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取り巻きリアムの決意
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私の父はハワード伯爵家の当主であり…私リアムはその名を背負う嫡男である。
ハワード家は代々プリチャード家に与する家門だ。そのうえ父はプリチャード家の前夫人である、今は亡きカサンドラ様に学生時代からほのかな思慕を抱いていたようで、その忘れ形見であるシャノン様を何があってもお支えするように、と私は強く言い聞かされてきた。
同じくプリチャード家と親しいチャムリー侯爵家のミーガン嬢、そして家門ではなく、シャノン様自身に大きな期待を寄せるクーパー伯爵の息子アリソンを含め、昔からの友人である私たち三人が周囲から取り巻きと認識されている。が、肝心のシャノン様がどう思われているかは今一つ分からない。
入学前から幾度か顔を合わせる機会はあったが、口数が少なく、またほとんど表情を動かさないシャノン様は何をお考えかよく分からない。あの人形のように整ったお顔立ちが余計にそう思わせるのだろう。
そのシャノン様が動揺された姿を一度お見掛けした事がある。それは我々が学院生となったばかりの春先。
コンラッド殿下がシャノン様の15歳を祝う初めての夜会の席に、特例で学院に入学を果たした教会の侍祭、アーロンを伴い現れた時だ。
「何という事を…、殿下はどうされてしまったのかしら…」
「いや。アーロンさんは『聖なる力』の適合者。特別な方だ」
「何を言う!あのようにエスコートをされるなど…」
「そうだ!シャノン様という婚約者がありながら!」
「シャノン様は完璧すぎるのだ!あれでは殿下の息が詰まると思わないか!」
是非を問う周囲のざわめきを意にも介さず、殿下は恒例となった薔薇の花束を手渡されると、これもまたいつものようにそこから一輪抜き取り、スッとシャノン様の胸に飾られた。
儀式は終わりとばかりにアーロンを社交界の友人方に紹介していく殿下の表情はひどく楽し気だ。
シャノン様は決してそちらに視線を向けない。その顔はいつものように薄く微笑まれ招待客への挨拶を続けられていた。が…、その指は、胸から抜き取った薔薇の花びらを、一枚、また一枚と、震える指で散らしておいでだった…
シャノン様から僅かに感じる緊張がピークに達しようという頃、ようやく学院は夏季休暇を迎えた。それを幸いとばかり思っていたのに、よりにもよってあんな報を聞かされることになるとは…
「シャノン様が侯爵家の大窓から転落して大怪我をされたのですって…」
「それは本当かミーガン!」
「本当ですわ。その原因はプリチャード家を訪れていたアーロンだとも聞いております…」
だからといって、その中に殿下がおられる以上、その話題に触れることは賢明ではない。面会を丁重に断られたミーガンは休みが終わるまで何度も手紙を出し続けた。しかしそれに返事が来ることは一度もなかった。
王城より戻った父から、シャノン様がお妃教育をお休みになられていると知らされた。その一方で北部の修道院やスキッド地区への慈善を施されたことも同時に知った。
シャノン様の中で起きた何かの変化。
言いようのない不安の中で、秋期初日、私たちは来るか来ないかわからぬシャノン様を講義室で待っていた。その私たちが目にしたのは…
数人の学生の影から、どこか怯えた子供のようにおどおどと室内を覗き、私たちの顔を見ると安心したように破顔されたシャノン様だった。
今日と言う日を誰よりも不安に思っていたのはシャノン様自身であったのだ。
謝られるシャノン様も、零れるような笑みを返されるシャノン様も、少したどたどしいが今まで誰にも見せたことの無い、あどけないお姿だ。その姿は私たちを含めたその場全員の庇護欲を無性に掻き立てた。
不躾にもシャノン様に差し出されたアーロンの栞を…床に跪かれ、涙をにじませながらそっと手にとられた時など、シャノン様の心情を思い、私たちの誰もがアーロン、そして殿下に対し、言葉にするのも憚られるような気持ちを抱いたことは言うまでもない。
あれ以来、まるで生まれ変わったかのようなシャノン様。とはいえ、相変わらず口数は少なく奥ゆかしさも変わらないが、どこかためらいがちに、そしてはにかみながら、私たちの他愛もない話を嬉しそうに聞いておられる。
チキンが好物なのだと気が付いたのも、この頃だ。
以前は食事の量すら節制なさっていたのだろう、小食であられたのだが、お妃教育の休止と共にとても美味しそうに召し上がられるようになった。
そのお顔が見たくて毎日シェフに無理を言ってしまうのだが、このシャノン様の笑顔を見ればシェフもきっと本望だろう。
そんなシャノン様の心境…、それを理解したのはアレイスター様をランチにお誘いになった時だ。
にこやかに歓談されるシャノン様と第二王子殿下。思えばこのお二人はどちらもコンラッド殿下の存在によって苦しいお立場に立たされている。
アレイスター殿下に笑みを向けるシャノン様。そのシャノン様を見るアレイスター殿下もまた、目を細め眩しそうだ。お似合いの二人。喉まで出掛かった言葉を、私は寸でのところでぐっと堪えた。だが
「取り替えましょうか」
その言葉にシャノン様の追い詰められた心を知る。聞いてはいけない言葉を聞いてしまった…
私たちは暗黙の了解の内、何も気付いていないふりをし続けた。それでもあの時…
アーロンと直接対峙され、気を失うほどショックを受けられたシャノン様の手を取られたのはアレイスター様だ。
内と外を隔てる一枚の壁。
内側ではコンラッド殿下がアーロンの手を取り、外ではアレイスター殿下がシャノン様に手を差し出された。
今まで見たこともない、全身から喜びを溢れさせ自由気ままに踊るシャノン様。シャノン様のあの表情を引き出されたのはアレイスター殿下。これでもシャノン様にコンラッド殿下が必要だとどうしていえよう。
だが、シャノン様を日陰の立場になど、とても認められない!
…その晩私たち三人は遅くまで話し合った。
「クーパー伯爵家当主である父は、プリチャードでも王家でもなく、シャノン様に付いて行けと言った。私は父の先見を信じる。たとえシャノン様が下剋上を仕掛けようが、私はシャノン様に付いて行く」
「アリソン…」
「リアム様、わたくしもシャノン様を裏切ったりはしませんわ」
「ミーガン、その意味を君は分かっているのか」
「ええもちろん。こう言っては不敬ですけど殿下はどうかしております。わたくし女の勘ですけどアーロンさんは胡散臭いと思っておりますの。リアム様、純粋とは時に狂気ですのよ?むしろ殿下が心配ですわ…」
「私は君の慧眼に一目を置いている。君がそう言うならそうなのだろう」
「場合によってはリアム様との約束を無かった事にしてもいいのですよ。袂を分かつのなら仕方ありませんわ」
「リアム、約束とはなんだ」
「私たちは来年婚約する予定だ…」
ミーガンの言う様、シャノン様につくことを明言したミーガンと、コンラッド殿下を支持しながら婚約は出来まい…。だが…
「ミーガン、私は君との約束を破棄する気など微塵もない」
「リアム様…」
「私はシャノン様が好きだ。君の次に」
「まあ…」
私たち三人は、今後も何があろうとシャノン様に付いていくことをこの晩固く誓い合った。
そして今もこうして、アリソンと共に給仕の真似事をなさるシャノン様の無邪気な笑顔を見ていれば、この先どんな未来が待っていても、それは正しい選択なのだと心から信じられる気がした。
ハワード家は代々プリチャード家に与する家門だ。そのうえ父はプリチャード家の前夫人である、今は亡きカサンドラ様に学生時代からほのかな思慕を抱いていたようで、その忘れ形見であるシャノン様を何があってもお支えするように、と私は強く言い聞かされてきた。
同じくプリチャード家と親しいチャムリー侯爵家のミーガン嬢、そして家門ではなく、シャノン様自身に大きな期待を寄せるクーパー伯爵の息子アリソンを含め、昔からの友人である私たち三人が周囲から取り巻きと認識されている。が、肝心のシャノン様がどう思われているかは今一つ分からない。
入学前から幾度か顔を合わせる機会はあったが、口数が少なく、またほとんど表情を動かさないシャノン様は何をお考えかよく分からない。あの人形のように整ったお顔立ちが余計にそう思わせるのだろう。
そのシャノン様が動揺された姿を一度お見掛けした事がある。それは我々が学院生となったばかりの春先。
コンラッド殿下がシャノン様の15歳を祝う初めての夜会の席に、特例で学院に入学を果たした教会の侍祭、アーロンを伴い現れた時だ。
「何という事を…、殿下はどうされてしまったのかしら…」
「いや。アーロンさんは『聖なる力』の適合者。特別な方だ」
「何を言う!あのようにエスコートをされるなど…」
「そうだ!シャノン様という婚約者がありながら!」
「シャノン様は完璧すぎるのだ!あれでは殿下の息が詰まると思わないか!」
是非を問う周囲のざわめきを意にも介さず、殿下は恒例となった薔薇の花束を手渡されると、これもまたいつものようにそこから一輪抜き取り、スッとシャノン様の胸に飾られた。
儀式は終わりとばかりにアーロンを社交界の友人方に紹介していく殿下の表情はひどく楽し気だ。
シャノン様は決してそちらに視線を向けない。その顔はいつものように薄く微笑まれ招待客への挨拶を続けられていた。が…、その指は、胸から抜き取った薔薇の花びらを、一枚、また一枚と、震える指で散らしておいでだった…
シャノン様から僅かに感じる緊張がピークに達しようという頃、ようやく学院は夏季休暇を迎えた。それを幸いとばかり思っていたのに、よりにもよってあんな報を聞かされることになるとは…
「シャノン様が侯爵家の大窓から転落して大怪我をされたのですって…」
「それは本当かミーガン!」
「本当ですわ。その原因はプリチャード家を訪れていたアーロンだとも聞いております…」
だからといって、その中に殿下がおられる以上、その話題に触れることは賢明ではない。面会を丁重に断られたミーガンは休みが終わるまで何度も手紙を出し続けた。しかしそれに返事が来ることは一度もなかった。
王城より戻った父から、シャノン様がお妃教育をお休みになられていると知らされた。その一方で北部の修道院やスキッド地区への慈善を施されたことも同時に知った。
シャノン様の中で起きた何かの変化。
言いようのない不安の中で、秋期初日、私たちは来るか来ないかわからぬシャノン様を講義室で待っていた。その私たちが目にしたのは…
数人の学生の影から、どこか怯えた子供のようにおどおどと室内を覗き、私たちの顔を見ると安心したように破顔されたシャノン様だった。
今日と言う日を誰よりも不安に思っていたのはシャノン様自身であったのだ。
謝られるシャノン様も、零れるような笑みを返されるシャノン様も、少したどたどしいが今まで誰にも見せたことの無い、あどけないお姿だ。その姿は私たちを含めたその場全員の庇護欲を無性に掻き立てた。
不躾にもシャノン様に差し出されたアーロンの栞を…床に跪かれ、涙をにじませながらそっと手にとられた時など、シャノン様の心情を思い、私たちの誰もがアーロン、そして殿下に対し、言葉にするのも憚られるような気持ちを抱いたことは言うまでもない。
あれ以来、まるで生まれ変わったかのようなシャノン様。とはいえ、相変わらず口数は少なく奥ゆかしさも変わらないが、どこかためらいがちに、そしてはにかみながら、私たちの他愛もない話を嬉しそうに聞いておられる。
チキンが好物なのだと気が付いたのも、この頃だ。
以前は食事の量すら節制なさっていたのだろう、小食であられたのだが、お妃教育の休止と共にとても美味しそうに召し上がられるようになった。
そのお顔が見たくて毎日シェフに無理を言ってしまうのだが、このシャノン様の笑顔を見ればシェフもきっと本望だろう。
そんなシャノン様の心境…、それを理解したのはアレイスター様をランチにお誘いになった時だ。
にこやかに歓談されるシャノン様と第二王子殿下。思えばこのお二人はどちらもコンラッド殿下の存在によって苦しいお立場に立たされている。
アレイスター殿下に笑みを向けるシャノン様。そのシャノン様を見るアレイスター殿下もまた、目を細め眩しそうだ。お似合いの二人。喉まで出掛かった言葉を、私は寸でのところでぐっと堪えた。だが
「取り替えましょうか」
その言葉にシャノン様の追い詰められた心を知る。聞いてはいけない言葉を聞いてしまった…
私たちは暗黙の了解の内、何も気付いていないふりをし続けた。それでもあの時…
アーロンと直接対峙され、気を失うほどショックを受けられたシャノン様の手を取られたのはアレイスター様だ。
内と外を隔てる一枚の壁。
内側ではコンラッド殿下がアーロンの手を取り、外ではアレイスター殿下がシャノン様に手を差し出された。
今まで見たこともない、全身から喜びを溢れさせ自由気ままに踊るシャノン様。シャノン様のあの表情を引き出されたのはアレイスター殿下。これでもシャノン様にコンラッド殿下が必要だとどうしていえよう。
だが、シャノン様を日陰の立場になど、とても認められない!
…その晩私たち三人は遅くまで話し合った。
「クーパー伯爵家当主である父は、プリチャードでも王家でもなく、シャノン様に付いて行けと言った。私は父の先見を信じる。たとえシャノン様が下剋上を仕掛けようが、私はシャノン様に付いて行く」
「アリソン…」
「リアム様、わたくしもシャノン様を裏切ったりはしませんわ」
「ミーガン、その意味を君は分かっているのか」
「ええもちろん。こう言っては不敬ですけど殿下はどうかしております。わたくし女の勘ですけどアーロンさんは胡散臭いと思っておりますの。リアム様、純粋とは時に狂気ですのよ?むしろ殿下が心配ですわ…」
「私は君の慧眼に一目を置いている。君がそう言うならそうなのだろう」
「場合によってはリアム様との約束を無かった事にしてもいいのですよ。袂を分かつのなら仕方ありませんわ」
「リアム、約束とはなんだ」
「私たちは来年婚約する予定だ…」
ミーガンの言う様、シャノン様につくことを明言したミーガンと、コンラッド殿下を支持しながら婚約は出来まい…。だが…
「ミーガン、私は君との約束を破棄する気など微塵もない」
「リアム様…」
「私はシャノン様が好きだ。君の次に」
「まあ…」
私たち三人は、今後も何があろうとシャノン様に付いていくことをこの晩固く誓い合った。
そして今もこうして、アリソンと共に給仕の真似事をなさるシャノン様の無邪気な笑顔を見ていれば、この先どんな未来が待っていても、それは正しい選択なのだと心から信じられる気がした。
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