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ちょっと行ってくるね
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「サイラス!
なんか呼ばれたから、ちょっと行ってくるね~
…こっちはもう大丈夫でしょ?」
「ん?まあ、こっちはもう抑えたから問題ないが…誰に呼ばれて、どこに行くんだ?」
「王都!セインさんが呼んでる!」
「・・・は?!」
「じゃぁ、こっちはよろしく~」
シアは素早く移転陣を展開すると、すーっとサイラス達の目の前から姿を消した。
____________その数時間前のサハラでは・・
敵の殲滅に勤しんでいた。
草原地帯まで、なんなくたどり着いたシアとゲイルは、魔獣を使役している魔術師達を片っ端から捕まえていった。そして、魔力を吸い取る魔道具を嵌めさせゲイルが土魔法で檻を作り閉じ込めていく。
魔獣さえ抑えれば、戦力はサハラのほうが上になるため勝負はみえていた。
シアは草原をゲイルに任せ、国境結界の修復へ向かったサイラス達の様子を見に行く。
しかし、国境に近づくにつれ煙が立ち上り、どう考えても修復している雰囲気では無かった。
"なんだか胸騒ぎがする・・"と、感じたシアは急いで駆けつけた。
案の定、そこは魔獣と傭兵で溢れかえっていた。
よく、この人数でここまで守り切ったな!と感服するほどである。
サイラスによる魔法で、一定の位置からこちらへ入り込まれないように広範囲のシールドが展開されていた。
そして、エリックは国境警備隊と共に攻撃をしかけており、現時点ではロナウドが一人で修復を行っているため全く捗っていなかった。
「サイラス!ここは私が!二人は修復にいって!」
シアの呼びかけにサイラスとエリックがすぐに答えた。エリックは攻撃を止め、急ぎ修復へと向かった。
そして、シアはサイラスの広範囲のシールドに、被せるようにして自身のシールドを展開させていく。
見たところ簡単にやってのけるシアにサイラスは「ほぅ・・」と溜息をこぼした。
"相手の魔力に被せる"という行為は、魔力同士の反発や抵抗が出てしまうため熟練の魔術師でさえ安易に行える技ではない。それを易々とやってのけるシアに、サイラスは益々興味を引かれた。
シアのシールドが展開されたのを確認した後、サイラスは自分の施したシールドを解除し直ぐさま修復に向かった。
サイラスを見送った後、シアは大きく背伸びをし久しぶりの自分の魔力に意識を集中させた。
しっかりと体内に循環させて・・。
体中に行き渡ったことをしっかりと感じとり、シアは施したシールドに手を加え始める。
国境警備隊には攻撃を止めるように指示をだし、少し後ろで待機するよう伝える。
そして、国境に対し半円を描くように張り巡らせたシールドを、そのまま相手を取り囲むように展開させた。
しかもそのシールドに雷魔法を纏わせて・・
その為、シールドに少しでも触れれば、全身を貫く程の激痛がはしり酷ければ気絶するだろう。
バチバチッ・・っと音がして光る半透明の膜がゆっくりと自分たちに近づいてこれば、人は自然と後退していくものだ。
突っ込んでいったブラッディベアが煙を上げながら倒れれば・・尚更のことだった。
最終形態として、綺麗な円形になったシールドはそのまま雷魔法で檻と化した。
侵攻されてから、休む暇もなく戦い続けていたサハラの兵士や冒険者達は一様に安堵の声をあげその場に座り込んだ。
しかし、まだ安心できる状況では無いため、シアは兵士達に回復魔法を施した。
「エリアヒール」
シアの澄んだ声と共に、座り込んだ兵士達の上からキラキラとした光が降り注いだ。
それはもちろん、結界の修復をしていたサイラス達のもとへも、少し離れたゲイル達のもとへも降り注ぐ。
そして、修復を終えたサイラス達と合流し、マシュラン兵の対応を話し合っている最中に・・
冒頭の会話へと続く。
なんか呼ばれたから、ちょっと行ってくるね~
…こっちはもう大丈夫でしょ?」
「ん?まあ、こっちはもう抑えたから問題ないが…誰に呼ばれて、どこに行くんだ?」
「王都!セインさんが呼んでる!」
「・・・は?!」
「じゃぁ、こっちはよろしく~」
シアは素早く移転陣を展開すると、すーっとサイラス達の目の前から姿を消した。
____________その数時間前のサハラでは・・
敵の殲滅に勤しんでいた。
草原地帯まで、なんなくたどり着いたシアとゲイルは、魔獣を使役している魔術師達を片っ端から捕まえていった。そして、魔力を吸い取る魔道具を嵌めさせゲイルが土魔法で檻を作り閉じ込めていく。
魔獣さえ抑えれば、戦力はサハラのほうが上になるため勝負はみえていた。
シアは草原をゲイルに任せ、国境結界の修復へ向かったサイラス達の様子を見に行く。
しかし、国境に近づくにつれ煙が立ち上り、どう考えても修復している雰囲気では無かった。
"なんだか胸騒ぎがする・・"と、感じたシアは急いで駆けつけた。
案の定、そこは魔獣と傭兵で溢れかえっていた。
よく、この人数でここまで守り切ったな!と感服するほどである。
サイラスによる魔法で、一定の位置からこちらへ入り込まれないように広範囲のシールドが展開されていた。
そして、エリックは国境警備隊と共に攻撃をしかけており、現時点ではロナウドが一人で修復を行っているため全く捗っていなかった。
「サイラス!ここは私が!二人は修復にいって!」
シアの呼びかけにサイラスとエリックがすぐに答えた。エリックは攻撃を止め、急ぎ修復へと向かった。
そして、シアはサイラスの広範囲のシールドに、被せるようにして自身のシールドを展開させていく。
見たところ簡単にやってのけるシアにサイラスは「ほぅ・・」と溜息をこぼした。
"相手の魔力に被せる"という行為は、魔力同士の反発や抵抗が出てしまうため熟練の魔術師でさえ安易に行える技ではない。それを易々とやってのけるシアに、サイラスは益々興味を引かれた。
シアのシールドが展開されたのを確認した後、サイラスは自分の施したシールドを解除し直ぐさま修復に向かった。
サイラスを見送った後、シアは大きく背伸びをし久しぶりの自分の魔力に意識を集中させた。
しっかりと体内に循環させて・・。
体中に行き渡ったことをしっかりと感じとり、シアは施したシールドに手を加え始める。
国境警備隊には攻撃を止めるように指示をだし、少し後ろで待機するよう伝える。
そして、国境に対し半円を描くように張り巡らせたシールドを、そのまま相手を取り囲むように展開させた。
しかもそのシールドに雷魔法を纏わせて・・
その為、シールドに少しでも触れれば、全身を貫く程の激痛がはしり酷ければ気絶するだろう。
バチバチッ・・っと音がして光る半透明の膜がゆっくりと自分たちに近づいてこれば、人は自然と後退していくものだ。
突っ込んでいったブラッディベアが煙を上げながら倒れれば・・尚更のことだった。
最終形態として、綺麗な円形になったシールドはそのまま雷魔法で檻と化した。
侵攻されてから、休む暇もなく戦い続けていたサハラの兵士や冒険者達は一様に安堵の声をあげその場に座り込んだ。
しかし、まだ安心できる状況では無いため、シアは兵士達に回復魔法を施した。
「エリアヒール」
シアの澄んだ声と共に、座り込んだ兵士達の上からキラキラとした光が降り注いだ。
それはもちろん、結界の修復をしていたサイラス達のもとへも、少し離れたゲイル達のもとへも降り注ぐ。
そして、修復を終えたサイラス達と合流し、マシュラン兵の対応を話し合っている最中に・・
冒頭の会話へと続く。
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