓子作りが上手ね!
うちの男どもは全員甘いものをあまり食べないから、私いつも一人でティータイムしてるのよ。
もうすぐお店の休憩の時間だから、良かったらティータイムに付き合って?
そしてリーネはサアラと一緒に焼いてきたパイを食べて、楽しくティータイムを過ごしたのだった。
ティータイムの後はまた薬屋に戻り、時々来る客の相手をしながら晩御飯の支度をした。
そして、本日の狩りを終えたライキと夕食を共にしたあと、昨日のフィニィッシュに満足していなかったライキに、リーネが気を失わないギリギリの激しさで求められるのだった。
ライキがいつもより厳重な装備で空駒鳥の薬屋へやって来た。
「南の森の奥にブラックオーガホーン・・・俺らは黒牛って呼んでるんだけど、その大群が出たって教会から報告があったんだ。
ハイクラス魔獣なうえにかなりの数がいるらしくて、そんなのが人里に下りてきたら危険だから、父さんと兄貴と一緒に討伐に行ってくるよ。
全部倒すのに4~5日はかかると思うけど、
なるべく早く帰って来られるように頑張るから、待ってて。」
ライキはリーネの手を取りそう伝えた。
「わかった・・・。
フェリシア様に無事を祈りながら、待ってる・・・。」
リーネは不安と寂しさから顔を曇らせ、目を伏せた。
「リーネ・・・。」
「・・・ライキが強いってわかってるけど、やっぱり心配だよ・・・。」
「大丈夫だよ。
父さんと兄貴もいるんだしさ。」
「・・・うん。
討伐が完了したら狼煙が上がるよね?」
「うん。父さんがあげるよ。」
「じゃあ頻繁に南の森のほうを見ておくね。
・・・あの、これ、持って行って?
媚薬作りの次の日に作ったの。」
リーネはライキに傷薬を渡した。
「ありがとう。
・・・リーネ。」
ライキはリーネの顎を引き寄せ、そっとキスをした。
「それじゃ、行ってきます・・・!」
「行ってらっしゃい・・・!
気を付けてね・・・!!」
リーネは祈るように両手を組むと、薬屋から丘を下るライキの姿が見えなくなってもまだ見送るのだった。
南の森に入って──。
まだ疎らだが、黒牛は村からそう遠くない地点で現れていた。
それらを3人の狩人が討ち進んでいく。
ライキはベテランの父や、天才と呼ばれる兄ほどでは無かったが、二人に遅れをとることもなく討伐数を着実に伸ばしていた。
時にはその手数の多さと狩りにおけるセンスの良さで、経験の差を埋めるような高レベルな攻撃を垣間見せることもあった。
(ほう・・・ライキの奴かなり成長したな。
もうそろそろ大物のいるこの森に一人で狩りに出しても大丈夫だな。
ハイドがいてくれるうちに準備を進めておくか・・・。)
黒牛との戦闘中、ライキの戦いぶりを見て、父ゲイルはそう考えていた。
黒牛の群れが一旦捌けた隙に、キャンプを張り休息をとるハント家の男3人。
サアラが作った弁当を食べた後、焚き火に当たって珈琲を飲んでいた。
「ライキ、去年から随分腕を上げたな。」
ライキを穏やかに見つめながらゲイルが言った。
「やった!父さんに褒められた!
最近は西の森の未開エリアでよく狩ってるからかな・・・?」
「うげっ、あの面倒なスライムがいるとこか?
よくやるよお前・・・。」
ハイドはライキの言う場所に思い当たったようで、あからさまに嫌そうな顔をした。
「スライムは無限に分裂するからな。
定期的に数を減らさないと村に危害が及ぶ。」
ゲイルが珈琲のおかわりを注ぎながら言った。
「わかってるけどよー、スライムなんか倒しても素材にならねーし、狩人として実入りがないじゃん?
俺はあんまりやりたかねーな。」
そうハイドが愚痴る。
「そういった地味な仕事を文句を言わずにやってくれるライキは偉いな。」
そう言うとゲイルはライキの頭を子供の時にしたように、ナデナデと撫でた。
ライキは恥ずかしくなって父に抗議した。
「や、やめてくれよ父さん・・・。
もうそんな年じゃないってば・・・!」
そう言われてゲイルは目を見開いて手を引っ込め、照れ隠しで頭を掻きむしった。
「ははっ、ライキに拒まれてやんの。
まぁ15で頭ナデナデは流石にないよなー。」
「・・・18のお前にもしてやろうか?
ハイド・・・。」
ゲイルは怒りで額に血管を浮かべながら左手を伸ばしてハイドに迫りくる。
「えーーっ、きもちわりぃ・・・。
勘弁しろよ親父・・・。」
「何だと?」
「キャーーーッ襲われるぅーーー!
ライキ、助けてぇーーー!!」
「あははははっ!」
3人でそんなやり取りをして笑い合う初日のキャンプだった。
2日目も同様に群れが捌けた隙にキャンプをするハント家の3人。
2日目は前日のようにサアラが持たせてくれた弁当が無かったので、現場での調理が必要だった。
ハイドが1人で食事の支度を担当し、いくつもの鍋を掛け持ちで見ており忙しそうだったため、自分の分担を終えて手の空いたライキが兄の代わりに夕食のリゾットの味付けをしようと鍋の蓋にそっと手を伸ばした。
すると、
「・・・あ、やべっ!
味付けは俺がやるから!」
物凄い勢いでハイドがすっ飛んできて、鍋の蓋を奪い返し、阻止した。
「・・・ちぇっ、ちょっとくらい手伝ったっていいだろ?
俺、料理下手を克服したくて時々リーネに教えてもらってるけど、段々とまともな感覚が身についてきてるって思うんだよ!
だから試してみたかったのに。」
(そう言われてもよ・・・。
いつもみたいにスライムとか入れられたらリゾットが台無しになっちまうしなぁ・・・。
ライキには悪いけど、黒牛の群れとやり合わなきゃなんねーって時にあの料理は勘弁して欲しいぜ・・・。
ハント家の男は丈夫で腹を壊しにくいとはいえ、毒を食えば流石に体力を消耗するしな・・・。)
ハイドはそう思って冷や汗をかきながら料理に調味料を入れて混ぜた。
「まぁ、お前の料理の試食は別の機会に付き合ってやるから!
よし・・・。
飯出来たから親父呼んで来い。
親父は風呂の支度しに行ってるからよ。」
「うん、わかった。」
ライキは父を呼んできて、3人でハイドの作ったリゾットやスープを食べた。
(リーネも今頃飯食ってるかな?
今夜は何食ってるんだろう・・・。)
料理上手なハイドの作った夕食は美味しかったが、やはりリーネの作る食事が恋しくて、星空を見上げながらリーネに想いを馳せるライキだった。
食後はゲイルが用意した風呂に入る3人。
魔石を練り込み保温効果を高めた陶器製のタライに川の水を汲み、火の魔石を数個放り込んで適温に温めた簡易風呂だが、森の中で入る湯は開放的で心地よく、ライキは毎回楽しみにしていた。
「・・・お、去年よりでかくなったか?」
ハイドが湯に足を入れるライキを見てそう言った。
「何が?」
「ナニが。」
「・・・・・!
そんなもんいちいち見てくんなよ!」
ライキは赤面し、ハイドに軽く金的を食らわそうと足を出すが、それをひょいと躱すと冗談めかして声を上げるハイドだった。
「アハハハハ!当たるかよ!
んもーーーライキのエッチぃ♥」
「・・・お前ら静かに入れないのか・・・。」
先に湯船に浸かっていたゲイルがまた額に血筋を浮かべながら言った。
黒牛との戦いの中の休息の時間を楽しく過ごした2日目のキャンプだった。
だが3日目になると、黒牛の群れの本群にぶつかったためキャンプを挟む余裕がなく、ひたすらに黒牛の数を削る戦いになった。
ライキは終わらない戦いの最中、段々と性欲が溜まってきていた。
戦闘で身体を動かすことで多少性欲は発散されはするものの、それよりも長期間射精していない彼は、射精したくてムラムラする気持ちの蓄積のほうが上回っていたのだ。
そして段々と集中力を欠き、イライラしはじめていた。
(まだ帰れないのか・・・。
リーネに会いたい・・・。
媚薬の納品前に抜いてもらったきりだから、もう1週間も射精してない・・・。
媚薬を納品した次の日、またリーネに抜いて貰いたくてエッチなムードに持ち込もうとキスしながら胸を服の上から少し触ろうとしたら、真っ赤になって突き飛ばされたんだよな・・・。
やっぱり媚薬の効果なしだとそうなるか・・・。
けど、それ以来リーネにキス以上のことを切り出せなくて。
かといって、リーネにして貰う快楽を知ってしまった今ではもう一人でするのも物足りなくて、ずっと射精せずにいたからな・・・。
クソッ、早く帰ってリーネに抜いて貰いたい・・・。
一刻も早く終わらせてやる!!)
そして、同日後半には積み重なる疲労と焦りから、回避・防御を捨てて攻撃に重点を置く戦い方となり、小さな怪我を重ねるようになる。
「ライキ、無茶をするな!
少し下がれ!」
ゲイルがライキを庇って下がらせた。
「くっ・・・!」
物陰に隠れてリーネの薬を取り出すライキ。
その薬の空駒鳥のラベルを見て、ライキはリーネの顔を思い出し、深呼吸をする。
(今この瞬間もリーネが無事を祈りながら待ってくれている・・・。
落ち着け・・・。
大きな怪我なんかしたら、リーネに申し訳が立たないぞ・・・!)
そしてその薬を傷を負った箇所に塗ると、立ち所に治ってしまう。
(リーネの薬か?
良く効くな・・・。
前からあんなに効いたか?)
ハイドがその様子を見て不思議に思う。
(それにしてもライキのこの様・・・。
こりゃ相当溜まってきてるな・・・。
ま、俺もそーだけど。
ライキは俺よか若いから尚更だよな・・・。)
と思いながらライキの背後に迫る黒牛を斧で薙ぎ払うハイド。
「よし、あと少しだ!
気を抜くな!!」
ゲイルが大声で息子たちに活を入れた。
「だそうだ!
早く片付けてお互いに好きな女に逢いに行こうぜ!」
とハイドが弟の肩を叩いた。
「あぁ。やってやる・・・!」
ライキの鋭い目が静かに光った。
3日目の夕方にようやく全ての黒牛を討伐し終え、家へ帰って来られたのは4日目の夜になったライキ達だった。
ハイドはヒルデにウキウキで会いにいく途中、自分の家に向かうリーネと会った。
「よう、リーネ、ライキに会いに来たのか?」
「こんばんは、ハイドさん。
そうなんです!
狼煙が上がってるのが見えたからそろそろ戻ってきてるかなって。
ハイドさんはこれからヒルデさんの所ですか?」
「まーな・・・。」
ふとハイドはリーネが風呂上がりで薄着なことに気が付いた。
(これは飢えた狼の檻に羽を折られた小鳥を放りこむようなものじゃないのか?
ライキのことだから勢い任せで最後までシちまうことはないと思うが・・・。)
と少し心配になった。
「今のあいつは飢えた銀色狼だから気をつけな?
もし強引にされそうだったら金的食らわせていいから。」
ニッと笑うと手を振って去って行った。
「は、はい・・・。」
(飢えた銀色狼のライキ・・・?
想像出来ないけど・・・強引に・・・か・・・。
ライキならちょっとだけ、されてみたいかも・・・・・?
・・・媚薬を納品した次の日・・・。
ライキとキスしてたらライキの手が私の胸に這い上ってきて、恥ずかしくて思わずライキのこと突き飛ばしちゃったけど・・・あの時のライキ、射精・・・したかったんだよね・・・?
ライキは優しいから、それ以来私に遠慮してかキス以上のことはしようとしなくなってたし、正直心苦しかった・・・。
今日こそはライキの射精を手伝ってあげよう・・・。
でもまた胸を触られたらどうしよう・・・?
ホントに小さいから揉み応えがなくてガッカリされそうだし・・・。)
リーネは頬を赤く染め、ドキドキしながらライキの家の扉に手をかけた。
(さて、俺も今”飢えた春雷の銀狼”だから、青毛の小鹿ちゃんを襲いに行こう・・・♪)
ハイドはニヤニヤしながら恋人のヒルデの元へ向かうのだった。
「こんばんは!
夜分遅くにすみませーん!
リーネです!」
玄関先でリーネが挨拶すると、サアラが笑顔でリーネを出迎えた。
「まぁリーネ!
遅い時間なのに来てくれてありがとうね!
あの子ご飯を食べ終えて今お風呂に入っているから上がって待ってて?」
「おばさん、すみません。
お邪魔します!」
リーネはサアラのキッチンの片付けを一緒に手伝いながら待つことにした。
風呂からあがったライキは話し声でリーネが来ていることに気が付き、急いで着替えるとキッチンに走って顔を出した。
そこには案の定とても会いたかったリーネがいたので、思わず「リーネ!」と駆け寄り抱きしめた。
「来てくれたんだ!?
もう遅いから会いに行ったら迷惑かと思って、明日1番に会いに行こうと思ってた!
今会えて嬉しい!」
愛しの彼女の顔を間近で見ながらそう言った。
「えへへ、1秒でも早く会いたかったから来ちゃった!」
「リーネ風呂入ってきたんだ?
いい匂いがする・・・。」
同じ部屋に両親がいるのもお構い無しで、リーネの髪に顔を填めスンスンと嗅いでいると、
「ゴホン・・・そういうのは部屋でしろ・・・。」
とゲイルに言われたため二人は顔を見合わせると気恥しそうに笑って、二階へと上がって行った。
サアラはクスクスと笑って、ゲイルは赤くなったまま頭を掻きむしると、更に顔を赤く染めてから言った。
「サアラ、今夜は沢山抱きたいから早く寝室へ来い・・・。」
(飢えてるって聞いてたからもっとギラギラしてるのかと思ったけど良かった・・・。
いつもの優しいライキだ・・・。)
リーネは階段を登りながら思った。
ライキに勧められるがまま彼の部屋に入ると、すぐに後ろから抱きしめられるリーネ。
「ごめん・・・俺すげー溜まってる・・・。
優しくする余裕がないと思うけど・・・。
エッチなことしてもいい?」
「う、うん・・・。
夢精しちゃったら大変だもの。
・・・いいよ・・・?」
とリーネが言うと、ライキはそのまま顎を引き寄せてキスをした。
「んっ・・・」
もっと奥まで欲しくてたまらなくなったライキは舌を入れた。
リーネは「!」と小さく驚いたあと、少し戸惑いながらも懸命に応じてくれた。
「ふぅ・・・んっ・・・んっ・・・ふっ・・・」
所々甘い声が漏れる。
(リーネの舌・・・気持ちいい・・・これ、凄く繋がっている感じで好きだ・・・
リーネ・・・リーネ・・・!)
どんどん気持ちが昂ってむくむくとフル勃起状態になる。
もっと繋がっていたいけれど、これ以上は自制が効かなくなりそうだった為、一旦ぐっと堪え、名残惜しそうに唇を離した。
ディープキスの余韻で赤くなりぽーーっとしているリーネの首筋に顔を埋め、キスをする。
「リーネ・・・いい匂い・・・」
「あっ・・・」
今度は耳にキスする。
「んっ・・・」
そのままワンピースの肩紐に手をかけると、真っ赤になったリーネが、
「やっ・・・だっ・・・ダメっ!」
と言って涙ぐみ、ライキの胸を強く押して拒んだ。
「・・・なんで?」
ライキは眉を顰め悲しそうに俯いた。
彼の勃ち上がっていたモノが少し萎える。
リーネは彼の期待に応えたい気持ちと、自分の中のどうしようもない羞恥心とで葛藤しながら、消えそうな小さな声で答えた。
「今ブラ付けてないの・・・。
ワンピース下ろされたら胸が・・・ぜんぶ、見えちゃう・・・か・・・ら・・・」
「見せてよ・・・リーネの胸。」
「嫌っ!
・・・こんな・・小さいし自信がないもの・・・・・」
「いいよ小さくても・・・。
リーネの胸すげー見たいよ。
それがどんなでも、俺、リーネのこと全部受け入れるから・・・。
見せてくれよ・・・頼む・・・。」
ライキの真剣な訴えにリーネは少し考えてから、
「・・・・・ライキが先に見せてくれるなら・・・。」
と答えた。
「それでいいなら。
・・・どうぞ?」
ライキがあまりにすんなり脱ぐのでリーネは目のやり場に困り、
「えっ・・・あっ・・・」
と言って顔を赤らめ自分の手で視界を遮るが、指の隙間から見える晒されたライキの裸があまりに性的なので、思わず息を飲み、そっと手を下ろすと、その肢体に釘付けになってしまう。
「ライキ・・・さすが狩人だね・・・筋肉ついてて逞しい・・・。
小さな傷跡がいっぱいあるね・・・。
カッコよくてドキドキする・・・。」
「あ、ありがとう・・・。
・・・リーネの好きにしていいよ?」
「・・・いいの?じゃあ・・・」
リーネはそう言って、全体をさわさわ撫でてからそっと乳首を指で摘んで刺激してみる。
「あれ・・・?
何も感じない?」
ライキの反応が返ってこないのでリーネは怪訝そうに眉を潜めてから乳首を舐めた。
「あははっ、ちょっとくすぐったいだけ。」
「えーーっ!
何で?
つまんない!」
リーネが唇を尖らせて抗議する。
「だってそこ性感帯じゃないし。」
と笑うライキに、
「そんなのズルい・・・」
とリーネは拗ねる。
ライキはそんな彼女が愛おしくてたまらなかった。
「じゃあ今度はリーネの番な・・・?」
そう言ってワンピースの肩紐に手をかける。
「・・・えっ?
まっ、待って、あっ」
恥ずかしがって胸元を押さえるリーネにライキは小悪魔的に囁いた。
「俺はちゃんと見せたしリーネは触って舐めた癖に。
フェアじゃない。
手、離して。」
「・・・じゃあ、灯りを消して欲しい・・・。」
とリーネ。
「・・・俺は明るいところで脱いだだろ?
リーネも明るいところで見せて。」
引かないライキ。
「えっ・・・で・・・でも・・・・・お願い・・・・・ライキ、消して・・・・・?」
リーネが瞳に涙を滲ませる。
その反応にゾクゾクしたライキだが、まだかろうじて理性が働き、暗くても目が慣れれば狩人の自分には見えるからと思い直し、ため息を軽くついてから黙って消してあげた。
部屋が暗くなって少し勇気が出たのか、リーネは胸に当てた手をそっと外した。
はらり、とワンピースが床に落ち、リーネの真っ白な肌が晒された。
恥ずかしそうに俯き目を逸らすリーネ。
昔チラッと屈んだ彼女の胸が見えたことがあったが、初めてちゃんと見る彼女の裸は、ユデイが描いてくれたものとは少し違い、胸の形は綺麗な釣鐘型。
淡いピンク色の乳首はつんっと上を向いていた。
「・・・綺麗・・・。
想像以上だよ・・・。」
ライキの下半身に血が集まり、一気に限界まで勃ちあがった。
ライキはソレを部屋着越しにリーネの腹にグイグイと押し付ける。
「やっ・・・うっ・・・か、硬いの押しつけちゃヤダ・・・!」
真っ赤になったリーネがライキを引き剥がそうとまた胸に手を当ててくるが、構わず押し付け続ける。
「自信持てよ。
俺リーネの胸見てこんなになったんだから・・・。」
「ほんとに?
・・・・・ガッカリ、してない?」
「むしろ逆・・・可愛くて綺麗で最高・・・♥」
「・・・・・うれしい・・・・・
自分の胸嫌いだったけど、今のでなんだか好きになれそうだよ・・・・・。」
「リーネ・・・」
ライキはそのままリーネをベットに押し倒した。
「キャッ」
小さく悲鳴をあげるリーネ。
「美味そう・・・♥」
ライキは自らの唇をペロッと舐めてから、再び短くディープキスをして、首筋を舐めた。
「あっ♥」
リーネが可愛い声をあげたのでゾクッとするライキ。
そのままリーネの胸に手を伸ばし、揉む。
仰向けになってよりなだらかになったそこは他の場所より遥かに柔らかいのに弾力があり、やみつきになる感触だった。
「あ・・・んっ♥・・・」
ライキは両手で胸全体を包んで回すように揉んだり、硬くなったピンク色の乳首を摘まんだりしていっぱい感触を楽しんだ。
「あ・・・・・あっ♥・・・やっ・・・そんな・・・恥ずかしっ・・・あっ♥・・・ライキぃ・・・・・」
可愛く甘くなるリーネの声もたまらない。
ライキが乳首を舐めあげると、
「ひゃうっんッ♥」
と身体が跳ねて、ひときわ高く甘い声で感じるリーネ。
ライキはもう、ゾクゾクが止まらなかった。
ライキはうわ言のように「リーネ・・・かわいい」「好き」と何度も言いながら、胸を刺激し、汗ばむ肌と肌をすり合わせていく。
ボトムスが邪魔だと勢い良く脱ぎ捨てるライキ。
もう完全に火がついて止められなくなっていた。
そしてリーネのお腹のラインを指の腹で撫でると、スッとパンツに手を滑り込ませた・・・!
リーネは初めてここで危機感を覚えた。
(飢えた銀色狼・・・!!)
「ラ、ライキ・・・!
ま、待って・・・!
それ以上はわたしっ・・・!」
リーネが何とかライキを制しようと必死で声を上げるが、それすらもキスで塞ぐ。
「んっ~・・・んっ・・・♥」
そして唇から零れる声が、余計に彼に火をつけた。
お互い下を覆う下着のみの無防備な状態で足を絡め、
キスでも舌を絡めてリーネとの繋がりを求め、
右手はリーネの上気した胸を刺激し、
左手はリーネのパンツの中・・・
感じる突起を探り当てると、既にぬるぬるのそこを何度も指で擦りあげた。
「んっ♥!
ふうっん・・・♡んっんっんっ♥!」
ピクンピクンと感じて喘ぎを漏らすリーネの足に膝を割って入ると自らの下着をズラし、完全状態の熱く滾る股間を空気に晒した後、すぐに腹にグリグリと押し付ける。
ライキのそこは既に先走っており、押し付けたときの音がぬちゃっぬちゃっと響く。
「ふっ!んうっ♡♥」
熱く滾る硬い彼の感触を腹に直に感じつつ、耳から入るいやらしい音に更に羞恥心を掻き立てられたリーネは堪らず身悶えする。
どんどん呼吸が荒く激しくなるライキ。
腹から下腹部の更に下の方へとライキの熱が移動していき、ついにはリーネのパンツにそっと親指をかけ、引き下ろそうとした。
「!!」
そこでリーネの中の膨れ上がった熱がついに限界に達した。
彼女は瞳をぐるぐると回しながら、
「・・・今日のライキ・・・刺激的・・・過ぎるよぉ・・・」
と言い残し意識を失ってしまったのだった。
すぐにリーネの異常に気が付き我に返るライキ。
「えっ!?
リーネ!?
おーい・・・」
揺さぶるが、起きない。
だがライキももうどうにも収拾つかないくらい高まっていたので、そのままベットでリーネを抱きしめて「ごめん!」と言ってから、白く柔らかい太ももに性器を激しく擦り続けて射精する。
そして、裸で下着のみつけてリーネを抱っこした状態で空へと浮かんだ。
リーネが意識を失っていても目的地にリーネの部屋を選択できたため、そこへと飛んだ。
リーネの部屋にスタッと降りるとパンツのみの姿のリーネをそっとベットに寝かせ、布団をかけてやる。
彼女の軽やかな寝息にホッとした後、初めて自分も下着姿であることに気が付き頭を抱えるライキ。
(しかもまだ収まらないし・・・。)
と、自分の元気な下半身を恨めしく睨む。
リーネはもう空へは連れていけないから、仕方なくさっきのリーネを思い出して一人でシた。
(2回めだから俺の部屋まで飛べるかわからないけど・・・。)
と考えながら射精すると、リーネの部屋から自分の部屋を目的地として選べなかったため、ハッとした。
(そうか!
一人のときは同じ村の中は選べないんだった!
忘れてた・・・!!)
仕方なく狩猟小屋を選ぶが途中で降ちてしまい、しかもそこが池だったため全身ずぶ濡れになり、肩を落としながら家路についた。
(俺何やってるんだろ・・・。)
ハイドはヒルデとの逢瀬を終え、一足早く自室に戻って来ていた。
するとトンっと2階の屋根に着地する音が聴こえたので、ライキか?と窓から顔を覗かせた。
するとずぶ濡れかつ下着姿のライキがそこにいたので驚き目を見開いた。
「おいおい、そりゃ一体どうした!?」
「・・・・・え、と・・・。
リーネが行為の途中で気を失ってしまったから、抱っこして家まで送って行ったけど、帰りに池、いや、川に落ちた・・・。」
ライキはしどろもどろになって説明した。
「・・・お前っ・・・プッ・・・上半身裸で・・・ッ・・・送って行ったのか・・・?」
ハイドが笑いを堪えながら突っ込んだ。
「あー・・・気が動転してて・・・裸のまま窓からリーネを抱いて降りた・・・から・・・?」
ライキが苦しすぎる言い訳をするので、ハイドはついに爆発し、腹を抱えて大笑いした。
「兄貴、笑いすぎ・・・。」
ライキは唇を尖らせ不服そうに拗ねた。
「・・・そんで、溜まってるものはしっかり出せたのか?」
「~~~~~。」
(自分でしたからあんまり満足できなかったなんて言いたくない・・・!)
「くしゅん!
・・・俺、もう一度風呂入ってくるよ・・・。」
と言って、窓から自分の部屋へ入るライキだった。
─追記〈翌日のリーネの一日〉─
翌朝、自分の部屋で目が覚めたリーネは、パンツだけの格好でベッドにいることに困惑した。
(あれ?
ライキの部屋にいたはずなのに、何で自分の部屋に・・・しかも裸で寝てるんだっけ・・・?
・・・何か太ももがカピカピしてる!?
ええっ・・・!?)
そして段々と昨夜の出来事を思い出し、真っ赤になるのだった。
(ライキが段々と激しくなって、付いていけなくなって気を失ったことろまでは憶えているけど、あの後何があったんだろう・・・。)
少しして、狩りに向かう前のライキが、昨夜自分の部屋に置いたままになっていたリーネのワンピースと、サアラのおすそ分けの黒牛肉の合挽を持ってきた。
ライキから昨夜のことを聞いたリーネは真っ赤になり、両手で顔を覆うのだった。
「いや、俺が暴走して歯止め利かなかったのが悪いし・・・。
マジでごめん。」
「すごく溜まってたんでしょ?
仕方がないよ・・・。
それより・・・」
リーネは、昨夜ライキの家にお邪魔して彼が風呂から出てくるのを待っている間にしたサアラとのやり取りを思い浮かべた。
「今回の討伐で沢山黒牛のお肉が手に入ったから、リーネにもおすそ分けするわね!
ブロックがいい?
それとも薄く切ってあげようか?」
食器を洗いながらサアラがそう訊いてきたので、リーネは、
「ライキは今日のお夕食で黒牛のお肉を食べたんですよね?
何のメニューだったんですか?
折角の美味しいお肉だから、違う料理にしてライキと一緒に食べたいなぁと思うんです。」
と言った。
サアラは優しく微笑むと答えた。
「いつもありがとうね。
あの子喜ぶわ!
うちは定番だけどステーキにしたわよ?
後はローストビーフにして明日出そうと思ってるけど・・・どうする?」
「じゃあ挽肉にしてください!
ライキの好きなハンバーグを作ってあげたいので!」
「じゃあすぐに挽いてあげるから、帰りに持って行ってね。」
(そう言われていたのに、ライキとの最中に気を失ってしまって自分の部屋に戻ってきちゃったから・・・。
きっと黙って帰って変に思われてるよね・・・。
それでライキに挽肉を持たせてくれたんだ・・・。
恥ずかしい・・・。)
思い出して恥ずかしくなって、再び両手で顔を覆った。
(後でおばさんにお詫びも兼ねてお肉のお返しを届けにいこう。)
「ライキ、狩りが終わったら寄ってくれる?
頂いたお肉でハンバーグを作るから、晩御飯食べて行って?」
「やった!リーネの飯♪」と喜ぶ彼を見送り、「また後でね!」と手を振って別れた。
リーネはその後すぐに市場に出かけ、季節のサクランボを買ってきてパイを焼き、お昼過ぎそれをサアラの肉屋に届けに行ったのだった。
そして、昨日黙って帰ってしまったことを謝った。
するとサアラは、
「そんなの気にしなくていいのよ?
リーネの気を失わせちゃったあの子が悪いんだから・・・。
ホントにうちの男どもときたら・・・。」
妙に艶々した肌でため息をついていた。
「それよりとっても美味しそうなチェリーパイ♥
リーネは本当にお菓子作りが上手ね!
うちの男どもは全員甘いものをあまり食べないから、私いつも一人でティータイムしてるのよ。
もうすぐお店の休憩の時間だから、良かったらティータイムに付き合って?
そしてリーネはサアラと一緒に焼いてきたパイを食べて、楽しくティータイムを過ごしたのだった。
ティータイムの後はまた薬屋に戻り、時々来る客の相手をしながら晩御飯の支度をした。
そして、本日の狩りを終えたライキと夕食を共にしたあと、昨日のフィニィッシュに満足していなかったライキに、リーネが気を失わないギリギリの激しさで求められるのだった。
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