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交陰遊戯―こういんゆうぎ―
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しおりを挟む「少し限界が近い。君も楽になりたいだろ?」
天宮くんは躊躇うように唇を噛みしめるも、何度か腰を突き動かし雄を撫でると悲鳴を上げて頷いた。
「君! 見つめているだけじゃあ、物足りないだろ? そろそろ余興といこうじゃないか。この紐を外し給え」
僕は天宮くんの雄に絡みつく、麻紐を指先でなぞっていく。鎌頼の視線が僕の指先を注視し、興奮の色を瞳に宿す。
「えっ……」
絶句している天宮くんに鎌頼は一瞬躊躇うも、恐恐と近づき微かに震える手で天宮くんの雄を縛っている麻紐を解いていく。
「あっ……んっ……やっ、かまらいっ」
天宮くんに名前を呼ばれ、鎌頼の肩が跳ね上がった。この暗闇でも分かるぐらい、彼の頬は上気し興奮に染まった瞳を揺らしている。
「はははっ、実に愉快だね。天宮くん。君の友達は獣のような目で君を見ているよ。彼もどうやら限界に近いらしい」
鎌頼は「そんな事は……」と言いつつも、言葉を詰まらせている。あの日、天宮くんに威勢よく問い詰めていた様子からはとても考えられない。
「助けて貰ったのだから、君も助けてあげてはどうだい?」
僕は優しく天宮くんの雄を撫でつつ問いかける。戒めから解き放たれた雄は、少量の白濁を零していた。
「すまない……天宮……」
鎌頼は耐えきれないようで、苦痛に歪んだ表情で天宮くんの枕元に立つ。急くように昂ぶった雄を取り出すと、天宮くんの口元に近づけた。
「ほら、口を開け給え」
僕は腰を再び動かし促すと、天宮くんが恐る恐る口を開く。
「いつものように、やればいいんだよ」
日頃から天宮くんとこういった遊戯をしているのだと、鎌頼に分からせる為に僕はわざとらしく天宮くんに訴えかける。
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