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決断の時編
王都再び
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そうしてやってきた半年ぶりの王都。
「お兄様っ、ルミエ~♡」
やーん、半年たってルミエがちゃんとした顔になってる~♡
「ほらほらアビー、こっちおいで、従兄弟のルミエールだよ。おっきくなったら一緒に遊んだりケンカしたりするのかな?あれ?ちょっと似てる?さすがいとこ!」
「ルーエ?」
「そうそう、アビーお兄ちゃんだからね。優しくしてあげてね」
「アデルさま。僕もっ、僕もっおかお見たいです」
まだ小さなラフはベビーベッドに届かない。アビーを乳母にお願いしてラフを上に持ち上げる…ぬぬ…重い。
アデルはほんとに小柄だからたとえ9歳児でも持ち上げるのは大変だ。
「いたい」
ルミエールがその小さなお手々でフワフワのラフ君の髪を掴んじゃった。
「ああ、ごめんねフラッフィ、ほらルミエ離して。ほら、そう、よしよしお母様の所においで。」
おおっ、お兄様がマリア様になった…え、なにここ?天国?天使と聖母が両方いるの。
と言っても、マイエンジェル、陛下はあの乱の辺りで成長期のピークをむかえ、気が付いたらお兄様の背を抜かしてた。
お兄様は小柄とはいえ僕と違って、う~ん、170はないかな?って感じ。つまり陛下は今175くらいだろうか?
まだしばらく伸びそうだからすでに天使は天使でも大天使の方になっていってる。
はぁ陛下の美しさは天井知らずだ。
う~ん、日本に居た時、王子様系にはまったこと無いんだけどなぁ?ここで沼るとは思わなかったよ。
そんなことを考えてたら噂をすれば影、陛下とグラナダ様が連れ立ってやってきた。そう、お父様に仕事を押し付けて!
「お父様が可哀そう!」
「いいではないか、義父上がいるとルミエールを放さぬからな」
「う、ま、まぁ。ねっほら、グラナダ様見て、アビーとルミエちょっと似てませんか?」
「ふむ、お前と王妃が良く似ておるうえ、私と陛下は血縁だ。そんなこともあろう」
「きゃんっ!いたい」
「ああっまたっ、ごめんねフラッフィ。君の髪が気に入ったみたいだ。」
「ふふ、柔らかそうで綿か雲にでも見えたかな。フラッフィよ、私に免じて許してくれぬか?」
「お、おそれおおいです。へいか」
おお、ちゃんと陛下って言った。王様って言うかと思ったのに。
マカフィーさんにちゃんと色々教わっているもんね。すごいよ、ラフ。
そのときその場にいた誰一人として、可愛いアベニアの眉間のしわには…気づかなかった…。
「ルミエさま。はいお花ですよ。きれいでしょう?お部屋の外にさいていたんです。ルミエさまにあげますね」
「あうー!だー!!」
「わぁ良くおにあいですよ」
「あうー!あうー!だー!!!」
……ラフがルミエを構うたび、アベニアが怪獣になる…
「あ…、フラッフィ?アベニアが構ってほしそうにしてるから…もういいよ、ほらルミエこちらにおいで」
「アベニアさま?お花がほしかったですか?うふふ、ちゃぁんとありますよ、ほらっ」
「きゃー、あう。」
「ラフ…って言ってるのかな?もしかして?」「あう」
アベニアがラフの手をぐいぐい引っ張る。外に連れ出そうとしてるの…かな?
「おさんぽですか?」「あー」
「ルミエさま、もう行きますね。あしたまた来ます、いたいっ」
「ああっ、ごめんねフラッフィ。もうっ、どうしてルミエ?」
困り顔のお兄様。幻覚だろうか?僕の眼には火花を散らすアベニアとルミエが見えた…ぶるぶる…
ラフに手を引かれご機嫌顔のアベニア。
アビーは僕とグラナダ様の血をひいているから…独占欲が、それはそれは強いに違いない…。
ごめんねラフ…アビーはめんどくさい主人になりそうだ…
「お兄様っ、ルミエ~♡」
やーん、半年たってルミエがちゃんとした顔になってる~♡
「ほらほらアビー、こっちおいで、従兄弟のルミエールだよ。おっきくなったら一緒に遊んだりケンカしたりするのかな?あれ?ちょっと似てる?さすがいとこ!」
「ルーエ?」
「そうそう、アビーお兄ちゃんだからね。優しくしてあげてね」
「アデルさま。僕もっ、僕もっおかお見たいです」
まだ小さなラフはベビーベッドに届かない。アビーを乳母にお願いしてラフを上に持ち上げる…ぬぬ…重い。
アデルはほんとに小柄だからたとえ9歳児でも持ち上げるのは大変だ。
「いたい」
ルミエールがその小さなお手々でフワフワのラフ君の髪を掴んじゃった。
「ああ、ごめんねフラッフィ、ほらルミエ離して。ほら、そう、よしよしお母様の所においで。」
おおっ、お兄様がマリア様になった…え、なにここ?天国?天使と聖母が両方いるの。
と言っても、マイエンジェル、陛下はあの乱の辺りで成長期のピークをむかえ、気が付いたらお兄様の背を抜かしてた。
お兄様は小柄とはいえ僕と違って、う~ん、170はないかな?って感じ。つまり陛下は今175くらいだろうか?
まだしばらく伸びそうだからすでに天使は天使でも大天使の方になっていってる。
はぁ陛下の美しさは天井知らずだ。
う~ん、日本に居た時、王子様系にはまったこと無いんだけどなぁ?ここで沼るとは思わなかったよ。
そんなことを考えてたら噂をすれば影、陛下とグラナダ様が連れ立ってやってきた。そう、お父様に仕事を押し付けて!
「お父様が可哀そう!」
「いいではないか、義父上がいるとルミエールを放さぬからな」
「う、ま、まぁ。ねっほら、グラナダ様見て、アビーとルミエちょっと似てませんか?」
「ふむ、お前と王妃が良く似ておるうえ、私と陛下は血縁だ。そんなこともあろう」
「きゃんっ!いたい」
「ああっまたっ、ごめんねフラッフィ。君の髪が気に入ったみたいだ。」
「ふふ、柔らかそうで綿か雲にでも見えたかな。フラッフィよ、私に免じて許してくれぬか?」
「お、おそれおおいです。へいか」
おお、ちゃんと陛下って言った。王様って言うかと思ったのに。
マカフィーさんにちゃんと色々教わっているもんね。すごいよ、ラフ。
そのときその場にいた誰一人として、可愛いアベニアの眉間のしわには…気づかなかった…。
「ルミエさま。はいお花ですよ。きれいでしょう?お部屋の外にさいていたんです。ルミエさまにあげますね」
「あうー!だー!!」
「わぁ良くおにあいですよ」
「あうー!あうー!だー!!!」
……ラフがルミエを構うたび、アベニアが怪獣になる…
「あ…、フラッフィ?アベニアが構ってほしそうにしてるから…もういいよ、ほらルミエこちらにおいで」
「アベニアさま?お花がほしかったですか?うふふ、ちゃぁんとありますよ、ほらっ」
「きゃー、あう。」
「ラフ…って言ってるのかな?もしかして?」「あう」
アベニアがラフの手をぐいぐい引っ張る。外に連れ出そうとしてるの…かな?
「おさんぽですか?」「あー」
「ルミエさま、もう行きますね。あしたまた来ます、いたいっ」
「ああっ、ごめんねフラッフィ。もうっ、どうしてルミエ?」
困り顔のお兄様。幻覚だろうか?僕の眼には火花を散らすアベニアとルミエが見えた…ぶるぶる…
ラフに手を引かれご機嫌顔のアベニア。
アビーは僕とグラナダ様の血をひいているから…独占欲が、それはそれは強いに違いない…。
ごめんねラフ…アビーはめんどくさい主人になりそうだ…
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