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しおりを挟む「別に悪いとは言ってない。ただ、店に行くのは辞めてもらいたいだけだ」
「行ってな――んっ……」
否定しようとするも、春馬が胸に舌を這わせた事でそがれてしまう。加えて服の上からのもどかしい刺激が、直接触られたことで強烈な快感へと変わる。
「そんなに溜まっていたのか? もうイきそうなぐらいに濡れているじゃないか」
首を横に振って否定するも、一度達していたそこは春馬の手淫に激しく反応を示す。
「や、いやですっ……やめてください――」
卑猥な音と、自分の嬌声に睦紀は泣きそうになる。強い刺激に逃れようと藻掻くも、春馬に押さえ込まれそれも出来ない。
「あんまり騒ぐと、父さんに気づかれる」
その一言にはっとして、睦紀は奥歯を噛む。確かにドアの前を通られでもしたら、俊政が異変に気づいて入ってくるかもしれなかった。
「……春馬さん」
どうしてこんなことをするのか分からず、胸が苦しくなる。春馬がこんな形で自分に牙を向けるとは思ってもみなかった。
抵抗が緩んだところで、春馬が再び唇を重ねてくる。優しく唇を吸われながら、春馬の指が後孔を撫でた。あっ、と思ったときにはグッと押し込まれてしまう。
「……こっちまで遊んでいるのか」
すんなり飲み込んだことにさすがに驚いたのか、春馬が目を見開いている。
羞恥に全身が震えた。自分で弄っていると言うべきなのか、悩んでいるうちに春馬の表情が僅かに曇る。
「まさか……男との経験でもあるのか?」
「な、ないです……」
慌てて首を横に振る。信じたのか春馬はそうか、と言って息を吐く。
「それにしても中が濡れている。プレイにそいうのがあると聞くが――」
少し戸惑う声音に、睦紀は「……自分で」と呟く。さすがにこれ以上の誤解はご免だった。
「自分で……やってるんです」
恥ずかしさに涙が零れ出す。あまりの屈辱感だった。普通の自慰ならまだしも、自分は後ろを弄って快感を得ているのだ。きっと、春馬は軽蔑するに違いない。
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