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第4章 Search for Grandpa
●第46話 Set the Leak Device
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(何なのよこの展開、まるでアイツのパートみたいじゃないの……)
↑あ、これはなんか「立場上」前のエピソードには書きづらいから代わりに書いとけっていわれたやつ。なんのこと?
まあいいや、そのアイツでーす。
俺はその後、愛機、じゃないや、相棒バウザスを駆ってとある場所 ――じいさんがいそうな場所――に向かって出発した。デウザとあのロ……メッツレツも、あの竃を持ってついてきた。どうやってそんなものを運んでついて来たかは、超絶すごいテクノロ……魔法を使ったとだけ言っておこう。あのへびひめあたまは、「あたしは留守番しとくよー」などと言って来やがらなかった。本当に姫気取りか?
さて、その場所についた。といっても、俺は立場上、中心部に近づくことはできない。近くの森の中にいる。
「この辺からなら、町全体をカバーできるな」とデウザ。あ、なーんだじゃあよかった。
「だが、問題がある」……なんだよ。
「技術的な問題その2だ」……だからなんだよ。
「リークデバイスは、探査範囲の周囲を囲むように、3か所設置しなければならない。しかもそれらはすべて等距離、正三角形になるようにしなければならない」
「ええー、面倒だな。ていうか地図もないし、そんな正確に設置できるのか?」と言ったら、
「なんだよ、お前なら知っていると思ったのに」知らんがな。
「とりあえず、1か所目はテキトーでいいんじゃないか?」と言ったら、
「とはいえ、残り2か所を置く上で制約となる。残りをあからさまに開けた地に置くわけにもいかないだろう」
「じゃあどうするんだ……」
もう日はとっくに沈んでいた。場所選ぶの無理じゃないかーと思い始めたとき、上からなんか羽ばたく音がした。ドラゴンか?
降りてきたのは、バウザスより一回り大きい、緑色のドラゴンだった。
「よぉ、久しぶりだな」
乗っていたのは……、
「あ! 地下牢にいた時に同室だった囚人番号60のひと!」
「その呼称はよせ、俺はもう恩赦で釈放されたんだ、俺の名はセディム。よろしくな。……そいつらは?」
「俺ら、ちょっと人を探してんだ。ていうか、セディムは何してんだ、ここらでドラゴンなんか乗り回してたら、また捕まるんじゃないか?」
「何いってんだ、お前だって乗り回してるじゃんか」
と、セディムはバウザスを指した。
するとバウザス、セディムの緑ドラゴンに吠えまくるじゃないか。自分より大きくて目立つやつが出てきたので危機感を抱いたのか?
「おいおい、喧嘩はよせ」セディムは続けた。「俺はな、釈放された恩を仇で返そうと思っている。大体、魔物と一緒にいるだけで捕まるなんて不条理じゃないか。同じ罪でまだ仲間がいっぱい捕まっているのを見過ごすわけにもいかない」
セディムとともに魔物に助けられた罪で捕まった囚人番号61氏は、まだ牢獄にいるだろう。
「だから、なんとか助け出す方法がないかって探しるんだ」
「どうやって?」
「このへんの目立たないところから、地下牢に向かって穴を掘ろうと思う」
なんという渡りに船。
「お、それなら彼が掘ってくれるのを待てばいいじゃん、こんなん設置せんで」と、俺がデウザに言ってみると、
「で、掘ってみたらいませんでした、ではマズイだろう。俺たち俺たちで、まずマージの存在を確認しなければ」
そうかいな。
「何の話だ?」とセディムが言うと、
「実は、俺たちも人を探している……まだ確信はないが、ここの牢獄にいるんじゃないかと」
セディムは後ろを覗いて、
「……その変な竃みたいなのは?」
「ようわからんが、これで人探しができるらしい……ただ、これを3か所、目立たないところに設置しないといけない」
「おお、それなら、おすすめの場所があるぞ」
といって、セディムは地図を取り出してきた。町とその周囲が詳細に描かれている。
「……ここの大きい杉の木があるところ、……こっちの古井戸、……この葦の生えている沼、これで正三角形になるんじゃないか?」
「お、ほんとだ! ありがとよ!」
というと、セディムは再び緑ドラゴンに乗って、
「おまえらも、頑張れよ!」
といって飛び立った。……バウザスはまた威嚇するような声を上げた。大人しくしろ。
俺たちは、その3点のうち、大きい杉の木のあるポイントまで、その竃、じゃなくてリークデバイスを運んでいった。
「メッツレツ、設定作業をしてくれ」とデウザが言うと、例のロが、竃に向かって細い線のようなものを挿して、なんかピーピコピーピコ言っている。
しばらくして、
「リークデバイスノ、セッテイガ、カンリョウシマシタ」
そうですか。世界観クラッシャー君。
というか、あの緑ドラゴン、どっかで見た気がするな。うん、絶対に気のせいだ。
↑あ、これはなんか「立場上」前のエピソードには書きづらいから代わりに書いとけっていわれたやつ。なんのこと?
まあいいや、そのアイツでーす。
俺はその後、愛機、じゃないや、相棒バウザスを駆ってとある場所 ――じいさんがいそうな場所――に向かって出発した。デウザとあのロ……メッツレツも、あの竃を持ってついてきた。どうやってそんなものを運んでついて来たかは、超絶すごいテクノロ……魔法を使ったとだけ言っておこう。あのへびひめあたまは、「あたしは留守番しとくよー」などと言って来やがらなかった。本当に姫気取りか?
さて、その場所についた。といっても、俺は立場上、中心部に近づくことはできない。近くの森の中にいる。
「この辺からなら、町全体をカバーできるな」とデウザ。あ、なーんだじゃあよかった。
「だが、問題がある」……なんだよ。
「技術的な問題その2だ」……だからなんだよ。
「リークデバイスは、探査範囲の周囲を囲むように、3か所設置しなければならない。しかもそれらはすべて等距離、正三角形になるようにしなければならない」
「ええー、面倒だな。ていうか地図もないし、そんな正確に設置できるのか?」と言ったら、
「なんだよ、お前なら知っていると思ったのに」知らんがな。
「とりあえず、1か所目はテキトーでいいんじゃないか?」と言ったら、
「とはいえ、残り2か所を置く上で制約となる。残りをあからさまに開けた地に置くわけにもいかないだろう」
「じゃあどうするんだ……」
もう日はとっくに沈んでいた。場所選ぶの無理じゃないかーと思い始めたとき、上からなんか羽ばたく音がした。ドラゴンか?
降りてきたのは、バウザスより一回り大きい、緑色のドラゴンだった。
「よぉ、久しぶりだな」
乗っていたのは……、
「あ! 地下牢にいた時に同室だった囚人番号60のひと!」
「その呼称はよせ、俺はもう恩赦で釈放されたんだ、俺の名はセディム。よろしくな。……そいつらは?」
「俺ら、ちょっと人を探してんだ。ていうか、セディムは何してんだ、ここらでドラゴンなんか乗り回してたら、また捕まるんじゃないか?」
「何いってんだ、お前だって乗り回してるじゃんか」
と、セディムはバウザスを指した。
するとバウザス、セディムの緑ドラゴンに吠えまくるじゃないか。自分より大きくて目立つやつが出てきたので危機感を抱いたのか?
「おいおい、喧嘩はよせ」セディムは続けた。「俺はな、釈放された恩を仇で返そうと思っている。大体、魔物と一緒にいるだけで捕まるなんて不条理じゃないか。同じ罪でまだ仲間がいっぱい捕まっているのを見過ごすわけにもいかない」
セディムとともに魔物に助けられた罪で捕まった囚人番号61氏は、まだ牢獄にいるだろう。
「だから、なんとか助け出す方法がないかって探しるんだ」
「どうやって?」
「このへんの目立たないところから、地下牢に向かって穴を掘ろうと思う」
なんという渡りに船。
「お、それなら彼が掘ってくれるのを待てばいいじゃん、こんなん設置せんで」と、俺がデウザに言ってみると、
「で、掘ってみたらいませんでした、ではマズイだろう。俺たち俺たちで、まずマージの存在を確認しなければ」
そうかいな。
「何の話だ?」とセディムが言うと、
「実は、俺たちも人を探している……まだ確信はないが、ここの牢獄にいるんじゃないかと」
セディムは後ろを覗いて、
「……その変な竃みたいなのは?」
「ようわからんが、これで人探しができるらしい……ただ、これを3か所、目立たないところに設置しないといけない」
「おお、それなら、おすすめの場所があるぞ」
といって、セディムは地図を取り出してきた。町とその周囲が詳細に描かれている。
「……ここの大きい杉の木があるところ、……こっちの古井戸、……この葦の生えている沼、これで正三角形になるんじゃないか?」
「お、ほんとだ! ありがとよ!」
というと、セディムは再び緑ドラゴンに乗って、
「おまえらも、頑張れよ!」
といって飛び立った。……バウザスはまた威嚇するような声を上げた。大人しくしろ。
俺たちは、その3点のうち、大きい杉の木のあるポイントまで、その竃、じゃなくてリークデバイスを運んでいった。
「メッツレツ、設定作業をしてくれ」とデウザが言うと、例のロが、竃に向かって細い線のようなものを挿して、なんかピーピコピーピコ言っている。
しばらくして、
「リークデバイスノ、セッテイガ、カンリョウシマシタ」
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