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明るい家族計画編

戴冠式

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式典が始まる。

今日の中央神殿の前は一般立ち入り禁止で王族と式典に関わる官吏、招待された限られた高位貴族の者しか入れない。
その高位貴族も宮廷の官吏もかなりの数が入れ替えられ正式に一堂に会すのは初めてだったりする。

神殿前の広場を囲むように警備の兵士が大勢配置されたけど、麗しい新王を一目見ようとその人垣はごったがえしていた。
戴冠の儀が終わればここから王城までは馬車でゆっくりと進んでゆく。その沿道もやっぱり人で溢れかえっていた。

「僕…グラナダ様の妻で良かったと、今日ほど思ったこと無いです…」
「まったく嬉しくない発言だな」

王族席で、というか最前でこのビッグイベントを観覧できるなんて…感涙!
これ、アカデミー賞とかオスカーとか、そのレベルなんじゃ…レコ大どころじゃ済まないよね。


大神官様が大聖堂の正面で新王を待つ。いつもよりも格調高い式服がなんだか厳粛さを強調してる。冠を持って横に並んでる若い神官様もどこか誇らしげで。
その後ろ、幾重ものベールの向こうで聖人様はすべての儀式を見守る。この国の安寧を祈りながら。

重厚な大聖堂の扉が開け放たれた。
厳かに歩みをすすめるクリフト新国王陛下。横にはワイアットお兄様が随伴してる。

大神官様の前に立たれたクリフト陛下を聖水で濡らした指が清めていく。額に、胸に、右手の甲に、左手の甲に。
そしてついに…その頭上を冠が飾った。
一斉にあがる感嘆のため息…

違う神官様が若い人と入れ替わり大神官様に何かを渡す…ん?何?
いつの間にかクリフト陛下の横に並んだお兄様の頭に載せられる小さな冠………えっ⁉


微かにざわっとする貴族の皆さん…すごい自制心…微かで済んだよ…
横を向上げるとグラナダ様がうなずいている。反対を見るとお父様が鼻根を押さえている。
正妃のティアラ?…いや王配の冠?ええ?……な、なんてこと…有無を言わせないよう戴冠式にぶち込んでくるなんて…陛下?…

血は争えない…そんな言葉が頭を一瞬よぎった…。






クリフト陛下が広場に姿を現すと、空も割れんばかりの大歓声が!

ークリフト新国王陛下、バンザーイ!ー
ー新国王バンザーイ!ー

ちょ、負けるもんか!
「クリフトへいかー!結婚おめで、もがっ!」
慌てた左右から取り押さえられた。






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