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王位交代開始編

カウントダウンフェス メイン会場 ー魔の森①ー

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バーガンディ魔の森の中、僕らはその時が来るのを待っていた。

今日の森は恐ろしいほど静かだ。嵐の前の静けさってやつだね。いつもなら顔を出す低級魔獣すら見かけない。
スタンピードの直前は、目の前に立つのも困難な重圧と息も出来ないほどの瘴気に小物の魔獣はいつもこんなふうに姿を隠すらしい。
そして今から24時間、中位から上位、そして時間の経過にともなって最上位の魔獣までもが止め処なく溢出する。

「み、みんなポ、ポ、ポ、ポーションは持った?あっ、人形、身代わり人形は?」
「落ち着けアデル。みな準備は出来ている。」
「う、うん。」
「それよりアデル、本当にいいのだな。私とともに行けば最も困難な現場に突入する事となる。正直言えばお前には安全な場所で守られていてほしい…それが本音だ、だが」
「一緒にいきますグラナダ様。絶対離れないって言ったでしょ。大丈夫、僕はディフェンスには定評のあるアデルですから。見たでしょ?僕のシールド、イナバの物置より頑丈なんですよ!」
「いなば?だが、私に付与を飛ばすときいったんシールドを解除するであろう?マカフィーに守らせはするがその隙を「わーわーわー!」」

嫌なフラグをたてないでもらいたい。と言うか、僕がこのオーラスを逃すわけがない。
それに今日は撮影が入ってますからね!激動事変の現場にリアルタイムで送るんだから。
この国がいつもどれほどの危険をはらんでいて、誰がそれを抑えているのか今日という今日こそはちゃんとわかってもらうんだ!

今回の討伐は少数精鋭。僕の付与あってこそ可能になった作戦だ。強化と剛腕。そして、俊足に跳躍。徹底的に機動力を上げて数の少なさを補っていく。逆に少数精鋭だからこそ僕の付与が行き渡るともいえる。
深淵とそれを封じる7つの結界石。石の全てが割れた時、それが開演の合図だ。
スタンピードは通常の巡回討伐と違って発生場所と時期がわかっている分、防御戦略が立てやすい。地形の利を生かして決して外には逃さない。バクステは封鎖してメイン、センター、縦花道だけに絞り込む。
そしてそのメインステージ…最前に立ち、もっとも過酷なのがグラナダ様だ…。

「グラナダ様の力、ラスボスに向けて温存はしないんですか…?」
「そんな余裕などない。舐めてかかればこちらが総崩れになる。私一人が残ったところでそれでは戦いの維持はできぬ。ならば初めから総力戦だ。深淵にもっとも近いこの場所から順に上位のものを屠っていく。後方には比較的ましな物しかやらぬよ」
「…ろ過システムか…うん…うん、わかりました。大きな異物はここで処理するんですね!じゃぁ、遠慮なく全力で!全力でいきますね!」
「温存というならば…アデル、お前こそ温存しておいてくれ。スタンピードの末期には最上位、伝説級の魔獣が出現する。お前のあの雷は…頼もしい力となる」
「…温存します…」




グラナダ様、至高のエンターティナーとはパフォーマーとオーディエンスとが一体となった時作り出されるものなんですよ。
僕は…僕は…伝説のライブ、その時間を共にした、誰もが羨むファンになる!














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