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34.結婚式
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夜会を終え、しばらくはそれはそれは平穏に過ごせた。
夜会で知り合った、サフィーナの友人達やセルジオの婚約者のライラ様とのお茶会や海岸沿いの散歩など、アリスティアは久々に思い悩む事なく、楽しい日々を過ごしていた。
そして、いよいよ明日はセルジオとライラ様の結婚式だ。
と、なると…
もちろん親族である、隣国のトラネスタ公爵家も出席となる。
「あ~、明日はとっても楽しみだけど…
お兄様と会うのが憂鬱だわ…」
アリスティアの本音が漏れた。
「アレク兄様…怒ると恐いものね…」
従姉妹である、セルジオもサフィーナも今まで散々兄貴分になるアレクシスに怒られてきた。
歳が近い三人からすると、アレクシスはいつも尊敬できるかっこいいヒーロー的存在ではあるが…
なに分、アレクシスが完璧すぎてついていけない。だから必然的に、セルジオとサフィーナにとっては鑑賞対象となると同時に母親よりも恐い存在となった。
そして、良く知っているからこそ、彼が怒ったらどうなるかは安易に想像ができた。
「まぁ、でも今回は仕方がないさ。
ティアだって、休息が必要だったんだよ!」
それに、今回は俺の結婚式だしな!とセルジオがフォローに入る。
「そうよね!とりあえず、明日を楽しみましょう!
さぁ!セルジオはもう寝なくちゃね!
私とティアは今からパックよ~!!!」
「え!?主役である新郎の俺にもパックしてよ!」
「「えっ!?」」
「クスクス!
じゃぁ、三人でしましょうか!」
そして、三人は楽しく笑いながら明日に備え準備を行った。
◇ ◆ ◇
セルジオとライラ結婚式当日❤︎
今朝は、晴天に恵まれたとても心地の良い日だった。
新郎であるセルジオは、すぐさま準備に入る。その為、サフィーナとアリスティアでセルジオの代わりに、届き続けるお祝いの品の確認とお礼の手配に勤しんでいた。
そこへ、トラネスタ公爵家が到着したとの連絡がくる。
アリスティアは、ふぅ…っと、ため息を吐くとサフィーナと目を合わせ苦笑いしながらも、両親の元へ向かった。
「ティア!サフィ!
まぁまぁ!二人とも何て綺麗なの!!!」
「叔母さま!ありがとうございます!
そして、トラネスタ公爵家の皆様!
遠いところ、足を運んで頂きありがとうございます!
叔母さま!このドレスはティアとお揃いで準備しましたのよ!まるで双子みたいでしょっ!?」
久しぶりの再会に、可愛らしい声で叔母にあたるエリザベスと公爵家の皆に挨拶をするサフィーナ。
「お母様、お父様、お兄様。
お久しぶりです。長旅お疲れ様でした!」
「やぁ、ティア!元気そうで安心したよ。よく休めたかい?」
「えぇ、本当に!顔色が良くなって安心したわ!
サフィとセルジオの元で楽しく暮らせたようね!」
「ティア…ここにいたのか」
それに続く様にして、アリスティアも両親と兄のアレクシスに向けて挨拶をする。
父と母からは、アリスティアの元気な姿に安堵した声が上がり、兄のアレクシスは驚きつつも、アストロ公爵家にいた事にどこか納得した様子だった。
そして、イケメンの完璧な兄はどんなに驚いても決してお礼を忘れない。
「サフィ、久しぶりだな。ますます綺麗になったんじゃないか?
カルロスと仲がいいようで安心したよ。
アリスティアが世話になったな。ありがとう!」
サフィーナに向けて妹が世話になった!と、お礼を述べた紳士アレクシス。
親族にだけ見せる、その蕩けるような王子様スマイルには従姉妹で散々見慣れているサフィーナでも、いまだに頬を紅く染めることになった。
夜会で知り合った、サフィーナの友人達やセルジオの婚約者のライラ様とのお茶会や海岸沿いの散歩など、アリスティアは久々に思い悩む事なく、楽しい日々を過ごしていた。
そして、いよいよ明日はセルジオとライラ様の結婚式だ。
と、なると…
もちろん親族である、隣国のトラネスタ公爵家も出席となる。
「あ~、明日はとっても楽しみだけど…
お兄様と会うのが憂鬱だわ…」
アリスティアの本音が漏れた。
「アレク兄様…怒ると恐いものね…」
従姉妹である、セルジオもサフィーナも今まで散々兄貴分になるアレクシスに怒られてきた。
歳が近い三人からすると、アレクシスはいつも尊敬できるかっこいいヒーロー的存在ではあるが…
なに分、アレクシスが完璧すぎてついていけない。だから必然的に、セルジオとサフィーナにとっては鑑賞対象となると同時に母親よりも恐い存在となった。
そして、良く知っているからこそ、彼が怒ったらどうなるかは安易に想像ができた。
「まぁ、でも今回は仕方がないさ。
ティアだって、休息が必要だったんだよ!」
それに、今回は俺の結婚式だしな!とセルジオがフォローに入る。
「そうよね!とりあえず、明日を楽しみましょう!
さぁ!セルジオはもう寝なくちゃね!
私とティアは今からパックよ~!!!」
「え!?主役である新郎の俺にもパックしてよ!」
「「えっ!?」」
「クスクス!
じゃぁ、三人でしましょうか!」
そして、三人は楽しく笑いながら明日に備え準備を行った。
◇ ◆ ◇
セルジオとライラ結婚式当日❤︎
今朝は、晴天に恵まれたとても心地の良い日だった。
新郎であるセルジオは、すぐさま準備に入る。その為、サフィーナとアリスティアでセルジオの代わりに、届き続けるお祝いの品の確認とお礼の手配に勤しんでいた。
そこへ、トラネスタ公爵家が到着したとの連絡がくる。
アリスティアは、ふぅ…っと、ため息を吐くとサフィーナと目を合わせ苦笑いしながらも、両親の元へ向かった。
「ティア!サフィ!
まぁまぁ!二人とも何て綺麗なの!!!」
「叔母さま!ありがとうございます!
そして、トラネスタ公爵家の皆様!
遠いところ、足を運んで頂きありがとうございます!
叔母さま!このドレスはティアとお揃いで準備しましたのよ!まるで双子みたいでしょっ!?」
久しぶりの再会に、可愛らしい声で叔母にあたるエリザベスと公爵家の皆に挨拶をするサフィーナ。
「お母様、お父様、お兄様。
お久しぶりです。長旅お疲れ様でした!」
「やぁ、ティア!元気そうで安心したよ。よく休めたかい?」
「えぇ、本当に!顔色が良くなって安心したわ!
サフィとセルジオの元で楽しく暮らせたようね!」
「ティア…ここにいたのか」
それに続く様にして、アリスティアも両親と兄のアレクシスに向けて挨拶をする。
父と母からは、アリスティアの元気な姿に安堵した声が上がり、兄のアレクシスは驚きつつも、アストロ公爵家にいた事にどこか納得した様子だった。
そして、イケメンの完璧な兄はどんなに驚いても決してお礼を忘れない。
「サフィ、久しぶりだな。ますます綺麗になったんじゃないか?
カルロスと仲がいいようで安心したよ。
アリスティアが世話になったな。ありがとう!」
サフィーナに向けて妹が世話になった!と、お礼を述べた紳士アレクシス。
親族にだけ見せる、その蕩けるような王子様スマイルには従姉妹で散々見慣れているサフィーナでも、いまだに頬を紅く染めることになった。
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