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第五章「計画」
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しおりを挟む無抵抗な僕に散々なことをしてくれたお返しに、子供みたいに手に付いた水を神近くんに振って、怯んだ隙に部屋に逃げ込んだ。
「水浸しじゃないですか! やることなすこと子供みたいですね!」
嫌味たらたらな声を聞きつつ、僕は意表返しが出来たことをほくそ笑む。
しばらくすると神近くんは戻ってくるなり、しかめっ面で僕を見下ろした。
「な、何? 神近くんだって嫌がらせしてきたじゃん」
神近くんが怯んでいる僕の手を取るなり、引きづるようにしてベッドに移動させられる。
「物足りないんじゃないですか? 中途半端は嫌いですよね」
悪戯ぽい表情に変わった神近くんに、僕は恐怖よりも羞恥で頬が熱くなる。否定も肯定もできずに俯いていると、神近くんがベッドに手をついて距離を詰めた。
「黙っているってことは、そういうことなんですよね」
「ち、違う!」
慌てて否定の言葉を吐き出すも、神近くんは胡散臭そうな笑みを浮かべるだけだった。
「じゃあ、したくないんですか?」
「したくないわけじゃないけど……」
まだ引き切らない熱を持て余していた僕は、期待に疼いてしまう感情に収拾が付けられずにいた。僕だって思春期真っ盛りの高校生男子だし、性的な事に関して嫌いなわけじゃない。
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