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8羽 赤百合と旅蜥蜴と盗賊団

⑮それぞれの再会

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アジトをって間もなくして、盗賊団を乗せた荷車はそれを操作する銀色狼と共にチーロ村上空へと辿り着いていた。
銀色狼は真下にいるリリアナ一行の中に、ずっと会いたかった空駒鳥が手を振る姿を確認した。
(あぁ・・・リーネだ!
武具を取り返した後にシャドウクローンを通してリーネに連絡しておいたから、深夜にも関わらずリリアナ様達と一緒に俺等の到着を待ってくれていたんだな。)
銀色狼はフフッと嬉しそうに微笑むと、ゆっくりと荷車を下ろしてゆく。
荷車がチーロの村広場に軽くトスン・・・と音を立てて着地したのを確認すると、彼は神経を使ったために額に浮かんでいた汗を腕で拭ってから、シュン!と瞬間移動を使ってその側へと着地した。
「ライキ!!」
リーネが嬉しそうに微笑んで駆け寄って来たので、ライキは「ははっ!」と笑いながらそれを抱き止めた。
「リーネ!!
めっちゃ会いたかった!!」
「私もっ!」
ぎゅーっとライキに抱き付き頬擦りするリーネ。
『リーネ・・・少し会わない間に胸・・・でかくなった?』
ライキは自分の腹直筋に当たるメイド服姿のリーネの柔らかな胸の感触に顔を赤く染めると、だらしなく鼻の下を伸ばし、他の人に聴こえないよう配慮して彼女の耳元でそっと囁いた。
『えっ!?そ、そう・・・?
メアリさんのご飯が美味しすぎて少し太ったからかも・・・』
と彼女も顔を赤く染めて声をひそめつつ答えた。
『あははっ、そうなんだ!
後で太ったかどうかそのメイド服脱がして確かめさせて♡
いや・・・やっぱ折角のメイド服だし、それ着たまま全身隈なく触って確かめるのがいいな♡』
『もぉ・・・一杯お話したいことがあるのに、再会して最初に言うことがそれなの?
相変わらずエッチなんだから・・・』
『その通りですが何か?』
二人がそんなことをひそひそ話しながらイチャイチャとハートをまき散らし始めたところで、
「こほん!」と咳払いをしながら呆れ顔のレオンが荷車の中から出てきて言った。
「久々の再会が嬉しいのはわかるが、皆の前なんだからイチャつくのは自重しろよ。
このバカップルが。」
レオンの姿を見たモニカがぱあっと嬉しそうに微笑みながら駆け寄ってきた。
「レオン様!
心配しておりましたわ!」
『屈強な盗賊団の中で何日も可愛いレオン様が過ごされて・・・お尻の穴はご無事でしたか?』
金獅子の愛しの彼女は悪戯に微笑むと、そんなことを彼の耳元で囁いてみせた。
「モニカ、お前なぁ・・・。
再会しての第一声がそれかよ・・・!
もっとリーネちゃんみたいに可愛らしく擦り寄って来たりとか何かないのか!?」
「あらあら!
レオン様にはどちらかと言うとこちらでしょう?」
そう言ってモニカは彼の頭に手を伸ばして胸元に引き寄せると、その金の柔らかな髪を優しく撫で始めた。
「よしよしレオン様、良く頑張りましたね。
後で沢山ご褒美を差し上げますわね?」
「子供扱いはやめろ・・・。」
そう言いながらも満更でもないのかレオンは嬉しそうに頬を染めてモニカに身を任せていた。
続けてユーリが荷車から出てきてライキに向けて言った。
「流石銀色狼さん。
あっという間にチーロまで着いたね。
揺れも全く無くとても快適な空の旅だった。
盗賊たちと一緒でなければもっと長く乗っていたかったくらいだよ。」
彼の後ろには笑顔のヒューも控えておりライキに軽く頭を下げた。
「それなら良かったです!」
『・・・ホイは?』
ライキは声をひそめてユーリに尋ねた
『今は空の旅の余韻で機嫌良くギルロイの側に付いてるよ。』
二人がそんな話をしていると、メアリの背中に隠れていた寝巻き姿にガウンを羽織った姿のリリアナがそっと顔を出した。
「リリちゃん・・・!
こんな時間なのに起きててくれたんだね・・・!」
ユーリは嬉しそうに表情を緩めてそう声を上げると、リリアナの元へと駆け寄った。
「リリちゃん・・・久し振りだね・・・!」 
「えぇ・・・お久し振りねユーリ・・・。
また少し背が伸びたかしら?」
「うん・・・。
リリちゃんも伸びたよね。
雰囲気も何だか大人っぽくなった・・・。」
ユーリはそう言うと照れくさそうに頬を染め、その頬を指先で掻いた。
「あの・・・私・・・貴方に話さなければならないことがあるのだけど・・・お時間貰えないかしら?
ここでは話しづらいことだから、貴方と二人だけで・・・。」
リリアナは緊張と思慕が入り混じった複雑な表情で目の前の美しい少年を見上げて言った。
「うん・・・。
でもまだ盗賊団があの中にいるからね。
僕がここを離れるわけには・・・」
ユーリはそう言って荷車を振り返った。
「大丈夫ですよユーリ様。
盗賊団は僕が見てますので、リリアナ様のお話を訊いて差し上げて下さい。
銀色狼さんも金獅子さんも、パートナーの方と積もるお話もあるでしょう?
どうぞ行ってきてください。
今はホイさんも大人しいですし、空駒鳥さんに治療の準備をしてもらっていると説明すれば、ホイさんも少しくらい待ってくれると思います。」
とヒューが皆に向けて言った。
(そうだ、治療の準備・・・。
リーネはこれから盗賊団の解毒と睡眠薬を調合する。
多分それらには神秘の薬を使う必要はないけど、リリアナ様のためにプラスαで何か調合すると言っていたし、それに神秘の薬の力を使う筈だ。
その為にリーネをイかせてやる必要があるよな・・・。
正直俺も早くリーネとしたいし・・・)
ライキはそう思ったが、そうした場合一人残されることになるヒューのことがやはり心配だった。
「だが、秘薬の効果が切れたホイとヒューさんが二人きりになってしまうのは・・・」
「ありがとうございます、銀色狼さん。
気を失っているとはいえ、ギルロイがいる前で僕に手を出すことも無いはずですし大丈夫ですよ。
それに荷車の外にはリリアナ様の従者の方もいらっしゃいますし、何かあれば皆さんを呼んで来て貰いますから。」
(そうだな。
戦闘員はヒューさん一人でも、ここにはロバートさんやノックスさん、フレッドさんもメアリさんもいるし、何かあればすぐ気付けるようにシャドウクローンを荷車に忍ばせておけば大丈夫かな・・・。)
ライキはそう思ってリーネの影に潜ませていたシャドウクローンを荷車へとそっと移動させた。
「ありがとう、ヒューさん。
それじゃあお言葉に甘えさせもらうよ。」
ライキ達はヒューとロバート達に手を振ると、それぞれ森の中へと消えて行った。

ライキはリーネの手を引いて、荷車の様子が目視出来る程度に離れた森の中へ移動した。
ホー、ホー・・・リリリリリ・・・
梟と虫の声が聴こえる月明かりが照らす森の中で、二人は改めて抱き合った。
「リーネ・・・」
ライキはリーネに口付けするとその柔らかな舌を絡め取り、暫く彼女の口内の感触を堪能した。
そして次は首筋に顔を埋めて彼女の匂いを嗅ぐ。
甘さと薬草が混ざったような優しい香りと心地良い暖かさがライキの情欲を刺激する。
「・・・リーネ・・・ずっとこうしたかった・・・リーネ・・・♡」
耳たぶを甘噛みしながらメイド服の上から胸を揉む。
もう既に彼の股間のものはギンギンに勃起しており、彼は苦しくなったボトムスのベルトをカチャカチャと外してジッパーを下ろすと、彼女の腹にその熱く硬いものが主張した下着を擦り付けた。
リーネはもう幾度となく彼にそうされて来たというのに、未だ彼のその身体の変化には慣れないらしく、今日も真っ赤になってその熱から逃れるように腰を引いた。
「ま、待ってライキ・・・
あの・・・まだサプライズのことを話してないよ?
フェリシア様のお守りがどうやって帰ってきたのか知りたくない?
私、ライキと再会したらイチャイチャもしたかったけど、まずはまっ先にそれを話したかったんだよ・・・?」
だが溜まりすぎて余裕のないライキは再び彼女の胸に手を這わせるとこう答えた。
「・・・ごめんなリーネ。
俺もう止まらないから、愛撫されながら話して・・・?」
「愛撫されながら・・・!?
もぉ・・・溜まってるのはわかるけど、ホントに聞く気あるの・・・!?
・・・んっ・・・うっ・・・♡」
リーネは抗議の声を上げながらも胸に与えられる刺激に耐えきれず、熱を帯びた声を漏らした。
「あ・・・マジで胸少し大きくなってる気がする。」
今度はスカートの裾をまくりあげて露出した腹のラインを指の腹でなぞるライキ。
「腹回りも少し肉付いた?」
「えっ!?お腹も!?
やだぁ!
フォレストサイドに帰ったらすぐダイエットする!」
リーネが汗を飛ばしながらそう言った。
「んー・・・
このふにふにした腹のラインもそそられるし、このままでいいけどな?
もっと明るいところで良く見たいからリーネ、ライトの魔法使って?」
と意地悪に笑いながら言うライキ。
「使わないよ!?
私のだらしのないお腹のラインを見せるためなんかには絶対に!!」
「ちぇっ・・・残念。
それで・・・どうやってお守りが帰ってきたんだ?」
ライキは今度はリーネのブラウスのボタンを2つ外してブラの前紐を解いて白く美しい胸を露出させると、乳首を指先で摘みながら尋ねた。
「ひうっ♥
それ駄目ぇ!
話すどころじゃなくなるからぁ・・・!」 
そう言われてライキは仕方なく乳首を摘んでいた手を離すと、今度はまたスカートの裾からその手を侵入させて、彼女が弱い部位である内腿うちももを絶妙な加減で撫でた。
「そこも駄目ぇ・・・!」
「・・・じゃあどこならいいんだよ?」 
ライキは冗談半分にそう言うと、今度は彼女をくるっと回して木の幹に手をつかせてスカートを捲り上げると、密かに開発を目論んでいる彼女の丸い尻を捏ね始めた。
リーネは頬を染めてゾクゾクと身を震わせながらも刺激に耐え、話の続きを始めた。
「んっ・・・そ、それがね!
き、聞いて驚かないでね!?
私達がチーロに着いた日の晩に、何とあのファルガー・ニゲル様がね?
ドールズからお守りを取り返して私の元まで届けてくれたの!」
ライキは流石に驚いたのか尻を愛撫する手を止めた。
「えっ!?
ファルガー・ニゲル様って、ノーツさんから訊いたリーネの遠いご先祖様に当たる、その昔勇者だったヘリオス連合国の神使様だよな!?
会ったのか!?」
リーネはライキの反応に満足気に微笑んで彼の方へと向き直ると、嬉しそうに頷いた。
「うん・・・!
流石にライキも驚いたね!
その顔が見たかったの!
やったぁ!
サプライズ、大成功だぁ!」
(可愛い・・・
俺のつがい、マジ天使・・・!)
ライキはリーネの眩しい笑顔にキュンキュンと胸が締め付けられて、顔を真っ赤に染めて口元を波打たせた。
「うん・・・見事にサプライズされたよ・・・。」
「うふふっ!でしょ!?
私もいつかお会いできればなとは思っていたけど、こんなに早くお会い出来るとは思ってなかったからビックリしたんだぁ!
ファルガー様ね、神使としてのお仕事の途中で偶然ドールズが魔獣に襲われてるところを通りかかって助けたみたいなんだけど、その時にお守りをつけたナンシーさんを見て違和感を覚えて、上手く取り返してくれたみたいなの!
ナンシーさんが元は私のものだったって白状したし、セディスさんから私達はチーロにいるんじゃないかって訊いてたから、取り返したその足ですぐチーロに届けに来てくれたの!」
「そうか・・・良かったな!
師匠にはこの未来が見えていたから、お守りをどうするかの判断をリーネに委ねたんだな。
しかしファルガー・ニゲル様か・・・。
俺も会ってみたかったな。
どんな人だったんだ?」
ライキは嬉しそうにファルガーのことを語るリーネが可愛くてもっとその笑顔を見たかったのと、純粋に勇者その人への興味があったので、更に話題を広げるべくそう尋ねた。
「おじいちゃんから聞いてた通り、黒髪に黒い瞳のニホン国のキモノみたいな合わせの服を着た、背の高くてとてもカッコいい人だったよ!
モニカさんと面識があるみたいだったから、後でモニカさんに事情を聞いたんだけど、ジャポネにあるファルガー様のお屋敷を代々管理しているのがモニカさんの家系で、モニカさんはファルガー様と同じお屋敷で生まれ育ったから、ファルガー様のことを物心付いた頃から知っていたんだって!」
と、楽しそうに話すリーネに(可愛い・・・)と思いながら相槌を打つライキ。
「それでね、ファルガー様、毎年冬になると神使としてのお仕事がお休みになるらしいんだけど、今年の冬はフォレストサイドで過ごすことにして、私達の巡礼の旅が無い時に、私に修行をつけてくれるって言ってくれたの!
ファルガー様と私って力の性質が近いから、的確な修行がつけられるからって・・・。
これから出てくる◆の使いは今までよりもっと手強いだろうし、その戦いで少しでもライキの足を引っ張らなくて済むように、私・・・強くなりたいと思ったから、その申し出を引き受けることにしたんだ・・・!」
ライキはここで初めてファルガー・ニゲルという人物の、リーネに対する距離の詰め方に対し、一抹の危機感めいたものを感じた。
「そうか・・・。
ファルガー様、冬の間フォレストサイドに来るんだな・・・。」
「うん・・・。
ライキとも是非手合わせしてみたいって言ってたよ?」
「ん・・・わかった・・・。」
少し沈んだトーンで返すライキにリーネは疑問を感じて小首を傾げ、ライキの顔を覗き込んだ。
「どうしたの?
歯切れが悪いね?
・・・何か心配な事でもあった?」
「いや・・・・・。
ファルガー様ってリーネに会ったとき、どんな様子だった?」
複雑な心境を表し眉を寄せてリーネに尋ねるライキ。
「えっ?
どんなって・・・最初にギュッと強く抱きしめてくれたよ?
あの時の赤ん坊がこんなに大きくなったんだね、マールと同じでアーシェと似てるって・・・。
後、クーヤと同じ青い目をしてて、僕の大切な二人の血が確かに私の中に流れてるんだって言って、暫く泣いてた・・・。」
とリーネは不安気に眉を寄せながらも正直に答えた。
「・・・・・そうか・・・・・。
・・・・・リーネを抱きしめたのか・・・・・。」
ここでライキが先程感じた危機感めいたものが確信に変わった。
「もしかしたらファルガー様は最強の恋のライバルかもしれないな・・・・・。」
と眉間にしわを寄せ、ため息混じりに零すライキ。
「えぇっ!?
何でそうなるの??
私と血の繋がったおじいちゃんみたいな人なんだよ!?」
リーネは驚いて目を丸くし声を上げた。
「いや・・・おじいちゃんみたいって言っても神使だから見た目は若いだろ?
それに血の繋がりがあると言っても800年も昔のことなんだから、限りなく無いに等しいし・・・。
ファルガー様からしたら、リーネとマールばあちゃんは最愛の人の生き写しな訳だから、両想いながらもダルダンテに引き裂かれる形で終わってしまったアーシェさんの代わりに、リーネのことを恋愛対象として見ても不思議は無い・・・。
マールばあちゃんはファルガー様の大切な弟子でもあるクーヤ・サイジョーさんが相手だったから身を引いたかもしれないけど、俺はそうじゃないし・・・。
少なくとも彼から見た俺は、恋敵であり娘の彼氏のような、かなり厳しい目で見られる対象であることには違いはないだろうな・・・。」
とライキははぁ・・・と溜息をつきながらそう言った。
「そんな・・・!
ヘイズ・ハントさんはファルガー様にとってかつての仲間でしょ?
仲間の子孫のライキのことだって可愛がってくれると思うよ!?」 
リーネは本心からそう思っているようで、必死にそう訴えた。
「・・・そうだといいけどな・・・。」
ライキはリーネにそう返しながら同時にこんなことを考えていた。
(何かファルガー・ニゲルという人物に危機感を覚えた途端に、俺の中に流れるヘイズ・ハントの血が、とか、そんな警告をし始めた気がするんだよな・・・。
冬の間、ファルガー様とリーネを二人きりにしないように気をつけよう・・・マジで。)
「つーか、リーネはこの後神秘の薬の力を使わなきゃならないんだろ?」
とライキは荷車に忍ばせておいた影で荷車の中の様子を確認し、特に変わった様子がないことにホッとしつつそう切り出した。
「あ、うん!
解毒薬と睡眠薬なら神秘の薬の力無しでもある程度効果が望めるものが作れるけど、ギルロイが二度とリリ様に手出しする気になれないようにする薬の調合は、神秘の薬の力無しでは無理だから・・・」
「じゃあ早くさっきの続きをしようか?
俺すげー溜まっててファルガー様の話してる間もずっと股間がギンギンだったし、正直早くリーネと気持ち良くなりたい・・・。
リーネ♥」
ライキはそう言うと再び木の幹にリーネの手を付かせて尻を突き出させると、背後からリーネに覆い被さって左手で胸を揉んでから乳首を摘み、右手はスカートの裾から忍び込ませて彼女の敏感な内腿を優しく撫でた。
「あっ・・・んっ♥・・・
やっ♡・・・夜の森の中・・・凄く声が響いて・・・恥ずかしいよ・・・
あっ・・・ああっ♥やだぁ・・・みんなに声・・・聴こえちゃう・・・よぉ・・・♡」
ライキはリーネの甘い喘ぎに堪らなくなってゴクッと生唾を飲むと、彼女の尻を軽く揉みしだいてから白のパンツに指をかけて太腿まで下ろした。
彼女の花園は既に充分な程潤っており、パンツに一筋の糸が引いた。
ライキはずっと熱く滾ったままの自身の分身を開放して空気に晒すと、彼女の良く濡れた花弁にそれを挟み込み、何度か蜜を頭から潜らせて滑りを良くしてから勢いよく抽挿し始めた。
「あっあっあっあぅんっ♥あっあっ♡♥
ライキ・・・♡♥
最初から激しっ・・・ひっ♥やあぁぁ♡♥」
リーネはこの体位の素股プレイでは自分の協力無しでは彼がイケないことを以前彼とした同体位のプレイで知っていたので、その時のように左腕一本を幹につけて自分の身体を支え、右手は彼の陰茎の裏側に充てがい、喘ぎながらも彼の動きに合わせて必死に手を動かした。
ライキの動きに合わせて幹が振動し、木の枝が一定のリズムでざわめき立つ。
「やだぁ・・・♥
木のざわめき・・・ここだけ小刻みで不自然だし・・・恥ずかしすぎるよぉ・・・♡♥」
リーネが耳たぶまで赤く染めて更に自らの花園を蜜で濡らした。
ライキは荒い息をつきながら彼女の赤い耳を甘噛みすると、胸をこねくり回しながらさらなる快楽を貪る。
「やばっ・・・気持ちいいっ・・・♥
はっ、はあっ、んくっ♡
・・・もっと・・・もっとリーネ・・・リーネとこうしてたいっ・・・
あっ・・・はあッ・・・まだイキたくないッ・・・のにっ・・・♥
俺、持ちそうもない・・・!
くっそ・・・!
リーネ♡リーネ♥リーネ♡♥」
「あっ♥あふっふあっあっ♥
私もッ・・・ライキの熱いくて硬いの・・・もっと感じてたいよぉ・・・!
ライキ♥・・・好きっ♡♥・・・ライキぃ・・・♥♡♥」

一方、銀色狼と空駒鳥とは別の方向の森の中へとシケ込んだ金獅子とドSメイドの二人は、再会を喜び口付けを交わしていた。
「モニカ・・・んっ・・・ふっ・・・んっ・・・」
「レオン様・・・ふっ・・・んっ・・・んっ・・・・・ふうっ・・・♥」
二人は唇を離すと、至近距離で優しく微笑みながら見つめ合った。
「・・・レオン様、表情がとても明るくなりましたね?
何か良いことがありましたか?」
モニカがレオンの頬に手を添えて尋ねてきた。
「・・・そうか?
良いことかどうかはわからないが・・・・・
銀色狼と・・・その・・・友達になった・・・・・」
レオンは照れくさそうに顔を赤く染め、視線を逸しながらモニカに打ち明けた。
「あらあら!
それはおめでとうございます!
この任務が完了しましたらお赤飯を炊いて差し上げますわね!」 
モニカは両手を合わせ、嬉しそうにぱあっと表情を輝かせた。
「おせきはん・・・って何だ?」
レオンは首を傾げ尋ねた。
「もち米という粘りのあるライスに小豆という赤い色の豆を加えて蒸したお料理ですわ!
ジャポネでは女の子が初潮を迎えた時とか、おめでたい時に食べるんです。」
「ちょっと待て。
僕が銀色狼と友達になることは、女の子が初潮を迎えるのと同等におめでたい特別なこととでも言いたいのか!?」
レオンはモニカのその説明に少し自分に対するからかいを含んでいる気がして、ムスッとした表情でそう言った。
「あら、だってレオン様にとっての初めてのお友達でしょう?
おめでたいではありませんか。」
ニコニコと笑ってモニカは答えた。
「別に初めてではない・・・。
アデルバートの騎士団にいたときにも友達は何人かいた・・・。」
「レオン様が地位を失った途端、レオン様のお話も聞かずに刃を向けるような方々がお友達だとは私には思えませんけどね・・・?」
「・・・・・・・。」
レオンは返す言葉がなかったのか、眉をひそめて沈黙した。
「ですが銀色狼さんは本物のお友達です。
あの方は決してレオン様を裏切りません。
・・・レオン様。
貴方の人生において、とても価値のある方に友として認められたのですよ?
とても喜ばしいことだと私は思いますわ!」
モニカはそう言って柔らかく微笑んだ。
「・・・そうか・・・。
じゃあそのおせきはんとやらを楽しみにしておくよ。」
くすくすと笑いながらレオンが言った。
「えぇ!
腕によりをかけさせていただきますわ!
お赤飯の他には何が宜しいかしら・・・?
やはり鯛の塩焼きは欠かせませんわね!
フェリシア神国でも新鮮な真鯛が手に入ると良いのですが・・・。」
モニカがそんなことを言いながらお祝い御膳についてあれこれ考えを巡らせていると、レオンが頬を染め、照れくさそうに目を逸らしながら口を開いた。
「・・・モニカ。
銀色狼から訊いたんだが、お前の名前・・・本当は桃花って言うのか?」
モニカは少し驚き目を見開いたが、彼の問いに丁寧に答えた。
「えっ・・・?えぇ、はい!
そういえばレオン様には私の本名を教えたことはまだ無かったですわね。
私の名はアデルバートでは馴染みがなく発音しにくい名前でしたので、桃花と近い響きのモニカと名乗っておりましたが、本当は桃花・・・相澤桃花というんてす。
桃花は桃の花という意味で、桃の花の咲く頃に産まれたことから父がこの名をくれました。」
「そうか・・・。
桃花・・・お前に似合って良い名だな。
僕はモニカよりも桃花のほうが好きだ・・・。
これからお前のこと・・・桃花と呼びたい。
・・・いいか・・・?」
レオンは耳たぶまで赤く染めて彼女にそう確認した。
「えぇ・・・!
レオン様に本当の名で呼んで頂けるなんて・・・とても嬉しいです・・・!!」
桃花は頬を染めて涙を浮かべ、柔らかく微笑んだ。
「桃花・・・!」
「レオン様・・・!」
二人は互いの名を呼び合い抱擁を交わす。
「・・・なぁ桃花。
何故今まで僕に本名を教えてくれなかった?
正直僕は銀色狼からではなく、お前の口から最初にその名を聞きたかった・・・。」
レオンはそう言うと、少し切なげに長いまつ毛を伏せた。
「レオン様・・・。」
桃花はレオンの頬に手を添えると、その美しい憂い顔を心配そうに覗き込んだ。
「申し訳ございません、レオン様・・・。
レオン様は私の本名になど興味を持たれないかと勝手に思っておりました・・・。」
「そんなことはない!
これからはもっとお前のことを色々話してくれ・・・。
ジャポネのこととか、お前の家族のこととか友達のこと・・・何でもいいんだ。
僕はお前のことなら何でも知りたい・・・。」
そう言って彼は彼女をギュッと抱き締めた。
「レオン様・・・
ありがとうございます・・・。
そんなことでよろしければ、いくらでも・・・」
桃花はそう言って彼の胸へ頬を寄せた後、あることを思い出して顔を上げ、嬉しそうに微笑みながらその薄紅の唇を開いた。
「あ・・・ジャポネと私絡みのことといえば、実は先日とても懐かしい方とお会いしましたのよ?
私の父の親友で、私にとってもう一人の父とも言える方なのですが、お仕事で世界中のあちこちを旅されていて、リーネさんともご縁のあるお方・・・」
レオンはそこまで訊いて嫌な予感がしたのか、露骨に不機嫌な顔になると声を荒らげた。
「ちょっと待て!
お前の父の友人で旅人・・・?
まさかお前が処女を捧げたという例の神使か!?
そいつの話なら聞きたくない!!」
そう言って怒りを露わにしたレオンは桃花を突き放した。
「まぁ・・・!
レオン様が私に関わることなら何でもいいと仰ったからファルガー様のことをお話しようとしましたのに・・・。
でも・・・ふふっ、妬いてくださるのですか・・・?」
桃花はそう言って悪戯に微笑んだ。
「当然だ!
まさか・・・・・僕のいない間にそいつに抱かれたのか!?」
レオンのその言葉が気に障った桃花は、眉を寄せてふぅ・・・と小さくため息をついてからツンと澄ました顔で答えた。
「有り得ませんわ。
レオン様じゃあるまいし・・・。
ファルガー様はリーネさんにドールズの皆さんから取り返したペンダントと花の種を渡したら、すぐにお仕事に戻られました。
リーネさんもその場におられましたし、気になるのでしたらどうぞ確認してみて下さいな。」
「そ、そうか・・・・・。
それならいい・・・・・。」
レオンは心底ほっとしたのか、そう呟いて小さく溜息をついた。
「やれやれ・・・
この様子ではとても冬の間のあの方の滞在については話せませんわね・・・。」
「・・・何か言ったか?」
「いいえ別に。
独り言ですわ。
レオン様がもっと冷静な時に改めてお話しします。」
「・・・?
あぁ・・・・・。」
レオンは桃花の独り言が少し気になったようだが、ファルガーの話を嬉しそうにする桃花のことを思い出すとやはりムカムカして、その話を蒸し返してしまった。
「それにしても何でよりによってそいつの話なんだよ!
しかもあんなに嬉しそうな顔しやがって!
お前・・・そいつのことまだ好きなんじゃないのか・・・!?」
それを訊いて桃花は真顔になり、首を左右に振った。
「いいえ、それは違います。
確かに昔の私なら、あの方がリーネさんを抱き締めるところを見ただけで嫉妬に駆られたでしょうね・・・。
でも今はお二人が出会えたことを心より嬉しく思えました。
それはレオン様・・・貴方を好きになったお蔭ですわ。
貴方の存在が、私のあの方への気持ちを完全に家族愛へと変えてしまったんです・・・。
それなのに貴方は・・・私の気持ちを知りながらも、他の女の子に手を出されますよね・・・?
貴方の育ったお国柄を考えれば、それも仕方のないことなのだとわかってはいても、時折どうしようもなくそれがやるせなくなるんです・・・。
だからそのやるせなさに背中を押された私が、あの時ファルガー様に”抱いて”と迫ったとしても、貴方にそれを責める資格は無い筈です・・・!」 
桃花はそう言うと涙を浮かべ、キッ!とレオンを睨んだ。
「そ、それは・・・確かにそうかもしれないが・・・・・」
レオンは狼狽えてそう言った後、ぐっと拳を握りしめてライキの言葉を思い出した。

─・・・やめればいい。
モニカさんを堂々と恋人と呼びたいのなら、他の女を相手にすることをな。
それとも他の女を抱くことはあんたにとって、たった一人のモニカさんの心の全てを得ることよりも大切なことなのか?─

そして自分が彼に言った嘘偽りない言葉も。

─・・・モニカに今まで不安な思いをさせてきたぶん、僕なりの誠意を見せたいんだ・・・・・─

レオンは数回深呼吸をし、キュッと口元を引き結むと、桃花に向けて少し震える声で言った。
「・・・桃花。
今までお前に辛い思いをさせてすまなかった・・・。
僕はもう桃花以外の女は抱かない。
銀色狼と友達になった以上、リーネちゃんにも手を出すつもりはない。
復讐はやめて、お前と共にこの国の民として生きる道を探そうと思う・・・。
そしてこの国の民となれたなら、お前とつがいになりたいと思ってる・・・。
・・・それとも・・・お前は僕の言う事など信じられないだろうか・・・?」
桃花は驚きから目を見開き息を飲むと、一生懸命に頭を振った。
「・・・・・!
レオン様・・・!!
いいえ・・・!
貴方は女性に対して自由奔放でも、そういった嘘は決してつかれない方だというのを私は良く存じております・・・。
だから信じます・・・信じますわ・・・!!」
桃花は感無量になり、栗色の瞳に涙を滲ませて彼の胸元に飛び込んだ!
彼はそれを優しく抱き止めると続けた。
「信じてくれてありがとう・・・桃花。
黒の剣は危なっかしくて人に売ることも出来ないから海にでも捨ててやる・・・。
左手の印は・・・正直僕は騎士でありたいから、切り落とすことは出来ればしたくない・・・。
だからまずは左手を切り落とす以外に消す手段がないか調べてみようと思う。
もしかしたらそのことで今後かの神がプレッシャーをかけてくるかもしれないし、お前にも迷惑をかけるだろうが・・・協力・・・してくれるか?」 
「・・・えぇ、えぇ!勿論ですわ・・・!
レオン様がこのようなご決断をなさるなんて・・・本当に私・・・嬉しくて・・・!」
桃花は嗚咽混じりにそう言葉を紡いだ後、涙が止まらなくなったのかそのまま本格的に泣き始めてしまった。
「ぐすっ・・・ぐすっ・・・ひっく・・・ひっく・・・」
「おい・・・泣くなよ桃花・・・。
ドSメイドが泣くなんてらしくないぞ・・・?
参ったな・・・こんな時銀色狼だったら上手く泣き止ませるんだろうが・・・・・」
レオンは彼女の涙を手で拭いながら暫くオロオロしていたが、桃花がなかなか泣き止まないので、優しくその細い肩を抱き、頭を何度も撫でた。
「・・いい加減泣き止んでくれよ・・・。
いつもと逆で僕がお前を虐めてるみたいじゃないか・・・。
何日も盗賊団に居て溜まってるから早くお前とセックスしたいのに・・・泣いてたんじゃ出来ないだろ・・・?」
「そうですよね・・・。
すみません、何故か涙が止まらなくなってしまいまして・・・。
泣いてる私に構わず、レオン様の好きにしてもいいんですよ?
あっ・・・でも私からドSを取ってしまいましたら、処女の女の子のような初々しい反応も出来ませんし、レオン様はきっと萎えてしまいますね・・・。
今までレオン様がいくら浮気しても、私にだけはドMな姿をさらけ出してくれて、思い切り感じてくださった・・・。
それがあったから私、レオン様が他の女の子を相手にすることに何とか耐えられたんですもの・・・。
だから萎えられるのだけは嫌・・・。
やっぱり、泣き止むのを待ってくれますか?
すぐにドSメイドに戻りますから・・・」
桃花はそう言いながら涙を拭うが、またすぐにポロポロと涙が溢れてくる。
「困りました・・・
本当に涙腺が崩壊してしまったのでしょうか・・・?」 
レオンはそんな桃花の姿を見ていると顔が熱くなり、キュンキュンと胸が締め付けられるのを感じた。
「いや・・・。
ドSメイドじゃない今のいじらしいお前を抱いてみたい。
桃花・・・・・好きだ・・・・・。」
「レオン様・・・
久し振りに好きって言ってくれましたね・・・?
私も貴方が大好きです・・・。」
そうして二人はまた口付けを交わし、夜の森の月明かりが照らす中、縺れ合うのだった。

一方ユーリと共に森の中へ入ったリリアナは、リーネにチーロに着いた日に諭された通り、過去に自分を買った変態貴族にされたことと、それに伴う今後の不安を全てユーリに打ち明けた。
ユーリはそれを黙って最後まで訊いた後、彼の反応が怖くて震えているリリアナの手をそっと握り、目線を合わせるために屈んでから優しく声をかけるのだった。
「嫌だったこと・・・怖かったこと・・・全部話してくれてありがとう・・・。
実はね、リリちゃん。
僕は君がされたことの大体のことは想像がついていたんだよ。」
「えっ・・・?」
リリアナはユーリの言葉に耳を疑い顔を上げた。
ユーリは続けた。
「君を助けた時の僕はまだ9歳だったから、あの時は君のされたことがはっきりとは分からなかったけど・・・10歳の時に生殖の仕方やそれに伴う行為について習ったから、あの時の君があの豚にどういう扱いを受けたのか・・・それを理解したんだ。」
リリアナは眉を寄せたままで彼に返した。
「えっ・・・でもそんな様子、貴方少しも見せなかったわ・・・!
普通はそんなことを知れば汚らわしいって私から距離を置くだろうし、当然婚約破棄という運びになるでしょう?」
ユーリは首を左右に振った。
「いや・・・君は何一つ悪くないじゃないか!
それに事実に気がついたところで僕の君への気持ちは何も変わらないよ。
寧ろあの状況でも凛として目に光を失っていなかった君を、より誇らしいと思い、もっと好きになった・・・。」
そう言ってユーリはにかんだ。
「・・・・・ありがとう・・・・・」
リリアナも頬を染めてはにかんだ。
ユーリは今度は長いまつ毛を伏せ、沈んだトーンで言った。
「・・・君が受けた心の傷は、僕には想像することしか出来ない・・・。
だけど・・・これからもずっと君に寄り添いたいと思ってる。
駄目かな・・・?」
そう言ってユーリはリリアナを縋るように見た。
リリアナはそれに対して汗を飛ばしながら頭を振った。
「いいえ・・・駄目じゃない・・・とても嬉しいわ・・・!
でも・・・貴方がオトコになったらと思うとやっぱり私・・・・・」
リリアナは不安気に表情を曇らせて俯いた。
「あぁ・・・そのことならごめんね、リリちゃん。
実は僕、もう既にオトコになってるんだよ・・・。」
ユーリは困ったように笑ってそう打ち明けた。
「えっ・・・!?」
リリアナは彼のその言葉にビクッとして身を強張らせた。
「12になってすぐの時にそれは突然訪れたんだ・・・。
それ以来、心苦しく思いながらも、数年後の少し女性らしくなったリリちゃんとエッチなことをする妄想をしては射精してる・・・。
声変わりはまだだけど、次にリリちゃんに会う時にはきっと、低い男の声になっているだろうし、これから体格も少しずつ男に変わっていくと思う・・・。」
リリアナは少し怯えているのか青ざめて下を向いた。
「・・・僕が怖くなった?
だったらこの手を振りほどいてもいいよ?」
だがリリアナはユーリの不安そうな顔を見て思い留まり、手を繋いだままで頭を振った。
「貴方も不安なのね・・・。」
「うん・・・。
二次性徴が始まったことをリリちゃんに知られれば、恐れの対象になることはわかっていたから・・・」
「なのに打ち明けてくれたの・・・?」
とリリアナ。
「うん・・・。
いつまでも隠し通せることじゃないし、君には嘘を付きたくなかったから。
リリちゃん。
僕は君が言うところの汚らわしい男になってしまったけれど、それでも言うよ。
君が13歳になったらつがいになって欲しい。
そして、僕と一緒に巡礼の旅に出ないか・・・?」
リリアナは彼のその言葉を訊いて、彼と手を繋いで草原を駆け回る様子や、まだ見たことのない町や村で楽しく買い物するところを想像して表情を緩めた。
だがすぐにその幸せな想像は、昔の思い出したくもない暗い光景へと塗り替えられてしまう。
「・・・何も恐れずに貴方とつがいになり、巡礼の旅に出られたらどんなに幸せかしら・・・。
だけどつがいになって貴方が私と深い関係を望んだとき、昔の体験がフラッシュバックし、やっぱり貴方を拒絶すると思うの・・・。
そのことで貴方を傷付けて、嫌われてしまうことが怖い・・・。」
ユーリは真剣な顔ではっきりと言った。
「そんなの全然拒んでくれていいよ。
でも僕もリリちゃんへの欲を隠すことはしない。
僕が欲を表した時、君のトラウマに触れることになるだろうけど、そういう我慢の積み重ねがお互いの信頼関係を削っていくと思うから。
だからその時は話し合おう?」
「話し合い・・・?」
リリアナが小首を傾げた。
「うん。
まず僕は、リリちゃんが本当に嫌がることは一切しないとフェリシア様に誓う。
でもやっぱり僕は男だから、君にキスしたいし、裸に触れたくなると思う。
それを君が許容出来ないならそれでいい。
手を繋ぐだけでも、ギュッと抱き締めてくれるだけでもいいから、その時に君にできることで僕の気持ちに答えてくれればそれでいいよ。
それに・・・君と巡礼の旅に出てしたいことは、何もエッチなことだけじゃないよ?
君と一緒に行きたい場所が沢山あるんだ。
この国には実際に目で見ないとわからない絶景や、童話の世界のように可愛らしい村が沢山ある。
美味しい木の実や珍しい生き物だって沢山見られる。
僕はそれらを見たときの感動を、誰よりも君と共有したいと思っているんだ・・・。
まだ君がつがいになれる歳になるまでの3年先のことだけど・・・前向きに考えてみてくれないかな?」
ユーリはそう言うと、先程よりも鮮明にこの国の美しい風景や、まだ訪れたことのない村々を巡り、美味しいものを食べたり可愛い動物に触れ合う様子を想像して目を輝かせている愛らしい彼女の頬にそっと手を添えて、その形の良い唇を近付けた。
そして、軽く触れ合う熱い唇・・・。
ユーリはそっと唇を離すと、頬を染めてはにかみながら言った。
「キス・・・しちゃったね・・・」
リリアナは真っ赤な顔のままコクッと小さく頷くと、ポロポロと涙を零し始めた。
「わっ、えっ・・・!?
泣かせてしまってごめん!
怖かったかな・・・
リリちゃんがあまりに可愛いからつい、キスしたくなってしまって・・・ホントにごめん!」
ユーリは慌てて懐からハンカチを取り出してそれで彼女の涙を拭った。
「違うの!
ユーリ・・・貴方の唇、ちっとも怖くなかったから・・・良かったって・・・安心して・・・。
嬉し涙なの・・・これは・・・・・」
リリアナはそう言って泣きながら笑った。
そんな彼女が可愛くてキュンキュンして、ユーリは思わず彼女を抱き締めた。
「リリちゃん・・・本当に大好きだ!」
「わ・・・私も貴方のことが好き・・・」
「・・・僕にこうされるの・・・怖くない?」
「うん・・・不思議と全然怖くないわ・・・。
何だかすごく落ち着くの・・・」
リリアナはそのまま彼の鼓動の音を聞きながら静かに何かを決意すると、ゆっくりと薔薇色の唇を開いた。
「ユーリ・・・。
私、これから3年間かけて、メアリにお料理を習うわ!
それと、自分に合った武器を見つけて先生に習う!
貴方に守られるだけでなく、少しは役立てるパートナーになれるように努力してみる!」
「リリちゃん!
それじゃあさっきの返事は・・・」
ユーリがぱあっと表情を輝かせてリリアナを見た。
「えぇ、勿論OKよ・・・!
3年後が楽しみね・・・」
そう言ってリリアナは花開くように微笑んだ。
「どうしよう・・・
今返事を貰えると思ってなかったから嬉しすぎてニヤけてしまうよ・・・!
よし・・・それまでにSランク冒険者になれるように頑張らなくちゃ・・・!」
ユーリはそう言うとぐっ!と気合いを込めるように拳を握った。
「え、Sランク!?
その歳でAランクでも凄い事なんでしょ?
それにここ暫くSランクに認定された冒険者は居ないと訊いたわ!」
とリリアナ。
「うん、まぁそうなんだけど・・・実はそれがリリちゃんのお父さんに、リリちゃんを巡礼の旅に連れ出す為に出された条件だからね・・・。」
と苦笑いするユーリ。
「えっ!?
初耳よそんなの!
本当にお父様ったら貴方に失礼なことを・・・ごめんなさい・・・!」
リリアナはそう言うと深々と頭を下げた。
「いやいや・・・大切なお嬢様を危険を伴う旅に連れ出すんだから、当然の心配だよ。
大丈夫・・・必ず実現してみせるから。」
ユーリはしっかりと自信に満ちた表情でそう言った。
「えぇ・・・貴方ならきっと大丈夫だわ・・・!」
リリアナは笑顔でそう言った後、ふぁああぁ・・・・・と大きな欠伸をした。
「ご、ごめんなさい・・・
安心したら急に眠くなってきちゃって・・・。
今日は20時に寝て、あなた達が来る頃にリーネに起こしてもらったから・・・いつもなら夢の中なの・・・」
と目を擦るリリアナ。
「ははっ、僕もリリちゃんの年齢の頃はそうだったよ!
それじゃあ村に戻って寝直そう?
リリちゃん達は明日ボラントに発つんだろう?
僕とヒューも護衛についてボラントまで一緒に行くから、馬車の中で沢山話をしよう。
久し振りに君のご両親にもご挨拶したいしね。」
と笑いながらユーリはリリアナの手を取り、村へ戻る道を歩き始めた。
「それじゃ暫く一緒にいられるのね!
嬉しい・・・!
けれど・・・ユーリたちは今晩寝る場所はあるの?」
と彼の隣を歩きながらリリアナが尋ねた。
「あぁ・・・まぁこの時間だし村の人を起こすのも悪いから、銀色狼さんと空駒鳥さんが盗賊団の荷車をボラントへ運ぶ為にチーロをった後、村広場にテントでも張るよ。
暗くても僕は光の魔法が使えるからテントを張れるしね。」
とユーリは答えた。
「そんなのゆっくり休めないから駄目よ!
私のお布団で一緒に寝ましょ?」
リリアナが笑顔で誘った。
「えっ、いや・・・流石にそれはマズイよ・・・。
僕、もうオトコになってるって言ったよ?」
耳まで真っ赤に染めて汗を飛ばすユーリ。
「ユーリなら一緒に寝ても大丈夫な気がするわ。
だってキスが平気だったんだもの。
今夜は幸せな気持ちのまま貴方とくっついて眠りたいの・・・。
お願い・・・。」
と可愛くおねだりするリリアナにズキューン♥とハートを射抜かれつつも彼女から目を逸らし、その甘い誘いを一生懸命に拒むユーリ。
「いやいやいや・・・リリちゃんわざと僕を煽ってるの?
僕はオトコになってばかりで逆に快楽に素直だからさ・・・。
リリちゃんにエッチなことしたくなっても多分止められないよ・・・?」
「えっ・・・!?」
彼の言葉に一瞬で真っ赤になり頭から湯気を立ち昇らせるリリアナ。
「とにかくそういうわけだから、僕はヒューと一緒にテントで寝るよ・・・。」
「え、えぇ・・・わかったわ・・・。」
二人は真っ赤に顔を染めたまま手を繋ぎ、夜の森の道を村の方へ向かって歩いていくのだった。

一方その頃─。
金獅子とドSメイドの二人は、金獅子が岩の上にドSメイドを組み敷く形で行為に及び、今まさに快楽の最高潮にあった。
「桃花っ!桃花っ!
全然萎えない・・・やっぱりお前は特別だっ!」
「あっ♡ひあっ♥レオン様っ・・・激しッ・・・!
大好きですレオン様・・・レオン様っ♡♥」 
「ああっ!もうイクっ・・・
桃花っ・・・このままお前のナカに出したい・・・駄目か!?」
「ひっ♥あっあっ・・・♡
それは駄目ですレオン様っ・・・!
赤ちゃんが出来たら旅を続けられなくなりますから・・・!
あっ♡あっ♥お、お願い・・・お口にっ・・・お口に下さいっ・・・!」 
「んっ・・・わかった・・・
全部受け取れっ・・・桃花っ♡
っくっ・・・はっ、はっ、はっ、あっ♡桃花っ桃花っ・・・好きだっ・・・好きだっ♥」
「レオン様・・・レオン様・・・レオン様っ♥
あっ♡あっ♥桃花と一緒にっ・・・来てっ・・・あっ♥♡♥
あっあっあうっんっ・・・あっはあっ♡あっ・・・
あぁあぁあーーーーーっ・・・・・!!!」

更にその頃─。
銀色狼と空駒鳥のつがいもバック素股により互いに快楽のピークを迎えていた。
「リーネ・・・リーネ!・・・リーネ!!
くっはっ・・・あっ♥くっ・・・出るっ
・・・・・・・・うっ!!!」
「あっ♥もうらめっ・・・ライキっ、ライキぃ♥来ちゃうっ・・・
ひあぁあぁあっーーーーー・・・!!!」
同時に昇り詰め、荒い息をつく二人の身体が徐々に透き通り、空へと導かれてゆく─。
「はぁ・・・
すげー気持ち良かったし沢山出たけど、呆気なくイってしまったから全然物足りないな・・・。
このまま2Rラウンドめに突入したら駄目かな?」 
とライキ。
「えっ!?
流石に今は駄目だよ・・・。
これで神秘の薬の力は発動出来るわけだし、早くヒューさんの所に戻ってあげないと・・・」
とリーネが汗を飛ばした。
「ははっ、そうだよな。
荷車の様子はどうかな・・・?」
ライキはそう言いながらシャドウクローンに意識を向けて荷車の様子を確認しようとしたが、おかしい・・・。
シャドウクローンの魔法が有効な時には必ず頭の隅にその魔法が存在していることを認識出来るのだが、今のライキの頭の中には何処にもシャドウクローンの魔法の存在が見つからなかった。
「どうしたの?ライキ・・・」
リーネが様子のおかしいライキを心配し、眉を寄せ顔を覗き込んだ。
「シャドウクローンが何処にも見つからないんだ・・・。
シャドウクローンは一撃でも攻撃を食らうとあっさりと消えてしまう。
普段なら消えた事に術者の俺は気付けるが、多分俺が快楽に没頭している間に消されたからそれに気付けなかったんだ・・・」
「それじゃ、荷車で何かあったってこと!?」
とリーネ。
「おそらくな・・・
急いで荷車に向かおう!」
二人は頷き合うと、シュン!と真下へ着地した。
そして着衣を素早く直すと荷車へ向けて全速力で駆け出すのだった。
(どうか無事でいてくれ・・・
ヒューさん・・・!)
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