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~White Rabbit~
しおりを挟むノワールは塔の上部に辿り着いた。
そこには、円形の回廊と四方の岩壁に繋がる扉と中央には白い兎と黒い兎が向かい合う浮き彫りの両開きの扉のみが立っていた。
「此処が頂上みたいね」
ノワールはそう呟くと中央の両開きの扉の白い兎が浮き彫りされた方の扉が音を立てて開いた。
ノワールは大鎌を取り出して構えた。
扉からは大きな懐中時計を背中に背負った白い兎が二足歩行で現れた。
「なんということだ、黒のアリスがこんな所にいるとは…」
白い兎は扉から現れるなり、ノワール見て言った。
「貴方は私の何を知っているの?」
白い兎の自分のことについて何かを知っている口振りにノワールは聞いた。
「時が逸している、主の元へ急がなくては…」
だが、兎はノワールの言葉には何も答えず、四方の扉の一つから出て行った。
「ちょっと!待ちなさいよ」
ノワールは白い兎の後を追って同じ扉から出て行った。
その後、もう片方の黒い兎の浮き彫りの扉が開き、中から黒く垂れ下がった兎の耳に黒髪、ゴシック調の服装に身を包んだ少年が現れた。
「…僕の主にも困ったものだね、まさか、白兎を追いかけて行くなんて」
少年はふと床を見下げた。
「へぇ~赤が緑をどうするつもりだろうね」
少年は視線を戻した。
「さて、そんなことより、主を追いかけないと」
少年は言葉とは裏腹に急ぐ素振りを見せず、歩いてそこから出て行った。
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