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新生活順応編

とりとめのない話

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辺境伯邸の敷地はとっても広くて徒歩ではとても回り切れないくらい。といっても大部分はやや放置気味の雑木林だけど小さな池もあるんだって。今度馬で敷地いっぱい回ってくれるって約束してくれた。楽しみ!
とりあえず、徒歩で回れる庭園に菜園。温室なんかを見て回る。でもバーガンディの薄暗くひんやりした気候は植物全般育ちが悪い。
でもハーブは強いからね。ハーブならこのままでもいける。

「グラナダ様、お花の代わりにここハーブ園にしてもいいですか?」
「もちろん構わないとも」

やったぁ!ポーション作成は日々のトレーニングみたいなもんだからね。継続は力なりだ。
そうだ!後で園丁さんにお願いして手伝ってもいいって言ったら菜園に育成魔法かけようかな?僕の魔法は栄養価が高まるんだよ。


あれ?気が付いたらグラナダ様とナチュラルに手をつないでいる、が…これは…個別握手会同然ではっ⁉
かれこれ30分はたつ……CDにして何枚分くらいだろう。ひぇぇ…なんて財布に優しくない握手なんだっ!





木々の間に黒っぽい真鍮で造られた小ぶりのガゼポが現れた。
トマスさんが用意したお茶を飲みながら僕たちは少し休憩することにした。


「私の部屋の奥隣りに妻の部屋が用意されている。今日からはそこがアデルの部屋だ」
「あの部屋でくつろぐ主がアデル様でようございましたな旦那様。」
「うむ」
「へっ?離宮は?あのっ、離宮へは戻れないのですか?」

「そういえば言い忘れていたが、お前の制作物はすべて離宮に運び込んである。おそらく手ずから飾りたいのであろう?あそこはお前の観賞用の館とすればよい」
「ぶっ!ごほ、えほ、がはっ。」
「天井に貼り付けてあった大判の肖像画、あれはいいな。アデルの顔で描かせて執務室の天井にでも貼ろうと思うのだが?」
「ちょ、やめ、もう!ほんとやめてくださいね!絶対ですよ!だめですから!」
「何故だ。首を回して上を見上げるたび疲れが癒えるとは良い案だと思ったのだが?」
「えぇ~…再考オネガイシマス…」

そんなもの貼られたら嫌がらせ以外のなにものでもない。
そんなことより、聞いておかなくちゃいけない大事な事を思い出した。


「と、ところでグラナダ様。僕教えて欲しいことがあるんですけど…ここにくる道中メイドさんたちに聞いてもこれだけはグラナダ様に聞くようにって言われて誰も教えてくれなくて。」
「ふむ、なんだ?」
「僕たちってすでに夫夫なんですよね?」
「そうだとも!それがどうかしたか?お互いの気持ちは確認したと思ったが?」
「いえ、それはいいんですけど…僕って後継の子を産むために選ばれたって話でしたよね?」
「あ、ああ」

「あの~男同士で赤ちゃんってどうやってつくるんですか?グラナダ様なら教えてくれるんですよね?」









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