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28 断罪の息抜き 初日
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お務めを終え、僕は取り巻きたちと、まずは展示会場となった各教室をまわることにした。
僕の右側にはリアム君、左側にはミーガン嬢、そして一歩後ろにアリソン君、そしてその後ろに…
「あのー…、ゾロゾロ付いてまわるの止めてもらっていいですか?」
「まあシャノン様。私たちは偶然同じ方向に向かって歩いているだけですわ」
「奇遇ですね。僕もです」
「俺もです」
「私も」
「わたくしも」
くっ!
絶対違うと思うのに、偶然と言いきられたら「ウソだっ!」とは言えないじゃないか…
こんな教授の回診みたいな行列…恥ずかしい。いつからこんなことになったんだろう…。ノベルゲーのシャノンは遠巻きにされることが多かったのに。あー!こらっ!これ以上最後尾に並ぶんじゃない!
うん?。第二研究室の前にも人だかりが出来ている。これは一体…
「人がいっぱい…何の集まり?」
「聞いてまいりますね」
フットワークの軽いリアム君が様子を見に行って戻って来る。すると人だかりの中から数人の同級生がくっついて来た。
「ちょうど良かったシャノン様。今から『懺悔の集い』が始まるのですがご一緒しませんか?」
「懺悔の集い…?」
「皆で罪を告白しあって気持ちを整理するのです」
「ありがたいお話しも聞けるのですよ」
あー、つまりあれか。病院の掲示板に時々貼られていた自助グループのミーティングみたいなやつ。
なんかハンドルネームみたいなの付けて告白しあうとかなんとか。
「そこでは誰も孤独じゃないのです」
「仲間の支えと理解を得て自身を解放するのですよ」
「あれは素晴らしい体験…きっとシャノン様も気に入りますよ」
解放!? …いやな予感がする。パスイチで。
「僕は孤独を愛する男。結構です」
「シャノン様!なんと悲しいことを…」
「そんなこと仰らないでください」
「ぜひご一緒に」
そもそも人間など、大自然やオゾン層から見たら存在そのものが害悪。その時点で懺悔など無意味!よって僕は業を背負って生きる!
「あなたたちいい加減になさい!さあシャノン様の前から消え失せるのです!」
「シャノン様をアーロンの集いに招くとは…とても正気とは思えない!」
「アーロンだと?アーロン様を呼び捨てにするな!」
「アーロン様がシャノン様をお呼びなのだ!言う通りにしろ!」
ひっ!ひぃぃっ!
これアーロンの集いか!ご指名だと…?それ絶対ロクなことにならないやつー!
ああっ!でもすごい修羅場になってしまった。これどうすればいいの…
「止めないか!」
この声は…
「シャノンが困っているだろう。さあシャノン、こちらへ」
「アレイスター様…」
恐らく、今この学院で唯一アーロンが近寄らないであろう相手、それが第二王子アレイスター。
何故なら、王家内での扱いなど庶民には関係の無いことで、彼はまごう事無き王子。いくら学院内でも、アレイスターが望まない限りアーロンから馴れ馴れしくは出来ないし、してはならない。
そもそもコンラッドはアーロンがアレイスターと親しくすることを許可しないだろう。
見聞きしたところ、コンラッドはアレイスターを別に嫌っている訳ではない。が、宮廷内のあれやこれやで、関わらないのが得策…とは思っているようだ。それはアレイスターも同じ事で、だからこそ彼らは、お互いノータッチを貫いている。
それがどういう事かと言うと…
アレイスターは僕の対アーロン防波堤になるということだ!
サササッ
「さあ行きましょうアレイスター様。お声がけ助かりました」
「ふふ、あなたのお役に立てて良かった」
アレイスターの登場は、回診行列まで解散させたようだ。もれなく全員、ため息とともに散っていく。おお!お見事っ!
その後アレイスターは二つほど展示の見学を付き合い、一日いっしょかと思いきや、「これ以上はご一緒しないほうがいいだろう」とアッサリ離れていった。
「人目を気にされましたか…」
「アレイスター殿下は本当に機微に聡いお方ですわ」
「実に惜しいことです…」
本当に。こうして僕が友人と気兼ねなく文化祭を楽しめるよう気を使うとか…気の利く人だ。彼は良い王子だ。
僕はマナー講師兼アーロン防波堤として、今後もアレイスターとは良い関係を維持しよう!とその時心に決めていた。
僕の右側にはリアム君、左側にはミーガン嬢、そして一歩後ろにアリソン君、そしてその後ろに…
「あのー…、ゾロゾロ付いてまわるの止めてもらっていいですか?」
「まあシャノン様。私たちは偶然同じ方向に向かって歩いているだけですわ」
「奇遇ですね。僕もです」
「俺もです」
「私も」
「わたくしも」
くっ!
絶対違うと思うのに、偶然と言いきられたら「ウソだっ!」とは言えないじゃないか…
こんな教授の回診みたいな行列…恥ずかしい。いつからこんなことになったんだろう…。ノベルゲーのシャノンは遠巻きにされることが多かったのに。あー!こらっ!これ以上最後尾に並ぶんじゃない!
うん?。第二研究室の前にも人だかりが出来ている。これは一体…
「人がいっぱい…何の集まり?」
「聞いてまいりますね」
フットワークの軽いリアム君が様子を見に行って戻って来る。すると人だかりの中から数人の同級生がくっついて来た。
「ちょうど良かったシャノン様。今から『懺悔の集い』が始まるのですがご一緒しませんか?」
「懺悔の集い…?」
「皆で罪を告白しあって気持ちを整理するのです」
「ありがたいお話しも聞けるのですよ」
あー、つまりあれか。病院の掲示板に時々貼られていた自助グループのミーティングみたいなやつ。
なんかハンドルネームみたいなの付けて告白しあうとかなんとか。
「そこでは誰も孤独じゃないのです」
「仲間の支えと理解を得て自身を解放するのですよ」
「あれは素晴らしい体験…きっとシャノン様も気に入りますよ」
解放!? …いやな予感がする。パスイチで。
「僕は孤独を愛する男。結構です」
「シャノン様!なんと悲しいことを…」
「そんなこと仰らないでください」
「ぜひご一緒に」
そもそも人間など、大自然やオゾン層から見たら存在そのものが害悪。その時点で懺悔など無意味!よって僕は業を背負って生きる!
「あなたたちいい加減になさい!さあシャノン様の前から消え失せるのです!」
「シャノン様をアーロンの集いに招くとは…とても正気とは思えない!」
「アーロンだと?アーロン様を呼び捨てにするな!」
「アーロン様がシャノン様をお呼びなのだ!言う通りにしろ!」
ひっ!ひぃぃっ!
これアーロンの集いか!ご指名だと…?それ絶対ロクなことにならないやつー!
ああっ!でもすごい修羅場になってしまった。これどうすればいいの…
「止めないか!」
この声は…
「シャノンが困っているだろう。さあシャノン、こちらへ」
「アレイスター様…」
恐らく、今この学院で唯一アーロンが近寄らないであろう相手、それが第二王子アレイスター。
何故なら、王家内での扱いなど庶民には関係の無いことで、彼はまごう事無き王子。いくら学院内でも、アレイスターが望まない限りアーロンから馴れ馴れしくは出来ないし、してはならない。
そもそもコンラッドはアーロンがアレイスターと親しくすることを許可しないだろう。
見聞きしたところ、コンラッドはアレイスターを別に嫌っている訳ではない。が、宮廷内のあれやこれやで、関わらないのが得策…とは思っているようだ。それはアレイスターも同じ事で、だからこそ彼らは、お互いノータッチを貫いている。
それがどういう事かと言うと…
アレイスターは僕の対アーロン防波堤になるということだ!
サササッ
「さあ行きましょうアレイスター様。お声がけ助かりました」
「ふふ、あなたのお役に立てて良かった」
アレイスターの登場は、回診行列まで解散させたようだ。もれなく全員、ため息とともに散っていく。おお!お見事っ!
その後アレイスターは二つほど展示の見学を付き合い、一日いっしょかと思いきや、「これ以上はご一緒しないほうがいいだろう」とアッサリ離れていった。
「人目を気にされましたか…」
「アレイスター殿下は本当に機微に聡いお方ですわ」
「実に惜しいことです…」
本当に。こうして僕が友人と気兼ねなく文化祭を楽しめるよう気を使うとか…気の利く人だ。彼は良い王子だ。
僕はマナー講師兼アーロン防波堤として、今後もアレイスターとは良い関係を維持しよう!とその時心に決めていた。
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