上 下
86 / 247
明るい家族計画編

宴の様子

しおりを挟む
邸を開け放し、ようやくそろった討伐軍、魔術師団、そして使用人の皆さんも参加させての盛大な祝宴が開かれた。
王位をかけた騒乱の決着。スタンピードの収束。グラナダ様の名誉回復。そしてグラナダ様の浄化…萌えで浄化って締まらないけど…。
その全部の祝宴だ!

僕は今日こそグラナダ様の膝に乗せられた…恥ずかしい…みんな見てるのに…

「お前は皆の前で口づけることは恥ずかしがらぬのに、何故膝に座るのがそれほど恥ずかしいのだ?」
「え、だっておこちゃま扱いみたいで…」
「……ふむ…ならばなら構わぬのだな」
「え?」



「閣下の口づけ…15回目だな」
「数えてんのかよお前」
「いや…仲睦まじいなと思って…」
「…慰めてやろうか?」

ジョッシュの優しさに腹が立つ。



双方性魔道映像投射機の完璧な作動とそこから得られた満足すぎる結果に私は踊りだしたいぐらいご機嫌だった。

「オットーよくやった。双方性魔道映像投射機は実に鮮明に閣下のお姿を映し出していた…感動だ…」
「セイラム術師団長!お褒めの言葉ありがたく頂戴します!我ながら上出来だと自負しております!」
「うむ、で、だな…」「ん?」
「…あの投射機で奥方様の…アデル様のお姿をだな…」「え…」




「グレゴリー大隊長!西でのご活躍まことにお疲れ様でございました。」
「うむ。お前たちも討伐ご苦労であった。戦いぶりは投射機によって見ておったぞ。よく頑張ったな!」
「大隊長の足元にも及びませんとも。それでですね…我々から大隊長にささやかながらこれを…慰労の品です」
「うん?贈品か?ありがたくいただくとしよう。うむ、カップか」
「「「ハイッ!」」」



「マーカス術師団副長殿!」
「おお、これはカマーフィールドの。王都を留守にして良かったのですか?今は大変な時でございましょう?」
「明日には戻ります。まだまだのんびりは出来ませぬからな、ですが今日は殿下たっての命で祝意を示しに参ったのです。代わりに息子、ワイアットをと思ったが…殿下が息子を傍らから放したがらぬので…」

話していて妙な胸騒ぎを感じ…いやいや気のせいだ…気のせいに決まっておる!



「ほらアデル。次は苺だ。これは大人の遊戯なのであろう?」
「ちゅ、あむっ。い、いちごはやめてください…ポッキーゲームにならないです…」
「ふん、構わぬだろう?より大人扱いしてやっておるのだ、ほら次は葡萄だ」
「う…むちゅ、むぐむぐ…も、もう!だんだん小さくなってる!」

おっと、義父上がなんともいえぬ顔でこちらを見ておるな。夫夫仲良きことは歓迎すべきことであろう?
ふっ、時期に孫の顔を見せてやろうとも!










しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

悪役側のモブになっても推しを拝みたい。【完結】

瑳来
BL
大学生でホストでオタクの如月杏樹はホストの仕事をした帰り道、自分のお客に刺されてしまう。 そして、気がついたら自分の夢中になっていたBLゲームのモブキャラになっていた! ……ま、推しを拝めるからいっか! てな感じで、ほのぼのと生きていこうと心に決めたのであった。 ウィル様のおまけにて完結致しました。 長い間お付き合い頂きありがとうございました! カクヨム、小説家になろうでも投稿しています。

拾った美形魔法使いの胃袋と心を掴んでしまいました ~魔法使いと高校生のおいしいものライフ~

雨宮ロミ
BL
☆大まかな更新スケジュールは近況ボードに記載しています。  きつい容姿と冷たい態度と口下手さが原因で周りから怖がられ孤独な日々を送っていた男子高校生、古谷章太郎(ふるやしょうたろう)。彼の趣味は料理であり、誰かに自分が作った料理を食べてほしいという密かな想いを抱いていた。ある日章太郎は空腹で動けなくなった美形の男性「ガレット」を拾い、家に連れていき食事を振る舞う。ガレットは自らを「魔法の国から落ちてきた魔法使い」と言い、さらに「章太郎のやさしさと料理のおいしさに心を奪われてしまった」と告白。二人で一緒に住むことに。  そこから章太郎の生活は少しずつ変わっていく……。  美形魔法使い✕男子高校生のゆるやか日常ライフです。  諸注意 ※何も分かっていません。あらゆる変更が定期的に発生します。 ※主人公が周りから怖がられたり避けられる描写があります。 ※魔法・ファンタジー要素はそこまで強くないです ※性描写はありません ※料理のレシピは専門家の監修に基づいたものではありません。 ※すべてフィクションとしてお楽しみください。

某国の皇子、冒険者となる

くー
BL
俺が転生したのは、とある帝国という国の皇子だった。 転生してから10年、19歳になった俺は、兄の反対を無視して従者とともに城を抜け出すことにした。 俺の本当の望み、冒険者になる夢を叶えるために…… 異世界転生主人公がみんなから愛され、冒険を繰り広げ、成長していく物語です。 主人公は魔法使いとして、仲間と力をあわせて魔物や敵と戦います。 ※ BL要素は控えめです。 2020年1月30日(木)完結しました。

異世界で8歳児になった僕は半獣さん達と仲良くスローライフを目ざします。……やっぱり狙われちゃう感じ?

み馬
BL
※ 完結しました。お読みくださった方々、誠にありがとうございました! 志望校に合格した春、桜の樹の下で意識を失った主人公・斗馬 亮介(とうま りょうすけ)は、気がついたとき、異世界で8歳児の姿にもどっていた。 わけもわからず放心していると、いきなり巨大な黒蛇に襲われるが、水の精霊〈ミュオン・リヒテル・リノアース〉と、半獣属の大熊〈ハイロ〉があらわれて……!? これは、とある加護を受けた8歳児が、しゃべる動物たちとスローライフ?を目ざす、ファンタジーBLです。 おとなサイド(半獣×精霊)のカプありにつき、R15にしておきました。 ※ 独自設定、造語、下ネタあり。出産描写あり。幕開け(前置き)長め。第21話に登場人物紹介を載せましたので、ご参考ください。 ★お試し読みは、第1部(第22〜27話あたり)がオススメです。物語の傾向がわかりやすいかと思います★ ★第11回BL小説大賞エントリー作品★最終結果2773作品中/414位★応援ありがとうございました★

異世界に転生してもゲイだった俺、この世界でも隠しつつ推しを眺めながら生きていきます~推しが婚約したら、出家(自由に生きる)します~

kurimomo
BL
俺がゲイだと自覚したのは、高校生の時だった。中学生までは女性と付き合っていたのだが、高校生になると、「なんか違うな」と感じ始めた。ネットで調べた結果、自分がいわゆるゲイなのではないかとの結論に至った。同級生や友人のことを好きになるも、それを伝える勇気が出なかった。 そうこうしているうちに、俺にはカミングアウトをする勇気がなく、こうして三十歳までゲイであることを隠しながら独身のままである。周りからはなぜ結婚しないのかと聞かれるが、その追及を気持ちを押し殺しながら躱していく日々。俺は幸せになれるのだろうか………。 そんな日々の中、襲われている女性を助けようとして、腹部を刺されてしまった。そして、同性婚が認められる、そんな幸せな世界への転生を祈り静かに息を引き取った。 気が付くと、病弱だが高スペックな身体、アース・ジーマルの体に転生した。病弱が理由で思うような生活は送れなかった。しかし、それには理由があって………。 それから、偶然一人の少年の出会った。一目見た瞬間から恋に落ちてしまった。その少年は、この国王子でそして、俺は側近になることができて………。 魔法と剣、そして貴族院など王道ファンタジーの中にBL要素を詰め込んだ作品となっております。R指定は本当の最後に書く予定なので、純粋にファンタジーの世界のBL恋愛(両片思い)を楽しみたい方向けの作品となっております。この様な作品でよければ、少しだけでも目を通していただければ幸いです。 GW明けからは、週末に投稿予定です。よろしくお願いいたします。

悪役王子の取り巻きに転生したようですが、破滅は嫌なので全力で足掻いていたら、王子は思いのほか優秀だったようです

魚谷
BL
ジェレミーは自分が転生者であることを思い出す。 ここは、BLマンガ『誓いは星の如くきらめく』の中。 そしてジェレミーは物語の主人公カップルに手を出そうとして破滅する、悪役王子の取り巻き。 このままいけば、王子ともども断罪の未来が待っている。 前世の知識を活かし、破滅確定の未来を回避するため、奮闘する。 ※微BL(手を握ったりするくらいで、キス描写はありません)

運悪く放課後に屯してる不良たちと一緒に転移に巻き込まれた俺、到底馴染めそうにないのでソロで無双する事に決めました。~なのに何故かついて来る…

こまの ととと
BL
『申し訳ございませんが、皆様には今からこちらへと来て頂きます。強制となってしまった事、改めて非礼申し上げます』  ある日、教室中に響いた声だ。  ……この言い方には語弊があった。  正確には、頭の中に響いた声だ。何故なら、耳から聞こえて来た感覚は無く、直接頭を揺らされたという感覚に襲われたからだ。  テレパシーというものが実際にあったなら、確かにこういうものなのかも知れない。  問題はいくつかあるが、最大の問題は……俺はただその教室近くの廊下を歩いていただけという事だ。 *当作品はカクヨム様でも掲載しております。

聖女の兄で、すみません!

たっぷりチョコ
BL
聖女として呼ばれた妹の代わりに異世界に召喚されてしまった、古河大矢(こがだいや)。 三ヶ月経たないと元の場所に還れないと言われ、素直に待つことに。 そんな暇してる大矢に興味を持った次期国王となる第一王子が話しかけてきて・・・。 BL。ラブコメ異世界ファンタジー。

処理中です...