66 / 247
王位交代開始編
進捗具合
しおりを挟む
国から派遣された徴税官の不正の証拠を手に入れるためカマーフィールド領へ行くことになったのはローランさんだった。やや小柄で身のこなしの軽やかな彼はこの任務に向くだろうとのグラナダ様の推薦で。
いつも人一倍熱心に稽古にうちこむ真面目な彼はグラナダ様に憧れて両親の反対も押し切ってバーガンディにやってきた一生懸命な人。
そんな彼が諜報みたいな任務は嫌じゃないかと思ったのだけれど、
「閣下自ら俺をご指名くださったのです。お前になら任せられると。必ずや完遂してみせましょう!」
グラナダ様を通してインビジブルの護符も念のため3枚、そしてオットーさんとさらに手先の器用な術師バンさんの手伝いで完成させた2台目のビデオの魔道具。
家内工業だから製造が大変。だけどまだまだ作らなくっちゃ。
それらを持って出発してくれた。馬車でゆっくり進めば10日ほどかかる道のりを早馬で向かうがさらに短縮するため馬の脚に速度強化の付与をかけた。僕の実家をよろしくお願いします。
グラナダ様からの親書を手に着々と地方の有力者を取り込むグレゴリー隊長。隊長は義に厚く実力もあるので優良貴族からの信望が高い。そのうえ気さくで強くて誰にでも分け隔てなく優しいので、見た目は熊みたいだけど王都の第一騎士団に居た時から市民の人気がすごいらしい。
マーカス副長は国付きの術師たちの元へ行ってる。専属術師のほとんどがグラナダ様とバーガンディに来ちゃったので今は隷属印で使役した術師しか残っていないんだって。汚れ仕事をさせられてるから隷属の解除を条件にこちらに引き込めるかもって。味方にできればかなり破壊力のある告発になるってほくそ笑みながら言っていた。
「解除はどうするんですか?そんな条件出して」
「誰も完成させられなかった隷属の陣を最後完成させたのはカマーフィールド伯爵です。ですので伯爵かアデル様を含めたご兄弟のいずれかで解除できると思っております。」
…えっ、そこ丸投げ?あっ、あー、が、がんばります…多分お父様が…
「グラナダ様、お父様からの救援要請です。」
「どうした」
「殿下の絶望感がすごすぎてむしろお父様が絶望しかけてます。僕ちょっと行って来ていいですか?」
「むっ、ダメだといったであろうアデル!お前の才を知れば知るほどお前をここから出すことは出来ぬ。ましてや王宮になど。あの王にお前の事を知られたらどんなことになるか分かったものではないわ!」
「アデルは行きません。行くのはアラタです。」
「アラタ…?黒髪の少年か!あの地味な」「がはっ」
それでも王都へ行くのは許してもらえなかった。お父様とグラナダ様は相談して、王都にほど近い穀倉のある西領への視察を決め、そこで僕は薬師アラタとしてお目にかかることとなった。
アラタとしてでもギリギリの妥協点だそうだ。
それにしても、やることが多すぎて最近のグラナダ様は少しお疲れだ。
ここは妻///として…よしよ…癒してさしあげるべきだろうか?
いつも人一倍熱心に稽古にうちこむ真面目な彼はグラナダ様に憧れて両親の反対も押し切ってバーガンディにやってきた一生懸命な人。
そんな彼が諜報みたいな任務は嫌じゃないかと思ったのだけれど、
「閣下自ら俺をご指名くださったのです。お前になら任せられると。必ずや完遂してみせましょう!」
グラナダ様を通してインビジブルの護符も念のため3枚、そしてオットーさんとさらに手先の器用な術師バンさんの手伝いで完成させた2台目のビデオの魔道具。
家内工業だから製造が大変。だけどまだまだ作らなくっちゃ。
それらを持って出発してくれた。馬車でゆっくり進めば10日ほどかかる道のりを早馬で向かうがさらに短縮するため馬の脚に速度強化の付与をかけた。僕の実家をよろしくお願いします。
グラナダ様からの親書を手に着々と地方の有力者を取り込むグレゴリー隊長。隊長は義に厚く実力もあるので優良貴族からの信望が高い。そのうえ気さくで強くて誰にでも分け隔てなく優しいので、見た目は熊みたいだけど王都の第一騎士団に居た時から市民の人気がすごいらしい。
マーカス副長は国付きの術師たちの元へ行ってる。専属術師のほとんどがグラナダ様とバーガンディに来ちゃったので今は隷属印で使役した術師しか残っていないんだって。汚れ仕事をさせられてるから隷属の解除を条件にこちらに引き込めるかもって。味方にできればかなり破壊力のある告発になるってほくそ笑みながら言っていた。
「解除はどうするんですか?そんな条件出して」
「誰も完成させられなかった隷属の陣を最後完成させたのはカマーフィールド伯爵です。ですので伯爵かアデル様を含めたご兄弟のいずれかで解除できると思っております。」
…えっ、そこ丸投げ?あっ、あー、が、がんばります…多分お父様が…
「グラナダ様、お父様からの救援要請です。」
「どうした」
「殿下の絶望感がすごすぎてむしろお父様が絶望しかけてます。僕ちょっと行って来ていいですか?」
「むっ、ダメだといったであろうアデル!お前の才を知れば知るほどお前をここから出すことは出来ぬ。ましてや王宮になど。あの王にお前の事を知られたらどんなことになるか分かったものではないわ!」
「アデルは行きません。行くのはアラタです。」
「アラタ…?黒髪の少年か!あの地味な」「がはっ」
それでも王都へ行くのは許してもらえなかった。お父様とグラナダ様は相談して、王都にほど近い穀倉のある西領への視察を決め、そこで僕は薬師アラタとしてお目にかかることとなった。
アラタとしてでもギリギリの妥協点だそうだ。
それにしても、やることが多すぎて最近のグラナダ様は少しお疲れだ。
ここは妻///として…よしよ…癒してさしあげるべきだろうか?
320
お気に入りに追加
3,294
あなたにおすすめの小説
君のことなんてもう知らない
ぽぽ
BL
早乙女琥珀は幼馴染の佐伯慶也に毎日のように告白しては振られてしまう。
告白をOKする素振りも見せず、軽く琥珀をあしらう慶也に憤りを覚えていた。
だがある日、琥珀は記憶喪失になってしまい、慶也の記憶を失ってしまう。
今まで自分のことをあしらってきた慶也のことを忘れて、他の人と恋を始めようとするが…
「お前なんて知らないから」
視線の先
茉莉花 香乃
BL
放課後、僕はあいつに声をかけられた。
「セーラー服着た写真撮らせて?」
……からかわれてるんだ…そう思ったけど…あいつは本気だった
ハッピーエンド
他サイトにも公開しています
【第1章完結】悪役令息に転生して絶望していたら王国至宝のエルフ様にヨシヨシしてもらえるので、頑張って生きたいと思います!
梻メギ
BL
「あ…もう、駄目だ」プツリと糸が切れるように限界を迎え死に至ったブラック企業に勤める主人公は、目覚めると悪役令息になっていた。どのルートを辿っても断罪確定な悪役令息に生まれ変わったことに絶望した主人公は、頑張る意欲そして生きる気力を失い床に伏してしまう。そんな、人生の何もかもに絶望した主人公の元へ王国お抱えのエルフ様がやってきて───!?
【王国至宝のエルフ様×元社畜のお疲れ悪役令息】
▼第2章2025年1月18日より投稿予定
▼この作品と出会ってくださり、ありがとうございます!初投稿になります、どうか温かい目で見守っていただけますと幸いです。
▼こちらの作品はムーンライトノベルズ様にも投稿しております。
社畜だけど異世界では推し騎士の伴侶になってます⁈
めがねあざらし
BL
気がつくと、そこはゲーム『クレセント・ナイツ』の世界だった。
しかも俺は、推しキャラ・レイ=エヴァンスの“伴侶”になっていて……⁈
記憶喪失の俺に課されたのは、彼と共に“世界を救う鍵”として戦う使命。
しかし、レイとの誓いに隠された真実や、迫りくる敵の陰謀が俺たちを追い詰める――。
異世界で見つけた愛〜推し騎士との奇跡の絆!
推しとの距離が近すぎる、命懸けの異世界ラブファンタジー、ここに開幕!
腐男子(攻め)主人公の息子に転生した様なので夢の推しカプをサポートしたいと思います
たむたむみったむ
BL
前世腐男子だった記憶を持つライル(5歳)前世でハマっていた漫画の(攻め)主人公の息子に転生したのをいい事に、自分の推しカプ (攻め)主人公レイナード×悪役令息リュシアンを実現させるべく奔走する毎日。リュシアンの美しさに自分を見失ない(受け)主人公リヒトの優しさに胸を痛めながらもポンコツライルの脳筋レイナード誘導作戦は成功するのだろうか?
そしてライルの知らないところでばかり起こる熱い展開を、いつか目にする事が……できればいいな。
ほのぼのまったり進行です。
他サイトにも投稿しておりますが、こちら改めて書き直した物になります。
学園と夜の街での鬼ごっこ――標的は白の皇帝――
天海みつき
BL
族の総長と副総長の恋の話。
アルビノの主人公――聖月はかつて黒いキャップを被って目元を隠しつつ、夜の街を駆け喧嘩に明け暮れ、いつしか"皇帝"と呼ばれるように。しかし、ある日突然、姿を晦ました。
その後、街では聖月は死んだという噂が蔓延していた。しかし、彼の族――Nukesは実際に遺体を見ていないと、その捜索を止めていなかった。
「どうしようかなぁ。……そぉだ。俺を見つけて御覧。そしたら捕まってあげる。これはゲームだよ。俺と君たちとの、ね」
学園と夜の街を巻き込んだ、追いかけっこが始まった。
族、学園、などと言っていますが全く知識がないため完全に想像です。何でも許せる方のみご覧下さい。
何とか完結までこぎつけました……!番外編を投稿完了しました。楽しんでいただけたら幸いです。
転生したけど赤ちゃんの頃から運命に囲われてて鬱陶しい
翡翠飾
BL
普通に高校生として学校に通っていたはずだが、気が付いたら雨の中道端で動けなくなっていた。寒くて死にかけていたら、通りかかった馬車から降りてきた12歳くらいの美少年に拾われ、何やら大きい屋敷に連れていかれる。
それから温かいご飯食べさせてもらったり、お風呂に入れてもらったり、柔らかいベッドで寝かせてもらったり、撫でてもらったり、ボールとかもらったり、それを投げてもらったり───ん?
「え、俺何か、犬になってない?」
豹獣人の番大好き大公子(12)×ポメラニアン獣人転生者(1)の話。
※どんどん年齢は上がっていきます。
※設定が多く感じたのでオメガバースを無くしました。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる