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王都戦闘準備
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サイラス達は、無事に領主館へ到着し現状把握に努めていた。
領主はサイラス達の予定より早い到着に感謝しつつも、あまりにも少ない人数に動揺を隠せずにいた。
「サイラス様、この度のご支援には大変感謝いたしますが…
当初の把握より魔獣の数が格段に増えておりまして、恐らくこの人数では全く太刀打ちできないでしょう。この中心部にも、すでに魔獣が攻めてきております…」
「いや、諦めるのはまだ早いだろう!先程、爆発音のする中心部に向かわせた二人は腕が立つ。今頃、鎮圧しているさ。
それに、我々も国境結界の修復が終わり次第すぐ参戦する!だから、せめてその間だけでもサハラを持たせろ!」
サイラスと領主との話し合いが進む中、通信魔道具にゲイルからの呼びかけがある!との報告がきた。
「____ゲイルです。サハラ中心部を襲撃していた魔獣、ゴブリンをはじめオークにジャイアントボア、そしてファイアリザード10体の群れは殲滅完了致しました。
ただ、魔獣の動きが従来とは異なっており近くに魔術師が潜伏している可能性があります」
「___サイラスだ。了解した。魔術師はこちらで探ってみよう。お前たちは、このまま草原地帯に向かってくれ!我々は、移転にて国境までとぶ予定だ。終わり次第、合流する」
「___はい!わかりました。「ねぇ~、ちょい代わって~」え?あ、シア!お前どこ行ってたんだよー…
(ガヤガヤガヤ…)
あ!サイラス?
あのね、こっち側にきてた魔術師は捕まえておいたよ。
でね、やっぱり狙いは王都みたい。サハラ壊滅を合図に王都組が動く予定らしいよ。
何人か使役した魔獣連れてってるみたいでね、王宮には特別な魔獣を用意したから皆んな死ぬ!って言ってた。だから、いちをどの魔獣か聞いてみたけど誰も教えてくれなかったの~
…見たけど何も知らなかったの、残念。
魔術師はこっちにいる人に渡しておいたから~!
…ゲイル!!!報告終わり~」
____プツン。
「え?…え、おい!シア!まて、勝手に切るなーーーっ!」
サイラスの呼びかけに応じることなく、要件を伝えるだけ伝えたシアは勝手に通信を終わらせた。
領主館にはサイラスをはじめ、一緒に来ていた魔術師達の大きな溜息が吐かれていた。
そして、すぐさま王都へ状況を報告し、サイラス達も国境結界の修復へと向かった。
一方その頃、サイラスから連絡を受けた王都では警備体制が更に強化されていた。
王都側としては、もう少しサハラでの討伐や状況の詳細を知りたがっていたが、報告をあげてきた人物がゲイルとシアだと告げると誰しも諦めたように口をつぐんだ。
実は、ゲイルに関しても"報告が簡潔過ぎる魔術師"として有名であった。二人とも伝える内容が簡潔すぎて会話が成り立たないタイプだった。
「でも、シア王子なかなか頑張ってるみたいですね」
「そうだな!魔獣倒しまくってるんだろ?」
「そうそう!でも、こんな時こそシアのかもし出すあの、のほほ~んとした口調を聞きたかったぜ!」
「あ!それなんとなく分かる!」
「俺も聞きたかった!」
俺も!俺も!・・・と、一部の騎士達の中で、通信用魔道具からシアの声が聞こえなかったことを残念がる声が上がっていた。
もちろん、ギルバートもその一人であり、騎士達の話しを聞いて一人小声で「あぁ。俺もだ」と呟いていたほどだ。
「団長!報告いたします!
王都、西門付近でマシュランの兵と思われる魔術師を発見。現在、見張りをつけております。ご指示を!」
「人数は?」
「確認出来たもので5名です」
「わかった。獣人騎士団に告ぐ!
私と第二部隊で西門へ行く!残りは予定通りだ!」
「「「「 応!!! 」」」」
「セイン、こちらは頼んだ。」
「任せろ!でも、西門に5名なら他の門にもそのくらい配置させてるだろうな~」
「あぁ。間違いなくな…
恐らく、王宮に近い北門は多いかもしれないな。いったい、王都でどんな魔獣を放つつもりなのだ…」
ギルバートは王宮警備をセインに任せ、目撃があった西門へと向かった。
領主はサイラス達の予定より早い到着に感謝しつつも、あまりにも少ない人数に動揺を隠せずにいた。
「サイラス様、この度のご支援には大変感謝いたしますが…
当初の把握より魔獣の数が格段に増えておりまして、恐らくこの人数では全く太刀打ちできないでしょう。この中心部にも、すでに魔獣が攻めてきております…」
「いや、諦めるのはまだ早いだろう!先程、爆発音のする中心部に向かわせた二人は腕が立つ。今頃、鎮圧しているさ。
それに、我々も国境結界の修復が終わり次第すぐ参戦する!だから、せめてその間だけでもサハラを持たせろ!」
サイラスと領主との話し合いが進む中、通信魔道具にゲイルからの呼びかけがある!との報告がきた。
「____ゲイルです。サハラ中心部を襲撃していた魔獣、ゴブリンをはじめオークにジャイアントボア、そしてファイアリザード10体の群れは殲滅完了致しました。
ただ、魔獣の動きが従来とは異なっており近くに魔術師が潜伏している可能性があります」
「___サイラスだ。了解した。魔術師はこちらで探ってみよう。お前たちは、このまま草原地帯に向かってくれ!我々は、移転にて国境までとぶ予定だ。終わり次第、合流する」
「___はい!わかりました。「ねぇ~、ちょい代わって~」え?あ、シア!お前どこ行ってたんだよー…
(ガヤガヤガヤ…)
あ!サイラス?
あのね、こっち側にきてた魔術師は捕まえておいたよ。
でね、やっぱり狙いは王都みたい。サハラ壊滅を合図に王都組が動く予定らしいよ。
何人か使役した魔獣連れてってるみたいでね、王宮には特別な魔獣を用意したから皆んな死ぬ!って言ってた。だから、いちをどの魔獣か聞いてみたけど誰も教えてくれなかったの~
…見たけど何も知らなかったの、残念。
魔術師はこっちにいる人に渡しておいたから~!
…ゲイル!!!報告終わり~」
____プツン。
「え?…え、おい!シア!まて、勝手に切るなーーーっ!」
サイラスの呼びかけに応じることなく、要件を伝えるだけ伝えたシアは勝手に通信を終わらせた。
領主館にはサイラスをはじめ、一緒に来ていた魔術師達の大きな溜息が吐かれていた。
そして、すぐさま王都へ状況を報告し、サイラス達も国境結界の修復へと向かった。
一方その頃、サイラスから連絡を受けた王都では警備体制が更に強化されていた。
王都側としては、もう少しサハラでの討伐や状況の詳細を知りたがっていたが、報告をあげてきた人物がゲイルとシアだと告げると誰しも諦めたように口をつぐんだ。
実は、ゲイルに関しても"報告が簡潔過ぎる魔術師"として有名であった。二人とも伝える内容が簡潔すぎて会話が成り立たないタイプだった。
「でも、シア王子なかなか頑張ってるみたいですね」
「そうだな!魔獣倒しまくってるんだろ?」
「そうそう!でも、こんな時こそシアのかもし出すあの、のほほ~んとした口調を聞きたかったぜ!」
「あ!それなんとなく分かる!」
「俺も聞きたかった!」
俺も!俺も!・・・と、一部の騎士達の中で、通信用魔道具からシアの声が聞こえなかったことを残念がる声が上がっていた。
もちろん、ギルバートもその一人であり、騎士達の話しを聞いて一人小声で「あぁ。俺もだ」と呟いていたほどだ。
「団長!報告いたします!
王都、西門付近でマシュランの兵と思われる魔術師を発見。現在、見張りをつけております。ご指示を!」
「人数は?」
「確認出来たもので5名です」
「わかった。獣人騎士団に告ぐ!
私と第二部隊で西門へ行く!残りは予定通りだ!」
「「「「 応!!! 」」」」
「セイン、こちらは頼んだ。」
「任せろ!でも、西門に5名なら他の門にもそのくらい配置させてるだろうな~」
「あぁ。間違いなくな…
恐らく、王宮に近い北門は多いかもしれないな。いったい、王都でどんな魔獣を放つつもりなのだ…」
ギルバートは王宮警備をセインに任せ、目撃があった西門へと向かった。
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