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決断の時編

ピロートーク ※

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世の中には知らなくていいこともあるって思う。だから全ては話さない。アデルから始まる絶望の連鎖なんて必要ない。
それでもあんな風に言われたら、これ以上隠しておくなんてことも出来なくて…話せる部分だけ話したんだけどなんかいい感じに誤解してくれたみたい。
命の恩人…うん、いいよね、それで。

「その恩人にね、お礼もお別れも言えずにいきなりの別れだったから…せめて一言って…思ったんだけど…」
「アデル…お前の恩人ならば私の恩人と言っても過言ではない。その者たちがお前を助けねばお前は今ここに居ないのだ。ならば私の恩人でもあろう?私も共に考えよう。お前の憂いを取り除く方法を。」
「グラナダ様…いつかで良いんだよ。いつか出来たらいいなって。だから…今はこうして僕を、あ、あ、ぁぃ…アイシテ…」

すっかりグラナダ様の為の身体に変えられたおかげで、いつの間にか欲しがり屋さんになってしまった僕。
最近では時々こうして僕からお誘いしてしまう。
だけど、僕の為に一緒に考えてくれるって言うグラナダ様の気持ちが嬉しくて。


「んんー、んふ、あぁ…」
「ふふ、気持ちが良いかアデル?もっと良くしてやろう。私から離れられぬよう…」
「そう言ってさっきからちっとも動いてくれない…意地悪なんだから…」
「ゆっくり楽しみたいのだ。堪えられぬのならお前が動けばよいだろう」

何その顔?ニヤニヤして…えろ親父め…ううん、もうっ!我慢できない!
両の腕を差し出すと力強く引っ張り上げて身体を起こしてくれる。

「ほら、これで私に自由はない。好きに動くがいい」
「うぅ…あ…はぁ、あん、あぁ」

自由は無いって言いながら時々腰を突き上げてくる。あぁ…もう…なんだか…

「あぁ、ああ、あんっ、あんっんん…もうだめぇっ、はやくぅ!」

あっという間に身体を入れ替えると激しく動き出すグラナダ様。チカチカする快感が押し寄せ、いとも容易く絶頂を迎える。

「あ、ああーー…うくっ…はぁはぁ…」
「うっ……」

背の低い僕の顔はちょうどグラナダ様の胸当たり。その顔を両腕で包み込まれると体の奥に熱を感じた。あぁ、なんて気持ち良いんだろう…





二人の重なる荒い息が整うのを待ってグラナダ様が問いかけてくる。

「それで、水見の鏡が告げた過去に戻る方法とは一体どのようなものであったのだ」

…時空間転移の術式を敷いた4属性の強大な陣…それに、魔力化された転移を望む者自身、細部まで明確にされた転移先の情景、言わなくていい情報は省きながら、グラナダ様に伝わりやすいよう言葉を選んで説明する。

「それと、今居る場所の物は何一つ持ち込めないんだって」
「自身を魔力化すると言う時点でそうであろう。思念だけを過去へ飛ばすと言う事か…」
「水見の鏡はそうやって過去からここにやってきた精神体なんだよ。聖杯と聖水のおかげでああして定着してるみたい。聖水に魔力を通して未来を映し出すって言ってた」
「そうであったか。」

グラナダ様はしばし考えるって言ってくれた。僕より頭のいいグラナダ様なんだからきっといい案浮かぶに違いない。


一緒に考えてくれるって言うその言葉だけで、ここ何か月かの重い気持ちが嘘みたいに軽くなった。






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