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番外編 第二世代の恋模様
グレンの初恋は…③
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そんなことを考えてたらいつの間にか宿舎についていた。馬車に乗ってこれば早かったのに、案内がてらって歩いて来たから朝出たのにもうお昼だ。
キャンディーは兄様とラフに用事があるみたいで今日は宿舎で待っていてくれた。宿舎の応接室で話をするけどちょっとだけ次回公演のマル秘事項があって僕とモデーロは廊下に出された。
ルミエもほんとはダメなんだけど、王子様特権で居座って…ほんとにもう。だけど母様にはお見通しで「ルミエが同席したいって言うだろうから極力ネタバレしないようにね」ってお達し済らしい。
それにしてもモデーロと二人きり…
「……、だからどうしてこっち見るの…見ないでよ…」
「朝も言いましたが見てませんよ。」
「嘘ばっか!だって毎回目が合うじゃない」
「なら、それは毎回グレン様が俺を見てるってことですね」
「 ‼ 」
僕の顔をその涼やかな目で覗き込んでくるモデーロは、僕のことなんて簡単に手玉にとれる子供と思っているんだろう。だってその証拠に、さっきからずっと笑ってる。
「な、何笑ってるの…?」
「嬉しいなと思って」
「何が…?」
「グレン様が俺を視界に入れてくれて」
は、はぁ?な、何言ってるの?ここ、こんな言葉に僕が動揺すると思ったら大きな間違いなんだから!
「お、俺って言った…ルミエの前では私って言うくせに…」
「ああ、構わないでしょう?俺はグレン様の従者じゃないし」
僕の従者じゃないなんて、分かってるけどそんな言い方しないでほしい…突き放されたみたいで悲しくなる。従者じゃないから僕の事なんかどうでもいいってこと?…やっぱりモデーロは意地悪だ。
「ああ、泣きそうだ。ごめんね、ちょっとからかいすぎたかな?つい可愛くて。キャンキャン言って子犬みたいだなって」
「ひ、人のこと犬って…バカにしてるの?」
「可愛いって言ったじゃありませんか。」
「かわっ、…そ、そんなこと言ってもだめだよ…誤魔化されたりなんか…、ぼ、僕はモデーロなんか好きじゃない」
「俺は好きですよ。グレン様みたいな勝気なタイプ。」
「すっ…」
可愛いも好きも言われなれてるけど、モデーロの言葉はなにか違う…どうしよう…落ち着かない…
あ、あれ?いつの間に僕は壁際に?目の前にはモデーロが居て…逃げ道がない…。
「アベニア様とご自分を比べる必要ありませんよ」
「え…?」
「さっきから、アベニア様を見ては時々可愛い顔に影が差してる。お兄様とご自分を比べておいでではないですか?」
うそっ?だってそんなの顔に出してないはず。
兄さまのこと僕は大好きだし尊敬してる。まだ貴族学校へも入ってないのに、衛兵隊と同じ訓練平気な顔でこなしちゃう兄さまが本当に自慢なんだ。だけど…
「グレン様にはグレン様にしかない良さがあって、それは誰かと比べてどっちが良いとか関係ないんですよ。」
「…だ…だけど……兄さまの周りにはいつもたくさん人が居て…僕はこんな性格だから…」
「人の価値を確認するのに人数が必要ですか?俺はそうは思いませんよ。グレン様の価値はご自分にしか決められない。アベニア様が輝いているのは彼が他人の評価に惑わされないからですよ」
「でも父様は…母様が自分の存在に価値を見出してくれたって…兄さまにもラフが居る…」
「ああ、そういう。それはまた別の…いや、そうですね」
モデーロにはどうして僕の悩みが分かったんだろう…。ピカピカの太陽みたいな兄さま…。僕はあんな風には出来なくて。トマスに聞いた子供の頃の父様にそっくりだ。意地っ張りでプライドが高くて、それでいてあきらめが早くて…。
「グレン様10歳の誕生日迎えたばかりでしたね。」
「え?う、うん…」
「あと2年か。」
「な、何が?」
「婚約願を出せるまで」
「はぁ⁉そっ、そそそ、それ何言って!なっ、なんでそんな話にっ、そのっ…」
「俺が傍に居たら、少しはご自分に自信が持てますか?」
「お待たせ~ってグレンどうしたの?顔真っ赤…熱があるんじゃないの?ラフっ!護衛のカーター直ぐ呼んできて!」
「グレンっ!ええ~大丈夫?僕に付き合わせたばかりに!ごめんねグレン、すぐ帰ろう?」
もう何が何だかわからない。モデーロは僕をどうしたいの?
こ、こんなの大丈夫じゃない。全然大丈夫じゃないよっ。
キャンディーは兄様とラフに用事があるみたいで今日は宿舎で待っていてくれた。宿舎の応接室で話をするけどちょっとだけ次回公演のマル秘事項があって僕とモデーロは廊下に出された。
ルミエもほんとはダメなんだけど、王子様特権で居座って…ほんとにもう。だけど母様にはお見通しで「ルミエが同席したいって言うだろうから極力ネタバレしないようにね」ってお達し済らしい。
それにしてもモデーロと二人きり…
「……、だからどうしてこっち見るの…見ないでよ…」
「朝も言いましたが見てませんよ。」
「嘘ばっか!だって毎回目が合うじゃない」
「なら、それは毎回グレン様が俺を見てるってことですね」
「 ‼ 」
僕の顔をその涼やかな目で覗き込んでくるモデーロは、僕のことなんて簡単に手玉にとれる子供と思っているんだろう。だってその証拠に、さっきからずっと笑ってる。
「な、何笑ってるの…?」
「嬉しいなと思って」
「何が…?」
「グレン様が俺を視界に入れてくれて」
は、はぁ?な、何言ってるの?ここ、こんな言葉に僕が動揺すると思ったら大きな間違いなんだから!
「お、俺って言った…ルミエの前では私って言うくせに…」
「ああ、構わないでしょう?俺はグレン様の従者じゃないし」
僕の従者じゃないなんて、分かってるけどそんな言い方しないでほしい…突き放されたみたいで悲しくなる。従者じゃないから僕の事なんかどうでもいいってこと?…やっぱりモデーロは意地悪だ。
「ああ、泣きそうだ。ごめんね、ちょっとからかいすぎたかな?つい可愛くて。キャンキャン言って子犬みたいだなって」
「ひ、人のこと犬って…バカにしてるの?」
「可愛いって言ったじゃありませんか。」
「かわっ、…そ、そんなこと言ってもだめだよ…誤魔化されたりなんか…、ぼ、僕はモデーロなんか好きじゃない」
「俺は好きですよ。グレン様みたいな勝気なタイプ。」
「すっ…」
可愛いも好きも言われなれてるけど、モデーロの言葉はなにか違う…どうしよう…落ち着かない…
あ、あれ?いつの間に僕は壁際に?目の前にはモデーロが居て…逃げ道がない…。
「アベニア様とご自分を比べる必要ありませんよ」
「え…?」
「さっきから、アベニア様を見ては時々可愛い顔に影が差してる。お兄様とご自分を比べておいでではないですか?」
うそっ?だってそんなの顔に出してないはず。
兄さまのこと僕は大好きだし尊敬してる。まだ貴族学校へも入ってないのに、衛兵隊と同じ訓練平気な顔でこなしちゃう兄さまが本当に自慢なんだ。だけど…
「グレン様にはグレン様にしかない良さがあって、それは誰かと比べてどっちが良いとか関係ないんですよ。」
「…だ…だけど……兄さまの周りにはいつもたくさん人が居て…僕はこんな性格だから…」
「人の価値を確認するのに人数が必要ですか?俺はそうは思いませんよ。グレン様の価値はご自分にしか決められない。アベニア様が輝いているのは彼が他人の評価に惑わされないからですよ」
「でも父様は…母様が自分の存在に価値を見出してくれたって…兄さまにもラフが居る…」
「ああ、そういう。それはまた別の…いや、そうですね」
モデーロにはどうして僕の悩みが分かったんだろう…。ピカピカの太陽みたいな兄さま…。僕はあんな風には出来なくて。トマスに聞いた子供の頃の父様にそっくりだ。意地っ張りでプライドが高くて、それでいてあきらめが早くて…。
「グレン様10歳の誕生日迎えたばかりでしたね。」
「え?う、うん…」
「あと2年か。」
「な、何が?」
「婚約願を出せるまで」
「はぁ⁉そっ、そそそ、それ何言って!なっ、なんでそんな話にっ、そのっ…」
「俺が傍に居たら、少しはご自分に自信が持てますか?」
「お待たせ~ってグレンどうしたの?顔真っ赤…熱があるんじゃないの?ラフっ!護衛のカーター直ぐ呼んできて!」
「グレンっ!ええ~大丈夫?僕に付き合わせたばかりに!ごめんねグレン、すぐ帰ろう?」
もう何が何だかわからない。モデーロは僕をどうしたいの?
こ、こんなの大丈夫じゃない。全然大丈夫じゃないよっ。
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